アルテック 601C - オッカイポの旅
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アルテック 601C

今日は私が使っているアルテック601Cというスピーカーユニットのお話です。

アルテック本
ステレオサウンド誌別冊です。この2冊に、601Cについての記述があります。

まず、ビンテージ・スピーカー大研究(大研究というのが怪しい)です。この本には、601シリーズの3機種、601A・601B・601Cそれぞれの試聴記が詳しく書かれています。それによると、各種コアキシャルスピーカーの中で、家庭用として最高の物だと書かれています。

この種の試聴記には、同一機種の中では、製造年代が古い物ほど評価が高くなります。それは古い物ほど良いという先入観があるのだと思います。なので、601Aが最高だと評価されていますが、私は記事を鵜呑みにしないようにしています。

主に無線と実験誌で学んだ私は、ステレオサウンド誌のように感覚的な試聴記のみで、オーディオ機器をうんぬんする姿勢は、信用できないのです。せめて実測した周波数特性ぐらい乗せなければ、科学誌とは言えません。

さて、ステレオサウンド・アルテック特集号には、601シリーズのメーカー発表データが乗っています。それによると、最初の601Aが発売されたのは、1952年だそうです。私が2歳の時ですね。

私が所有する601Cは、ツイーターのセルラホーンの色がグリーンなので、前期型のようです。前期型は1963年発売となっています。後期型は1967年発売なので、私の601Cは、少なくとも60年前のユニットのようです。

前期型と後期型は、特性も微妙に違っています。前期型は、Foが32ヘルツ・能率が100㏈です。後期型は、Foが39ヘルツ・能率が99㏈となっています。

Foと能率の違いは、その時の製品の個体差や測定方法によって出てきたものだと思います。ちなみに能率は(W/4)においてとなっているので、日本のスピーカーユニットの能率表示とは異なっています。

さて、なぜ私が601Cを一生物のスピーカーとしたかです。それは、50数年前に、日本のパイオニア社から、601をパクったと思われるPAX-A30という30センチ・コアキシャルスピーカーが発売されたからです。

PAX-A30は、フェライトマグネット採用とはいえ、外観は601にそっくりで、二十歳の私にはとてもかっこよく見えたのです。当時の価格は、1本が2万円程でしたから、とても買えませんでした。

私はPAX-A30の代わりに、20センチのPAX-A20を購入して、メーカー指定箱を手ノコでギコギコと作りました。あの時の情熱は、どこにいったんでしょうね。

そんな若き日の憧れのスピーカーの本家本元である601ですから、感慨もひとしおです。50数年を経て、我が家に来てくれたと思いながら、アナログ・レコードを聴いています。

長々と601Cへの思入れを書きましたが、肝心の音質です。実は私にとって普通の音なのです。クラシック・ジャズ・ロック・ブルーズ・民族音楽・歌謡曲など、前に出る明るい音で、何でも気持ちよく聴かせてくれます。

601Cのエンクロージャーは、20m厚の米松集成材で作ってもらった約150リットルのウルトラバスレフボックスです。30センチユニットの割には、重低音が少し寂しいので、バスレフ・ポートの調整が必要かもしれません。

今後も人生最後のスピーカーである601Cの能力を引き出す努力を続けていきたいと思います。

*11月28日朝 一部加筆修正







コメント

601C

おはようございます。
601Aが発売された年は私は影も形もありませんでした。
10年前に某オークションで601Cを手に入れました。
とても聞きやすく気に入ってます。

ウルトラバスはポートに布を使って調整しました。
三菱のロクハンのウルトラバスほど効果がなかったです。
おそらくボックス容量の小ささからかと。

追加レポートお待ちしております。

Re: 601C

Saraさん こんばんは。コメントありがとうございました。

601は、604のように、耳に刺さるような音ではなく聴きやすい点が良いですね。
Saraさんの箱は、私の箱と同じ製作者の物で、確か容積は100リットルでしたよね。古い設計の30センチユニットなら、200リットルぐらいがベストだと思いますが、そこまで大きいと取り扱いに難ありです。なので、100リットル~150リットルぐらいで妥協せざるを得ないところです。
私の601Cは、まだまだ持てる能力を発揮していないように思えます。SPスタンドを見直すとか、ウルトラバスレフの開口部の調整とか、まだする事はあるので、おいおいやってみようと思います。

ホーン良いですよね

新しい記事楽しく読ませていただきました、ありがとうございます。
読ませていただいて、私も601Cとの出会いのきっかけはPionnerだったなぁと気がつきました。
(ハイファイ堂の店頭で偶然聞いたPionnerのホーンの音とバーチカルツインの点音源(Pioneer S-HE100)が忘れられず、とにかくホーンがしっかり?したスピーカーを探しはじめ、幾つも聴いて周りましたが何故かピンと来ず、「あ、そうか、自分は同軸の音像も求めていたんだー」と気付く始末。そうこうしているうちに別のお店で何年も前から売りに出ていた601Cがあった事を思い出し、いまだ売れていない事を確認するとすぐに迎えに行きました。)
試聴する迄、「60年も前のユニットだとスペック不足で今のソースじゃまともに鳴らないかも、、」と心配する私に、601Cは「案ずるより産むが易し、杞憂という言葉はこんな時に使うんですよー」と言わんばかりにダイレクトで、それでいて柔らかな音の塊を私に向かって放ってくれました。
乱文失礼しました。
続き楽しみにしております。

Re: ホーン良いですよね

うーさん こんばんは。コメントありがとうございました。

本文にもありますが、私の601Cは、本来の性能を生かしきれていないと思っています。これから、一歩ずつ改善していきますので、拙ブログをよろしくお願いいたします。

601を置いているジャズ喫茶

お久しぶりです。
我が家はALTEC755Cを後面開放箱に入れて楽しんでいます。薄いマグネットの755は壁面に埋め込んだりで平面バッフル(後面開放箱も同様)の使い方が合っている思う。もう少し枯れた音がすると、ちょっと期待とは違っていたが・・・今から考えたらJBL,ALTEC.TANNOYと3つ揃えれば良かったと思う。TANNOYは食わず嫌いで関心がなかったが、今はバロックを聴くようになり後悔しています。

鳥取に601CをEL34ppで鳴らしているジャズ喫茶があります、それも私のお勧めの後面開放箱にいれて。バイク旅で寄ってみては如何でしょう(URL参照)

Re: 601を置いているジャズ喫茶

パジーさん こんばんは。コメントありがとうございました。

601を使っているのは、遠音という喫茶店ですかね。中国地方をツーリングする時、時間がありましたら、寄ってみたいと思います。

601C

601Cのファンのかたは多いのですね。30センチなのですね。私は20センチか38センチで30は飛び越してしまっています。聴いてみたいですが、もう箱の置き場がありません。
  30代でウルトラバスフレックスを38センチ用に自作しようと考えたことがありますが尻込みしてしまいました。手に負えないというか。結局銀箱を入手しました。
自分の気に入ったユニットは、確かに馴染んで聴きやすいというか、当たり前の音になっています。
  

Re: 601C

トニーさん おはようございます。コメントありがとうございました。

私も38センチユニットを導入していた時期がありました。
まず、ソニーのSSG7で、友人から無料で頂きました。これは3ウエイの大型フロアー型スピーカーで、低温の豊かな良い音でした。
次が7万円で購入したエッジが朽ちたタンノイ・アーデンでした。リテイルマネージメントでエッジを貼り替えてもらって、かなりの期間愛用していました。
その次がアルテック・バレンシアもどきの2ウエイでした。
いづれも、38センチは箱が大きすぎて、一人で移動するのもままならず、ウサギ小屋には不似合いでしたので、今の30センチ同軸の601Cに落ち着いたという訳です。
過去の38センチシステムは、どれも一長一短ありました。今の601Cは、さしたる不満も無いので、これがオーディオ人生における上がりのスピーカーになりそうです。
いや、408Aになるかもしれません。

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