さらに、一部の社員に週休3日を導入し、労働時間を減らしながら、給料は
維持する事に取り組んでいる企業もあります。
社員は7人。 金属の部品を特殊なワイヤーで加工する町工場です。
夕方に出勤して来たのは、週休3日の正社員。
夕方5時から翌朝1時までの夜間の8時間、週に4日、計32時間の勤務です。
それでも、週休2日の場合と給料は同じで、年収は600万円を超えています。
町工場の会長は、言う。
“(夜間の仕事は)やっぱり、非常に辛いのではと思って、その分、優遇して
あります”
そして今、会長は、夢のような計画に取り組もうとしています。
社員全員が週休3日で、労働時間を32時間に減らしつつ、給与も下げない
体制作りです。
“(皆が週休3日になっても)給与は減る事はない。 一緒です”
その自信の裏には、すでに社員全員が残業ゼロという働き方改革を実現して
来た経験があります。
その秘策は、なんと、それまで支払って来た残業代を、社員の基本給に組み
込むこと。
それによって、みんなが残業ゼロにしようと、頑張るようになったといいます。
“例えば、残業代を月に10万円払っていたとすれば、その10万を、今までの
基本給の中に組み込みました”
“(それまで残業代が)生活給の一部として支払われていたので、残業代を
なくすと、社員はヤル気をなくすと思うのです”
“社員のヤル気を下げないために、給与は一緒で後は効率化を一緒になって
見て行く”
従業員は、言う。
“会社が給与で面倒を見てくれている分、効率良く仕事を進めようと、
自分なりに気を使ってやっている”
早く仕事を終えても、給与を削られなくなった現場からは、次々と改善の
アイデアが生まれました。
効率を上げるため、自分の担当でない仕事も進んで対応したり、ベテラン
社員のみが知るノウハウを、みんなで共有したり。
そして経営者側も、納期に無理がある注文は、思い切って断るなど、全員
週休3日体制に向け、業務改善に、日々、取り組んでいます。
町工場の会長は、言う。
“あと2~3年すれば、週休3日が勝負だと思う”
“いろんな企業で、今、取り組み始めているので、いち早くやったところが
優秀な人材を確保するのではないかと思っています”
この町工場は生産性が上がって、売り上げもこの5年で倍増したといいます。
このような事は、他の企業でも可能なのでしょうか?
カギは、トップの決断です。
単に、残業を削減し、仕事を短くしても、それだけでは出来ない。
それが出来るようなビジネスモデルを作る必要があります。
じつは大企業でも、残業削減ではなく、仕事の仕方を変える、時間の生産性
を管理すれば、可能ではあると思います。
また、副業の場合、せっかくの休みの日に働くのは本末転倒ではないのか?
働く個人にとって重要な事は、どんな事を副業にするかということ。
副業には、大きく分けて2つのタイプがある。
1つは、自分がやりたいこと、出来ることを使ってチャレンジをして行く、
ポジティブな副業があります。
もう1つは、残業代を補うために、やむを得ずするネガティブな副業です。
この中で、ポジティブな副業に取り組んで行く事が非常に大切で、本業では
出来ない事を、副業を通して取り組む。
それによって、新しいスキル・経験を手に入れながらインプットを深めて行く。
これが、本業の方で、イノベーションを生む事に繋がって行く。
しかし、この副業に、問題点はないのか?
副業とは、2つの仕事を持っている事で、それぞれは大して長い時間働いて
いなくても、両方を足すと、長時間労働になってしまって過労死する可能性も
あり得ます。
そんな時、どこに責任があるのか?
あるいは、1つの仕事から別の仕事へ移動する時、通勤途上の災害です。
これも、どうするのか? 問題が残ります。
政府も、副業に伴うさまざまなルール作りに取り組んでいます。
まだまだ、週休3日を導入する企業は少ないですが、働き方改革の起爆剤に
なるのでしょうか?
はい、間違いなくなると思います。
今では当たり前となった週休2日制ですが、当初、導入された時は、もの凄く
反発にあった中で当時の松下幸之助は1日休養、1日教養というスローガンを
使って、つまりインプットを高めて本業に活かせよと言っていました。
それと同じように週休3日制では、1日休養、1日教養、そして1日活用とし、
今までインプットしていた事を、さらにアウトプットして行く。
そのような事が、これからは広がって行くと思います。
やはり、休みの3日、この3日を、どう使うか?
じつは、働き方改革を、生活改善に繋げる必要がある。
なぜなら年齢が高い人ほど、自分の生活よりも、仕事を優先させる考え方が
定着してしまっている。
特に、高度経済成長期を体験して来ている人たちは、平日の残業や休日
出勤などの長時間労働が当たり前の時代だった為、自分の時間の使い方が
分からない人が多いのである。
よって、長時間働いてはいけなくなった現代、働く人たちが、自分の時間を、
どのように使うかが問題である。
それを通じて、働き方を変えて行くのが重要である。
週休3日制とは、働き方の改革、休み方の改革、生活の改革なのである。
それには、まず、残業を減らし、業務の効率化を、どう図るのかという事を
セットで考えて行かなければならない。
週休3日制度には、まだまだ課題も多く残りますが、限られた時間で、いかに
効率良く業績を上げるか?
そして、それぞれのライフスタイルに合った働き方を、どう実現するのか?
企業と働き手が、共に考える、初めの一歩になるのではないでしょうか?
※週休3日で失敗しないために、楽天市場で事前準備をしましょう!