こんにちは。
今回紹介するのは、東京の初日の出スポット「葛西臨海公園」から撮影する「シンデレラ城に昇る朝日」の続編になります。
前回の記事で紹介した「葛西臨海公園」。2023年の別日(厳密には三日前)に撮影しており、まん丸太陽が見られなかったいわゆる「敗北」した日の撮影記録になります。しかし、悪条件こそ奇跡で幻想的な風景に出会える。それを実感した日になります。
是非ご期待ください。2019年、外壁が完成する前に撮影した写真の記事はこち↓
目次
葛西臨海公園は東京にある初日の出スポット
東京都はビルや建物が多く、なかなか日の出スポットや夕日スポットがありませんね。
インターネットで検索すると、だいたい出てくるのが超高層ビル等で開放されている展望デッキです。しかし、日の出となるとそもそも営業時間外です。
そうなってくると、より空が広く東の方角が開けている場所が望ましくなってきます。そこで候補になってくるのが、江戸川区の東京湾岸エリアにある「都立葛西臨海公園」です。江戸川区自体が東京都内では空が広いエリアですが、京葉線が走る東京湾岸は埋立地であり、東の方角の空が良く開けています。
そして、葛西臨海公園は水元公園や小金井公園に次ぐ広さを誇る都立公園となっており、公園内のとあるポイントからは、浦和にある東京ディズニーリゾートが見えます。太陽が昇る東の方角にシンボルとも言えるシンデレラ城が見える。この好条件が、葛西臨海公園が初日の出スポットとして人気を集めている一番の理由です。
詳細な撮影ポイントに関しては、上で紹介した2019年の撮影記事をご覧ください。
この記事では、外壁が完成した後となる2023年に再訪(1月に二回続けて撮影地に足を運んだ)し、シンデレラ城に雲と光芒が降り注いただ日の写真をお見せしたいと思います。
基本情報
- 住所:東京都 江戸川区 臨海町六丁目
- アクセス:JR京葉線 葛西臨海公園駅で下車し、南側ロータリーへ出て徒歩1分
- 情報収集はこちら:葛西臨海・海浜公園、葛西臨海水族園 江戸川区公式ホームページ
葛西臨海公園で撮影した写真
撮影ポイントまでの道のり
2019年の弾丸日の出撮影から4年ぶりに訪れる葛西臨海公園。
流石に滞在時間が短く、ある程度の年数が経過していた為、都立葛西臨海公園の全体像を完全には覚えていません。ましてや、当時は人工衛星きぼうを撮影しながら撮影ポイントに向かった為、歩行経路が異なります。
とは言いつつ、葛西臨海公園を象徴するクリスタルビューをしっかり撮影。
ここは日の出撮影後に通るとコントラストが非常に綺麗ですが、朝7時過ぎの電車に乗って帰る為、三度の撮影全てでスルーです。
撮影ポイントの方角を向くと、東の空が明るくなっていました。
これがブルーアワーですが、まん丸太陽が見られた日と比較すると、明らかに空の色がクリアーで、極め付けには南東の空には筋状の雲が浮かんでいました。天候の読み違いに関しては、まとめで考察を書きたいと思います。
さらに進むと、南国を思わせる美しい公園道が広がっていました。
そうそう、撮影機材に関してですが、この日はα7c+SEL2470GM、α7III+SIGMA100-400mmDGDNの2台体制で撮影に臨みました。こう言った道中の風景写真を撮るのに、SEL2470GM2は所有欲と実用性を両立する最高の一本と言えます。
シンデレラ城と撮影条件を確認
撮影ポイントに到着し、さっそくシンデレラ城を400mmで撮影しました。
まだ周囲は暗く、長時間露光となる為雲も美しく流れます。そして、筋状の雲は東方向に流れていく為、超望遠領域となると重なり合い、空の隙間を埋めてしまいます。これは、まん丸太陽を拝むのには致命的な条件でした。
周辺環境を撮影
この日は雲が多く、日の出までかなり余裕があったので、周辺の風景を撮影しました。
こちらは自分が2017年に宿泊したオリエンタルランドが所有する東京ディズニーランドホテルです。当時、一人一泊40,000円食事なしの高級ホテルに義理の母と奥さんと三人で宿泊しました。そこでは、ソニーαで内装や部屋からの景色等をがっつり写真撮影しましたが、宿泊紀のような記事は書かず、データは未現像。本当に勿体無い。
振り返れば、自分は奥さんと義理の母と、鎌倉やらホテルやら買い物など色々な場所へ出かけています。昨今核家族や夫婦二人暮らしが増えていますが、やはり実・義理ともに両親と過ごす時間は大切にしたいですね。そうだ、いつか東京へ予防!
超望遠ズームで切り撮る東京ディズニーランドホテル。造りがまるでお城ですね。
東北東に目を向けると、朝焼けと鉄橋が見えました。
こちらは、旧江戸川にかかる舞浜大橋で、首都高速湾岸線と京葉線が通っています。こちらも、超望遠領域で撮影しています。
西の空に目を向けると、欠け始めた付きが浮かんでいました。
こちらは400mmで撮影した後、トリミングを行なっています。
葛西臨海公園の海岸沿いから西の方角を見ると、富士山を拝む事ができます。
この時点で三脚を一番低くして撮影していましたが、この日はかなり強風で超望遠撮影では風振れが量産されました。特に日の出前の西の方角は想像以上に暗いですからね。
まん丸太陽が敗北の兆し
さて、本番の日の出直前を迎えました。が、空の低い位置に分厚い雲がある致命的な状況。
この時点で半ば日の出は諦め、朝日に照らされた赤富士を撮影する事にしました。
瞬時に被写体を変更し赤焼け富士山を撮る
こちらが真っ赤に染まった富士山。
個人的に朝日に照らされた山は好みであり、日没後のシルエットと合わせてコンプリートしたい被写体です。そうなると朝から夕方まで現地に居る必要があるので、非現実的です。その為、冬至前後限定で朝焼け富士山を狙う周年的なルーティンを作りたいですね。
三浦半島や房総半島などに目を付けている赤富士ポイントはいくつかありますが、まずは山梨県の山中湖から撮影したいですね。
まん丸太陽に敗北した瞬間
再びシンデレラ城にカメラを向け、縦構図で撮影を再開しました。
低い位置には、筋状の雲が重なり合い圧縮され、太陽が全く見えません。また、分厚い雲の稜線には太陽光が当たり始め、既に太陽がシンデレラ城の上に昇っていると予想できます。
雲の下で闇に包まれたシンデレラ城。上部を切り取ればなかなか怖い景色です。
やや広角に戻して撮影してみるとご覧の通り。これぞ、撮影条件に恵まれなかった敗北です。
さあここからどうしようか。撤収しようかとも思いましたが、とりあえずは太陽が雲の上に昇るのを待つ事にしました。
降り注ぐ光芒!シンデレラ城に奇跡が起こる
すると、突然雲の間から光芒(天使のカーテン)が降り注ぎ、鳥達が舞い始めました。
まさに、これから何かが起こる。そんな予感をさせる景色でした。
分厚い雲を中心に、太陽の光芒が全方向に照らされ始めました。
下方は乱反射した鈍い光芒が放射状に、雲の上方には美しい光線が溢れています。
太陽の一部が顔を出し、シンデレラ城を中心に光線が当たり一帯を照らしました。
まさに、神の降臨と呼べる素晴らしい景色です。
シンデレラ城にクローズアップし縦構図で撮影。
もはや、空で何が起きているのかわからない絵面。
最後の一枚は、太ようやく太陽を抜けた写真になります。
いや〜、この日は本当に面白いものが見られましたね。未明3時台に起きて始発の電車に乗り寒い中撮影地に足を運びました。一時は敗北と絶望に包まれましたが、この時とても満足感に包まれ撤収しました。
今回撮影に使用したレンズは、400mmクラスでは最軽量で最もコストパフォーマンスに優れたSIGMA100-400mmDGDNを使用しています。2023年現在、最も低価格で超望遠領域の撮影を行いたい方におすすめです。
番外編
天候完璧!シンデレラ城にまん丸朝日が昇る
この二枚の写真は、今回の撮影の三日後に再訪した時に撮影しました。
撮影機材に関してですが、先日はSIGMA100-400mmDGDNで行きましたが、今回は新型レンズ、TAMRONの50-400mm(Model A067)を初出動させています。標準画角の風景写真から超望遠400mmを一本でカバーする、まさに次世代型レンズです。
外壁完成前のシンデレラ城
こちらが2019年に撮影したシンデレラ城の写真。
雲が空全体に広がっており、低い位置にも分厚いありました。曇りの天気でも、日の出日の入りでは空が焼けるので、そこそこ映える写真が撮れます。
また、この頃にはまだ外壁が高くなっておらずシンデレラ城の塔より低い位置まで見えます。当時はまん丸太陽をリベンジしようと思っており、一年後には手遅れでした。
まとめ
撮影条件に恵まれなくても奇跡は起こる。
この日の葛西臨海公園での撮影は、そんな事を再認識させてくれる素晴らしい景色に出会えました。シンデレラ城に昇る朝日はこれで三度撮影にチャレンジしたので、しばらくの間は他の日の出スポットを追いかける事にします。
それではまた。
そうそう、天候の考察でしたね。この日は、強風西からの風。雲は東京湾南部遠方のみ。読み外しの理由ですが、日の出数時間前の雲の動きに問題がありました。遡ると、東京湾のすぐ南を通過するように雲が動いていました。つまり、日の出時刻のみの天気図を見ると好条件なんですが、雲の流れに着目すると、日の出直前は条件が悪く、結果として東の空にも雲が集まりやすい天候だったのです。