2020年01月 Der Klang vom Theater (ドイツ~劇場の音と音楽)
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CD専用DAC制作  運用編

かくしてCD専用を謳ったDACは完成し音を出し始めました
初見では極々普通の音でした、EMT-981を超えているなんて到底言えない

・・・この辺りが私が自分らしいところで、いくら大枚を叩いて膨大な時間を投じて導入したのもであっても初見からフラットに評価します  自分のやった事であっても無垢な信用はしませんし、自分の過去に忖度もしません。
頑張って買ったんだからいい音であって欲しいなんて、ぬか喜びはなんの意味もありません・・・

早速本来の計画に沿って次の手を打ちました
当初の予定通りの成果を得られたと思います、この時点でEMT-981(OUTPUTトランス付)の音を明確に凌駕出来たと思いました



<しかし、この後に重大な変化がありました>
外部クロックの挿入による音の刻みの深さの変化でした

DACの購入の条件としてマスタークロック・ジェネレーターも同時に使って頂くことになりました
おかげさまでクロックも数種類揃えて、各社製品毎の音の変化を確認することもできました

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初期ロットを3台制作しました
お越し頂いた方に音を聞いて頂くとたちまち完売してしまいました、自分で使う分もありません慌ててもう4台分の部品を集めましたが
最後の1台分はヴィンテージの部品が全て揃いそうもないので未完成で終わりそうです


これは言うまでもありませんが、I/V回路やラインアンプのオペアンプの種類によって
カップリングコンデンサーの内容や容量によって
整流ダイオードの種類によって
平滑コンデンサーの種類によって音の印象は目まぐるしく変わります

変化要素は膨大にありますので、現在でも鋭意研究中です
良い変化があったら、購入いただいた方にフィードバックして行きたいと思います



さて、こうして完成したDACを持ってかなりの方のお宅でテストさせていただいた際に、一つの決定的に重要な課題に当たりました
今回のDACは我が家ではKlangfilmのシステムで、Kさんのお宅ではWE757システムで、あるいは県外まで遠征してWestrex Londonの大型システムに入れて初期盤LPにも見劣りしない音にしようと磨き上げてきました


ところが、MOMOさん宅のWE594システムで使ったときに「音が合わない」と言う感想を言われたのを機に問題が見え始めたのです

その後、Kさんのご自宅のオリジナルオートグラフや同じくシルバーinオリジナルコーナーヨークでも「音力が強すぎる」と言う感想をいただきました
そこでは前回登場したLHH2000が常用されており、オニと対峙して退治されたのです・・・気持ちいーよね!



冒頭に書きました通り、私は自分の過去に忖度したり間違ったまま自己擁護するのはあり得ないので、感想を受け止め実態の調査に乗り出しました

我が家にはKlangfikmのシステム以外にLowther2系統とWarfedaleのサンドバッフルが稼働状態であります、そこにDACを使ってみました

結論を先に申すと、DACあるなしの音の変化がよく分かりません
ことにLowtherでは、空間にふんわり浮かび上がる楽器や声の「漂う」感じが、キリリとした音像に変わりLowtherらしい天国感が後退するとも言えます。
これがKさんの言われた「音力が強すぎる」と言う印象の裏付けの様です


そこで、妄想ですが考察です
そもそも高精度なDACにしても外部クロックの投入にしてもその意義は、CDの特徴である44kと言うサンプリングによる高域での曖昧さを少しでも正確に音に戻す。ことだと思ってきました
すなわち再生側もしっかりと高域にレスポンスのあるシステムでないと、DACやクロックの恩恵を聞き取りにくいのではないかと仮説付けました


手持ちの部品やトランスを駆使して実験を繰り返しましたが、
オーディオ的な評価で聞くと最も冴えないはずのCDP直出しの音が最も音楽を感じさせてくれました

そこで一計を案じました(本当は3つくらいやってみます、そのうちの1番目)

Lowtherやシルバーに合いそうなCDPを購入しました

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この時代のプレーヤーはEMTなどに比べてかなり弱っちいのでドイツでメンテナンスしてもらってから輸入しました
物凄いスピードでTOCを読むのでちょっとビックリしました
将来的には人手に渡すことも考えて、レーザーを変えてre-capしてあるので少し使ってから使い方を検討してみようと思います



オーディオ界では、どのアンプがすごいとか、あのスピーカーは良い、特定の機種に何か優劣でもあるかのごときセリフが横行していますが「わかっちゃないねえ!」と思います

あるパーツが、特定のラインの中に入ってどんな振る舞いをするか?が勝負の分かれ道であって
その時々に、音楽的にどの様な価値があるかを評価するのは人間の感性に頼るしかありません

使い手に機械が先んずる事は決してない
忘れない様にしたいと思います