僕のイメージでは大井町東口は安売り洋品店「ヤワタヤ」。チーンジャラジャラとうるさいパチンコ「ニュートーキョー」。跨線橋の横に甘い、いい匂いのする「天津甘栗」。そんな感じですが、いまではもうすっかり様変わりしました。イトーヨーカドーの場所さえも変わってしまいましたね(それも、もうずいぶん前か)。それでも、相変わらずな横丁がこの「東小路」。
そう。ふわっと厚い衣のとんかつ「丸八」や、焦がしネギのラーメン「永楽」は健在のようです。そして当然、(食事は大井一 うまい・やすい「ブルドック」)です。
今回は我が家族みんなの東京のお友達、チエちゃんも合流して昼食会。
昔ながらのがっつり系洋食。しかもこってりした豚汁までついてます。
今となってはおとうさんちょっと食べきれるかが心配。
「ああっ! ・・・ご、ごはん結構多いですね」
「はい。男性の方はさらに多めにしてあります」
と店員さんの明るい対応。そして屈託のない笑顔。なにがなんでも完食しなければ。
でも大丈夫。今回は娘も一緒だったので、その大食い加減にたすけられました。
昔は好き嫌いばかり言って、チョコチョコと、おっかなびっくり食べる人をなさけないと思っておりましたが、今では僕がまさにそうです。年齢とともに、食べることにアグレッシブになれないということは本当につまらないですね。「人はパンのみにて生きるにあらず」といいますが、食べたいという欲求さえ湧きおこらない僕はどうしたらいいものか。
「ああ、イエスよ、せめてこの店のメンチカツを一枚食べさせてください」
「汝、マツモトキヨシで太田胃散を求めよ。そして食前に服用せよ」
「・・・はい。わかりました」
2018.05.30
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熱海から東京へ。僕は短いあいだだったのですが、1990年年代に広告代理店で働いていたころがあり、そのときの先輩、今は企画制作会社を経営しておりますAさんと九品仏で待ち合わせをして、自由が丘で飲みに行ってまいりました。Aさんとはへんに気が合うところがあり、その昔、「もし温泉旅館の若旦那になったら」という馬鹿な話題でやけに盛り上がり、いつまでもゲラゲラと笑った記憶あります。しかもあのときはシラフでしたね。
一件目は魚や旬の野菜、そして日本酒のおいしい店でした。
熱川バナナワニ園で買った記念コインをお土産に渡すと。
「こういうプレゼントが正解なんだ」
みたいなことを言って喜ぶので、いやがらせは失敗だったようです。
そして、あたりをブラブラ。昔は自由が丘武蔵野館という安い名画座系の映画館があってよく行った場所です。でも、もう、あまり街並みは覚えておりませんでした。
二件目は家庭料理、そしてやはり日本酒もおいしい店でした。A氏は酒とお冷を交互に少しずつ飲むような大人の飲み方です。あいかわらず僕はガブガブ。そしてBGMのアナログレコードが心地良い。
若い店主さんは音楽好きで、僕が要望するとKINKSをかけてくれました。
たまに懐かしい人に合い、センスのいい話題などを聞くと、なんだか生き返ったような気分になります。楽しい時間はあっという間に過ぎて、しかもだらしなくおごってもいただきました。いつまでも成長しない僕。もう、思い返せば20世紀からなにも変わっておりませんね。ただ少し酒に弱くなって、夜道をフラフラと歩く僕。そして、今度こそ、
「うわ。なんだよこれ、いらねえよ」
そう言われるお土産をもっていこうと決意いたしました。
2018.05.28
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熱海では、大正時代に別荘として建築され、その後、旅館として営業していた「起雲閣」に行ってまいりました。なんと太宰も「人間失格」を執筆していたころに逗留していたとか。なるほど、そういえば、今、手元にありませんが晩期の「雀」という作品は、たしか熱海かどこか、伊豆の温泉地が舞台でしたよね。
実際には入れませんでしたが、こんなローマ風浴室もありました。それにしても、今は廃れつつあるイメージですが、温泉=ローマみたいな頃の風情っていいですよね。場末の温泉地でインチキなローマ風の風呂を見つけると、もう、うれしくて顔が赤らんでしまいます。
顔が赤らむと言えば、ついでに近く、熱海銀座商店街を散策していると、このようなスポットに遭遇。古き良き、いや、古き悪しきと言うのか、こういう風情も残っているのですね。もう、おじさん実演中の「ピンクショー」がどんな催しなのか、想像するだけで耳まで真っ赤です。
昼食は「らーめんしゅん」という狭い店に入り、人気ナンバーワンと書いてあったので「みそらーめん」をいただきました。味はあまり覚えてないのですが、女将さんの接客がすばらしく良い店でした。
そして海辺まで散歩。ちょっと離れてですが、「東京物語」の笠智衆、東山千榮子の名シーンはきっとここだろうなあという突堤を撮ってきました。
そう。
「いやあ、こんなとこあ、若いもんの来るところじゃ」
「そうですなあ」
のあの場所です。ああ、もうセリフを書いているだけで鳥肌が立ってしまいます。僕はひとりぼっちのラストシーンよりも、いつも、この熱海のシーンで涙が出てしまうのはなぜだろうか?
2018.05.25
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翌日は熱川バナナワニ園へ。
キッチュで美しい。まるで乱歩のパノラマ島のよう。ハイビスカスなど妖艶な南国の植物たちを眺めていると、だんだん怪しい気持ちになってまいります。
マナティーは無表情のまま、ただ浮かんだり沈んだりしております。ああ、まるで僕の人生のようだ。
この蓮の温室も圧巻でした。四角く区切られた極楽浄土。バナナとワニという腰砕けな園で、本当のパラダイスを垣間見たような気がしました。
カミさんも、小さなワニをなでさせてもらいご満悦。
「ああ~! メダル販売機~! 」
ついつい声にあげて叫んでしまう僕。ある先輩へ、いやがらせでお土産にしようとたくらむも、こんなときに限って小銭がありません。
でも、それを聞いてヤングのアベックが、
「あっ、なにこれ」
「・・・やってみる? 」
僕はカミさんに無理やりアイスクリームを買わせ、小銭を作ってもどるも、まだそのふたりは販売機の前で煩悶しております。
「う~ん、でもよくわかんない」
「このボタンを押せばいいのかな」
ガチャンガチャン
「あっ。できたよ」
そのコインを掲げ、クスクスと笑い、見つめあうふたり。おじさんすっかり胸キュン。いや、心筋梗塞じゃありません。ときめきを覚えたのです。青春の恋はみずみずしいもの。
「・・・メダル買えたんけ」
とアイスをほおばりながら聞くカミさん。
(いや、・・・お金じゃ買えないもんもあるよね。それってなんだと思う? )
そう真顔で聞いてみようかと一瞬思った僕。
でも、また苦笑いされてもなんなのでやめておきました。
2018.05.23
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その後、箱根湯本付近を散策。なんとなく古き温泉町の風情があったり、なかったり、ちょっと微妙な雰囲気。いろいろ見てまわったのですが、名産だという梅干しを一個だけ買ってほおばりました。
そして、伊豆高原まで伊豆スカイラインを走ります。スカイラインと聞いて、古いポール・ニューマンのポスターを思い出し、カミさんの愛車マツダ・キャロルによりかかりポーズをキメる僕。
「どうでもいい。寒いからはやくしてくれ」
そうカミさんに怒られつつも、なんとか一枚シャッターを押していただきました。
そして到着した伊豆高原にて、とりあえず「いいづか家」という小さな居酒屋を見つけ夕餉。何気ないアットホームな雰囲気、たまたま座っていた隣の人の料理がうまそうなので、
「それ、なんですか」
と聞くと、
「どうぞ、一切れ食べてください。あっ、奥さんもどうぞ」
とわけてくれました。写真もなく、メニューの名前も忘れましたが、富山でいう「すりみ」でメンチかつを作ったような感じ。こんどうちでも作ってみようかと思います。
伊豆高原は、伊東より南に位置し、おそらく高度成長期に別荘地として分譲され、ちょっと今は落ち着いている感じの雰囲気がありました。「とうてんぽーる」という懐かし系のペンションにて宿泊。ロビーに置いてあった「包丁人味平」。そういえば亡き親父が好きだった漫画だよなあと読んでみると、酔っていたのか、そのくだらなさに涙がでるほど笑ってしまいました。
そして、露店風呂がこじんまりとしてよかった。入れ替え制の家族風呂なので、ちょっと遅くにゆったりと入ってみました。
風呂上がり、閉店間際のスーパーで買った、焼きそばパンやワインでカミさんと二次会。もうすでに、箱根でハズレばかり当ててしまった本日の話が笑い話になっておりました。
2018.05.21
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二日出勤してのち、ゴールデンウイーク四日目。箱根へと6時間ほどかけて車で行ってきました。箱根は小学校のころ林間学校で行った思い出深い土地。もしかして、あのキラキラとした若葉の頃の自分に戻れるかもしれない。そんなはかない願いに心を躍らせて向かったのです。
とりあえず明治11年に開業したという富士屋ホテルを目指しましたが、スマホのナビの入力ミスで芦ノ湖畔でまったく別のホテルにたどりつき、さらに三十分ほどかけてやっとたどりつくも、なんと耐震工事のため、四月から休業とのこと。
仕方ないので渡邊ベーカリーというパン屋でシチューパンというものを所望しカミさんと分けて食べました。ハイカラな味。なるほど、このあたりは古き良き「避暑地」として栄えていた場所なのでしょう。
昼ごはんはがっつり行こう、そして昼からビールをしこたま飲むぞと、野獣のように目をギラギラとさせて名物だという「餃子センター」を目指すも。
「すみません、三月の末にですね、隣からのもらい火で・・・」
「えっ・・・!」
「でも、テイクアウトなら・・・」
という訳で、その近くで簡易営業している場所があり、外のベンチに座って餃子をいただきました。さすがに懲りたのか思いっきり、
(注意 たばこ・その他一切の火気厳禁)
という文言も赤い文字で書いてあります。
しかし、(テイクアウトあります)という手書きの看板を掲げ、焼け跡に立つ従業員さんを見ていると、戦後の日本人のようなたくましさを感じました。そう、くじけないことこそが勝利なんだよなあとも思いました。
そして、この日の目玉。この季節の咲き誇るつつじが見たくて小涌園蓬莱園に向かうも、「閉館のお知らせ」。
Will you dance?
踊りませんか。
Take a chance on romance and a big surprise?
思いがけないロマンスを手に入れませんか。
2018.05.18
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さて。ゴールデンウイーク三日目は氷見平成館にて開催された「北陸エレキフェスティバル」というイベントにダーリングとして参加してまいりました。
機材もこだわりのビンテージ系。そうそう。ちょっとご年配の対バンさんのリハーサルで「テケテケ」系の曲を聞いていると、もう、今となってはサーフィン・ホットロッドのサウンドって、めちゃくちゃカッコいいんだなあと感心もしました。
空き時間があり、近所を散歩しておりますと、古いモーテルを改装して、技能実習生らしき人たちの宿泊施設になっており、ちょっと考えさせられもしました。我が国。アジア系の方々の受け入れ方ってぞんざいな感じですよね。それが気になっているのは僕だけなのでしょうか?
それにしても、ひさしぶりのバンドでの演奏は楽しかった。酔っぱらったお客さんにビールを勧められなどしての演奏は、こういう会場ならではの醍醐味です。
そう。ここはあの氷見昭和館の姉妹店で、打ち上げにはおなじみ、手品師でもあり、似顔絵師でもあるあの方とご一緒できました。「苦楽多みきよし」さんというんですね。そうTシャツに書いてありました。なるほど、苦しいことも楽しいことも多かったのでしょうね。この方のちょっと飛んだ感じが僕は好きです。
2018.05.16
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我が家の庭先の山吹。鮮やかな黄色と新緑の色合い。毎年楽しみにしている景色です。
ゴールデンウイークの二日目は家でゆったりと過ごしました。
午前中は我が家から往路5kmコースの荒俣海岸まで走って。のんびり海を眺めます。
冷蔵庫の残りもので昼ごはんを食べて昼寝。そして、和室の掃除。ついでに破れていて気になっていた障子も張替ました。
夕暮れ時には田植え前の水田を眺めつつ、縁側にて夕餉。裏庭にクロを遊ばせ、カミさんと他愛ない会話。そういえば我が娘が幼い頃は、こうやって、ここでよく陽が沈むのをよく眺めたねという話などもしました。そのころ、怪獣のように見えた大きな木があったのですが、今はもう見当たりません。
過ぎていった日々を追うのは幻を追いかけるようなものですね。
見渡せば、何気ない日常はこんなに美しいのです。景色を曇らせているのは誰のせいでもなく、僕自身の心なのですね。いつでも、この五月の空気のように透明でありたい。そして、穏やかでありたい。そう願う一日でありました。
2018.05.14
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今年のゴールデンウイークは、初日の午前中に出勤が少しあったもののほぼカレンダーどおりにいただけました。
まずはA先生主催、おなじみアコースティックライブイベント「Kurobe Acoustic Meeting Vol.5」でスタートです。今回は黒部駅前にできた「K-HALL」にて開催。ここはカフェやコンビニが併設していて、こじんまりと、北欧っぽいデザインのスタイリッシュな場所です。
なにより、木彫の視覚的影響なのか、工学的にそうなのか、ホールの音の響きが素晴らしくよい感じがしました。
今回Yさんと当日合わせでビートルズの曲を三曲ほどやったのですが、なんとなく酔いそうな感覚がありました。まあ、缶ビールなどをあけて実際に酔っていたのですが、それとは別に、音に酔うような気持ちで演奏ができたのです。
Gチューチャン名義のユニットとして、カミさんと、姫とも演奏。終盤のこのころには相当の缶ビールをあけてしまっていたので、その「酔い」がお酒なのか、音楽なのかどっちかよくわからない、いや、むしろもうどっちでもいいや、みたいな気分になってまいります。
今回は濱田ファームじゃじゃ馬娘、COCOちゃんも自分でエントリーして独唱。
ソワソワと緊張して待ち、歌った歌の最後はすこし飛んでしまいましたが、そのひたむきさはすごくカッコよかった。ひとりでもチャレンジする、そのまっすぐさは歌声からよく伝わり、僕自身、熱くなるのを感じました。そう。人の失敗をあげつらったり、噂話をする人たちよりも、彼女のように、孤独であろうと本来の自分を目指す人でありたいものですよね。そう思いませんか?
まあ、それにしても、もう少しきみはおしとやかにできないものか。
2018.05.11
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「店チョーの撮る画像って盗撮っぽくね」
とよく言われますが、そのとおり。僕は無意識の中での表情やしぐさ、または、瞬間をリアルに切り取った写真が好きなので、ついつい盗み撮りをしてしまうのです。ですのでカメラは機動性が高いスマホで十分。一眼レフみたいな、ちょっと手間や時間がかかる機材はそれほど興味がないようです。
そうです、このような淋し気な男のうしろ姿とか、
酔ってだらしなく笑う人たちとか、
つまらなそうに地下を歩く人とか、
うかつにほろりした表情とか、そんな本物っぽい感じが僕は好きなのです。
ときには、あまりのスピードに残像しか収まらないときもありますが。
2018.05.09
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