無為是人生 居酒屋探訪(其の二百五) ~野毛 鳥しげ~
一人旅、居酒屋巡り、愛車のアルトワークスなどについて気ままに綴っていきます。

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出されるものは何でも美味くて価格は良心的、店内は心地好い活気がある。良くも悪くも実質本位という明快な魅力を持った大衆酒場の鑑のような店である。良くも悪くもと言ったが、その象徴が品書きだ。文房具屋で市販されているファイルに一枚ずつ紙を差し入れたものであり、てかてかと光って品が無く、また後半の頁が余ってしまって何とも無粋である。壁に貼られたビラも同様で、書式も色彩も統一感のない何枚ものビラが乱雑に貼り付けられていて落ち着きがない。
だがむろん、この店でそのようなところに不満を持つのは筋違いというものだろう。良い酒肴を手頃な価格で提供してくれる、ただそのことに専心してくれればよいのである。

もつの煮込みは生姜が効いているところが肝で、絶妙な味付けに箸が止まらない。大根の煮物はひたひたのスープが張られ、挽き加減を変えた二種類のつくねと共にそこに浮いていて、上には柚子が少々乗る。様々な味の要素が混在しながらそれらのバランスが秀逸で、素晴らしい仕事である。肉豆腐といえば豆腐に煮込まれた牛スジ肉などが乗るものが一般的だが、ここ鳥しげの肉豆腐は世にも珍しい挽き肉が乗ったものだ。この挽き肉が複雑玄妙な味付けで、煮込みと同様生姜が効いていて全体を引き締めている。肉豆腐も良いが、この挽き肉をご飯に乗せたら何杯でもいけそうだ。敢えて冷めるのを待って少しずつつつきながら酒をちびちびやっても最高だろう。もちろん主役の焼き鳥も文句なし。どのネタも新鮮で大ぶりで素晴らしく美味。

DSC07635.jpg
友人に連れられるままに訪ねた私は、この店の存在を知らなかった。だがたいへんな人気店ということで、土曜日とはいえまだ17時半だったというのに、その友人はいつも満席で入れない、今日は入れて実に運が良いと繰り返していた。それも宜なるかな。
それにしても改めて認識したのは、野毛の飲み屋街の素晴らしさだ。雰囲気は抜群だし、何より並居る居酒屋群の質がとにかく高い。この界隈には外れの店は一軒もないのではないかと思わせる程だ。
早くまた野毛を訪ねたいものだが、それが叶った時にはこの鳥しげのような名店の再訪と新規開拓の間で揺れるという贅沢な悩みを持つことになるだろう。



鳥しげ
045-241-1603
神奈川県横浜市中区野毛町1-25
17:00~24:00
日祝休





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