タクマさんのミスが重なり迎えたブレイクポイント。
しかし、ここでタクマさんのサーブが復活してきた最終セットの9-9の最重要ポイント。
池の見解では、このゲームの途中からタクマさんの様子が一変した。長期決戦を避け、短期決戦狙いに。
その途端にエーちゃんのラケットを弾き飛ばす程のサーブを見せた。
とすると、ここが最後の勝負所だと。
追い込まれたタクマさん。
ブレイクポイントだろうが、ピンチだろうが関係ないと吹っ切る。
全神経を目の前のサーブだけに集中し、入ったら次はファーストボレーだけに集中。
常に目の前に一球だけに全神経を集中させ、最後は前で決める。
ここまでエーちゃんの展開で均衡が続いた。
だから、ここからは自分の展開だと。
リミッターを完全解除し、全球全力でいくタクマさん。
タクマさんの気迫を感じ取ったエーちゃん。
それでも、230kmを超えるサーブが安定するとは考えられないと考えるが、それでも全部入ってくると思ってリターンに備える。
情報でコースを読み、その上でタクマさんの動きを見て最終判断。
タクマさんのサーブはセンターに200kmのスピン。
これを読んだエーちゃんは、何とかサーブに追いつき触れることに成功する。
しかし、タクマさんはこれをサーブ&ボレーで一閃。
電光石火の一撃で決め、30-40とする。
(いいも悪いも後だ・・・。次の一打に集中)
エーちゃんは超高速フラットから高速スピンとの落差、それに加えてのコース。
さらに迷いのないボレー。
これは今まで体験したことのないタクマさん。
この流れでキープされてしまった次が危ない。
ここを取られて次のサーブゲームに入ったら、タクマさんの動きだけに集中し続けられる自信はない。
そうなればパフォーマンスが一気に落ちる。
そう考えたエーちゃんは、現状が崖っぷちだと判断。
ここを逃したら、もうブレイクポイントはないと。
するとタクマさんのボールトスの間に、賭けで動き出す。
センターへ。
この動きに気づいたタクマさん。
その動きが視界を過ったからか、ワイドへ狙ったサーブは外れ、フォルト。
完全に読みを外し、逆に動いたエーちゃんは助かった形。
今のサーブ、タクマさんのファーストに対して、エーちゃんも高速スライスでのリターンを狙っていた。
それはタクマさんも今の動きとグリップの握りで把握。
予想していない展開だけに驚くが、それ以上にエーちゃんのここぞという場面でのその度胸に、笑いが出てくるほど。
セカンドを狙い打とうとするエーちゃんに、やっぱりお前はムカつくなぁと放ったセンターへのスライス。
その上で前へ。
速い上にコースもいいサーブ。
エーちゃんのリターンも前で受け、エーちゃんの次のショットは両サイド共に狭く、上もリスクが高い。
それでもエーちゃんは針の穴を通すようなコントロールで鋭角ショットを狙う。
その絶妙なショットにタクマさんの体勢も崩されながらのショットになるが、返った場所は深くいい所。
即座に体勢を整え、次に備えるタクマさん。
一方のエーちゃんは走らされ、打てる体勢を取れていない。
その上で伸ばしたラケットの面ではもうスライスしか打てない。
それを読んだタクマさんは、どこにでも打って来いと待ち構える。
すると、エーちゃんここぞとばかりに、スライスでのロブでタクマさんの頭上を抜こうとする。
そのショットが越えるか――というところで次回につづく。
30-40としたタクマさんのサーブ&ボレー、めちゃくちゃカッコいいですね。
電光石火。
まさにその一言かと。
でも、崖っぷちだと自覚したエーちゃんが、賭けにでるメンタルが半端ねぇ。
追い込まれれば追い込まれるほど、エーちゃんのメンタルの強さが表面化しますよね。
これはもう素直に憧れるしかない。
そしてアングルからのスライスロブ。
浅野さんとの試合は無駄じゃなかった。
的な。
的な。
こういう展開は嫌いじゃない――というか大好きだったりするココノイさんなのです。
しかし次回サブタイが決定打。
良くも悪くもこの一打が試合を決定づけるものになるのでしょうか?
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