7日(金)のNHK、北海道クローズアップをとても興味深く見ました。 「カラマツ人気 急上昇~道産材ブームの光と影」
カラマツという樹は、わが国に自生する唯一の落葉針葉樹です。 高さ20~30m、直径60~100cmの大高木で、日当たりの良い場所に生育します。 成長が早いため、寒冷地での植林樹種として利用され、北海道には明治以降大量に植林されました。
ほら、思い出してください。 道東や上川北部の山一面の、見事なほどの、えんぴつがズラーっと並んだような光景。
結婚前のお勤め時代、カラマツに囲まれた主幹産業が林業のまちで仕事があり、まちの人からカラマツの活用について、困っているという話を聞きました。
こんなに植えちゃって、、、今、日本では木材は輸入一辺倒なのに、、、 しかもカラマツ、成長が早くて他の樹よりも安いのだけれど、乾燥させると「ねじれ」が生じて使えない。
以来、カラマツという名前を聞くと、濃い緑の見事なカラマツ群と、突きつけられた厳しい現状に、複雑な思いがよぎりました。
だからこの放送の冒頭部分の、「今カラマツが売れている」というナレーションが耳に飛び込んだ時は、思わず「やったね!」と心の中でガッツポーズ!
ただ、番組タイトルにあるように、功罪あるわけで。
そもそも、材として使えないカラマツが、なぜ大量に北海道で植林されたのか。
それは炭鉱です。 炭鉱、、、これまた道産子としては、複雑な思いがよぎる名前ですが、国のエネルギー政策として、明治期から北海道には次々と炭鉱がつくられました。 一番豊かだった時代です。 炭鉱員のお給料は、当時のサラリーマンの3倍?ほどだったとか。
そしてカラマツは、炭鉱の坑木として利用されたのです。 坑木不足が石炭の出荷量を左右したことから、盛んに植林が行われました。 でも、、、
皮肉なことに、「これで炭鉱はだいじょうぶ!」なほど植え続けた途端、今度は炭鉱の斜陽化。
カラマツは、北海道の明と暗の象徴のように思えます。
でも、日本の匠は素晴しいですね~ 乾燥時のねじれを克服する技術を編み出し、輸入国だったロシアが資源保護のため輸入制限したのもあって、道産カラマツの需要が急増しています。 現在のカラマツの用途は住宅木材。国産カラマツ使用の家がブランド化しつつあるのだそうです。ただ、、、
そう、今度は過度な森林伐採という問題が生じます。 放送では、カラマツ群を一斉に伐採した、坊主山の映像も流されました。
環境への負荷が心配されますが、一番身近な問題は、川への影響でしょうか。大雨が降ると、伐採箇所から大量の土砂が川に流れ込む。水道水が濁るかもしれません。
まぁーいずれにしろ、道産と国産を使うのは良いこと。 伐採後のことを考えて、知恵を出し合い、バランス良くカラマツを利用してほしいと思います。
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