ブログを始めて、約10年。ネット上では、いろんな方とお話したり、コメントしたりと、コミュニケーションを取ってきました。それはそれで楽しいのですが、最近ちょっと物足りない気がしています。端的に言うと、実際に人に会って話したいな、という気持ちが強くなってきたのです。
かといって、身の回りには、趣味の本について話せるような人もいません。本について話せる集まりはないだろうか?と、探してみると、ちまたでは「読書会」というものがあるそうです。 もともと、自分はものすごい人見知りで、初対面の人に会って話すのは、かなり抵抗があります。ですが、勇気を出して、良さそうと思われる読書会に参加してみました。 いわゆる「一般向け」の読書会だったのですが、何か違和感を感じてしまい、結局一回限りの参加になってしまいました。 会の内容は、次のような感じでした。
・開催頻度は、月に1回程度。 ・全体で40~50人規模。 ・7~10人ぐらいの小グループに分けて討論する。毎回くじ引きで、異なる組み合わせになる。 ・小グループ内で、まず自己紹介を行う。名前を札に書き、自分の机の前に立てる。 ・小グループそれぞれに進行役の人がいる。 ・1人ずつ、自分の好きな本を5分~10分程度で紹介する。 ・本を紹介した後に、他の人から、その本の内容についての質問や意見を募る。 ・本のジャンル・冊数は問わない。マンガもOK。 ・小グループ内の紹介が終わったら、最後に全体に向けて、1人ずつ、1~2分程度で簡単に自分の本を紹介する。 ・会が終わるまで約4時間ぐらい。
システムとか運営上は、よく考えられていたと思います。個人的に合わなかっただけともいえるのですが、この会に参加して、思ったことをまとめてみます。
・人数が多すぎて、内気な人は発言しにくい(小グループでも人数が多い気がする)。 ・本の趣味がそれぞれ違いすぎて、話がかみ合わない。 ・興味がない分野の本については、質問や意見が出てこない。 ・一人一人、本を紹介するのが必須なので、「発表」が苦手な人は続かない。 ・「発表」前提なので、「好きな本」よりも「説明しやすい」本を、選択してしまう可能性がある。 ・全体に「勉強会」のような雰囲気になってしまう。 ・オールジャンルOKになると、明らかに「本好き」ではない人が増えてくる。
ジャンル不問だと、ジャンルがばらけすぎて、話が全然かみ合いません。小説好きがビジネス書の話をされても、興味は持ちにくいでしょう。 「本好き」というくくりは、実際のところ、かなり粗いくくりだと思います。例えば「スポーツファン」同士が話しても、片方が「野球ファン」で、もう片方が「アイスホッケーファン」だとして、話がかみ合うか、といったら、疑問ですよね(たまたま趣味がかぶる場合はあるでしょうが)。 本好きで、他人と本について話したいという人がいるとき、正確には「自分が好きなジャンルの本について話したい」のだと思うのですよね。自分の関心外のジャンルについて聞かされても、楽しくないことが多いかと思います(もちろん、別分野に興味が湧く可能性は否定しません)。
「紹介」タイプの読書会のほか、「課題図書」タイプの読書会というのもあるようです。課題となるタイトルが決まっているものですね。こちらは、ジャンルや作家が決まっているので、関心のある人が集まるという意味では、いいと思います。 ただ、人によっては、興味を持てない課題図書もあるでしょうし、もっとゆるく話したい、という人には敷居が高いです。
やはり、基本的には、ジャンルを絞った集まりでないと、参加しにくい気がします。ただ、僕の好きなジャンル、怪奇小説・幻想文学方面(とくに翻訳もの)についての集まりって、探した限り、全然見つからないのですよね。 自分の理想の読書会がないなら、自分で作れないだろうか。そう考えて、自分なりに、本について語れる場について考えてみました。
・扱うジャンルは限定する。ジャンルの中でも細分化を行う。 ・参加者それぞれについて、「発表」は必須にしない。というか「発表」形式にする必要はないと思う。 ・参加人数は少人数。4~5人程度がいいと思う。増えても7~8人。 ・基本はフリートーク。完全なフリーにすると、やりにくい場合もあるので、大まかなテーマは決めてもよし。 ・発言を強要はしない。自分は話さなくて、聞いているだけの人がいてもいい。
長々と書いてきましたが、要は、自分の好きなジャンルについて、楽しくおしゃべりできる場が作れないかな、と考えているのです。「読書会」というほど大げさなものではなく、「読書サロン」みたいなものでしょうか。 怪奇小説・幻想文学ファンって、ミステリファンやSFファンなどと比べて、わりと引っ込み思案な人が多いような気がしています(自分がそうですから)。そういう人たちの集まる場所を作りたいな、というのも目的のひとつとしてあります。 形式として考えているのは、あらかじめ、大まかなテーマを決めておいて、それを軸にフリートークでおしゃべりをするというもの。テーマは、いろいろ考えられると思います。 例えば、物語の主題的なもの、「変身」とか「分身」とか。または、ジャンルやサブジャンル、「ゴースト・ストーリー」であるとか「リドル・ストーリー」とか。 叢書やシリーズをテーマにしてもいいですね。《世界幻想文学大系》とか《ナイトランド叢書》とか。 『ミステリマガジン』でやっていた企画 『「新・世界ミステリ全集」を立ち上げる』にならって、『「新・世界幻想文学大系」を立ち上げる』なんてのも面白いでしょうか。あとは、架空のアンソロジーの目次を考えるとか。
まだ何も決まっていない段階なのですが、参加してくれる方がいくらかいるようであれば、具体的なことを詰めていきたいと思っています。 以下のような条件で、一緒に話してもいいよ、という方がおられたら、メッセージをくださると嬉しいです。
・怪奇小説、幻想文学およびファンタスティックな作品(主に翻訳もの)について話したい、もしくは関心がある。 ・場所は東京都内のどこか。 ・人見知り歓迎です(別に人見知りでなくても構いません)。
以下のどれかでご連絡ください。 ・コメント欄 ・メールフォーム(ブログ画面右側に設置しています) メールフォーム使用の際は、メールアドレスを入れていただければ、個々に返信いたします。 ・メール → kimyonasekai@amail.plala.or.jp
もし、このような場が実現できるとして、大まかなテーマとして考えているものを挙げておきます。
・怪奇小説のアンソロジーをめぐって ・「新・世界幻想文学大系」を立ち上げる ・ゴースト・ストーリーの巨匠たち ・架空のオリジナル・アンソロジーについて考える ・《奇妙な味》と異色短篇 ・ループものについて ・夢をめぐる幻想小説 ・奇想小説について ・多重人格の物語 ・記憶の不思議 ・江戸川乱歩と怪談入門 ・微小と極大の物語 ・架空と実体 ・迷宮の物語 ・ユーモアと幻想 ・異世界とパラレルワールド ・リドルストーリーについて ・パラノイアSFとサイコ・ストーリー ・魔術と魔法 ・幻想ミステリについて ・仮想世界の物語 ・ブックガイドの楽しみ など
10/18追記
読書会について、たくさんのお問い合わせをいただきました。実際人が集まるんだろうか?と半信半疑で記事を書いていただけに、驚くと同時に、大変嬉しく思っています。本来なら、参加を希望される方全員を受け入れたいところなのですが、もともとの趣旨からして、少人数を企図していましたので、とりあえずこれで第1回分の参加希望は締め切らせていただきたいと思います。 現時点で、11名の方から参加の意志をいただいています。お問い合わせくださった方、ありがとうございました。
なお、キャンセルする方や参加できない方がいた場合、追加で募集することもあるかと思います。その際は改めて告知しますので、お問い合わせください。
さて、これから、開催に向けて具体的なことを詰めていきたいと考えていますが、会の名前もないのもどうかと思うので、とりあえず、名前だけ決めておきたいと思います。
あまり工夫もない名前ですが、会の名前は「怪奇幻想読書倶楽部」で、いきたいと思います。
ついでに、第1回のテーマも決めておきましょう。
第1回のテーマは「怪奇幻想小説のアンソロジーをめぐって」。
例えば『怪奇小説傑作集』。例えば『幻想と怪奇』。例えば『闇の展覧会』。古典的な傑作集から、先鋭的なテーマ・アンソロジーまで、怪奇幻想小説を扱ったアンソロジー(傑作集)は、数多く存在します。 古典的なゴースト・ストーリーから、《奇妙な味》の作品、モダンホラー、硬質な幻想小説、テーマ別のアンソロジーなど、あなたのお気に入りアンソロジーがきっとあるはず。アンソロジーのコンセプトについて語るもよし。収録作品の是非について語るもよし。個々の短篇の面白さについて語ってもかまいません。 そうしたアンソロジーの楽しみや面白さについて、じっくり語り合いたいと思います。
テーマ:海外小説・翻訳本 - ジャンル:小説・文学
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