北海道川原版 2007年02月
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ヌマチチブ

Author:ヌマチチブ
川は身近な自然であり、北海道の歴史を物語ります。
そんな北海道の川の素晴らしさを、わかりやすく、老婆心も交えつつ、お伝えしたいと思います。

間違ってる箇所も多々あると思いますので、よろしければ教えてくださるとうれしいです。
どうぞ、ごゆるりと・・・
………………………………………
ヌマチチブとは、日本中に広く分布する頭が大きくずんぐりしたハゼ科の魚。顔を中心に無数に斑点があるのが特徴。
いわゆる雑魚で、「釣った」と思った瞬間、ガッカリ感と笑いを誘う、憎いあんちきしょー!

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北海道川原版
北海道の川のイベント、施設、川魚、植物、アウトドアや歴史、自然写真。 川原から北海道をめぐる情報ブログです。
富士山麓からの便り
お友達のエゾトミヨさんから、素敵なお便りをいただきました。

エゾトミヨさんは、現在は道外にお住まいですが、名前の通り北海道出身で、今や希少となったエゾトミヨを小さな時につかまえたという、なんとも贅沢な経験をお持ちです。

富士山麓の散策で出会った風景だそうです。


流しそうめんのような、美しすぎる川の風景はもちろんですが、
わたしは人間と自然が共存している、川を敬い寄り添って生きてる、
歴史や文化を感じる風景に、想いを寄せてしまいます。


静岡県富士宮市の「陣馬の滝」
富士山麓1

名前がわたし好みと思っていたら、
源頼朝が巻狩の帰りにこの滝の近くに陣を張ったことから、「陣馬の滝」と名づけられました。

さぁ~、みんなで復唱しましょう!
“いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府”―テストに出るよぉ~


そしてそして、山葵田です。
富士山麓5

急峻で狭い土地に、富士の伏流水という恵みを、上手に上手に利用して生きてきた先人の智恵――

ちなみに山葵とは、日本古来の薬味として有名なわさびです。
清流にのみ根を張る、固有の食文化です。 


水が澄み渡っています。
富士山麓6



山葵の葉。
富士山麓4

わさびは本来このような植物なのですね。
子ども達に知ってもらいたい、素材本来の姿です。


山葵田は、神社のほんの一角にあるそうです。
富士山麓3

ちょっと見えますね、神社が。


富士山って、日本美、そして日本人の心そのものだと思いませんか?
富士山麓2

道産子ですが、富士山を目にすると、思わず拍手打ってしまいます。


エゾトミヨさん、素敵な写真、ありがとうございました。
富士山麓に行く機会があれば、ぜひ見てみたい。


京都しだれ桜に鴨川納涼床の風流――
熊野段段畑や富士山麓山葵田の智恵――

広大な北海道では、なかなかお目にかかれぬ風景です。

てなことで、「日本の川風景」というカテゴリーを追加して、お届けしました。

機会があれば、また・・・
川の秘湯・湯の滝
本日、よろよろと自転車を運転するおじいちゃんから、

除夜の鐘ぐらい響くベルを、耳の近くで鳴らされました。

ゴォォォ―――ン・・・

最近の北海道、みんな真冬でも自転車に乗りますね。
携帯電話をいじりながら、
高いヒールをはきながら、
そしてお年寄りの、

自転車運転はくれぐれも注意してくださいね。
まだまだ滑りますから!

冬1

これは今冬降った、とても大きな雪の結晶です。
星か、こんぺいとうのようで、愛らしいでしょ!


本州では春一番がことのほか早く、梅の花も目にするようですが、
北海道は流氷が着岸するか、しないか、やきもきしてる真冬の候。

そんな北海道の冬の暮しに欠かせないのが、コレです。
冬3

北海道の一軒家の敷地内で、必ず目にする灯油タンク。
1~2ヶ月分ほどの(?)、灯油を溜めておきます。

冬2

道路が凍る朝は、粒上の石を播きます。
石の袋はこのように、道路の端に保管されています。

ここに、除雪用の通称“ママさんダンプ”が加われば、三種の神器というところでしょうか。。。



さて、寒い時は、やはり温泉ですよねぇ~
お待たせしました、やっと本題です。

北海道は日本の中でも、温泉が多い地域です。
活火山も日本の中では多いですし、先日紹介した定山渓のように、川底から湧く温泉もあります。

その中でも、北海道らしさ満点いえば――湯の滝ですね。

北海道では、カムイワッカ湯の滝が有名です。
知床国立公園内 カムイワッカ地区 (斜里町)

活火山・知床硫黄山の中腹から涌き出る温泉が川に流れ込み、川全体が流れる温泉のようになっています。
川の湯を登っていくというアウトドア感覚が全国的に大人気!
さっすが知床慕情です。


そして昨日、何気に北海道ローカルテレビを観ていたら、というか聴いていたら、鹿追町のピラの湯が紹介されてました。

いやぁー、初耳!福耳! こんな秘境あったのですねぇ~

町道然別峡峰越線を然別峡ダムへ向かう途中の、枝道から崖を降りていくと…
ピラの湯1

岩壁から湯が噴き出しています。もちろん無料の野湯です。
(画像、見づらくてごめんなさい。一応、岩からお湯が涌き出てます)


石で囲った露天風呂が作ってあります。
ピラの湯2

この素朴な露天風呂の横には、ユウヤンベツ川が流れていて、大自然の眺めが画面を通しても伝わりました。
(って、誰? この人?)

いいなぁ~~~ 憧れなんです! 川の中の温泉って!


然別湖を山一つ隔てた静寂な渓谷を「然別峡」と言うそうで、自然温泉郷~
含硼酸重曹食塩泉という全国でも珍しい泉質で、神経痛・リウマチ・胃腸病・婦人病等への効用があります。


では、然別峡の野湯をご紹介!

マクペカの湯
ペニチカの湯…高温で湯桁あり。バケツで川水を汲む。
メノコの湯…川を見渡す段丘岩盤上に湧く、湯桁あり。バケツで川の水を汲んでうすめる。
シリコトルの湯…渓流に面した傾斜岩盤中に湧く。天然の小凹みがあり露天風呂になる。
鹿見の湯


うっわぁ~ 
北海道、まさに温泉天国です。


でも、こういう野湯を目の前にして、入れるかどうか・・・
一応、女の子なんだもん。。。

十勝観光のひとつに、覚えておきたい絶景の秘湯です。
ちょうど3月31日(土)まで、然別湖では、『然別湖コタン2007』が開催中です。
子ども達を自然へ、その根拠
中学にやっと慣れたわが娘。
先週末、1年間の学力を問う定期テストを終え、今まさに、
まったぁ~りくつろいでいらっしゃいます。

わたしは、子どもの良いところをイタリア男のよーに、誉めてあげることを日課にしようと思いつつ、テスト前やテスト中、はてはテスト後まで、
経過を聞かずにはいられない愚かな親でございます。


そんな時は、あの言葉を思い出します。
わたしが川を好きになった、
そして、このブログを始めるきっかけとなった言葉。


環境を守る子どもを育てる。
 それは今を生きる大人の使命なんだ


今や全国的に有名になった、春夏秋冬、千歳川をフィールドに、各分野の専門家から指導を受ける、本格的な環境教育「千歳川かわ塾」。
主催するNPO法人・水環境北海道の方の忘れられない言葉です。

よそ様のお子様の生命を預かって体験学習させるわけですから、
万全の上に、万全を施し、リスクを取り除く努力と勉強は怠らない。
ここまでして、なぜ子どもに自然体験をさせるのか。


地球規模で進み、一刻の猶予も許さぬ地球の温暖化という大きな問題もさることながら、子どもにとって自然にふれあう事こそ、絶対的に必要な経験だからです。

ここに興味深いデータがあります。
文部省「子どもの体験活動等に関するアンケート調査

この調査結果のクロス集計分析で、

1 お手伝いをよくする子どもほど、道徳観・正義感が身についている
2 生活体験が豊富な子どもほど、道徳観・正義感が身についている
3 自然体験が豊富な子どもほど、道徳観・正義感が身についている


という結果が如実に出ました。
アタタタタァ~ 耳の痛い結果です。


また、独立行政法人 国立オリンピック記念青少年総合センター
「青少年施設職員の手引-改訂版-」の中の、
青少年教育施設での調査データからみた青少年という項目でも、
興味深い結果が。

平成10年の夏休み中の4泊5日以上のキャンプで取ったデータで、
キャンプ経験の多い子ほど、キャンプ中のケガや病気が少ない
ことがわかったのです。

また、テント泊経験(あるいは一般に「宿泊体験」)は、自己の健康をコントロ-ルするための訓練の場として、重要な役割を果たす可能性が示唆されました。


つまり、良い子に育てたいなら“旅をさせろ”
“生活体験と自然体験をさせろ”ということです。

親子

豊平川上流・藻南公園(札幌市南区)


さる自然ガイドの方から、小学校3年生までがタイムリミットだと言われ、
青ざめた覚えがあります(汗)

わたし達が子どもの頃は、舗装された道路は一部だけで、どこに行っても自然だらけだったけど、今の子どもが地球の素顔に触れる機会は皆無と言っていいほど。

その中で、川は自然を知る一番身近な場所だと思います。

子ども



そういえば、千歳川かわ塾で育った子どもが有名大学に入り、休みになるとボランティアに参加してると聞いた事が、何度もあります。
また、自然ガイドの方は、川原で国・数・社・理を教えられると言ってました。

どうやら自然は、学習の素材が無限にあって、
「なぜ学ぶのか?」という学習本来の目的も、教えてくれるようです。


もう遅いかもしれないけど、今夏、キャンプに行ってきます・・・
江別の素敵なイベント
江別市にお住まいの方、江別市にゆかりのある方、江別市に興味のある方、
興味深いイベントのお知らせです。

豊平川の河川改修で切り離された三日月湖・世田豊平川
世田豊平川2

地元の人も知らない、手付かずの自然が残る、水鳥の楽園。


石狩川の合流点付近には、なんと、五稜郭の榎本武揚が農場を開いた「榎本公園」があります。
榎本銅像1


江別駅前には、売り切れ必至の手作りおやき屋さん「大判焼むらた」もあります。
とろ~りクリームがオススメ!
また、野幌駅前には、缶毎焼き上げるチーズケーキ・のーす羅衣舞の『ガトー・オ・フロマージュ』も、一度食べてみたいです。http://www.renga.biz/shop/specialfood.html#oyakimurata
■ 続きを読む。 ■

テーマ:札幌/北海道の地域ネタ - ジャンル:地域情報

豊平川の恵み・定山渓温泉
定山渓温泉は、支笏洞爺国立公園内にある、
札幌の奥座敷と呼ばれる温泉郷です。
定山渓温泉2

月見橋から豊平川上流を望む


温泉は豊平川の川底から湧き、両岸に温泉宿が広がる、まさに豊平川の恵みでできた湯の里です。


さて、定山渓温泉は、美泉定山という僧が発見したため、その名がつけられました。
定山坊

定山坊の像(定山源泉公園)。


定山は1866年(慶応2年)、小樽・朝里川から内陸に入り、現在の定山渓ホテル付近に、こんこんと湧き出る温泉を見つけました。
(朝里川温泉も風情ある良い温泉ですよねぇ)

湯治による祈祷を目指した定山は、開拓使判官に温泉開発を頼み込み、温泉経営に乗り出します。
でも、当時は山奥の交通不便な地。お客はそうそう来ない。
定山は、札幌や小樽へたく鉢に赴き、生計を立てていました。

そんな定山の最後とは、、、
正月用の門松の材料を取りに山に入ったまま、消息を絶った――

そう言い伝えられてきました。
すわっ、カッパの仕業か?

100年後、真実は明らかになります。

小樽の正法寺に定山の名が過去帳に記されてる事がわかったのです。
そこには、1877年11月4日に死亡したとされていました。

さて、定山が発見し、人生を賭けた温泉街は、1918年に鉄道が通ってから大きく発展します。

平成15年度には、日帰り客91万1千人、宿泊客152万8千人、計239万9千人が1年間に訪れる、日本有数の温泉地に成長しました。
定山渓温泉1

月見橋から下流を望む


そもそも、定山渓温泉の存在は古くからアイヌの人達に知られていました。
江戸時代には、探検家・松浦武四郎が旅行中に川の中に湧く温泉に入ったことを日記に書いています。

そんな定山渓温泉の泉質はナトリウム塩化物泉、効能は神経痛、胃腸病などです。


おまけ!
生みの親である定山をモチーフにした手作り和菓子
定山坊まんじゅう

「定山坊まんじゅう」ホテルミリオーネ限定品。

前の記事は、定山渓の河童伝説をまとめています↓

テーマ:札幌/北海道の地域ネタ - ジャンル:地域情報

定山渓河童伝説(豊平川上流)
時は明治の候、

豊平川で釣りをしていた、とある美少年が突然川底に消えた。
1年後、その美しい少年の父親が寝ていると、彼は突然夢枕に立ち、こう言った―

「女カッパに気に入られ、結婚した。今は子どももできて幸せに暮らしている」

以来、青年が沈んだ淵は「かっぱ淵」と呼ばれ、溺れる者がなくなったという。
美少年を誘惑した女かっぱって、もしやわたしのことかい?
定山渓4

ミス・カッパジョウザンケイですぅ~~~
良い奴なのか? 悪い奴なのか?


そんな定山渓に伝わる「かっぱ伝説」。
この辺りの川原には、甲羅を干したと伝わる「かっぱ岩」もあるそうで。

てなことで、豊平川上流の温泉郷・定山渓はかっぱをテーマに、まち興しをしています。
シンボルマークはもちろんのこと、夏には定山渓かっぱ祭りが盛大に行われ、温泉街の至るところに計20体程のかっぱモニュメントが観光客をもてなします。紅葉かっぱバスも運行します。


「二見吊橋」上流が、かっぱ淵です。
定山渓5



冬の豊平川最上流の眺めと、かっぱ淵を動画でご覧ください。
半周しますので、気分が悪くなった方は、停止ボタンを!



いかにもな淵です。
波がなく、静かで、とても深そうです。

この日は、時折雪がちらつき、風も強く、歩いてる物好きはわたしぐらいで、オスカッパに連れてかれそうな雰囲気ムンムン!

そして、「かっぱ岩」や川原のモニュメントは、雪が積もってて探すことができませんでした。夏にリベンジ!


かっぱのモニュメントは、それぞれ作者とテーマが違うそうです。
定山渓2

このかっぱ像は、先ほどのミスかっぱと仲良く並ぶように、中心地に架けられた月見橋にあります。一番探しやすい撮影スポットですね。


定山渓の手前にある小金湯では、最古と言われるサッポロカイギュウが、平成15年に豊平川河床で発見されています。

カッパだって、もしやもしやです。


雪がなかったら、最上流の定山渓ダム豊平峡ダムまで、足を伸ばしてほしいですね。札幌市民の水がめであり、支笏洞爺国立公園内にある景勝地です。
さっぽろ湖(定山渓ダム)は釣り好きにはたまらないスポットでもありますし。

そうそう、なぜ豊平峡ダムのダム湖は「定山湖」で、定山渓ダムのダム湖は「さっぽろ湖」という、ねじれ現象なのでしょう?

豊平峡ダムが先に完成して、「定山湖」と名付られていたので、市民公募により「さっぽろ湖」になりました。しかも定山渓ダムは、旧名・小樽内ダム!で小樽市内にあると誤解されるので改名したそう。

なんやかんやで、演歌歌手並みに苦労した定山渓ダム、、、
今の名前が一番似合ってます!
小樽の運河よ♪
♪あいたいー 気持ちがぁ ままぁーならぬぅ~ 
 北国のまちはぁ つめたーく とぉ~い~♪



哀愁とノスタルジー漂う北海道の観光地・小樽の魅力は、なんといっても運河ではないでしょうか。

ジャストタイミングで(ギリギリ間に合わせて)、9日本日から、小樽ではこぉーんなロマンチックなイベントが開催されます。

第9回小樽雪あかりの路 ~小樽に恋して~
2月9日(金)~2月18日(日)

運河会場は浮き球キャンドルで彩られます。
小樽雪あかり

*写真提供無料写真素材・風景写真館


さて、そもそも運河とは、船の移動のために造られた水路で、川や沼を利用する場合もあります。札幌の創成川は、人口河川で運河として利用された歴史があります。

イギリスなどは産業革命の頃、国中に運河が作られ、ウェッジウッドが陶器の破損を避けるため、輸送用の運河を造った歴史は世界的に有名です。
運河は物流のために造られ、舟運など文化も産み出しました。
しかし、鉄道や道路の整備により、世界的に運河は斜陽を迎えたのです。


小樽運河もしかり。
みなさんは、「運河論争」をご存知ですか?

発端は昭和41年に計画決定された、臨海線の開通にともなう小樽運河の埋立てでした。札樽自動車道が開通することで、用がなくなった運河を埋めたてる方針を市が発表しました。

これを機に、運河をこよなく愛する人々が集まって、昭和48年、「小樽運河を守る会」が発足し、多彩な運動を展開しました。
しかし、結果はむなしく、若干計画が変更されただけで、昭和57年、埋立工事が着工、61年、ついに小樽運河はその幅が半分に埋め立てられ、臨海線が開通したのです。

しかし、人々の行動は無駄ではなかった――
市役所内に、歴史的建造物や景観保存の意識が高まり、建造物と景観に関する条例がつぎつぎに制定されました。

運河の沿線には「小樽運河ふれあいの散歩道」が整備され、今、観光名所になっている小樽運河が誕生しました。
かつて岸だったところは、道路の中央分離帯あたりになります。
これが、「埋め立てか、保存か」と16年にわたって繰り広げられた論争です。

“北のウォール街”と言われ隆盛を極めた時代、
大正12年に完成し、長さ1300m、幅40mの水路として生まれた小樽運河は、よく働き、交易のまち・小樽を支え続けました。
小樽運河


あの時、立ち上がった人々の心を突き動かしたもの。
ここを訪れた人であれば、わかりますよねぇ~


ここでひとつ、「北海道川原版」らしい情報を!
小樽港第2期運河に注ぐ、勝納川は高度成長期等の影響で魚が棲めぬ川になったのですが、住民の清掃活動や企業の排水改善、河川再生事業によって、魚道が整備され、サケが帰る豊かな川に戻りました。


さて、小樽では情緒あふれる屋形船での小樽港周遊という、観光プランがあります。
であれば、運河クルーズはやってないのでしょうか?
わたしはつねづね、船に揺られながら、運河から倉庫郡なぞを見てみたいなぁ~と思ってました。
どなたか情報をお持ちの方、教えてください。


“あ――― ひとり 残してぇ~ きぃ~た けれぇ~どー
 忘れはしないぃ 愛する人よぉー”


母が大好きだった、ムード歌謡の名曲、鶴岡雅義と東京ロマンチカ
「小樽の人よ」を、BGMもどきでお届けしました。

北海道チョウザメ伝説
むかーしむかし
北海道の川には神が魚に姿を変え、悠々と泳いでいた・・・

シャケ(鮭)も、サクラマスも、幻のイトウだって、まだまだ小さい・小さい。

大きなものは3mにもなるという、皇帝の魚と呼ばれた『THE チョウザメ』様であーる―――

チョウザメ


チョウザメは北半球の中緯度以北に28種類ほど分布し、シーラカンス時代(2億5000万~3億年前)には存在していたという古代魚です。

そしてチョウザメはサメにあらず!
硬骨魚で、一見サメに似た外見ですがサメとは異なる種です。
川で産まれ、一生川で過ごすもの、降海するもの、汽水域(塩湖)に生息するものなどに分かれます。
体長は1~3m程で、成熟するのに20年ぐらいかかり、種類によっては8mに及び、100年生きるものもいるという、キング・オブ・淡水魚!


そんな川魚の神様・チョウザメは、明治の終わりまで、北海道の天塩川と石狩川に遡上しました。
北海道の内陸まで探検し、北海道の詳細な地形や地名を残した、偉大な探検家・松浦武四郎の「天塩日誌」には、天塩川を下る途中にチョウザメの群れと遭遇したと書かれています。
(気味が悪かったそう~)

また、石狩川の河口・石狩市では、全国でも珍しい鮫様が奉られる石狩弁天社があります。
江戸時代、石狩場所として栄えた石狩の人々はチョウザメを神と崇め、親しみを込めて「鮫様」と呼んでいたそう。
石狩の本町地区の金龍寺にも、鮫様が奉られています。
弁天歴史通り

弁天歴史通り。石狩弁天社もこのあたりにあって、ちょっと鳥肌が立ちます(汗)。

石狩川のチョウザメが歴史に登場するのは、享保2(1717)年。
松前藩が「菊とじ鮫」の名で幕府に献上したのがはじまりです。


チョウザメはアイヌ語で「ユベ」と呼ばれ、北海道各地には「ユベ××」といった地名が残り、チョウザメに由来するという説もあります。
例)ユベ・オツ=湧別川


残念ながら北海道(日本)のチョウザメは姿を消しましたが、ロシアの迷い子が、平成に入っても石狩川河口付近で見つかったりしています。

さて、チョウザメといえば、世界三大珍味のキャビアがあまりにも有名ですが、魚自体も美味!
身はしまり、マダイやヒラメに比べられ、刺し身、薫製、かば焼き、たたきにちゃんちゃん焼きと調理法もたくさん。

北海道では、びふかアイランドの「びふか温泉」で、チョウザメ料理が食べられます。
美深町は83年から養殖を試みています。
㈱北海道電力総合研究所は、チョウザメ研究が有名です。
また、NPO法人茨戸川環境市民フォーラムは、チョウザメが帰る川環境をテーマに、森づくりやフォーラムを開催しています。


このように、チョウザメ復活のための動きは北海道でも始まっていますが、正直、あの大きな魚が棲むためには、水量や生態系などなど、クリアしなければならない問題が山積みです。
それでも、、、何年かかったとしても、、、
豊かだった頃の川のシンボルとして、チョウザメは今も人々の心の川を泳いでいるのでしょうね。


チョウザメが見られる施設
美深チョウザメ館 中川郡美深町字紋穂内 01656-2-2595
(その他、天塩川とウォータースポット情報は過去の記事を参考に)

川の科学館 滝川市西滝川1 0125- 24-0989

ちとせサケのふるさと館 千歳市花園2丁目312 0123-42-3001

いしかり砂丘の風資料館 石狩市弁天町30-4 0133-62-3711
※チョウザメはく製
札幌、水の都物語
管理人が暮している北都・札幌は、たくさんの扇状地によって造られた全国5位の人口を誇る大都市です。

扇状地とは、川が水といっしょに運んだ土砂等が堆積し、平地に行くにしたがって扇子のように広がる、川の働きによってつくられた地形です。

札幌の中心は、代表的な豊平川扇状地の上にあります。
藻岩山と豊平川

ちと、豊平川が見えませんが、藻岩山とミュンヘン大橋です。
地方から札幌に入り、この眺めを見ると、“帰ってきたなぁ~”と安心します。

扇状地の特長のひとつに、扇央部で川の水が地下を流れる伏流水になり、扇端部で湧水として現れ、小河川を作ることです。
むかしの札幌は、たくさんの小河川、数えきれぬほどのメム(湧水)が存在した、『水の都』でした。
扇状地


50年位前までは井戸で地下水をくみ上げて使っていたそう。
サッポロビールなどの工場は、地下水が沸くところに建てられたと言われています。

ご存知、北海道庁旧庁舎「赤レンガ」
道庁

ネオ・バロック様式の日本の重要文化財です。

この辺りも地下水が流れ、メムがたくさんあったそうです。
道庁前池

道庁前池は、その名残りかもしれません。


その後札幌は、ご存知の通り大都市として発展しますが、地下水は低下し、メムの湧出も続かず、小河川は続々と枯れてしまいました。


そんなかつての名川が蘇ったお話を――

北海道大学植物園周辺のメムを源に、北大キャンパス内をくねくねと流れ、琴似川に合流したサクシュ琴似川が、北海道大学創基125周年の記念事業として、札幌市連携のもと、半世紀ぶりに蘇りました。
サクシュコト二川

藻岩浄水場の放流水を導水管でひき、北大正門から中央ローンを通り、環状エルムトンネル付近までの全長2,140m

サクシュ琴似川復元のニュースは、テレビでも取り上げられ、夏は小さな子どもの水遊び場になるなど、名所になっています。
サクシュ琴似川看板




ちょっと一杯! 札幌水知識
今も水の都を思わせるものが、札幌市内には残っています。

地下水でつくったお豆腐
屯田兵の時代から、井戸から汲み上げた水を使った手作り木綿。
大場豆腐店  札幌市中央区南11西9

神社に沸き出る御水
旧仙台藩で白石を開拓した人達がつくった白石神社に沸く御水。元旦の朝に縁起ものとして、「若水」を汲みにくる人も。
白石神社  札幌市白石区本通14丁目北1-12

盤渓山の登山ルートにある妙福寺の、ほこらの中の涌き水。
盤渓山妙福寺  札幌市中央区盤渓455

地下水が飲めるところ
駅前通りに面した千秋庵本店では、天使が抱く水がめから湧き水が飲めます。
千秋庵製菓本店  札幌市中央区南3条西3丁目 

北海道大学植物園は、メムがありサケが遡上していたほど。
北大植物園温室西側北の水飲み場  札幌市中央区北3条西8丁目


札幌に来たらば、ぜひ北海道庁旧庁舎と前池、そして北大キャンパスを、のぉーんびり歩いてほしいです。
また、市内にお住まいの方は、川の恵みでつくられた札幌のことを覚えていただけたら、ウレシイです。


おまけ! “さっぽろのおいしい水”
札幌の水

札幌では、いつも飲んでる水道水が売られています。意外にも好評なんだとか…


北海道川マップ

豊平川ガイドマップ
(北海道開発局石狩川開発建設部より)
石狩川ガイドマップ
(財団法人石狩川振興財団より)
天塩川マップ
(北海道開発局旭川開発建設部より)
釧路湿原周辺拡大地図
(北海道開発局釧路開発建設部より)
尻別川利用マップ
(北海道開発局小樽開発建設部より)
鵡川河口干潟の自然
(苫小牧地方環境監視センターより)
常呂川流域親水マップ
(北海道開発局網走開発建設部より)
網走川流域親水マップ
(北海道開発局網走開発建設部より)
空知川ガイドマップ
(北海道開発局石狩川開発建設部より)
幾春別川りばーマップ
(北海道開発局石狩川開発建設部より)
雨竜川りばーマップ
(北海道開発局石狩川開発建設部より)
砂川遊水地周辺マップ
(北海道開発局石狩川開発建設部より)

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