おひさまのかたち
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おひさまのかたち

日々つれづれ。読書録など

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きな臭い娯楽

 ツイッターが、この上なくきな臭い。
世相をそのまま表しているようだ。
あれで出来たお友達もいるし、家族のやり取りはアレのDMを使っているし、
文学館や美術館の新情報はアレで得ているので、すぐに止める、ということはないつもりでいたのだが。
この間の選挙辺りから偏向報道が見たくもないのに廻ってくるし、
動画のCMは目にきついので、何度も興味なし、を打っても2ツイートごとに同じものが廻ってくるし、
今まで描いた絵を見せ合う場所だったのにAI学習に強制的に吸収されることが決まり、
2次創作で出来たお友達の撤退者が続出し、
大雪警報の情報を見ようとしたら、延々無修正AVがツイートされる始末。

FBは何度切ってもおせっかい機能で「あなたの1年前です」とかお知らせが来るのが辟易して顔を出さなくなった。
インスタも宣伝多くて嫌なんだよなあ。
別にも一つアカウント持っているんだけど、過疎ってて幾人かのお友達以外の情報が一切入らないので
逆に情報収集的に弱くて使い方を決めかねている。

結局ここに戻ってきている。
ま、いいんですけど。

読書記録に映画の感想もつけられて、文学館の情報が見られれば文句ないんだけどなあ。

今まで娯楽だったものがそうでない醜悪なものに変質してしまって、楽しみがいっこ減ったようでげっそりしている。
今は月末のフェアに向けて気力を絞りたいんですが、やりたい仕事だし、
でも仕事から帰って来て仕事ってのもなあ。という所でダラダラ足踏みしておる所ですよ。
絵が進まん。

| 近況。 | 22:37 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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日光、決行、結構!

 今月は、旅行直前に体調大不良になり、咳が止まらずそろそろと歩く感じで山道を登り、
帰って来てからぶり返して仕事中ずっと咳止めとのど飴のお世話になるという月でござった。
今週やっと薬なしで仕事行けた感じ。
日光への旅行は、国木田独歩が失恋離婚で落ち込んでいる時に田山花袋と一緒に小説家になるための合宿をした地なので、大変楽しうございました。
友人のけーじゅさんがこれまた緻密なスケジュールを立ててくれていて、2か月近くいた彼らの、
『KとT』と『日光』に出てくる所は2泊3日でほぼ全部廻れたというすごさ。
(男体山登山はしなかった。彼らの体力に合わせていたら身が持たん。)
帰って来てからも小説の再読して楽しかった。
田山花袋、いっぱい書き残してくれてありがとーう!
その内体力に余裕があったらこれはまとめたい。

10月の読書
読んだ本の数:16  読んだページ数:3742


私という猫 (バーズコミックス スペシャル)『私という猫』 私という猫 ~呼び声~ (バーズコミックス スペシャル)『私という猫 ~呼び声~』 私という猫 ~終の道~ (バーズコミックス スペシャル)『私という猫 ~終の道~』 (バーズコミックス スペシャル)
完全版刊行前の再読。
このたった一つの命から世界を見る。
類を見ない名作である。
読了日:10月05日 著者:イシデ 電

子規を語る (岩波文庫 緑 166-1)『子規を語る』 (岩波文庫 緑 166-1)
碧梧桐による子規伝。
子規13歳碧梧桐7歳の時からの付き合いである。
碧梧桐は常にずっと子規も虚子も好きで、仲良しで愛がある。
子規の手紙から受ける評は時として肝が冷えるほど厳しく(小生既に碧梧を捨て申候)、それでものぼさんを好きでい続ける碧梧桐に寂しささえ湧く。
こののほほんとしたおおらかさが碧梧桐の文字の良さでもあろう。後半の家族の談による子規の脊椎カリエスの看護の壮絶さは碧梧桐が「拷問」と称した理由が分かる。
死を見据えた覚悟か。
現在NHKで『坂の上の雲』再放送中なので、作中にまだ碧梧桐は出てこないのだが、ああこの辺か。と想像しながらドラマを見てる。
読了日:10月10日 著者:河東 碧梧桐

7SEEDS (26) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (27) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (28) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(26)(27) (28) (フラワーコミックスアルファ)
極限状態の世界で、自分と相いれないものでも許せるかどうか、がテーマになってくる。
助け合わないと生きていけない、でも相容れない部分がある。
人間は一面的でなく、いい部分悪い部分があって、更にそれは変化していく。
田村由美の描き方は巧いなあ。
読了日:10月15日 著者:田村 由美

菊池寛 短篇アンソロジー ヒューマンインタレストとしての小説『菊池寛 短篇アンソロジー ヒューマンインタレストとしての小説』
ゲーム『文豪とアルケミスト』とのコラボで実現した短編集。
主に現代もの自叙伝を代弁させている「啓吉物」で、短編集未収録作が多い。
『道を訊く女』『病人と健康者』『葬式に行かぬ訳』『盗人非盗者』『出世』『マスク』『流行児』『R』チュートリアルブック、の構成。
田畑書店さんのこのシリーズはこれでないとなかなか読めない本のチョイスと、専門家による解説がつくのがいい。
菊池寛は、ヒューマンインタレスト(人間的興味)と呼ばれる、つまり人情的な心理描写の巧さがいい。
特に冒頭の二つ。菊池寛は特に時代物で短編なのに長い時間の流れを書くのが巧い作家だと思うのだけれど、現代に絞って描かれると心理描写の巧さが際立つ。
道を訊いて来た女が、実は物乞いだったんじゃないの?騙されているんじゃないの?でも本当に道に迷っているだけなら自分は大変失礼なんじゃないの?などという一瞬の機敏が膝を打つほど丁寧。
読了日:10月19日 著者:菊池 寛

連載再現版 サイボーグ009(上) (KCデラックス)『連載再現版 サイボーグ009』(上) (KCデラックス)
石ノ森章太郎の名作。石ノ森さんは絵が巧いなあ。
連載再現版なので、柱に当時の煽り文句やお便り募集があって、漫画黄金期の明るい時代観があって良い。
低学年にも向けた週刊連載の為か、話がずっとクライマックス調で、おはなしのまとまりとしてはこの人の短編の方が巧さを感じる。下巻に期待。
読了日:10月20日 著者:石ノ森 章太郎

東京の三十年 (岩波文庫 緑 21-3)『東京の三十年』 (岩波文庫 緑 21-3)
日光旅行に併せて『KとT』を。名作だなあああ。青春だなああ。
これを読んでから二荒山神社や、詩集を投げ込んで万歳したK滝(華厳の滝)や、雨の中の憾満ヶ淵を見て回ったのは最高だった。併せて『日光』も読むと補完されてよい。
とてもとても良い。
『日光』は文語体なのでつい放置していたのだけれど、帰って来てから読んだ。
(そんなに難しい文語体じゃなかった。)
行く前に読んでおくんだったー!というか、日光の駅でこれを再版するといいと思う。マジで。
読了日:10月22日 著者:田山 花袋


青のミブロ(1) (講談社コミックス)『青のミブロ』(1) (講談社コミックス)
上司のおススメ。新選組モノ。
実在しない、剣も持たない少年が新選組に入るまで、が1巻。
殿内の暗殺が1巻の終わりなので、先が長そうではある。
仲良くなるのに相撲で勝負するんだが、ちょっとだけそこは謎である。
剣豪集団では…。(描いている人は竹刀握ったことなさそう、というのがばれてまう。剣道家はすぐに竹刀握らす。)
今月からアニメ化作品だそうで、薄桜鬼が面白かった私としてはちょっと興味がない訳でもないが、
アニメを毎週見る体力がないので今後はどうかな。
読了日:10月23日 著者:安田 剛士


7SEEDS (29) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (30) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (31) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』 (29)(30)(31) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:10月25日田村 由美



連載再現版 サイボーグ009(下) (KCデラックス)『連載再現版 サイボーグ009』(下) (KCデラックス)
絵はどんどんこなれていくし迫力があるが、敵方・黒い幽霊団について掘り下げがないのが気になった。
敵に深みがないので、009の戦いにも共感が得にくい。
オチも尻切れ蜻蛉で勿体なかった。
連載再現版は柱のあちこちに当時の人気の勢いを感じて、雑誌人気の高かった黄金期を彷彿とさせるところは大変良い。
読了日:10月26日 著者:石ノ森 章太郎


文庫 絵で見る明治の東京 (草思社文庫 ほ 2-2)文庫 『絵で見る明治の東京』 (草思社文庫 ほ 2-2)
何より建築物の絵が良い。風情がある。
明治は行事が目白押しで忙しいのだから仕方ないかもしれないが、建物の解説が割とあっさりで、大好きなコンドル先生などは出てきて数行で終わってしまって物足りなかった。
建築については特にもっと掘り下げて欲しかった。
政治や戦争などについては極力省かれている。
後半の明治の一般的な庶民の文化や事件や年中行事については興味深く、時折挟まる文学的要素も面白かった。
最終章近くに飛行機の話で締めるなど『東京の三十年』のようで良かった。
読了日:10月30日 著者:穂積 和夫

| 読書録 | 11:39 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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9月の月末記

 家族の旅行は無事終わりました。
息子が学校卒業したら一度行きたい、と思っていたのが5年越しに叶ったよ。
スタートからその息子が2時間寝坊して新幹線を逃す、ということになりましたが、
それでも行きたいところ全部廻れたしね。
(水族館の新入りビーバーは寝てた。午前中は寝てるって聞いてたけど。
悔しいからぬいぐるみ買った。かわいいぞ)
思ったより伊坂映画の舞台見学になったのも楽しかったですよ。
2日目、お腹が弱くてですな。それが困っちまったけど。
まだ何となく本調子でない。

9月の読書
読んだ本の数:13 読んだページ数:2990

>飛ぶ教室 (講談社青い鳥文庫 99-2)『飛ぶ教室』 (講談社青い鳥文庫 99-2)
名作と名高い児童文学なので一度読んでみたかった。
もうちょっと、大人の世界と子供の世界の違いに悩むとか、友人との関係を考えるとか、そういうのが欲しかった。
何だか私にはあまり引っかかる所がなくて残念だった。
同時期頃の児童文学では『クオレ物語』の方が好み。
読了日:09月02日 著者:エーリッヒ ケストナー


7SEEDS (17) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (18) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (19) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(17)(18) (19) (フラワーコミックスアルファ)
嵐君のターン。やっと、やっと夏のAチームが自分たちの教育がおかしかったことに気が付く。
でも今の日本もこれじゃないのか。
当たり前のように搾取され過ぎているのじゃないのか。
ふんじばって抗議すべきじゃないのか、とか思いながら進行を見る。
読了日:09月06日 著者:田村 由美


ヤマケイ文庫 考える粘菌 生物の知の根源を探るヤマケイ文庫 『考える粘菌 生物の知の根源を探る』
読んだ、と登録してよいものかどうか。
細胞とタンパク質についての説明辺りはぎりぎりついて行けていた感じだったが、数式の出てくる辺りで完全にロストしてしまった。「今ココ」以外の思考は意識であるのかどうか。
では禅の求める「今ココ」とどう違うのか。興味深いテーマなのだが、理数的頭脳に欠けるので脱落。この人の描いた別の絵本版『かしこい単細胞』の方から攻めるか。
読了日:09月07日 著者:中垣 俊之


7SEEDS 20 (フラワーコミックス)7SEEDS (21) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (22) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(20)(21) (22) (フラワーコミックスアルファ)
読了日:09月13日 著者:田村 由美


ひきだしにテラリウム『ひきだしにテラリウム』
『ダンジョン飯』の作者の短編集
漫画はこうでなくてはならない、というのをことことごとく外してくる感じがいい。
ページ数も、コマ割りも、オチだってなくていいんだ。
読了日:09月22日 著者:九井諒子


草野心平全集 第6巻『草野心平全集』 第6巻
全集チャレンジ半分経過。
わが賢治と、わが槐多。
わが賢治は『宮沢賢治覚書』と重複する。
元々草野心平を知ったのは賢治解説からだったので、やっとたどり着いた。
満喫。
槐多の方が苦戦した。生き方も詩も刹那的過ぎて肌に合わない。
でも心平さんの詩に多大な影響を与えたのは色の使い方を見ればわかる。
山本鼎はさておき、小杉未醒や満谷国四郎とも縁があるのにはびっくりした。
世界は繋がっているなあ。思想の形成に沿う、とはこういうことか。
読了日:09月23日 著者:草野心平


7SEEDS (23) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (24) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (25) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(23)(24) (25) (フラワーコミックスアルファ)
吹雪と美鶴さんの所は胸が痛い。
荒巻さんいいなあ。
全チーム期せずして佐渡に集結中。続きが気になるよう。
読了日:09月30日 著者:田村 由美

| 読書録 | 11:28 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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平気なもの下手糞なもの。

 友人のスウさんと先日お茶した時の話題を彼女が掘り下げててくれましたのでこちらだよ。
同じ本なのに訳違いなどからいろんな本の読みをしている例が沢山出ていて面白い記事だよ。
登場人物の彼らが16歳ぐらいだと勘違いしていたのが私だよ。
今考えると、私は子供の頃から合宿慣れしていて幼稚園児の頃には
「お兄ちゃんお姉ちゃんが居れば大丈夫」に育てられていたので、ちょっと他の人と感覚が違うのかも…。と思ったり。
うちの子もそう育てちゃったしね。
いや、寮生活ってそういうものを養うためにあるんじゃないのか。
完全な孤独ならさておき仲良しが2人もいるのに、とか思っちゃった私は他人の靴を履く・エンパシーが足りないのだな。

 さて。
10ン年ぶりに家族旅行に行く。
次いで来月は文学友達と年一の旅行で日光に行く。
なんでまた立て続かせてしまったのは私のスケジュール管理の下手糞この上ない訳なんだが、
今年は春にお義母さんが亡くなって、実家のこともバタバタ立て続き、
私の希望の余地のないままにガンガンスケジュールが決められていくのに圧迫感と焦燥感が強くて
「取り敢えず!取り敢えず何か自分の娯楽も入れなくては!もたん!!」と思ったのが、このタイトスケジュールになった訳で。
職場から、有給取って下さいね!って言われている割に人手が足りなくて全部代勤探すことになって、
結局穴埋めにまた私入っている感じがするんですけど、いいの。娯楽大事!非日常大事!

 ところで私はもう休みの度に審判だの講習会だの審査会の準備だの、
自分の希望する所でなく配達されてお仕事していたことが長く、
大体どなたかの車に乗せられて移動していた訳で、
行くプロセスとか行った先のプログラムとか予定を立てることを全然してこなかったので、
すごく下手だ。
文学友達が皆さんえらくフットワークが軽く、文系ってこんなに活動的なのか…?と
びっくりするほどあちこち予定を立ててお出かけするのが皆さんお上手なので、余計に思う。
わたしは旅行がすごく下手。
で、おうち大好きで最近遠方のお友達が出来てやっとちょいちょい出かけるようになったぐらいの夫はもっと下手だ。
そして息子は、映画はホイホイ行くくせにお泊りとなるとじいちゃんばあちゃんちばかりである。
スケジュール管理とは何ぞや族で、こいつも旅下手である。
全然予定らしい予定が立たん。こないだやっと新幹線の切符取った。
取り敢えず泊まるところ決めて、ツイッターでビーバー見てる水族館に行く事とお船に乗ることだけは決めている(私が決めた)が、
翌日あとはほぼ白紙!映画に出てきた駅前の横断歩道渡りたい以外思いつかん。
大丈夫か!?

 来月の方は友人が緻密に立ててくれている。
すごい。全然綿密さと情報量が違う。
凄すぎて真似の仕様がない。

 せめて足引っ張りにならないようにと、先月ぐらいから細々筋トレを続けている。
夏の初め頃にだいぶ気力がおかしくなっていて、安定剤を貰って飲んでいた。
気力値の方は回復したのだが、副作用でやったらトイレが近くなった。
膨満感が強くなって下腹が張った。
下腹部筋を鍛えねばと、寝転がって胸まで足を上げるのを100回、
身体捻りを左右100回、プランクを50、やるようにしている。
(仕事がきつい日曜日とかサボるけど)
さぞやスタイルが良くなって、と思うでしょう?
50を過ぎるとな、鍛えた筋肉だけ一時的に絞れるので、今腹が段々になっていて、
どうにもかっこよくは、ないな。
誰に見せる体でもないからいいんだけどな!

| 近況。 | 21:43 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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とうとう買ったもの。

 以前、宮沢賢治の全集を読了した。
でもそれは20代初期の闘病時で、実はあんまり良く覚えていない。
通院に持って行って無くしたり育児中の公園で読んでて落っことして買い直したり引っ越しがあったりで、
何故か今6冊しか手元にない。
全集をちゃんと読むと、つまり一人の作家の考えを深く知ろうと努力すると、物の見方が変わるよ、守護霊になってくれるよ、という話を聞いてきて、今度はちゃんと読みたいな、と思っている。

 実際今、草野心平の全集チャレンジ中なのだが、図書館で借りた本でチャレンジするのは、
延長できない越境貸し出しで、今の仕事と生活の形態で読了するのはかなりハードなことに気が付いた。
…詩人だから下半分空欄で読むとこ少ないだろう、なんてタカをくくった私が悪い。
詩人は言葉を凝縮してものを書くので、そこに至るまでが膨大なのだ。
しかも長命。賢治の10巻(のちに書簡集が補完されて2冊増えている)より長い。
4年かけて6冊、半分。
25日の返却期限までにあと140頁。なかなか余裕と余韻がない。
心平さんを選んだのは、宮沢賢治の研究者でそっちは通読終了しているのだから理解がだいぶ楽じゃね?
などと思ったからだった。
…全集はな、「楽」とは程遠いんだよ。
賢治読破もそういや文語定型詩とか漢文調で読みづらくて退屈したな、とか今更乍らに思い返してみたり。

 次に読了するなら、今ずっとゆかりの地・聖地めぐりをしている国木田独歩だよなあ、と思っていた。

それを、買った。。。!
友人に誘われて行った古本市で見つけて、一旦落ち着こうとお昼まで引き延ばして休憩をはさみ、ここで買わなかったらもう合えないかもしれないよなあ。とずっと目の前をちらついていたので、これは後で後悔する奴だ。と
買っちまいました!!

値段じゃないのよ、場所なのよ。その他の積読量なのよ。
いろいろ迷ったけど、買った!!

さーあ、まずは心平さんの6巻を読破するか。
これを書いている内にあと1日、40頁。

…というのをまた上げ損ねていた。
無事読了して返しましたよ。

| 読書録 | 22:34 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の読書後編

とっくに上げたつもりになっていた読書データ。
今月は休みの日にほぼ全て予定が継ぎ込まれている過密スケジュールで少々食傷気味。
先日すごいのをついうっかりで買ってしまったのだが、その話はまた後日。

職場、欠員の所に入った人がひと月で辞め、その次に入った人が2週間で辞め、
新人フォローに入った人達の労力むなしいことこの上ない。
いや、1週間も座学付き合った社員さんの方がショックでしょうけども。
まあそんな訳で、常に人員-1は何とかできても、追加で病欠が出ると
(無理をして欲しいという訳では決してない。ちゃんと休んでくれ)
なかなかハードで熱い展開にならざるを得ない。
体力的には優しくはないが、人間関係とか補償とか、悪くない職場だと思うのだがな。
私の楽、と他の人の楽とまた違うものな。、

8月の読書
読んだ本の数:11 読んだページ数:2229
7SEEDS (7) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (8) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(7) (8) (フラワーコミックスアルファ)
夏のAチーム戦、開始。
読了日:08月10日 著者:田村 由美


桃太郎『桃太郎』
いやあ、皮肉が効いていて面白かった。
さすがは芥川だなあ。
桃太郎だけでなく、一寸法師や酒呑童子、茨城童子まで話に持ってくる懐の広さは芥川の知識のなせる業だな。
読了日:08月14日 著者:芥川 龍之介


精選女性随筆集 中里恒子 野上彌生子 (文春文庫 編 22-10)『精選女性随筆集 中里恒子 野上彌生子』 (文春文庫 編 22-10)
中里恒子は初。人物月旦は面白かった。
あとは丁寧な暮らし、を淡々と書いているだけなのでやや飽いた。
大好きな野上彌生子だが調子の大人しいものばかり集まっている。
選者の趣味のようだ。あとがきでも保守の作家として扱われている。
いやいやいや。彌生子と言えば近代初のカニバリズム小説を書き、自他ともに認める毒舌家で、死ぬまで哲学を続けた革新者だ。日記文学含め膨大な執筆量のある作家なので、もっとそういう所を拾って欲しかった。
「山の秋をしみじみと目にためた。」謡に詳しい彼女の言葉の美しさがまたいい。
読了日:08月14日 著者:中里 恒子,野上 彌生子


7SEEDS (9) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (10) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(9) (10) (フラワーコミックスアルファ)
竜宮計画。以前はこの辺で精神的にきつくて止まったんだった。
読了日:08月17日 著者:田村 由美


黒い雨 (新潮文庫)『黒い雨』 (新潮文庫)
広島文学代表作の一つ。市井の人を淡々と描く。
史上稀に見る残虐な事態なのに読めたのは、筆者の体制に対する批判やイデオロギーを極力排し事実のみ、起きてから食事から原爆症の治療と当時の技術の限界とをつぶさに書き綴っているからだろう(あとがきの河上に同意)。
焼け野原に立つ過酷な場面なのにちょいちょいピノキオやら李白やら正宗白鳥が隣り合う。
これこそが文学の力と思った。
読了日:08月19日 著者:井伏 鱒二


7SEEDS (11) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (12) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (13) (フラワーコミックスアルファ)『7SEEDS』(11)(12) (13) (フラワーコミックスアルファ)
今週、あほ程がんばったからいいじゃん。と
とうとう我慢できなくなって、週2冊が3冊になってしまった。
アクションサバイバル大河、息もつかせず面白い。
読了日:08月23日 著者:田村 由美

武者小路実篤詩集 (新潮文庫)『武者小路実篤詩集』 (新潮文庫)
知人が、武者の詩は詩じゃないんだよ。と言っていたが成程。
素直過ぎて詩に読めないのだ。最初のうちは笑っていたのだが、しかし読み続けていると志賀とは方向性が違うが紛れもなくこれはこの人自身であるのだと分かる。
哲学科の出だそうだが、哲学より禅的な思想に近い。
俺をやってしまえ、無理して、自然は元気、進め進め、桃栗、泉、歩くなり、が良かった。
読了日:08月27日 著者:武者小路 実篤

| 読書録 | 00:14 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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真夏の読書

今月は比較的読めたのでは。
その分なのか何なのか、びっくりするほど絵が描けん。まあ、暑いしな。
職場の文学部在学中のお兄ちゃんと読書メーターのアカウントやり取りしてから
少しはまじめに感想を書かねばと思っているのもいいのかもしれん。
文劇ロスする暇なく作中に登場した文豪の本を読み漁るのが楽しい。
今はお勧めされた武者小路実篤の詩集を予約している所。
貸し出し中とのことだったけど、もしかしたらご同類かも知れぬ、と思うと密かに楽しい。
(事情により1件削除してます。)

7月の読書
読んだ本の数:13 読んだページ数:2839

少年行『少年行』
中村星湖のほぼ唯一の代表作、戦前まで何度も再版を繰り返した作品だというので読んでみた。
自然主義文学のいい所、のびのびした自然描写、まっすぐな立身出世を目指す少年の友情と葛藤を描いていて、途中少々退屈さを感じるほどのびやかでいい。
後半3分の2を過ぎた辺りから陰りが見え始め、作者の葛藤を表すかのように「粛清」で終わってしまう。
自然主義文学のダメな所が出てしまった。う~んう~ん。
連載中人気だった理由も分かるが、近年に残らなかった理由もそこかと。
翻訳者となって外国文学に精通してからの彼の作品も読んでみたかった。
読了日:07月05日 著者:中村 星湖

蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫 緑 88-1)『蟹工船 一九二八・三・一五』 (岩波文庫 緑 88-1)
以前、プロ文は重い・苦しい印象がして遠のいていたのだが、プロ文が出来た背景や、多喜二の書簡集を読んでからだと全然印象が違った。
なんて力強く雄々しいのだろう。
令和の今、私たちが物価高と長時間労働に喘ぎ、高額の税にひしがれ、右傾化する政治に興味を持てなくなっている姿を見たら多喜二は何と書くだろう。
こうやって戦ってきた人がいるじゃないか。
その熱は、どこに行ったのだ。
時空を超えて「君の手を握」ってきた。
読了日:07月10日 著者:小林 多喜二


7SEEDS (3) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (4) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS(3) (4) (フラワーコミックスアルファ)
冬チーム登場、ああ。
読了日:07月14日 著者:田村 由美


スケルトンダブル 1 (ジャンプコミックス)『スケルトンダブル』 1 (ジャンプコミックス)
家族のおススメ。
ある日突然透明人間になる能力を手に入れてしまった高校生の話。
透明人間になる迄は面白かったが、それ以外の能力を手に入れる辺りが、作者だけが分かっているルールを読まされているようで(公安の女性の態度が吞めなくて)1巻で挫折。
読了日:07月19日 著者:コンドウ 十画


ブルーピリオド(1) (アフタヌーンKC)『ブルーピリオド』(1) (アフタヌーンKC)
上司のおススメ。
主人公が「渋谷が青く見えたら青く描いていいんだよ」と言われて感銘を受ける辺り、
表現として渋谷の街にダイブするように描かれている。
それ以降絵を描くことに興味を持つのだが、背景の線が定規でぴちっと引かれたものだった。
始めて絵を描く人は今まで自分が見ていた記憶がどんなにあやふやであったかを気付くことが多いので、
そこは手描きの線で良かったのではないだろうか。
私は絵は技術だけど技術じゃない、と思っているので、「絵を描く」というより「技術」の話をしたい漫画なんだろう
という意識と方向性が見えたのでここまでで挫折。
読了日:07月19日 著者:山口 つばさ


新編同時代の作家たち (岩波文庫 緑 69-4)『新編同時代の作家たち』 (岩波文庫 緑 69-4)
広津の作品をひとつも読まないのに他の作家との思い出だけ読むのはなんだか変な気持ちがするが。
知ってる作家が大勢出てきて面白かった。
この前にほぼ同時期である小林多喜二などを読んだせいか、友人知人に発狂者、自殺者が多いのが気になった。
戦争、松川事件なども含めて、暗雲立ち込めるこの時代に飄々と生き延びるというのは、その確たる芯の強さ、たおやかさが文章ににじみ出る。
志賀と思いのほか仲良くてびっくりした。
引っ越しの時、書籍も家具も置いていき、新しく越した所でその場に残った物を使う、というのはこの作者の生き方そのものに思えた。
読了日:07月20日 著者:広津 和郎


人間昆虫記 (手塚治虫文庫全集 BT 199)『人間昆虫記』 (手塚治虫文庫全集 BT 199)
昔読んだ筈なのに記憶がなくて、夏の昆虫フェアで購入したもの。
主人公をはじめ、登場人物に昆虫の名前をもじったものがつけられているが、昆虫の性質的なものは一切本筋に関係がない。
ピカレスクサスペンスとしては、スピード感があり読ませるが、振り返ると辻褄が合わない筋も多い。
作者も言う通りオチが少々あっけなさすぎるように感じた。
手塚治虫の昆虫採集ロマンではインセクター、小林準治著の手塚治虫昆虫図鑑が面白い。
読了日:07月23日 著者:手塚 治虫


7SEEDS (5) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS (6) (フラワーコミックスアルファ)7SEEDS(5) (6) (フラワーコミックスアルファ)
荒巻さんとの邂逅は、何度読んでも泣ける。(5)
少女漫画の定番とはいえ、恋人のニアミスにどきどきする。(6)
読了日:07月25日 著者:田村 由美


友情『友情』
初武者小路実篤。花袋風を感じたり独歩調を思ったり、でも大正文学の熟成を感じて面白かった。
明治の頃には書けなかったであろう哲学的内装が感じられる。
大宮が!主人公の親友としての尊敬があるからだろうが、カッコイイ。
ピンポンの試合の場面なんてキャ~vって思う。
運動神経がよく水の競技に強い、竹を割ったような性格の大宮は、どう考えても作者・実篤の親友、志賀直哉だろう、と思ったのだが、作者自身が否定していて、自身の兄だ、と言ったそうなのだが。
それ聞いても文豪ゴシップの華やかな時代、作中の杉子との恋愛が実在のものとして勘繰られる可能性を否定する為にそう言ったに過ぎないとしか思えない。
どんだけ熱い友情なのだ。
後半の杉子の手紙は、野島には信じられなかったろうが、ただのお姫様でなくてよく人間関係を観ている女性の姿が描かれていて面白かった。
読了日:07月27日 著者:武者小路実篤


小杉放菴―生涯と芸術『小杉放菴―生涯と芸術』
国木田独歩の近時画報社で絵を描いていた放菴の伝記。
伝記を書くのは、ファンでなければできないことだが、ファンとしての思惑が入ると読み難くなる。
生涯については、師匠文哉の思想は説明が必要だが、作者が反戦主義者であることを強調し過ぎる。
文中で国太郎、未醒、放菴を混在して書かれていることや、突然剣術家であった(しかも神道無念流)ことや、天狗党、龍土会、田畑組であった話はほぼ出なかったので、芸術以外の彼の面白さが半減しており残念。
この辺は日光の記念館の年表に厚い。
どこかで彼が禅者であったことを読んだ気がしたのだが、実際そうでなかったのかもしれないが触れられていなかった。
口絵が多いのは大変良いが、本文にそれを指す指示が入っていないので、口絵にある絵のことを説明しているのかどうか分からず読むのに手間取った。 
読了日:07月30日 著者:野中 退蔵

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初・演博行

 久しぶり。
夫はリモートワークになってから、会議や打ち合わせの都合もあるので、土日が休み。
私は平日休みで、休みの日ぐらいPCを使ってあれこれしたいと思うものの、
隣で仕事をしている時にゲームやったり自分の趣味のお絵描きしているのがはばかられるしで、
PC部屋を分けることにしました。
息子が使っていた部屋の机がそのままになっていて、いつか新居に持って行く持って行く、と言いながら
約束していた12月末日を過ぎ、さらに半年が過ぎて
(その間母の介護の手伝いとか頻繁に来てくれていたので文句も言えず)、
もういいかな。と自分の机を置いたまま引越しを決行。
私だけで息子の部屋使うのも悪いかな、と思ったのですが、
夫の方もその方が気楽の様で案外すんなりいきました。
箪笥移動して配線付け替えるのはちょっと面倒だったけれども。

問題は猫で。
今まで私の右手側に本棚があり、その上が2匹の定位置になっていて
私たちが作業をしているとどちらも見渡せたのが、今度は部屋を行き来しないと
両方の顔を見ることができない。
さっきから不満げに唸りながら後ろをうろうろしておりまする。
特に上猫。
でもこれで以前よりはお絵描きしやすくなるかなあ。
私が夏の暑さに負けないでお仕事帰りに2階へ上がる気力があれば!ですが。

あっ、すごい。
息子の机卓上ライトがある!カッコイイ!

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 早稲田の演劇博物館へ行って来ました。
初めて早稲田大学行って大隈重信公見てきましたよ。
早稲田と言えば高野佐三郎ですな。
お世話になった野間道場の鏑木先生がここの出でいらした。
…違った、今回は坪内逍遥の演劇博物館がメインだった。
館内保存の為写真撮影が禁止なのが寂しいが、
ハーフティンバーな外観、黄色味がかった大正ガラス、まあるいカーブのかかった窓、
お花の形のライトなんかお洒落で、歩くとガツガツ鳴る床の木の板とか、
外の暑さに関係なく、古い建物の持つ湿度の低い冷たさがあって、建物がまずもって良かった。

坪内逍遥って始めてシェイクスピアを邦訳した人でしょ、の外には、
私は野尻抱影のファンで、抱影先生の推しである抱月先生の肩を持ちがちなので、
抱月先生の恋愛問題(抱月が松井須磨子と不倫して劇団内を不満の嵐にした)にケチ付けて追い出した人でしょ、
あとは二葉亭四迷さんが金銭に困ると「いい稼ぎ先在りませんか、大兄」
ってやたら持ち込まれていた人。…程度の知識。
『小説真髄』は言葉が難しくて挫折しておりまする。
今回のテーマ、「文豪×演劇」って何ぞや、だったのだけれど。
そういや、今だって人気小説は映画化したりドラマ化したりアニメ化したりしている訳で。
テレビのなかった当時、書籍だって高価だった当時、目の前で見せてくれる演劇が子供にも大人にも
大人気になったのはちょっと想像すれば分かる。
成程、近年読んできた明治とか大正時代の作家原作やら作品やらがぞろぞろ取り上げられている!

一緒に行ったけーじゅさんが見つけてくれた、
独歩さんの『富岡先生』が、
独歩さんの最晩年に口述筆記を行った真山青果の脚本で舞台化していたのを知って
「WOW-!!」ってなりました。
青果ちゃん、後年劇作家になってたもんね。
推しの作品演りたいよね…。

早稲田の凄い所は、未だ2.5次元舞台って色物として見られがちな所を、
演劇の新しい形として堂々とテニミュ(漫画『テニスの王子様』のミュージカル)とか
刀ミュ(ゲーム『刀剣乱舞のミュージカル』)とかも紹介していて、
若い人に対するものの迎え方が巧いんですなあ。
わたくしの最近見て来た『文劇』(ゲーム『文豪とアルケミスト』の舞台)も
動画で最新の情報まで流していて、見入る我々。
いや、それを見に来たんでないってば。

以前はベルばら50周年もあってオスカル様の衣装もあったそうですが、
今回はなかったのが返す返すも残念至極。
近年メディアを超える場合における原作改変が話題になっていますが、
元はと言えば、この作品を動画として見たい!とか、私の思う○○は俳優の◇◇みたいなの―!とかいう
作品に対するリスペクトと愛から生じる思いの集大成なんだな。
だってそもそも、シェイクスピアに対する愛からこんな立派な、
令和まで生き残る演劇博物館を建てちゃった訳でしょう、坪内逍遥。
推しに対する愛の力って凄いねえ。

記念館の下に縮尺した演博の模型があって、そこへちょびっとばかりの募金をするとおまけ映像が流れる。
在りし日の逍遥先生がシェイクスピアの授業をしていらして、大講堂に立ち見が出るほどの賑わいで、
白黒の、音声もややおぼつかない動画なのだけれどその熱気が感じられる講義で、
ほんのちょっとだけだったけれど、寄付してよかったあ、という動画でした。

逍遥先生、あれだけ推しを広めることをしていたら、自分で演じることもやってみたかっただろうに、
やるとしたら、何役だろうねえ?
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| 近況。 | 22:55 | comments:0 | trackbacks(-) | TOP↑

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