このクリスマスツリーはカミさんが小さいころから使ってたやつなんだ。もうボロボロとプラスチック製の針葉が落ちてさ、貧相なモミの木なんだけどね、愛着があるみたい。
ところで、今のクリスマスのイメージってさ、進駐軍がもたらしたものなのかな。これは推測だけど、アメリカ的な豊かさや自由さを求めてこうなったんじゃないかな。だから日本人にとってクリスマスは宗教的というより、経済的なお祭りのような気がする。だから、この日は少しだけ、今の平和な我が国に感謝することにしてるんだよね。
さて、ポレポレ・ジャンボリーはこの日が一年の中で一番ピザが売れる日だったんだよね。マスターもこの日はポレポレというよりピリピリだったね。そしてスタッフ総出でなんとかこなしてさ、ちょうど生地がなくなるような感じで終わることができた。そうそう、生地や窯で焼ける生産量を考えると、残念ながらお断りしなければならないお客さんもいたんだよ。
「クオリティーを考えると無理はできんちゃ」
とマスターは言っていたけど、なるほどそうだよね。宅配もあえてやらないでさ、ピザの質にこだわったから、今のジャンボリーがあるような気がするな。こんな土地柄の割には外国人のお客さんが多いのもそのせいなんじゃないかな。本格的なアメリカンピザが食べれる店ってそうないからね。
閉店時間とともにシャンパンをあけておつかれさまタイム。我が店のアイドルWちゃんは未成年だから形だけ、コーラを飲んだんでご心配なく。
しばらく、マスターとママさんと、飲みながら家族についてなんかさ、しんみりと話をしたよ。さすが経験がいろいろあるからね、その言葉には時々ハッとさせられるものがある。いろいろな形があってあたりまえなんでさ、自信をもってやればいいんだよなあなんて思ったよ。家族を守るってことに変わりはないからね。
そんなんで、雨の中の帰り道。マックスバリュがまだあいてたんで、カミさんと娘のお弁当の材料を買って帰ったよ。
2014.12.31
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「なんかいい温泉ないっすかね」
って、訓練所のクラスメイト上市に住んでいるIさんに聞いたら、すすめられてさ、このあいだの祭日、みのわ温泉に行ってきたんだよ。しかしさ、雪に閉ざされたら、俺の行くところって温泉か銭湯くらいだな。カミさんや娘には、
「年寄りくさっ」
って言われるし、実際行ったら年寄りばかりだけれど、いいんだ。へっちゃらだい。ひとりで行くもん。
そんなわけで、みのわ温泉へは早月川をひたすら上流へとのぼっていく。つげ義春「ほんやら洞のべんさん」みたいな景色が続いてたよ。
温泉野郎の俺でも、灯台下暗しというのか、実はここ知らなかったんだよね。ライトな秘境っぽさがいい感じ。施設は市営なのか、わりときちんとしているし、テニスコートもあって、なんとなく80年代のリゾート感を醸し出していたよ。湯加減もいい感じ。よく「あそこはいい湯だ」という会話を聞くけれど、俺自身はお湯の感度はあまりないような気がする。でも温泉は好きなんだよね。同じようなもんで「あそこの蕎麦はうまい」っていうのも実はよくわからないんだよね。でも蕎麦は好きなんだな。
そんなことを考えていたら無性に蕎麦が食べたくなって、天ぷらそばを食べた。食堂もそんなに愛想よくないおばちゃんがいてちょうどいい感じだった。車だったんでノンアルコールビール。このノンアルコールビールってさ、わかっていても一瞬お腹がだまされるのか酔った気分になるよね。よく飲み会とかで、最後の方、間違えてテーブルにあったノンアルコールを飲んでたりすることってない? 気が付かなきゃそのままアルコールなしで酔っぱらえる気がするな。
昼過ぎになって天気もよくなってきたんで海まで出た。カーステレオから「はっぴいえんど」。
そしてシートをたおして日向ぼっこ。トンビが気持ちよさそうに、風に乗ってるのが見えたよ。
2014.12.30
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このあいだジャンボリーに副店長(あっ、元副店長か)が奥さんと食べに来てくれたんだよね。いやあ、たかだか2、3か月なんか2、3年ぶりみたいな気がしたな。もう新しい仕事先で頑張ってるってさ。なんかうれしかったね。ほんといろいろたすけてもらったよ。めちゃくちゃな状況でも、いつもクールにやりとげてしまう男なんだよね。そんな姿勢にさ、勇気づけられることも多かった。出会えてラッキーだったよ、彼がいなければ俺は今頃もう5、6歳は老け込んでいたよ、きっと。
そんなんで、そういえばまだ行ってないなと思ってさ、12月に新装オープンしたメルシーに行ってきたよ。グリーンパワーのTさんが、
「店チョー、新しいメルシーにこっそりいくんけ、それとも堂々と行くんけ」
なんていう面白い質問をしたけれどさ、結果、帽子を深くかぶってこっそり行ったよ。べつに悪いことをしたわけでもないけれどさ、けっこう知っているお客さんがいる中、
「あんた今なにしてるんけ」
「や、どう」
っていう労力を回避したんだよね。でも、元従業員さんたちをさがして、声掛けしようと思ったけれど、残念、店内で誰にも会えなかったよ。
そして、やっぱりいい売場になってたよね。大阪屋ショップさんやさ、それに関わる物流会社の方々と、営業の最後のほうでいろいろお世話になったんだよね。たたき上げの人や、県内の業界再編のときに、ある意志をもってアルビスから移ってきた精鋭もいてさ、なにしろ「気概や誇りをもってサービスにとりくんでいる」という姿を俺は垣間見て、やっぱり一流だなって思ったよ。こんな人たちと戦ってたのかってさ、戦後の日本状態。比べて、俺らは三流の場所にいたんだってこともよくわかったな。あるときは、そんな義理もないのに、俺がある業務で困ってるのを見てさ、「明後日までになんとかします」って、あっという間に解決してくれたりとかさ、たった納豆1ケースを「なんとかします」ってを岐阜から転送してくれたりなんてこともあった。前会長のこだわった「忘己利他」っていう言葉が染みついているようだったな。そして、従業員さんたちもこころよく引き受けてくれて、今ではみんながんばってるって聞いてる。アイル組とか呼ばれてね。
ところで、一部生産者さん、もしかして、義理立てで商品を並べてないならそれは無用なんだな。俺は自分が導入した地元メーカーさんや生産者さんの商品が引き続き並んでるのを見るのがうれしいし、俺がそこにいた証拠みたいにもなるからね。
2014.12.29
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東京で広告制作会社をやってるAさんから、立川志の輔公演会のチケットが送られてきたんだ。前から、絶対いいからってすすめられていたんだよね。それでせっかくだから、ひさしぶりに丸々一日の休みをもらってさ、その日は「ひとり忘年会」っていう位置づけにしたんだ。
まずは魚津の「とんかつや」さんで腹ごしらえ。これまたひさしぶりのカツ定はうまかったな。車じゃなきゃビールをつけたんだけれどね。とんかつつつきながらビール、最後の2切れとおしんこでごはんっていうのが俺にとって最高の食べ方なんだ。
そのあと富山市まで車を走らせると信号待ちでこんなステッカーを貼っている車を見つけた。
自家用車でこんな主張をする人って、なんか相当な人だよね。「いきなりそんなこと言われても」みたいな。こっちの立場も考えてほしいよね。ある意味「最大積載量つめるだけ」ステッカーよりハードだよ。
さて、てるてる亭にたどりつくと、思ったより若いお客さんも多かったよ。満席で補助的な席まで用意されていた。
最初、御弟子さんの落語から始まるんだけれど、落語自体初めてだったんで、けっこうそのストーリーとか、表現が面白いことに驚いたな。実は俺自身、伝統芸能にはある程度のたいくつさを覚悟していたんだ。あとで志の輔が、古典落語って、長い時間かけて、いろいろな人がその作品を足したり引いたりするなかで深みが出てくるというような説明をしていたけれど、なるほどとうなづけた。江戸時代だって、今だって、喜怒哀楽の根本とかさ、そんなのは変わらないんだよね。
さて、志の輔が出てきたらさ、最初、わりとボソボソと始まるんだよね。みんなの注目が集まると、だんだんとエンジンがかかってきて、話にリズムがついてくるんだな。落語のことはよく知らないけれど、志の輔はテクニカルなタイプの咄家さんなような気がするな。ジョンとポールで言ったらポールっぽい感じがする。時々実験的な表現なんかもあったりしてさ、言葉と所作だけというシンプルさで、イメージを最大限に想起させるテクニックはやっぱり圧倒的だったね。オーラがみなぎって舞台のあたりの空気が張りつめている感じがしたよ。
演目は「ディアファミリー」という創作のものと、「帯久」という古典のものだった。前者は家族もののコントなんだけれど、結構ストーリーがぶっ飛んでいてかなり笑った。後者は、ある商売人の浮き沈みに纏わるドラマなんだけれど、これは泣けたし、終わりには晴れ晴れとした気分にさせるものだったよ。そして、自分に思い当ることも多かったんでさ、もしかして、この演目はAさんからのメッセージなのかとも俺は考えた。けれど、演目はAさんもセットリストを送ってくれと言ってたくらいなんで知らなかったらしい。やはり、ストーリがわが身のように感じるのは落語が持っているマジックなのかもしれないな。
帰りは観音湯にでも寄ろうと思ったんだけれど、そういえばもう閉めちゃったんだよね。残念。落語も見たし、ちょっと江戸っぽいというか、昭和の東京っぽい風情にひたりたかったんだよね。でも、無難に満天の湯の富山店に寄ったよ。
それに、焼き鳥とビールでもひっかけて帰りたかったんだけれど、移動手段が車だからね。仕方なく、近所のスーパーで鶏肉を買って、家で焼いて食べたよ。ビールはプレミアムモルツ。焼き鳥屋に行くより安くあがったから、まあいっか。この日のひとり忘年会はそれなりに充実してたと思うよ。
2014.12.28
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俺の記憶が正しかったらね。1970年代後半、6チャンネル、土曜の午後にはケンちゃんシリーズの再放送がやっていてさ、その合間に日本海みそのCMが流れていた。♪あんあ~越中~にほんか~い、みっそ、ってね。その映像の雪景色に、小学生だった俺は、
「うわ~、越中って、日本昔話状態じゃん。超ファンタジー! すげ~くるな~」
ってさ、ずいぶんときめいたもんだよ。
しかしそんな俺も今や越中人。俺の家の裏はさ、こんなリアルな雪景色なんだよね。
あんまり寒いんで、受験の娘にオニオンスープを作ってやった。
「おっ、うめえな」
とか言って、あっというまに平らげてしまった。この年頃ハングリーさはちょっとすごいね。もう焼却炉みたいないきおいで、なんでも放り込んだら消化してしまう。
カミさんは、クリスマスプレゼントか、東京の友達に、手作りのチェブラーシカ的な人形を作って送る。
しかしオリジナル、ロシアアニメのチェブラーシカって本当にくるよね。あんな生物にさ、
「ボク、字が読めないんだ」
なんて言われたらぶっ倒れるかもしれない。チェブラーシカとベビーメタルは今の俺にとって最高のファンタジーだよ。
そんな夢見がちな俺だけどさ、お医者さんに、お尻にはお風呂がいちばんいいって聞いたんで毎日風呂につかってるよ。冬至には柚子を入れた。懐かしい香り。もう、歳とともに温かいだけで幸せになってくるよね。温泉で熱燗でも飲みながらさ、チェブラーシカの上映会なんて企画どこかにないもんかな。
天気のいい日には立山連峰がくっきりと見える。
♪つるぎ~たてやま~くろべはさ~むく~ 雪ちゃんのたよりはこうじ~みっそ~
みたいなね。
2014.12.27
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訓練所のスケジュールにさ、「球技大会」って書いてあったんで、前から気になってたんだよね。いや、心配さえしてたんだ。塀の中系の野郎8人でいったい何をやるんだろうか。
「おんどりゃ、貴様のボールとったろうか!」
みたいなことにならないかってね。でもその大会少し前に同じ施設のビジネス実務課に20人ばかりの女子が入ってきてさ、合同でやるって話だったんで安心したよ。このスクールライフになにか足りないと思ったらさ、そう、このトキメキ感なんだよね。しかもボーリングだってさ。はりきったね。
「ナイススペア!」
とかいってハイタッチで赤らむおじさんたち。そう、ボーリング世代の人も多くてさ、中にはマイボール持参なんてのもいた。俺はガーターばかりで、すっかりダメだったな、二回目でやっと思い出してきたけれど2回のスコアあわせて160くらいだったかな。同じチームの女の子たちには残念ながらにらまれ気味だったよ。
「落ち着いて!」「ああ、もう!・・・また」
みたいなね。
それにしてもさ、ボーリング場ってさ、60年代っぽい雰囲気がいいよね。
雪で仕事が中止なったのか、ガテン系のお兄さんたちが作業着のまま別のレーンでやっていてさ、スコアをのぞいてみるととんでもなくハイレベルだったよ。
そうそう。この日は道路が麻痺するくらい大雪だったんだよね。しかし今年の雪はすさまじいね。俺のか弱い尻には堪えるよ。
2014.12.26
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今じゃナポリタンスパゲティーって「懐かしの味」って分類なんだね。でも、おそらく1970年代以前はスパゲティ=ケチャップ味みたいな時代だった。口のまわりを真っ赤にしてる友達なんかよくいたもんだよ。
「あっ、こいつ朝からスパゲティーでやんの、やーい」
「うるせえな食ってねえよ」
とか言って口を袖でふいてさ。その袖のシミがまたとれないんだ。
そういえば、なんか知らないけれど、小学校の頃、朝ごはんに何食べたかバレるのって異様に恥ずかしくなかった?
もう、納豆食べたなんてことがバレたらさ、
「うわ~。ナットくせ~。バリヤー」
とか言ってさ、またバリヤーとかエンガチョとかキッキって出てくるとみんな大騒ぎになっちゃうんだよ。なんで子供ってそんな架空の防御シールドにムキになるのかね。そうしてるうちに女子にまでその話題が届いてさ。好きなあの子が、「ナットウだって、クスクス」なんて笑ってる。もう絶望的な気持ちだったよ。
納豆なんてさ、シミーズ姿のかあちゃん級の生活臭があったんだよね。だから俺は喫茶店で初めて納豆スパゲティに出会ったときには、革命がおこったのかと思ったくらい衝撃的だったよ。
寒いときに熱々のうどんはうまいんだけれど、おもしろいくらい鼻が出るのも結構恥ずかしいよね。モツ煮込みうどんの糸庄ってさ、人気あるんで、この時期ならぶじゃない、ならんでいるあいだヒマだから、食べている人に注視してたら、もう、みんなティッシュの取り合いみたいになってるんだよね。なかなかすごい光景だよ。
そういえばさ、このあいだ焼うどんを弁当に入れてもってったら油が足りなかったのか、うどんがくっついていてさ、一塊の「うどんブロック」みたいになってた。俺はいいけれど、我が娘が友達の中でさ、箸で串刺しにしたうどんブロックを食べている光景を想像するとさ、不憫な気持ちで涙が出てきたよ。
2014.12.25
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ちょっと空しい選挙があったじゃない、あの日にさ、富山でライブがあったんだよね。雪でぐちゃぐちゃな日だったけれど、ちゃんと俺は投票に行ってから、地鉄でライブに向ったよ。空しいって言ってもさ、どこかの国みたくさ、まったく意志が報われないってことじゃないからね。選挙権をありがたく行使させていただいたと言ったほうがいいかもしれない。
演奏場所のクラブマイロって、メジャーな人のライブもあるんでどんなところか楽しみにしてたんだけど、思ったとおり、雑居ビルの一室でさ、なんかわりと夜の匂いがするような感じ、ゾクゾクしたよ。リハーサルで客席に座ると、バスドラムの低音域が、なんかこうお尻にビリビリくる感じだった。もしかして、このマッサージ効果でさ。痔にきくかもなんて馬鹿なことを考えたよ。
さて、リハから出番まで時間があったので、おじさんたちはお好み焼き屋で一杯。なにやら下世話な話題でだんだん盛り上がってさ。
ライブはしこたま飲んだ約3名、若干ヘロヘロだったけれど、客席のヤングたちが盛り上げてくれたんでなかなか楽しかった。
そうそう。対バンのみなさん今回結構若かったんだよね。俺らぬかしたら平均20代くらいだったんじゃないかな。俺らはもうアラフィフバンドなんだけれど、そんな老爺たちを若者たちは優しく受け入れくれた。そう、さながら老人ホームに慰問にくる若者のようにさ、誰もがきれいな目をしてたよ。
若者たちの演奏を見ていると、テクニックもさることながら、楽しそうに演奏しているなあと感心したよ。俺らの世代ってトンガっているのがカッコいいみたいなバンド経験してるからさ、ついつい客席に境界線を作っちゃうんだよね。そもそもビートルズだって初期はニコニコ演奏してたんだよね。ロックやポップミュージックは60年代後半からやけに哲学的になって、70年代には客席に中指を立てるようにさえなってしまってさ、俺たちの世代は、10代でそんなものにかぶれちゃったんで、イマイチそれが脱けきれないんだよね。そう、演奏者も客席も一体になろうとする感じはカラオケ文化の中で彼らが育ったからかもしれないなあと思ったよ。楽しむこと、楽しませることにアグレッシブであることは見習うべきところがあると俺は考えたんだ。
ライブが終わって、ルーシアも合流してミニ忘年会。今年もバンド友達のおかげで、いろいろ楽しかったよなあなんてしみじみ考えつつも、アルコールの過剰摂取で後半はあまり覚えていない。ライブハウスの低音効果も空しく翌朝は痔の症状に苦しめられたよ。
2014.12.24
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学校とバイトの合間にマックみたいな。こういうのってなんか懐かしいよね。でもいい歳したおっちゃんがなんだかねみたいなところもある。
そういえばさ、あるマックで、いつも見かける男の子が居てさ、わりとごついタイプの感じだったな。その子、真剣な顔して、なんか書き物をしてるんだよね。トイレから帰ってくるときにチラっと覗いてみるとさ、それは詩のようなものだったんだ。♪つながってたいよね~とかさ、それ的な文句がやけに丸い文字で書いてあった。それ以来俺とカミさんはその子のことを「詩人くん」って名付けていたんだけれどね、その詩人くん、あとになってさ、そのマックで働いていた女の子と歩いているところを見かけてさ、カミさんと俺は納得したんだよ。
「おめでとう!」
って俺たち声をかけてあげたいくらいだったな。
そういえば、いい歳って言ったら。ジャンボリーのバイトで俺はあるポカをやってしまってね、マスターは「とにかく確認して仕事しっしゃい」とそれだけでとくに何も言わなかったけれどさ、けっこうへこんだよ。なんかさ、ミスそのものよりも、瞬間、いい歳して言い訳が次々とひらめいちゃうんだよね。心が、これは俺のミスじゃない、俺がするわけないみたいなさ。当然、そんな馬鹿なことは口にしなかったけれど、そのように反応した自分の気持ちに、俺はなんだかがっかりしてしまったんだな。なんだ、俺って、そんなレベルの奴だったのかって思った。
でも、ちょうどその日に、友人たち家族のちょっとした集まりがジャンボリーであったんでさ、店をクロージングしたあとにちょっと仲間入りさせてもらってさ、わいわいとやっているうちに、なんだか気持ちの切り替えができたよ。いろんな立場でさ、いろんな人間がいるけれど、なんだかんだ言って、誰もが家族のために戦ってるんだよね。「自我」みたいな青臭いことでいちいち悩んでるヒマはないんだ。
ビールをしこたま飲んでしまったので帰りは歩き。寒い日だったんで雪がサクサクという音がしてたよ。
2014.12.23
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受験応援メニューって言うよりも、家族の中で一番大食いだからさ、自然、娘の好きそうなメニューを作っちゃうんだよね。このアボガドみたいなグンニャリしたのも、名前がおしゃれっぽくて好きそうだから使ってみたんだ。どうやって食べるのか、いつがたべごろなのかとかさ、本当はよくわかんないんだけど。なに、マヨネーズぶちかけたらだいじょうぶ。味なんかわかりゃしないよ。
煮込みうどんもさ、トマト味にしちゃったりしてさ。これもいいんだかわるいんだかわからないときは、チーズでもぶちこんどきゃだいじょうぶさ。
シチューっていうのか、スープって言うのかさ、白い汁ものみたいなのを作ったときはね、レンジで乾燥させた食パンをぶち込んどけば、なんかホテル風みたいになるじゃない、そうすれば勘違いして食ってくれるよ。
チャーハンも洋菜で作ってさ、ジャンバラヤって言っちゃえばいいのさ。おしゃれでしょ。説得力なけりゃカーペンターズのジャンバラヤでも流しときゃだいじょうぶ。出すときにさ、
「ジャンバラヤ食って陽気にいこうぜ!」
みたいにさ、アメリカ南部人みたいにふるまえばもうバッチリ。
結局さ、よくわからない材料なんでも、全部ストーブの上で煮込んで、カレーにしちゃえばいいのさ。
そういえば最近気が付いたんだけれどさ、塊肉は2時間ほど煮込むと繊維が壊れてやわらくなるんだね。おとうさんはおとうさんで、今度、牛スジ煮込みでも作ってみようかと思ってるんだ。
2014.12.22
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