久しぶりの知人に会い、家にお邪魔する事になった

だがそんな心配は無用な様子。
ハツラツとしていて会話も動きもしっかりしている。

久しぶりに会えた事をとても喜んでくれ、「ころりさん、心配していたのよ」と、私の方も逆に心配されていたらしい。

そんな感じでしばらく道路で立ち話をしていたが、やはり高齢者を長く引き留めて足腰に負担があってはいけないと思い、「足が痛くなってきません？どうぞ散歩を続けて下さい」と、そのまま別れようとした。

自宅に来るように誘われる

するとその80代の女性が言った。

「今から家に一緒に来ませんか？娘も喜びます」と。

そして続けて、「また次にいつ会えるか分からないから」と言った。

確かに。
通常でも偶然会うのは滅多にない事だし、何よりこの女性は80代で、どれ程今は元気に見えても、いつ何があるか分からない。

それでいつもならこういう誘いは負担に感じる私だが、なぜかすんなり「ではお言葉に甘えて」と、そのお宅にお邪魔する事になった。

そしてその方の家に着くと、中から娘さんが出てきた。

この娘さんと会うのもいつ以来だろう。
私と同じ鬱病歴がある。
お互いそれを説明し合った訳ではないが、何度か関わるうちにその症状や通院の会話でそれを知った。

彼女は入院していた事もあり、きっと私よりも症状が重い時期があったのだろうと思う。

そんな彼女と会うのは数年以上ぶりだと思うのだが、パッと見た瞬間、かなり雰囲気が変わっていた事に驚いた。

とても…美しくなっていたのだ。

―――続きます。