無為是人生
日本一周後の福岡での日常、居酒屋探訪記などを綴ります。

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1,500km、22時間を走り通して遂に札幌駅に到着した。

…と、そんな余韻を噛み締める暇もなく先ずは一目散に列車の先頭へ(^^;
なにせこのトワイライトエクスプレスは新津を出てから洞爺までの770kmを一度も停車しないというとんでもない列車である。趣味人として残念なのは、そのせいで機関車交換の様子を見物出来ないことだ。特に青函連絡のED79型が牽引する姿は深夜帯ということもあり、列車に乗っていない人も含めその姿を見ることは殆ど無い。
せめて最後にDD51型重連の牽く勇ましい姿を拝まないことには乗車の旅は終わらないのである。

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伊達や室蘭、苫小牧といった噴火湾沿いは道内でもっとも温暖で積雪量が少ないところである。道路にも殆ど雪は無く、本当にこれが冬の北海道かと思うくらいだが、苫小牧から札幌へ向けて進路が北に変わると様子は一変する。
苫小牧と札幌の間は僅かな距離しか離れていないが、苫小牧の町を出るとあっという間に雪深くなる。札幌は人口が百万人を超える大都市の中で世界で一番、群を抜いて積雪量の多いところだ。札幌へ向かってさらに雪はぐんぐん増えてゆく。この僅かな間の景色の激変ぶりは冬の北海道の車窓の楽しみの筆頭と言えるだろう。





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今回、中途半端な贅沢は却って勿体ない、との観点から昼、夜、朝と三食を食堂車で食べることにした。こんな事が出来るのもトワイライトエクスプレスの下り列車だけである。

朝食は和食と洋食から選べるのだが、迷わず洋食を注文した。何故かというと私は自宅で朝食を食べる際は毎日必ず和食で、パン類を食べるという習慣は無い。その和食はすべて自炊で自分で作るもので、しかも朝にこそ良い物をという思いから良い食材(生活クラブ生協の消費材)を使っている。良い材料を使って自分の好みに調理しているのだから当然美味い。
だから、外で朝に和食を食べるとちょっとでも不味いと不満に思ってしまうのだ。だが、洋食ならば美味かろうが不味かろうがある程度どうでもよく、多少不味かったとしてもまあいいか、別に…と思えるからである。

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しかしやはりここでの食事は美味い不味いは二の次である。
テーブルには柔らかい朝日が差し込み、広大な針葉樹の原生林や競走馬の牧場、その向こうに雪山を望むというまさしく北海道らしい景色を横目に見ながらの食事はたまらない。
次は夏場に乗車して早い時間帯の夕食を食べてみたいものだ。





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噴火湾に朝日が昇るところを見ることが出来た。
それも、ちょうど長万部~静狩間の海辺の視界を遮る物が一切ない区間で、僅かな光の筋が見えてから噴火湾を紅く染めて太陽が円く七割方姿を見せるまでの数分間を楽しむことが出来た。

これは様々な条件がすべて揃わなければ見られない、まさに奇跡に近いものだった。たとえば明日、同じ気候条件だったとしてももし日の出が数分早くなったとしたらもう見られないわけである。早くも冬の北海道に足を運んだ甲斐があるというものだ。





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風雪に阻まれ、数時間単位での大幅遅延なんて当たり前、運休すら日常的にあるのがこの季節のトワイライトエクスプレスだが、本日は何とここまで定時運行中である。





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