いわゆるひとつの・・・音量調整部品
お金もないのに、変なものを見かけるとつい買ってしまうのは昔からの悪癖です
一過性の感情で盛り上がっちゃうから今すぐは必要がなかったり使い道のないものも買ってしまう場合が多い
おそらくは数年から十数年はタンスの肥やしになり、或る日突然目覚めるのでしょうね
その時までのお楽しみ
今回は音量調整部品です
ドイツの部品で音量調節機というとEckmillerやMaihakまたはBerlin Dannerなどのスライダー型が圧倒的に数が多いです
初期はドイツお得意の金属皮膜抵抗の切り替えで可変していましたが、その後はカーボン塗膜の板状をスライドする形に変わりました
こうした縦長の形状は多チャンネルを備えるミキサーにたくさん並べるのに適した形状であることは論を待ちません
微妙なレベルセットを求められますのでセンシティブな調整機能を有しています
これが24個とか32個も並んでスタジオ内の壮観を演出しています、数も多いので現代でも比較的見つかりやすいです
対して、劇場や映画館などにおける再生系の音量調整は
扱うチャンネルもわずか(1950年頃の話ですよ)ですし、微調整をできる性能よりも確実に接触し間違ってもノイズや音飛びを発生しない安定動作が求められます
このような要求に従ってスタジオ用途のそれとは随分異なる形態の物が用意されています
こちらはZeiss Ikonのものですが、鬼神の如き設計・構造・精度で作られています
劇場では4ch、同時に音量を設定できるようなものが多いです
メンテの時に全ての抵抗値を測りましたが、16Ωだの20Ωといった抵抗が小数点以下までぴったり合っています
60年も前のものなのに・・・何かがおかしい・・・・何かが
4段のロータリー型ですが、クリックストップではなく連続的に回転します、えらいもんです
こちらはKlangfilmのもの、やはり4チャンネルです
中身の写真が見当たらなくていけないんですが、4つのつまみはギアで同調されており、どれか1つのノブを回すと一斉に4つのノブが回りだす様は壮観です
脇の小窓には数字を打ったインジゲーターがあるのですが、これは同調を外して個別に調整する時のためでしょう
・・・・困ったものです(笑)
4つのチャンネルにはそれぞれ右・中央・左・エフェクト というレタリングがあります・・・・なるほど、なるほど
以上の多チャンネル型はいずれも戦後のものです
戦前のもは見かけたこともない=もともと生産数も少ないし、たくさん空襲で燃えただろうしさすがに出ないだろうなあと思っていました
そんな或る日
一枚の気になる写真を見つけてしまいましたよ、僕は
明らかに何かある!
説明にはKlangfilmのフェーダーで動作は保証しない。とだけ
=欧米人が動作はわからない、未確認だ!と書くときには必ず、確認してみたら不良品だったよ、という意味なのでe-bayで購入する際には気をつけましょう
またオークションだったけど、不動品だから安いだろうと踏んでいたのに思わずヒートアップしてしまった
そんなこんなを経て、我が家に到着
写真には2台だけれど実際は3台ある
これでセットでしょう、
これの当時は 右・中・左の3ch再生が基準になっていました
ただし、間違えてもらってはいけませんが、3chの立体音響再生システム(2.1ch?)ではありません
サウンドトラック&フォトセルがモノラル収録&再生の時代ですから3本のスピーカーを立てる理由は・・・
スピーカーには指向特性がありますから劇場の観客席に向けて聞き取りにくい席がないようにサービスエリアを埋めるために必要な配置なのです
音がどうの迫力がどうしたというのはずっと後の話で、チャンネル数の拡大に伴い音の広がりが増して、音の移動による映像補助的な迫力が出てくるのに反比例して
音そのものの迫力が減じて行ったのは、残念なことではありますが何処も同じ時代の流れでした
この世では何かを失うことでしか、別の何かを手に入れることはできないものです。これは宇宙創生以来の真理ですから仕方ありません
時の哀れの感傷に浸る間もなく、抵抗値などを調べていくと、案の定3台中2台に断線がある
よーく見てみると、
この大仏さんのお髪みたいな丸っこいのはなんとまあ、巻線抵抗なんです
全てがごく細のニクロム線をボビンに巻きつけて作っている・・・・
これじゃあ切れるのも仕様がないと思いながら、淡々と20分ほどで修復完了
クリーニングもしてこれで立派な「完動美品」になりました
しかしまあ、よくもこんなこと考えますねえ
あの人たちは音響機器=電気製品というカテゴリーの概念がないんじゃないかといつも思わせられます
U-ボートやメッサーシュミットのコクピットにある装備品と同じ感覚で作っている
一点困ったことに、この機械は戦前のものだからハイ・インピーダンスなのです
よって今の我が家のフェーダーとそのまま差し替えることはできません
仕方がないのでオリジナルのEuropaアンプのライン系統を戦前のスタンダードに戻す準備をしてから投入ですね
ドイツから不動品として買ったし、私自身も生まれて初めて写真で見たものなので当たり前のことですが「試聴」などはせずに大枚をはたいたわけです
どんな音なのか?
自分の好みの音じゃなかったらと心配じゃないのか?
そんなことを言われる方も時に見えますが、答えは簡単です
「音を聞かなきゃ買えないような機械は最初から買うべきじゃない」ですね
目で見ただけで信用できるものじゃないと
たとえ自宅試聴なんかしたって決して大金は払えませんよ
どんな音が出るかは、興味がないというのが正直なところですね
システム全体の音として捉えれば、例えどんなフェーダーを使ったってどうせ自分が納得するまでは使い込むのですから、それぞれの部品はなんでもいいんですよ
結局自分の出す音にしかならない
まあ
このような阿呆なほどのフェーダーを使って、おかしな音を出すようでは間違いなく自分自身=私の力不足でしょうから
そうしたらまた勉強のやり直しですね
ともあれ、こんな姿を見てしまったら買わざるを得ないじゃないですか
使えるようになるのはずっと先の話です
どんな音が出るかはずっとずっと先の話です
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一過性の感情で盛り上がっちゃうから今すぐは必要がなかったり使い道のないものも買ってしまう場合が多い
おそらくは数年から十数年はタンスの肥やしになり、或る日突然目覚めるのでしょうね
その時までのお楽しみ
今回は音量調整部品です
ドイツの部品で音量調節機というとEckmillerやMaihakまたはBerlin Dannerなどのスライダー型が圧倒的に数が多いです
初期はドイツお得意の金属皮膜抵抗の切り替えで可変していましたが、その後はカーボン塗膜の板状をスライドする形に変わりました
こうした縦長の形状は多チャンネルを備えるミキサーにたくさん並べるのに適した形状であることは論を待ちません
微妙なレベルセットを求められますのでセンシティブな調整機能を有しています
これが24個とか32個も並んでスタジオ内の壮観を演出しています、数も多いので現代でも比較的見つかりやすいです
対して、劇場や映画館などにおける再生系の音量調整は
扱うチャンネルもわずか(1950年頃の話ですよ)ですし、微調整をできる性能よりも確実に接触し間違ってもノイズや音飛びを発生しない安定動作が求められます
このような要求に従ってスタジオ用途のそれとは随分異なる形態の物が用意されています
こちらはZeiss Ikonのものですが、鬼神の如き設計・構造・精度で作られています
劇場では4ch、同時に音量を設定できるようなものが多いです
メンテの時に全ての抵抗値を測りましたが、16Ωだの20Ωといった抵抗が小数点以下までぴったり合っています
60年も前のものなのに・・・何かがおかしい・・・・何かが
4段のロータリー型ですが、クリックストップではなく連続的に回転します、えらいもんです
こちらはKlangfilmのもの、やはり4チャンネルです
中身の写真が見当たらなくていけないんですが、4つのつまみはギアで同調されており、どれか1つのノブを回すと一斉に4つのノブが回りだす様は壮観です
脇の小窓には数字を打ったインジゲーターがあるのですが、これは同調を外して個別に調整する時のためでしょう
・・・・困ったものです(笑)
4つのチャンネルにはそれぞれ右・中央・左・エフェクト というレタリングがあります・・・・なるほど、なるほど
以上の多チャンネル型はいずれも戦後のものです
戦前のもは見かけたこともない=もともと生産数も少ないし、たくさん空襲で燃えただろうしさすがに出ないだろうなあと思っていました
そんな或る日
一枚の気になる写真を見つけてしまいましたよ、僕は
明らかに何かある!
説明にはKlangfilmのフェーダーで動作は保証しない。とだけ
=欧米人が動作はわからない、未確認だ!と書くときには必ず、確認してみたら不良品だったよ、という意味なのでe-bayで購入する際には気をつけましょう
またオークションだったけど、不動品だから安いだろうと踏んでいたのに思わずヒートアップしてしまった
そんなこんなを経て、我が家に到着
写真には2台だけれど実際は3台ある
これでセットでしょう、
これの当時は 右・中・左の3ch再生が基準になっていました
ただし、間違えてもらってはいけませんが、3chの立体音響再生システム(2.1ch?)ではありません
サウンドトラック&フォトセルがモノラル収録&再生の時代ですから3本のスピーカーを立てる理由は・・・
スピーカーには指向特性がありますから劇場の観客席に向けて聞き取りにくい席がないようにサービスエリアを埋めるために必要な配置なのです
音がどうの迫力がどうしたというのはずっと後の話で、チャンネル数の拡大に伴い音の広がりが増して、音の移動による映像補助的な迫力が出てくるのに反比例して
音そのものの迫力が減じて行ったのは、残念なことではありますが何処も同じ時代の流れでした
この世では何かを失うことでしか、別の何かを手に入れることはできないものです。これは宇宙創生以来の真理ですから仕方ありません
時の哀れの感傷に浸る間もなく、抵抗値などを調べていくと、案の定3台中2台に断線がある
よーく見てみると、
この大仏さんのお髪みたいな丸っこいのはなんとまあ、巻線抵抗なんです
全てがごく細のニクロム線をボビンに巻きつけて作っている・・・・
これじゃあ切れるのも仕様がないと思いながら、淡々と20分ほどで修復完了
クリーニングもしてこれで立派な「完動美品」になりました
しかしまあ、よくもこんなこと考えますねえ
あの人たちは音響機器=電気製品というカテゴリーの概念がないんじゃないかといつも思わせられます
U-ボートやメッサーシュミットのコクピットにある装備品と同じ感覚で作っている
一点困ったことに、この機械は戦前のものだからハイ・インピーダンスなのです
よって今の我が家のフェーダーとそのまま差し替えることはできません
仕方がないのでオリジナルのEuropaアンプのライン系統を戦前のスタンダードに戻す準備をしてから投入ですね
ドイツから不動品として買ったし、私自身も生まれて初めて写真で見たものなので当たり前のことですが「試聴」などはせずに大枚をはたいたわけです
どんな音なのか?
自分の好みの音じゃなかったらと心配じゃないのか?
そんなことを言われる方も時に見えますが、答えは簡単です
「音を聞かなきゃ買えないような機械は最初から買うべきじゃない」ですね
目で見ただけで信用できるものじゃないと
たとえ自宅試聴なんかしたって決して大金は払えませんよ
どんな音が出るかは、興味がないというのが正直なところですね
システム全体の音として捉えれば、例えどんなフェーダーを使ったってどうせ自分が納得するまでは使い込むのですから、それぞれの部品はなんでもいいんですよ
結局自分の出す音にしかならない
まあ
このような阿呆なほどのフェーダーを使って、おかしな音を出すようでは間違いなく自分自身=私の力不足でしょうから
そうしたらまた勉強のやり直しですね
ともあれ、こんな姿を見てしまったら買わざるを得ないじゃないですか
使えるようになるのはずっと先の話です
どんな音が出るかはずっとずっと先の話です
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