このごろは湾内の魚ではイワシ(画像はウルメイワシ)が安くおいしいですね。
よく水族館でオットセイが、芸をしたあと、飼育員さんの腰に下げた袋からイワシをもらって丸ごとパクリと食べますが、あれ、めちゃくちゃおいしそうですね。一度、あんなふうに食べてみたい。あれが最も食欲をそそるイワシの食べ方ではないかと私はまじめに思っております。
でも、もしお客様に、
「さあ、口あけてください! 」
と言って、ポイと口の中へイワシを投げ込んだら、きっと警察沙汰になることでしょう。ブタ箱にぶち込まれるかもしれません。ですので、当店ではイワシを調理して提供しております。
イワシはなんと言っても手開きができるので便利ですね。コツさえつかめば包丁なしで簡単にお刺身の柵取りもできます。とくに、この時期の大葉イワシは、脂がのっておりますので刺身はおすすめ。わざわざ高価なマグロのトロを買うまでもなく、安価なイワシで同等のこってり感が味わえます。
刻みショウガと梅干しとさっぱりと煮つけてもおいしいですね。15分ほど圧力鍋を使えば、骨ごと食べられるようになります。煮魚は、むしろ翌日くらいのほうが味がなじんで、しっかりと臭みもぬけておいしいですね。
フライももちろんおししい。当店のタルタルソースは刻みタマネギ、ピクルス(自家製)をマヨネーズに混ぜ込んで作っております。画像はおまかせプレート1000円。ランチタイムにはスープ付き。まあ、奥様なんてお得なのかしら! 安い! 安いわ! 安すぎておかしくなりそう! ぼうやたすけて! ぼくも大満足! やったぜパパ、あしたはホームランだ!
そして、特注のお弁当も承っております。まあ、奥様、気がきくわね! 気がききすぎて立ちくらみがしてきたわ! ぼうやたすけて! ぼくも大満足! カタコト屋はお弁当のホームラン王です! ♪でんわは~4597(シゴクナ)! 544597(ゴシシゴクナ)へ今すぐ!
2022.02.28
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「まあ、なんてきれいなんでしょう! 」
と、洗い桶にできた渦を見つめ、ひとりごとを言うくらい暇な夜が続いております。大6波と呼ばれる今回が一番、夜の町が静かになったような気がしますね。県からの時短要請もなく、なんの保障もありませんが、早い時間に閉店したり休業しているところも多いようですね。無理もありません。誰も来ない中、店を開けるという事は、なかなか心の折れる仕事です。
かくいう私も、
「だいじょぶ、がんばらなくていいよね~。(癒やされたい人はここをクリック)」
みたいな記事をみつけて、うっかり、怪しげなサイトのボタンを押しそうになりますが、きちんと営業を続けております。そう、ちかごろは無責任にやさしい言葉が多いですよね。それを真に受けて、がんばらなかったために後悔が残ったとしても、だれも責任をとってくれはしないものです。
かといって調理の鍛錬に励めばいいところですが、こうやって即席麺のブラックラーメンを作る私。さらに塩ホルモンまで投入。仕事もせず、こんなものを食べているところを見られたらカミさんにどれだけ叱責されるだろうか? そう考えるとゾクゾクとおいしく、うっかり汁まで飲み干してしまいました。血圧急上昇中。ああ、もう明日死んでもかまわないんだ。
そうやって店の中で煮詰まっていても、そのような自傷行為にはしるだけ。店休日はこの季節に珍しく晴れていたので出かけることにしました。
店のある三日市は古い街道沿いらしく、間口が狭く、奥行きが深い家が多い。そして狭い路地から見える青空のコントラストはなつかしくていいですね。
いつものように、市電にゆられて富山市内をあてどなくぶらぶら。ちかごろの私の唯一の安らぎです。そう、コロナのためという訳ではありませんが、遠い旅行をせずとも、こころの中で旅ができたら、もうそれで十分。安上りな私です。
時どき私はそんな路を歩きながら、ふと、そこが京都ではなくて京都から何百里も離れた仙台とか長崎とか――そのような市へ今自分が来ているのだ――という錯覚を起こそうと努める。
梶井基次郎「檸檬」より。
彷徨った果てに、やはりゴールは秋吉へ。
「ハイ~! シャチョ~! ナマイッチョウ~!」
我が娘くらいの女の子が大声を張り上げてがんばって働いておりました。そうして、大阪にいる我が娘は元気かななどと思う私。結局大丈夫だったようですが、このあいだ、少しばかり体をこわした旨の連絡があって気になっておりました。やんちゃなことはかまわないのですが、体だけはいつまでたっても心配なもの。
そうして、
「だいじょうぶ、がんばらなくていいよね~」
そう、LINEを送ってみるおとうさんでした。
2022.02.25
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オミクロン株の流行と大雪で、店は閉ざされてしまったような状態が続いております。そして、私自身も年齢とともに、寒さが堪えるようになってきました。寒気は体だけでなく、こころまで畏縮せてしまい、このごろは、なんだか危うい気持ちを行ったり来たり。まるで綱渡りのようにすごしております。
それでも冬の夜道は美しいですね。なんだか近寄りがたいような感じ、そして静けさがそう思わせるのか。夜更けに歩いていると、いっそ同化してしまいたいようなへんな気持ちになることがあります。
そして、月を見上げながらずっと歩いていると、ふと自分が地上にいることを忘れてしまうこともあります。
そうやって、ひとりで、きれいな景色を見ていると、なにかもったいなく思うことがあります。「ああ、ここに誰かがいれば」みたいな気持ちです。でも、それは、誰でもいいわけではありません。
そうそう、中学2年生の冬に、東京でも大雪が降った夜がありました。ゴミゴミとした街が白一色に覆われ、街の灯りに照らされてキラキラしております。あんまり美しいので私はこっそり夜更けに家を抜け出して、近所をウロウロしていたものです。
「おい、Aなにしてんだよ。ちょっとカオかせよ」
と商店街でツッパリのKくんに声をかけられてしまいました。そして、運河の土手で煙草を吸うのをつきあわされ、エロ話や喧嘩自慢、学校や仲間の愚痴を聞かされたのですが、あのときはつらかった。
白く美しい世界の中で、最悪な野郎とふたりきり。
もし、きみがきれいな景色を見たときに、そばにいてほしいと思う人がいたなら、きっとそれは恋でしょう。まちがいありません。その気持ち、きっと、大切にしたまえ。
2022.02.23
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「ありがとうクロ! 私の誕生日を祝ってくれるのはおまえだけだ! 」
「あくびかよっ! 」
そんなわけで、ひとりぼっちの誕生日の翌日、無理矢理カミさんにお願いして、なんとかケーキを食べに連れていったもらいました。
「わ~い。おめでとうオレ! 」
ささやかな誕生会です。そうなんです、最近晩酌を辞めてからスイーツに目覚めた私。お店でショートケーキを食べるという夢がこの日実現しました。
そうそう、誕生会と言えば、私が小学4年生のころ、転校生だったNさんを思い出します。ボーイッシュなショートヘアで、鹿のようにか細い女の子でした。いつもニコニコとしているからか、排他的な女子たちに「おかめ」と呼ばれて、意地悪をされていましたが、
「おかめはむかしの美人だもん」
と言い返すほど強かだったことを覚えています。でも、ときおり見せる寂しげな横顔が美しく、
「きみの気持ちわかるんだ! 」
そう、声をかけたい気持ちにさせたものです。
Nさんの誕生会になぜか私が呼ばれたことがありました。当日は、家の鏡の前で髪を分けたり、垂らしたり、異様にソワソワしたことを覚えております。ですが、そんなに緊張していたのにもかかわらず、そのころから世間知らずだった私。肝心のプレゼントを持っていかなないで、手ぶらで行ってしまいました。女の子たちはクスクスと笑い、男の子たちが、
「え~。おまえバカかよ! 」
と囃す中、Nさんはいつものあの笑顔で、
「プレゼントなんかいいんだもん」
と言ってくれました。そして、
「今日はありがとう」
と、逆に私はスヌーピーの石けんをもらって帰ってきたのです。
Nさんは、その数ヶ月後、また転校してしまい、その石けんはいつまでも私の机の引き出しにしまってあったものです。
そんなことふと思い出しながらノンアルコールビールで乾杯する私。
ふと、その石けんの香りがしたような気がしました。
2022.02.21
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私の誕生日の日、ちょうど店休日だったのですが、カミさんは何某の用事があり、私ひとりぼっちで過ごすことになりました。まあ、もう52ですので祝ってもらう年齢でもないのですが、とりあえず魚津へと繰り出して、インディラ魚津店にて好物のビリヤニランチ。この、パサパサとしたインディカ米好きなんですよね。そして、ちょっと旅行にでも行った気分です。
最近、魚津埋没林博物館の入場口にある「キニナル」という店、ひとりくつろぐときによく利用しております。Wi-Fiがあるのと、開放感があるのと、コーヒーが飲めるので、新川地区にないスタバ代わりに使っております。そういえば、数年前は入口で右往左往して、結局入らなかったりと、あんなにスタバに入るのに緊張していたのに、今ではすっかり大丈夫になったおとうさん。この歳になって、ちょっとおちついた大人になってきたのかもしれません。
海辺などを歩きまわって、すっかりからだが冷え切ったところで、ある居酒屋さんにはいって熱燗をいただきます。
夕方、まだはやい時間だったのもありますが、客は私ひとりきりでした。特別悪い訳ではないのですが、アルバイトの店員さんはへんに早口で、かえってどこかだるそうな雰囲気。BGMは90年代のJPOPなのか、小室なんとかという人の曲っぽいものがかかっています。
そうです、時々、このような焼けるようなさみしさを味わいたくなるのですよね。気の合わない人に囲まれる孤独はつらいものですが、誰も来ないような場所に迷い込んでしまった孤独はちょっぴり楽しい。
「うわ~。苦しいなあ」
そうやって、ひとりごとを言いながら、店の片隅で飲むお酒は不思議とおいしいのです。
地鉄の電車を待ちながら、ぼんやり自分の年齢について考えます。この歳になって、やっとわかったこともたくさんあるけれど、それは手遅れということではなくて、今じゃないと気がつかなかったことなのだろうなということを考えたりしました。巡り合わせも然り。今、このタイミングでやってきた機会は、来るべくしてやってきたものなのだろうとも思いました。ですので、今を精一杯生きていこうということをあらてめて駅のホームで誓う私。単に、アルコールがほどよくまわり、その高揚感でそんなことを思ったのかもしれません。
Out here in the fields
野原に出て
I fight for my meals
食い扶持のために戦う
I get my back into my living
生きるために全力を尽くすんだ
I don’t need to fight
正しさを証明するために
To prove I’m right
戦う必要はない
I don’t need to be forgiven
誰かに許される必要もないんだ
帰り道、マックスバリュに寄ってレジにならんでいると、愛知から黒部に移住してきたKくんにばったり出会って、恥ずかしさのあまり、
「今日は誕生日なんだけれどね、割引の刺身が夕飯なんだ」
と、ひらき直って白状してしまった私。そして、聞いてはいけないことを聞いてしまったような顔つきで遠くを見つめるKくん。そんな私をきっと哀れに思ったのでしょう。
(あっテンチョー! お誕生日おめでとうございますです☆ 良いバースデイをお過ごしください! そして良いお歳となりますように! )
というメッセージを別れたあとからいただきました。
2022.02.18
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いやはや。コロナの感染拡大で店が暇になってくると、あまってしまった食材を消費していかなければならないのでけっこうたいへんです。
そういうわけで今日はまかない特集で。
これは店ではないのですが、家にうどん系の乾麺のいただきものが多く、お昼ご飯に調理してみました。うどんも普通に食べるのに飽きたら、茹であげ、さっと、油などでコーティングするとパスタのようにいただけます。この日はごま油とだしで和えて、葱、そして明太子、Nさん手作りのイクラ醤油漬けをトッピング。魚卵はコレステロール値が上がるからと、カミさんに食べることを禁じられておりますので、きょろきょろとカミさんがいないことをしっかり確認して、どっさりと投入。
「ふふふ。どうだまいったか」
と、小さな反抗を試みます。
寒くてちょっと元気が出ないとき、私は梅醤番茶をよく飲みます。梅醤番茶とは、すりおろした生姜、梅干し(もちろん手作り)に少し醤油を垂らして練り上げ、番茶(番茶があまり流通していないのでほうじ茶を使っております)でといたものです。これを、とくに空腹時に飲むと、体にじわじわと染みわたって、ぽかぽかとして元気になります。二日酔いにもおすすめ。
とくに梅干しはおなかの調子を回復させてくれますね。食欲がないとき、パスタにごま油と一緒にあえて、胡椒をひとふり。そうやってシンプルにいただくとつるつるといくらでも食べられるような気がします。
食材があまったときは、なんでも刻んで炒め、チャーハンにしてしまえばまず間違いないですね。いや、でも、大学のころよく納豆チャーハンを作ってくれる友人がいましたが、どうもあれは苦手でした。焼いたときの悲しい匂い。そして、
「どうしてネバネバを殺してパラパラにしちゃうの? 」
というようなやるせない気持ち。そう、納豆愛が強いがために、加熱調理系の納豆料理はいまいち苦手です。着飾らなくていい。素顔のきみが好きなんだ。そしてそのネバネバのハーモニーに包まれていたい。ああ、私の納豆への想いは深い。
これは、節分の恵方巻で使ったふくらぎのあらで汁を作ったものです。魚のあらは一度ゆでこぼし、血合いを洗ってから煮るとびっくりするくらい美味しくなりますね。なんでもおいしくなりますが、ヌメヌメ系、海の底系の魚のほうが深みのある味が出るような気がします。
厨房でひとりこれを食べる私。
そして、このコロナ禍、いったいいつ収束するのか。いや、収束したとしても、この商売自体、もう必要のない業態になってしまうかもしれない。そんなことを考えます。
自営業はなんの保障もありません。明日を知れぬ身です。
友よ。でも、想いがあるなら早い方がいい。あっという間に歳をとってよぼよぼになってしまう。下手な言い訳はいらない。現状が幸福じゃないから悩んでいるのだろう? はじめてしまえば悔いもないと思う。自分はまったく後悔がないし、以前に比べたら、毎日がめちゃくちゃ楽しいよ。
2022.02.16
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「縁起もんなんてさ、商売人が考えたもんだよね」
「べつにええやん! めんどくさ! 」
と、カミさんに呆れられるほど、ふだんひねくれているはずの私ですが、今年の節分もちゃっかり恵方巻きを作ってみました。
芯に「地魚」を使うことを宣言したのですが、実はその調達は不安でした。昨年は魚津産のマグロが事前にあったので、さばいて冷凍にかけて使ったのですが、今年は冷凍には向かないフクラギに目星つけており、直前勝負でした。ちょっと高めでしたが、生地産の入荷があってよかった。
それでも、ちょっと物足りないかもと、魚津産のマイカも購入。気候変動の影響か、マイカもだんだん希少になり、高級食材になりつつありますね。以前は1パイ100円があたりまえだったものですが、日本海沖、船凍のものでさえそのようなものは見なくなってまいりました。
色味をつけるため、手作りの卵焼き、塩もみしたきゅうり、桜でんぶ、それと、ズワイカニも考えましたが、さすがに予算オーバーなのでカニカマで勘弁していただきました。
実は昨年、巻き方がうまくいかず、かなりの失敗品を数日間、自分で食べるはめになったのですが、今年はなんとか巻けました。シャリと中身の量のバランスが大事なようですね。でも、「まるかぶり」することが恵方巻の作法らしいので、もう少し、しっかり巻けたらよかったようにも思いました、来年はもう少し巻き方を工夫してみます。
みなさまご注文ありがとうございました。
そうそう、インスタなどで、その「まるかぶり」している写真も送っていただきました。そんな家族の風景をながめておりますと、作ってよかったなあと、私自身、うれしく幸せな気分になりました。
「そうか、たしかに、恵方巻きは幸福を呼ぶのかもしれない」
少しだげ素直になった私。
「だら(富山弁で馬鹿の意)か」
白い目で睨みやるカミさんです。
2022.02.14
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緊張がほどけるとコンディションが悪くなりがちな私。仕事に向き合っているときは大丈夫なのですが、休日になるとどうも例の不安な気持ちに陥りやすい。この日も富山に向かっていたのですが、途中、なんだか心配になり岩瀬の浜辺で休憩をとりました。
海の景色はシンプルでいいですね。よせてはかえす波のリズムも心地よい。からだはすっかり冷え切ってしまいましたが、海辺をしばらく歩いていると、だいぶ落ち着いた気分にさせてくれました。
この日、総合カレッジSEOにて、おはぎの作り方の講習に参加してきました。そう、今回のコロナの感染拡大でたいへん厳しい状況が続いておりますので、少しでもテイクアウトのイベントアイテムを増やそうといろいろ模索しているところです。
食品スーパーで勤めていたころ、その業界では一時期「おはぎ」ブームがありました。東北かどこかの小さなパパママストアで、手作りのおはぎが信じられないくらい売れたというようなことが話題になり、どの食品スーパーのグループでもおはぎに力を入れたのです。そうそう、「異常値販売」だの「ブルーオーシャン」だのという言葉が流行ったころ、あのころはなんとか塾みたいな胡散臭い勉強会もやたらありました。いい指導者もいるのかもしれませんが、悩む経営者につけこんで、もったいぶったインチキな情報を、ものすごい値段で売る阿漕な輩も多かったので、私は「コンサルタント」という人たちが苦手だったものです。
おはぎについては、かくいう私のスーパーでも、宇奈月の加工グループさんにお願いして作ってもらい、毎週イベント販売していたものですが、たしかによく売れたものでした。やはり、われわれ日本人になじみ深い味なのでしょうね。
できあがった試食を一口。なるほど、なつかしい甘さです。きっと、おはぎがたいへんなごちそうだったというような話をよく聞いたからでしょう、もちそん私にはその頃の記憶はないのですが、なんだか戦時下の暮らしを連想しました。
作り方のポイントなどをたくさん教えていただきました。お彼岸のころにでも試験的に販売してみようかと思っております。
せっかくなのでミレー先生と写真を一枚パチリ。海辺の不安は消え去り、すっかり赤ら顔の私です。
2022.02.11
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これは2004年ころ、富山ではおなじみ、地域密着系アナウンサー鍋田恭子さんからインタビューをうける私です。
このころ、私は食品スーパーの店長をしており、1km圏内というすぐ近くにショッピングセンター「アピタ」が出店する直前でしたので、たいへん緊張していた時期でした。
4店舗あった店を1店舗に事業縮小して、なんとか生き残っていたローカルスーパーでしたので、財務状況も最悪。そんななかで取り組んだのは「地域密着」「惣菜強化」。そう、お金もかけずに大手と戦うには、そんな泥臭いことしかできなかったものです。「地域密着」は、とにかく地域の業者さんに、片っ端から声をかけて取引をさせてもらい、地元商品の品ぞろえを分厚くしました。そんななか、地元生産者様とも直接取引を始め、それがきっかけで、当時の若手の農家さんとは今でも仲良くさせてもらっております。そして、「惣菜強化」のために私は直接「総菜部門」の応援に入るようになり、手作りのお総菜などに取り組みました。
そう、当店を立ち上げるきっかけは、もしかしてこのときからはじまっていたような気もします。「地産地消」と「手作り」。それは、この店で、今でもこだわっていきたいポイントです。
最近よく聞くサスティナブルとは「維持できる」というような意味らしいですね。地球環境と調和のとれた、人間社会の持続可能な発展が求められる時代になってまいりました。不自然に遠くの国の食材を持ち込んでくるより、身近にある季節のものを調達するということは合理的で、どこかで大量に加工されたものではなく、きちんと手をかけたものをいただくということは健康的であるはずですが、案外、難しい取り組みでもあります。
そして、ダンシングとは「踊る」こと。
さて「ダンシング・サスティナブル」とはどんな意味なのか?
・・・自分でもわかりません。
2022.02.09
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1、功の多少を計り彼の来処を量る。
高校生のころ、浜松町の東芝ビルで掃除のアルバイトをしていたのですが、そこの1階にあったウェンディーズが当時まだ珍しく、
「ここのハンバーガー食ったら、マックとかまずくて食えないぜ! 」
などとわかったようなことを勝ち誇ったように友人たちに言ってまわっていたものです。そして、ウェンディーズがメジャーになって誰もが知るようになると、
「昔と味がかわったな・・・」
と言ったりして。
そう、思い返せば、先入観や思い込み。いや、つまらない自己主張でした。今で言うマウンティングです。
食材は命そのもの、そして関わっているひとの時間も加わって食卓にのぼるので、そこにあるだけでも尊いもの。ちょっと想像力を働かせれば、食べ物をただ単純に「まずい」とは言えなくなるものです。そして、食に対する姿勢はそのまま「いのち」との向き合い方と言っても過言ではありません。
2、己が徳行の全欠を忖って供に応ず。
そう、それ以前に自分がその食べ物の「いのち」に見合ったような人間なのか。
「それほどえらいんですか? 」
という話です。
そのころの私は親の臑をかじって、学生の本分である授業をさぼってバイクを乗り回し、そんな身の程をわきまえないことを言っていたのですから。恥ずかしいかぎり。当時の自分に会えるならば、矢庭に後頭部をたたきつけたいもの。
3、心を防ぎ過を離るることは貪等を宗とす。
ああ、でも、過去だけの話と言えるのか? 今の自分の行いはどうなのか?
おもむろにパソコンを開き、仕事を始めるとおもいきやYoutubeで猫の動画をながめてニヤニヤしたり、「買い出しに行ってくる」と言いつつ、満天の湯の休憩室で昼寝をして時間をつぶしたり、そのまま帰りしな、店舗見学と称して秋吉で豚足をかじりながら焼酎をがぶがぶ飲んだり。
よし、もう、これからは、そんな誤った行いはやめよう! 絶対やめると誓うんだ! ・・・いや、週一回くらいに抑えようかな。
4、正に良薬を事とすることは形枯を療ぜんが為なり。
でも、せめて、吉野家で牛丼をたのむとき、大盛つゆだくで注文するのはやめておこう。ココイチも7辛とかはやめて「とび辛スパイス」をひとふりだけにしておこう。カップ麺の残った汁におにぎりをぶち込んで食べるのだけはぜったいやめるんだ。
5、成道の為の故に今この食を受く。
「ああ、我が道は険しいものだ! 」
そんなことを考えながら、今日も一日、精一杯、料理を作る私です。
写真は本日のおまかせプレート1000円。ランチタイムはスープ付き。まあ奥様、なんてお得なのかしら! さっそくカタコト屋へレッツゴー!
How many roads must a man walk down
どれだけの道を歩いていかなければならないのだろう
Before you call him a man?
男として認めてもらうまでに?
2022.02.07
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