こんにちは。
2020年にtamron(タムロン)から発売された、小型軽量でフルサイズセンサー対応の大三元望遠ズームレンズ「70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)」。
自分は2021年の年末に、ソニーのGMレンズ「SEL70200GM」から乗り換えを行い、想像以上に素晴らしいレンズだった為、このタイミングでレビューをしたいと思います。
この記事を読む事で、趣味で写真撮影を行う私が、SEL70200GMからE70-180mmf2..8に乗り換えて感じた感想や写真作例を見る事ができます。
目次
タムロンの望遠レンズ「E 70-180mmf2.8」について
Tamron(タムロン) 70-180mm F/2.8 Di III VXD
レンズの特徴
製品の特徴は、必ず公式ホームページから確認しましょう。
タムロンの製品紹介ページを見ると「夢中になる。望遠の世界。と題しており、フルサイズミラーレス一眼カメラ対応、F/2.8大口径望遠ズームレンズが、軽さと機敏な反応により、望遠撮影を面白くする。」と書かれています。
以下、詳細な概要説明を引用します。
70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)は、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径望遠ズームレンズ。その最大の特長は、開放F/2.8通しの高性能レンズでありながら、フィルター径φ67mm、最大径φ81mm、長さ149mm(70mm時)、重量810gという世界最小・最軽量ボディです。特殊硝材を贅沢に使用することで、高い描写性能を実現しました。また、0.85mという短い最短撮影距離が表現の幅を広げます。AF駆動には静粛性・俊敏性に優れたリニアモーターフォーカス機構「VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)」を新開発。タムロン史上最高レベルの高速・高精度AFを可能としました。2つのVXDを電子制御で同時に動かすフローティングシステムを採用することで、至近から遠景までクリアで美しい描写性能を発揮します。さらに、屋外での撮影を考慮した簡易防滴構造や防汚コートを搭載するとともに、ソニー製カメラに搭載されている「ファストハイブリッドAF」などの各種機能にも対応。このレンズの登場で、フルサイズミラーレス対応のタムロン大口径ズームレンズ3機種のラインアップが、ついに揃いました。
引用:ソニー公式ホームページより。
ざっと読み取れるのは、一般的な大三元望遠ズームレンズである70-200mmf2.8から、焦点距離の望遠端を20mmカットし、それにより小型軽量な設計を実現できたと捉えられますね。
とまあ簡単に書きましたが、実はこれが発売当初、本当に凄い衝撃的な事実でした。一般的に、70-200mmf2.8と言うレンズは誰もが憧れる望遠レンズで、その大きさと価格から手に届かない方が多くいました。タムロンは、このスペックを維持しながら、圧倒的な小型軽量化を実現させ、なおかつ価格も純正レンズの半額以下で販売しました。
写りやAF機能等、最近のタムロンレンズは全く問題がなく、ソニー純正を上回ると言う評価を得ている部分があります。ちなみに、今回紹介しているタムロン70-180mmf2.8は、2020年のデジタルカメラグランプリ等で大賞や金賞を受賞しています。
では、上の情報だけでは他社製品と比較してどのくらい小型軽量で優れているのかが分かりにくいですよね。例によって比較表は別途載せます。
SEL70200GM2などとスペックを比較(仕様表)
ここでは、70-180mmf2.8がどんなレンズなのか、他社製品と比較してみたいと思います。
とは言っても、表の作成は本当に時間を削るので、今回は価格.comで作った比較表のスクリーンショットを引用したいと思います。やや見ずらいですが、これで全て比較できます↓
ざっと見ると、タムロンの70-180mmf2.8だけがおかしなスペックになっています。
非純正・手ぶれ補正機構無し・非防塵防滴・望遠端20mmカットですが、f2.8通しの望遠ズームレンズがこの大きさ軽さ、価格で手に入るなら、手を出さないはずはありません。
tamron70-180mmf2.8をレビュー
ここからは、タムロン70-180mmf2.8の使用感、作例などを紹介していこうと思います。
今回自分が購入した理由!
レンズ交換式一眼カメラで写真撮影を行うにあたって、望遠レンズでの圧縮効果や背景ボケを表現する事は、代表的な写真表現術のひとつです。
その中でも、絞り開放f2.8通しのいわゆる大三元望遠ズームレンズと言うものは、各社製品に力を入れており、カメラメーカー純正品は近年30万円が当たり前でした。また、大きく重く、最低でも1.5kg以上するものが多かったのですが、その分写りは圧倒的で、誰もが買いたい憧れのレンズであり、一度手にしたら手放せない写りでした。
自分が最初に大三元望遠ズームレンズを手にしたのは、2016年頃で、確かソニーAマウント用のSAL70200Gを中古15万円弱で買い、マウントアダプターLA-EA3を介してα7IIで使用していました。
それからすぐにSEL70200GMを購入し、約5年間使用しましたが、色々な事情と明確な理由があり、今回tamron(タムロン)の70-180mmf2.8を購入する事になりました。
ひとつは、ソニー純正の大三元望遠ズームレンズで二型のSEL70200GM2の登場です。重さが大幅にカットされながら、全ての面でレベルアップした感動の一品でした。実際に体験会の期間に銀座まで行きソニーストアで手に取ってみましたが、一型とはまるで別物です。イメージでいうと、70-200f4通しのような持ち感覚でした。
しかし、ふと我にかえると、30万円の価格に最近の望遠レンズの使用頻度の低さ。冷静に判断し、今回は見送ることにしました。SEL70200GMを売却した資金でカメラバッグのアクションX50やシグマの超望遠ズームレンズ100-400mm DG DNを買ってもお釣りが来た訳なので、個人的には納得の買い物でした。
それからしばらく経った頃、このブログの記事でも書いたレナード彗星の撮影シーズンが到来しました。そこで、70-180mmf2.8でありながら810gと言う脅威のレンズスペックが、どうしてもポータブル赤道儀 ポラリエでの追尾撮影で必要になり、この明確な理由により購入する事になりました。SEL70200GM2が小型軽量になったと驚かれていますが、冷静に考えてみると、tamronの70-180mmf2.8の810gで化け物ですよね。
レナード彗星撮影の二日前に急遽ポチり、前日に手元に届いたと言う驚きの購入プランでしたが、2021年は同時期にシグマでこのクラスでは最も小型軽量な100-400mm DG DNと、タムロンでこのクラスで最も小型軽量な70-180mmf2.8を買うと言う望遠レンズラッシュな年となりました。
100-400mmは月食撮影の為、70-180mmf2,8は彗星撮影目的に買った自分。ひとつ感じたのは、自分は星空撮影目的であれば、躊躇なくカメラ機材を買う人間なんだと言う事。純正か非純正かですが、それよりも大事なのは自分の撮影スタイルに必要な小型軽量さでした。
車の免許を取得できない自分は、結局行き着く製品に行き着いたと言った感じですね。
外観とデザイン
タムロン70-180mmf2.8をソニーα7IIIに装着した様子です。
レンズフードも装着してありますが、やはりサイズ感が70-300mm-f5.6クラスに見えますよね。最初に手に取った時、これが本当にf2.8通しの望遠レンズか?と疑いました。
デザインはいかがでしょうか。タムロンも時代に合わせてレンズのデザインを変更してきていますが、一昔前の金の輪っかよりいいですよね。マッドな質感でシンプルです。
ただ、やはりチープさがあり重厚感には欠ける為、シグマの方が好みの方が多いと思います。もちろん自分もそう。ただ、2021年以降に開発された150-500mm・28-75mmf2.8二型や35-150mmf2.2.8などのレンズは、デザイン性が高いと感じます。
タムロン70-180mmf2.8を正面から撮影してみました。
まあこれと言ってコメントはないですが、やはり小さいです。
風景写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f8 ss1/320 iso100
今回は風景写真の作例として、年末年始に実家長野に帰省した際に撮影した写真を紹介したいと思います。運良く、帰省直前に積雪があり、雪国らしい写真が撮影できました。
写真は名峰「太郎山」であり、山頂付近には雲がかかっておりとても幻想的でした。
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f8 ss1/320 iso100
地元にある古い宿場町(現在は民家)を圧縮効果で表現してみました。
雪国の民家、その向こうに広がる太郎山の壁が凄い迫力です。
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f8 ss1/200 iso100
雪深い田園とりんご園が入り組む里山を望遠端で撮影した一枚です。
歩く人物と圧縮された背景により、自然の大きさや雄大さ、冬の厳しさが感じられます。
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 135mm f8 ss1/1250 iso100
長野市の北部に聳える北信五岳、そのひとつ飯綱山を撮影しました。
真っ白な田園と雪に包まれる民家、そして圧縮され巨大に映る飯綱山が寒い冬を感じさせます。飯綱山をよく見るとスキー場が見えますが、小学時代は良く行った記憶があります。
人物ポートレート写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss1/2000 iso100
昨年に父が定年退職を迎えました。
それから毎日一時間以上ウォーキングを続けているそうですが、今回の帰省でウォーキングに付き合ってみました。雪深い田園の中を一時間以上ひたすら歩いたのですが、自分は馬鹿をやり、ピークデザインのストラップを東京に置き忘れてきました。
つまり、常にニッパチ望遠ズームレンズを右手で持ち、一時間以上歩きながら撮影を続けた訳です。更に、父親の歩くスピードが想像以上に速かったので、撮影しては走って追いつきの繰り返しでした。それでも疲労は皆無。
そして、長野の里で写したポートレート写真と圧倒的な背景ボケはいかがでしょうか?
よく、おじさんは写真の被写体で絵にならないと言われますが、雪国に限っては、日本人のおじさんは本当にいい被写体になります。これ、奥さんが笑いながら大共感してくれました。
この写真を見ると、父の背中が「いい被写体」どころかかっこよくすら見えてきます。
自分は普段、顔出しのいわゆるポートレート写真を撮りませんが、個人的に本気でポートレート写真を勉強・撮影するなら被写体は絶対に男性を選ぶと思います。いつか、東京都内で若手男性のモデルさんを楽しくかっこよく撮影したいですな。もちろんお互い無償で!
動物ポートレート写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f8 ss1/6400 iso100
日本で最もイケメンな猫と言われるマロン君を180mmの絞り開放で撮影しました。
猫(マロン)の表情もさることながら、背景ボケのとろけどが素晴らしいです。日本一イケメンな猫マロンを写した写真の記事は、別途書きたいですね。
スナップ写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 135mm f2.8 ss1/3200 iso100
この記事を買いた時期の季節感ある写真を投稿したいと思い、スナップ写真に選んだ一枚。
善光寺参りに行った際に、ほぼノーファインダーで撮影しました。ピントの山は出店に来ており、大衆の面々は個人が特定できない程度に程よくボケてくれています。
手前の警備員さんにピントを合わせた作例もあるのですが、こちらの方が人物の多さが強調され臨場感に溢れていたので選びました。
夕景写真(逆光耐性)の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 70mm f8 ss1/640 iso100
こちらはあまり良い環境ではないのですが、有名な某展望台で撮影した夕日の写真です。
逆光耐性に関しては、撮影地がガラス越しだったのと、自分は普段から安価なレンズフィルターを中古で購入して使っている為、あまり参考にならないかもしれません。
個人的に、フレアやゴーストはレンズの味だと思っているので、あまり気にしない性格です。ただ、SEL70200GMの逆光耐性は凄まじかったですね。あちらはレンズフィルター越しでも、ハワイ島で撮影した夕日が本当に素晴らしい写りでした。
と言う事で、E 70-180mmf2.8に関しては、ちゃんとした屋外でもっとロケーションの良い環境で作例が撮れたら、追記したいと思います。
夜景写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 70mm f8 ss1/8 iso100
こちらは先の夕日の作例と同じ展望台で撮影した夜景写真です。
可もなく不可もなく、優等生的な写りと言ったところでしょうか。夜景写真に関しても、もう少し色々な場所で使用してみたいです。東京タワーか東京スカイツリー辺りを遠景から撮れる場所で試したいな。
鉄道写真の作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss1/640 iso100
幼い頃から何十回も利用している長野新幹線(現在の北陸新幹線)を撮影しました。
背景ボケが定評のタムロンレンズですが、こう言った質感の強い被写体もしっかり写せます。
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss1/1000 iso100
北陸新幹線の青いデザインは本当にかっこいいですね。
SAL70200GやSEL70200GMで撮影した夏が懐かしい。
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f4 ss1/2000 iso100
長野駅を出発し、東京へ向かって走り出した北陸新幹線を撮影。
ここまで来ると、SIGMA100-400mm DG DNなどの超望遠レンズが欲しくなりますね。長野駅のホームはロケーションが良く、特に2017年の2月の夕方にここで撮影した写真は、辺り一面オレンジ色に染まりノスタルジーな雰囲気がとても良かったです。
ポータブル赤道儀と星空作例
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8 180mm f2.8 ss10 iso 3200
ポータブル赤道儀 恒星追従モード 5枚スタック
α7III+Tamron E 70-180mmf2.8+プロソフトンクリア
ポータブル赤道儀 ポラリエ追尾 180mm f2.8 ss20 iso2000
タムロン70-180mmf2.8を購入した真の目的でもある、ポータブル赤道儀 ポラリエによる追尾撮影を行った天体写真の作例を二枚載せてみました。
もはや言うまでもなく素晴らしい写り・カメラシステムです。1.1kgほどあるSIMGA100-400mm DG DNも同時進行で付け替えながら撮影しましたが、やはり810gのニッパチ望遠ズームレンズは抜群な安定感でした(天体撮影専門カメラマンにしてみたら、安定性がない方なんでしょうが、自分のようなオールジャンル撮影する人間にとっては十分)。
本来レビュー記事は一年以上使用した方が説得力がありますが、70-180mmf2.8で星空を追尾撮影した作例が手元にあるだけで、レビュー記事を書くには十分すぎる材料でしたね。
まとめ
タムロンの小型軽量な大三元望遠ズームレンズ、70-180mmf2.8の魅力、伝わりましたか。
自分は過去に、SAL70200GやSEL70200GMの二つのソニー純正でf2.8通しの大三元望遠ズームレンズを使ってきました。
今回SEL70200GMから乗り換えて感じた事は、写りやAF速度に関しては、もはや差はないです。ただ、所有間に関しては、やはり純正の方が圧倒的に高く、例えばちゃんとした撮影地で三脚を据えてじっくり写真撮影を行う場合、純正レンズの方が満足感が高いです。
逆に、軽く質感がチープな70-180mmf2.8は、歩きながらのスナップ写真撮影や移動しながらの風景写真撮影では最強の武器となり威力を発揮します。先にも述べましたが、雪国を一時間以上ストラップ無しの片手持ちで運用しましたが、疲れは皆無でした。
その為、重たいカメラ機材が苦手な方や、移動が公共交通機関や徒歩の方にとっては、選ばない手はないでしょうね。そして特に感じたのは、パパママ世帯でしょうか。リスク管理=子育てをしながら、どうしても70-200mmf2.8クラスの写りで家族写真や記念写真を撮りたい方には、強い味方になるのではと思います。
威圧感もないですし、遠出できるようになった家族旅行でも大活躍間違いなしですね。
参考になれば幸いです。