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アルコール依存状態であるかを判断する目安として、精神的な依存と身体的な依存の有無が目安になります。 精神的な依存が形成されると、飲酒量や飲酒時間を自分でコントロールすることが難しくなります。泥酔してしまうまで大量に飲酒したり、昼間から飲酒したりと、飲酒すべきでない状況でも飲酒を止めることができません。

問題があることを本人が自覚していて、周りから注意されるため、隠れて飲酒する場合もあります。ブラックアウトのため、酩酊時の行動を覚えておらず、酔いが醒めると自分の行いを詫びて、断酒を約束するものの、再び飲酒して問題行動を繰り返してしまうのも依存症の特徴です。

身体的な依存症状としては、アルコールへの耐性が高まって飲酒量が増えていくことと、離脱症状の出現です。離脱症状の不快感を避けるために飲酒するようになります。

飲酒時に問題行動を起こしたり、離脱症状がでても飲酒を続けてしまうのは、アルコールによる酩酊状態が、報酬効果を持つからです。不眠やストレスを解消しようと飲酒を始めた場合は、酩酊状態が自己治療として使われています。アルコールで寝付きが良くなったり、気分が高揚してストレスが緩和されたりすることで、飲酒が習慣化されていきます。

酩酊状態がもたらす報酬効果によって飲酒が習慣化することが依存症の引き金となります。その後、飲酒を止めようと思ってもやめられない状態となります。もはや自分でコントロールすることが困難となり、強迫状態とも呼ばれます。強迫とは本人が望んでいなくても、止めることが出来ずに繰り返されてしまう状態です。 強迫が生まれる要因として、アルコールを減らした場合の不快な離脱症状を避けたい気持ちが関与します。

飲酒によってストレスや不安が解消される快刺激を期待する一方で、アルコールを飲めなかった場合の不快な気分も想像してしまうようになります。 耐性が生まれて、飲酒時の快刺激は薄れていき、同程度の効果を得るには、さらに大量の飲酒が必要となっていきます。そして、離脱症状の不快さから解放されることが飲酒の目的に変わっていきます。このようにして依存に至ると考えられています。

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