この所、お仕事がピークに差しかかるため、森に行く時間が取れそうにありません
それは大変寂しいことです、しかしそれでお酒の機会が減った訳でもありませんが
お酒はやはり山荘での宴が一番のようです
そんなお酒好きの私は、どうも壺好きでもあるようです
お酒が入っていなくとも壺をみるとついつい覗き込み、ついつい触ってしまいます
壺にはお酒がつきものだからでしょうか
そんなお酒好きの肴になりそうなお話
「後漢書」に「壺 中 の 天」という故事があるそうです
中国は後漢の時代、汝南(じよなん)の市場に薬を売る老人がおりました
この老人、実は「壺公」(ココウ)という仙人で天界での不祥事の罰として俗界に落とされていたのでした
「壺公」は日が暮れると店先に置いてある壺の中に入っていきます
どうもその壺を住まいにしている様子
それを楼上から見ている役人がいます、名を費長房(ひちようぼう)というこの役人
毎夜老人の入っていく壺の中を見たくてみたくて仕方ありません
ある日、費長房は老人に頼み壺の中に入れてもらうことになりました
なんと、壺の中には宮殿や何重もの門があり美酒佳肴(かこう)が並んでいる別世界
やがて費長房はこの壺中の世界に魅せられて、壺公の下で仙人の道を学んだといいます
費長房の気持ちがよーくわかります、摩訶不思議な、羨ましいお話です
壺ならぬ
信楽の花生
そんなことから「壺 中 の 天」は別世界のこと
意味転じ、お酒を飲む楽しみ、ともなったようです
有名な骨董商の「壺 中 居」とか、お茶室の「壺中庵」また「壺 中 の 天」という名の旅館だとか多くありますが
みな楽しみを秘めた隠れ家的なニュアンスですね
私もそろそろ壺の中へ帰りたくなりました
美酒佳肴の待つ、壺の中へ