2010年02月 Der Klang vom Theater (ドイツ~劇場の音と音楽)
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神秘的かつ、厳しい審判者 ケンペのローエングリン

ブログ村に参加されている、メタボパパさんとは、ビックリするくらいレコード趣味がかぶってしまっていて「ブログで書くレコードがなくなっちゃうよー」と泣きを入れてとりあえずローエングリンだけは勘弁して頂いたので、責任上?取り上げてみました。

DSC02969.jpg

EMI SAN121-5 金/白天使
Rudolf Kenpe Viener Phirharmonic Orchestra
Jess Thomas
Elisabeth Grunmmer
D,FーDieskau 
Gottlob Frick 他

このセットは、実は謎に満ちたレコードらしいのです。

一度製作が完了し、販売を開始したのですが、制作上の問題が指摘され、再度カッティングから作り直したという話を聞いたことがあります。
自身は未確認なので事の真偽は不明ですが、現在のセットは3セット目で世間的には「旧」のものです。

以前に所有していたものは「旧」「新」でいまのが「旧」という順ですが、私の駄耳では「旧」と「新」のはっきりとした区別は付きませんでした。

皆さんのお持ちの物の確認には、恐らく
◇ マスターNo 「旧」1面-4 2面-2 3面-5 4面-2 ・・・が手持ちの番号です。
  「新」の物は記憶が定かではありませんが、6とか7以降が多かったように思います。
◇ 面数を表示する数字の書体が「旧」は丸文字っぽくてちょっとかわいい。写真の「5」とか「3」が分かり易い。
◇ BOXが「旧」の方が心持ち厚いような、気がした。これは比べないと。ですが。
あたりで、分かるような気がしますが、下の2項目はEMIの一般的な変遷と同じです。

DSC02970.jpg
とんでもない優秀録音であるが故に、カッティング以降の過程では困難を極めた様子が伺えます。


さて、演奏ですが、他のワグナー作品のような暗黒の愛憎劇とは少し距離感のある、「白鳥伝説」をモチーフにしたであろうローエングリンと、巨匠ケンペのお人柄は 見事にフィットしているように感じます。
全編、空想の世界にいるような独特のカスミのかかった加減が絶妙で、どっぷりローエングリンの世界に没入できました。
平たく言うと、「ハリーポッター」とか「千と千尋の神隠し」を見ているときに感じる、浮世離れ感に近いものでしょうか。

スタジオセッションのレコードには少ないようですが、バイロイトではオケの配置が独特で、ワグナーはステレオ効果やオルガンのような響きを聴衆にプレゼンスすることを追求したそうです。
恐らく、オペラにおける歌の伴奏というよりは、現代の映画音楽のように場面設定、説明の為に、より重要な役割を与えていたことが偲ばれます。
我々が作曲者の心情と必然をより明確に聴き取るため、オーディオに時間とお金を掛ける意味もそこにあるように思います。


さて、ちょこっとオーディオ的聴き所も。

弦楽器のカーテンが手前下方に敷かれ、その彼方奥から木管群がpで乗せてくるモチーフが何箇所かあります。
恐らく、欧州の深い森であったり、その中にある城(まさにポッターの世界)を音響で表現しているのでしょう。

このときのサウンドが、正しく壮麗なパイプオルガンの響きに感じる場面が幾つかあります。
この感じは、装置の出来が相当良い状態でないと、ただの弦楽器と木管楽器の合奏に聴こえますので、装置の健康診断には厳しくも良き裁判官であります。

以前に、最新鋭の装置をたっぷり聴きましたが、この場面でオルガンのように聴こえるのか?試していないので大変に興味があります。
確認済みの方がいらっしゃいましたら、どうぞお教え下さい。
より強い印象を残すようであれば、いよいよ技術が音楽に追いついて来たということになりましょうか。
期待したいですね。そうなったらまた軍資金の心配が必要ですが・・・



この時代のセットには、もう一つオーディオを良くするための重要な手がかりがあり重宝しています。
DSC02976.jpg

この収録風景のスナップは装置の位相管理には最高の根拠になります。
しかし、舞台に升目を書いて歌手の立ち位置を動かす手法は、Decca-カルショウのパクリなのでしょうか?
マルチマイク+パンを多用しないこの当時の録音は、自然なプレゼンスが得られオペラを聴くには大変ありがたいレコードです。


なお、当時のEMI、コロムビアのインナースリーブは、どうも内側のビニールの質が硬いようで、盤面にスリキズを付けやすいように思います。
レコード店で購入できる別売り内袋を併用して保存するように心掛けています。


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さようなら SME3009 Prot 涙の別れ

ご近所の「初期盤3万枚男」さんがオーディオ装置の一部見直しを行うことになり、ガラードの301をメンテした流れで私のところにコーディネイトの依頼が舞い込んできました。

あーだこーだと意見を聞いていたのですが、ある日、当の本人も忘れていたキャビネットの奥を捜索してきて秘蔵のSME 3009プロトタイプを発見に及び、「これじゃなきゃやだ!」と駄々をこね始めました。

以前の記事で紹介した通り、気分的に一番気に入っていたアームなので使う予定は無くとも手放す心算もありませんでした。
しかし、攻勢は厳しさを増し遂に牙城は敵の手に渡ってしまったという次第です。

DSC02946.jpg
Thorens TD-124 初期型にセットされそうになっている 3009Prot

何が好きかって?
そりゃもう、このプロポーションが整いまくった肢体ですよ!
手足が長くて、見事なウエストライン。

確かにTD-124とのコンビネーションは憎らしいほど美しいですね。
まあ、容姿ばっかり褒めても仕方がないので、その女っぷりの良さも書きましょう。

むかーしむかし、英国の倫敦に、とっても音楽好きのアイクマンという青年がおりました。
北方にある童話の国のカートリッジを愛でていましたが、もとより業務用に作られているため、アームの使い勝手が涙を誘うほど良くありません。

そこそこお金持ちだったアイクマン君は「てやんでー、ならば自分でアームをつくっちゃる」と一念発起して自家製アームを造ったところ、これが類稀なる優れものという評判になり、親戚縁者やら友人知人が急に増え、我先にと奪い合いが始まりました。

そこで、「皆々方ちょっと待たれい。僕は会社を興してアームを造っちゃうもんねー」
といったかどうか知りませんが、SME社の設立の一席です。


さて、上の通り、当時のOrtofon RMG又はRMAタイプの使い難さへのチャレンジが発端ですので、考えうる最高の機能を装備しています。

1.2種類あるコネクターへの対応
DSC02938.jpg
コレットチャックを45度傾けることが出来、固定ピンが入るスリットを上下に4本入れて対応。
(Ortofonは其々の専用アームが必要)

2.Aシェル、Gシェルで長さが異なることへの対応
アームの支柱をスライドベースによって固定する方式とした。
(同上、よってOrtofonはコネクターと長さの異なる自社のカートリッジを使う為に、4種類の仕様の異なるアームを用意せざるを得なかった。
まあ、家庭でこんなにもレコードが聴かれるとは思ってなかったからね。1950年当時は)

3.ラテラルバランスの調整
最後尾に位置するサブウェイトから、外側にアームを伸ばしてラテラルバランサーを設置。
モノ時代の設計だから当然だけど、ステレオ時代になってもOrtofonは無視し続けた機構。
(Ortofonには付いていない)

4.アームリフターの一体化
支柱に固定する形で一体化を達成。加えてアームレストまで一体にしちゃったカシコサ。
(Ortofonはリフターを別に用意していたが、別売品)

5.これはオプションですが、インサイドフォースキャンセラーの追加
写真のI/F・Cはオプションです。
ステレオなのにSPUは針圧3.5g以上だから要らないと考えられていたのでしょう。
そうこうするうちに、2.5g以下のカートリッジが出てきたので困って追加したんでしょうね。
(Ortofonは随分あとになって、RS-212sで初めて搭載。多分20年以上遅れている)

DSC02947.jpg
ピンボケ失礼。あとで差し替えます。

このサポートの丸い部分は、ステンレスパイプの輪切りなんだって。
頑張って手造りした感があって、いいよねー。

基本設計から50年以上経った現代でも、SMEの象徴ともいえる「3009」「3012」はその機構をほぼ同じ形態で受け継いでいます。
初号機にして永劫に通じる完成度こそSMEの魅力でしょうか。
発売当時の人たちの目には、卓越した逸品と写ったことは想像に難くありません。


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好きなコンポーネント カートリッジとプリアンプ編(附、英国の音)

一番大切なコンポーネントは「レコード」だと思う。という記事を書きました。
多くのオーディオマニアの方には「何言ってんだ、コイツ」と思われていると思います。これは、一番上流に存在するコンポーネントは、その後の全てのパーツに影響する。という意をお汲み取り頂きたいと思っております。

信号の流れを辿りますと、そのレコードの情報を拾うのがカートリッジの役目です。
ここは「物理量⇒電気信号」へと変換する箇所で、スピーカーと並んで機種による音の変化が大きいコンポーネントになりましょう。
(実際は小さくて軽量なのでスピーカーに比べると特性は出しやすいですが)

ご存知の通り、フレミングの法則を利用した発電機になりますから、磁石とコイルの組み合わせで発電をします。
やはり、逆の役目のスピーカーと同様の組み合わせになりますね。
実使用においては、スピーカーには常にパワーアンプとセットで考慮されるべきもので、カートリッジとプリアンプ(RIAA-EQのこと)もまた、セットで組み合わせて考えるべきと思っています。



さて、好きなカートリッジはなんとなくですが、ゴムダンパーを使わない形式の物が手元に残っています。
(EMTだけが例外ですが、これは今も新品を入手できるので常用としている)

以前にご紹介した、NeumannのDSTはトーションバーのたわみでコンプライアンスを得ていますし、DeccaのMk-Ⅰは真下に伸びた棒の先にチップが着いています。
なんと、ダンピングと位置決めは糸!で吊っている状態です。

何れも、持って回ったところの無い「竹を割ったような」爽快感があり、エグミの無い音が好きな理由です。

以上の2機種と供に、個人的に「世界の3大カートリッジ」と崇めているものに
WESTREXの10A型があります。
天文学的なプライスタグが付いていますので、これも憧れだけですが、もし、昔のままWEの装置を使っているとしたら何とかして、入手の算段を考えていたことでしょう。    あー、Klangfilmにしといてヨカッタ ほー

そして、もう1機種、絶対の信頼を置いているものがあります。
DCP_0432_convert_20090630094300.jpg
EMI  EPHヘッド と EPUアーム

これは、本来的にはレコードの製造工程の中で、原盤試聴用としてEMIやコロムビアレコードのスタジオで使われていた、れっきとした業務用の機械です。
後に、愛好家向けに市販されたと資料にはあります。

構造は  _I-▽   こんな感じで折り曲げられたトーションバーの先端にチップが植え込まれ、左図の I  の部分がたわんでコンプライアンスを得ています。

ただし、そのままでは勝手な動きをして歪みますので、ビスコロイドを塗布してダンプしています。
Vitavoxのスピーカーを手放してしまってからは休眠状態で寂しいですね。

このカートリッジでASD盤やSAX盤を、Decca Mk-ⅠでSXL盤を聞き比べていたあの頃は至福の時でした。
(僕に趣味はありませんが、ビートルズも初期盤が珍重されているようですから、やっぱりこれでしょうか?)

さて、こういったカートリッジに組合せるプリアンプは、私の駄耳では同国、同時代のアンプ以外には全く、まったく考えられませんでした。
英国のプリアンプは製造元の垣根を越えて同じマナーで作られていて、ピックアップの供給元が限られていた時代でしたから業界全体で市場を支えていたのかも知れません。

ちょっと思い出しただけでも、GEC、Decca-Decora、Lowther、Leak、QUAD、RCA.London、Westrex.London(マイクアンプ)など枚挙にいとまがありません。
初段「EF-86」でCR型なのかNF型なのかちょっと分かりにくいEQ回路に、ECC-82辺りがバッファーとして負荷になっていました。
初段が5極管ってのがキモですよねえ。

逆にみると、これらのプリアンプとDecca以外のカートリッジ(当時はEMIは持っていなかった)を使ったときには、なんとなくモコモコして歯切れが悪かった印象があります。


先日、英国の音の印象を記事にした際に、大変貴重なご意見を複数頂きました。
総括しますと、私が英国の音。との印象はこれらのカートリッジとプリアンプのコンビネーションに因るところの影響が大きいと考えています。(数機種のスピーカーと組み合わせると、スピーカーの特徴は出しますが、全体を覆う印象は変わりなく聴こえました)

カートリッジであれ、スピーカーであれ、パーツを個別に取り出して他の特徴を持つ機材を組み合わせた時の音の印象は、またそれぞれ異なってくるということは想像にがたくありません。
システムは頭の先から、つま先まで繋がって初めて音が出るものですから、私の自宅で、Deccaの針+QUADやLowtherのアンプにVitavox、Lowtherなどのスピーカーを通じて出た音の印象ということで、ご了承を願いたいと存じます。


こうして見ると、上に挙げた4機種は、それぞれ全く異なる構造で各々の個性を主張しています。
これでは日本のメーカーのような「1機種売れたら、市場が同じ顔の製品ばっかり!」にはなりませんね。

そんな、開発者のメーッセージを強く感じる処もヴィンテージ品の楽しい面ではあります。


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Yahoo!オークションについて考えてみた。最近ご無沙汰だなー

すっかり日本人の生活に定着した感のある、オークションです。

中には一月の買い物の半分以上がオークション、何て人が居るかもしれません。
私も数年前までは、ほとんど中毒のように出品を睨んでいましたし、実際に結構な点数を落札もしました。
オーディオマニアの方も、安くてそこそこ珍品も見かけるのでお世話になった人が多いのではないでしょうか。

ところが、このところすっかりご無沙汰になっています。
オーディオ関係やレコードも購入したのですが、今部屋の中を見渡してみてもオーディションで落札したものは、真空管のいくつかを除いて全くありません。

今日はその原因について考えてみたいと思います。


1.オークションに興味を失った原因
2.オークション購入の際に気をつけたいこと の二点についてです。


1.興味を失った原因

① 結局、良いものは手に入らない。
上に記した通り、身に付いた物が無かったというのが最大の原因です。
その理由は、販売店の相場よりも安いからなどの、安易な気持ちで買ったものが多かったという自分の責任が最も大きいですね。
また、特にヴィンテージ品では出品者の無知により、状態に不具合があることを気付かずに出品される場合が多いことも理由として挙げられます。

安かろう悪かろうは結局身に付きませんね。

② 最近はオークションの体をなしていない。
以前は、たとえ50万円の相場の物でも、1000円スタートとか10000円スタートが普通と感じていましたが、現在は少し様子が変わって、出品時から店頭価格に近いようなものが多くなりました。

オークションとは、本来入札者が金額を決めるという性格であるものと思いますが、これでは出品者の「言い値」を納得できるかだけが争点になっており、オークションの必要がありません。

中には、市場価格以上の値をつける人もいまして、

その金額なら店で買うわー!ボケー!!
と、つい大声を出したくなる出品が目に付きます。

2.購入の際に気を付けたいこと

① 過大表現
オークションというのは、適度なギャンブル性があるのでしょう。必要以上に
「ここで、買わなくちゃ二度と手に入らない」的な気持ちの高揚を伴うものです。

冷静に考えるとありえない物にまで、興味が出てしまうので気をつけましょう。

一番笑っちゃうのは
「世界最高!!これ以上は無い、WEケーブル、絹だの綿だの巻き線。1890年製造」

世界最高でこれ以上無いものが、軽く200点ほど出品されているのではおかしいでしょう?

冷静に考えれば、幾らWEが通信を主体とした企業だったとしても、どんだけ多種のケーブルを採用してんだ!
ということが分かると思います。

簡単に言っちゃうと、そこそこみすぼらしい外見のケーブルが発見されると、誰かの手によって「天下のWEケーブル」に化けている訳です。
もし、本当に採用されたものでしたら、ブリテインに記載がありますから購入前に証明してくれと言いましょう。
多分逆ギレして「おまえみたいに価値の分からん者に売るものはないわー」と言うでしょう。
シルバニアのアイロンの電源コードだったってことは証明できるでしょうが・・・

勿論、なかには実際にWEで採用されたモノもあるでしょう。また、オーディオケーブルとしてそのお宅では音質を気に入るケーブルもあるかもしれません。
発掘された古いケーブルを売る事が悪いと言っている訳ではありません。

しかし、何の根拠もなしに「WE」の名を語ることは商道徳上、如何なものかと思いますし、購入する側もネーミングだけに引きずられる事の無い様、見る目を養う必要があると思います。

実際にあった例をひとつ・・・
あらゆる雑誌の取材を受けているオーディオマニアなら何方でもご存知の有名なマニアの方が
SIEMENS/Klangfilm 戦前の劇場用スピーカーケーブル至高の音質(不正確)として出品されていたケーブルを落札して、すぐ捨てた。と告白しています。
私も見ましたが、1970年くらいに使われていた普通のビニール並行線でした。

その出品者君は今日も元気に、怪しく出品しています。お気を付けあれ。

② 物を買うな。人を買え!
現物を確認できる店頭と違い、オークションでは「これが欲しい」と、物欲で落札した場合に失敗が多かったように思います。
何よりも、出品者の人柄に着目すべきです。

◇説明文がしっかりしている。

 特に、「てにをは」や漢字変換にミスの多い人には絶対に近づいてはいけません。

◇不具合があった場合の、責任の所在を事前に明記してある。
 時々、真空管でノークレーム、ノーリターンなんてぬかす奴がいます。
 もし、不具合のあった場合は、ただのガラス玉に何万も出したことになるだろー。とビックリしました。

◇他の製品を悪く言う説明文。
 よっぽどその出品物を売りたいのでしょうか。
 それ以外のものを、ゴミだとかクズだとか、けなしまくる人がいます。
 残念な人だなーと思うのは、少したったら、以前にけなした物を堂々と出品しており、その時の説明文では、また別のものを一生懸命けなしていました。

 せめて、この品は、こんなに良いんですよ。と説明してくれる人から買いたいですね。



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メンテナンス ガラード301 その3

シャーシの裏側も、速度切り替えレバー関連のパーツほか、残り僅かになってきました。
組み込みが面倒くさそうなので、現状保存の為に記念写真をパチリ
DSC02829.jpg
随分とさみしくなったものです。

さて、いよいよモーターの分解です。
DSC02836.jpg
左からローアーハウジング、ステーター(コイル)、アッパーハウジングとスピンドルシャフト(ローター)です。

左側のハウジング中央に見えるのがシャフトの軸受けで、ボールベアリングで受けています。
一方、アッパーハウジングにも同様の受けがあります。

実は(プラッターのシャフトも含めて)これらの軸受け機構がガラードモーターのテクニカルハイライトです。
所謂、セルフセンタリングというもので、シャフト自身の回転力を利用して回転中心を出すという実に合理的、経済的な技術です。

そのために各軸受けは止まりかけのコマのようなスリコギ運動のフリクションを持っています。
モーターの上下の軸受けは、フラフラと言ってもよい状態です。(プラッターも可動域は狭いが同様)
シャフトが回転を始めると、勢いのあるコマは直立できるように、ダイナミックバランスのとれたシャフトは自らセンターを探し出すという優れものです。


もう一点、下部軸受けは、オイル含有性の金属「ケルメット」とフェルトリングに潤滑油を大量に含ませることによって相当の期間に亘りメンテナンスフリーを実現しています。
(ひょっとするとガラードは、プラッターのシャフトをグリス潤滑にすることで大真面目に本体が壊れて廃棄するまでずっとメンテフリーを夢見ていたのじゃないか?と思われるフシがあります。
しかし、基本構造の単純さと材料の良さ、工作精度の確保によって主要部品は、当初想定したより長期の使用に耐えてしまったのかもしれない。なんて、想像を逞しくさせてくれるほど心憎い仕様になっています)

このようにガラードという優れた、歴史的名器と言っても良い機械を見てみると、以前に記事にしたEMTのプレーヤーとは銀河系の両端ほども異なる発想によってアプローチがなされている事に感慨を深くする事となりました。


今日で終わりにしようと思っていたけれど、長くなったので、明日へつづく・・・


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メンテナンス ガラード301 その2

メンテナンスの作業はどれをとっても

外す
洗う
油を注す
組み立てる

の繰り返しになります。気を付けるのは再現性ですが、今はデジカメで簡単に現状を保存できるので大変効率的に行えるようになりました。

着手に先立ってまずは、メンテの方針を決定しなければなりません。
今回はフルオーバーホールになりますが、この機種はアームやコロの組み合わせで構成される機構部品が沢山あります。
したがって、アタリを出す必要のある部分で、問題の無い箇所は分解せずに洗浄と注油で行く事にしました。
一方、センターシャフトとモーターは完全に分解してトルクを効率よく伝える。ことを目指しました。

それと、ガラード301は大ヒット商品だけに世界中に多数存在し使用中の方も多いものです。
そのためか「音質向上部品」なるオプションパーツも結構な数が出回っているようです。
しかし、いつもの通りオリジナルの再現に徹して初期性能の獲得を目標とします。
ロールス・ロイスを持っているとして、いかに性能が良いからと言っても国産のエンジンに乗せ換えたものはイヤですからね。

DSC02835.jpg
まずは、プラッターを外すのは当たり前ですが、その裏面です。

何かリブの穴の数で良し悪しが分かる。なんてウワサがありますが本当でしょうか?
こまい事を気にしすぎると本筋を見失うので、そんな事を気にしている人は大概にしておきましょう。
鋳物製のプラッターのダイナミックバランスを取る為の基本行程の一つですから。本機は一つでした。

DSC02825.jpg
次にシャフトを分解します。
写真の通り、ほとんどグリスが効いていない状態です。幸いシャフト自身に大きなキズはありませんでしたが、こんな状態で長時間使用してはいけません。
シャフトのお尻に付いているのが、スラスト軸受けです。

DSC02828.jpg
中央の丸穴の中でシャフトの底を受けます。
この面が減っているとS/N比が劣化します。交換部品は入手可能のようです。

DSC02831.jpg
モーターユニットと速度切り替え機構を取り外しました。
モーターの左上が速度微調整用のエディカレントブレーキです。

兎に角、細かい部品が多い!
ワッシャーやスペーサーが異常に多いです。
無くさないように、壊さないように慎重にことを運びます。

次回はいよいよ、ハイライトのモーターの分解をしてから再組立てです。


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メンテナンス ガラード301

私の家から徒歩5分の場所に、命名「初期盤3万枚男」さんが住んでいます。
この方、電気や機械にはめっぽう弱く、電源スイッチを入れる以上のことはほとんどできません。

私が横浜へ行くまでは、代わりにオイルの補充などしていたのですが昨年秋に偶然、道で逢ったのを機に訪問してみるとかれこれ10年近くなんの手も加えられておらず、大変な事になっていました。

手を付ける事が多すぎて躊躇しましたが、何よりもガラード301がシャリシャリ言っているので販売店にメンテをお願いするようにお話ししました。

ところが年が明けて電話があり、店に持っていくのがイヤだからおまえが面倒見ろ。というのです。


以前にも記した通り、私が自身の機材をメンテする時はぶち壊してもかまわないという決意の元で行いますので、他人様の大切なものを手に掛けるなどということは努々考えてもいない事でした。
しかし、他に頼るものもなくと、三顧の礼を尽くされては、こちらもいよいよ最重量級の腰を上げざるを得ない事態になりました。

ぶち壊しても恨まないという一筆を頂戴しましたので、ではと。最善を尽くさないわけには行きません。


本棚の奥に仕舞ったままの「Garrard 301」インスペクション・マニュアルのホコリを払い、ドライバーをはっしと握り締めた訳であります。


現状
1.聴感でワウ&フラッターを感じるほどヤバシ。
2.立ち上がりがスタート後30秒以上掛かってから定速に達する。
3.ストロボで見ると、速度調整ダイアルが「+5」目盛り辺りで定速になる。多いにヤバシ。
4.スピンドルを手で動かすもグリースの粘りが無い。
5.耳で聞いて分かるくらいのシャリシャリノイズあり。手遅れでなければ良いが。


以上の状態を踏まえ、今回のメンテナンスの手法はフルメンテになるだろうと予想しました。
その時から覚悟を決めて、マニュアルの分解図とにらめっこで数日を過ごしました。

さて、これが実物です。
DSC02837.jpg
GARRARD MODEL 301 Transcription Motor 31400/1 シルバー

これは、組み上げた後、試運転をしているところ。中央の目盛りは「-4」程で定速が出ています。

あーー、壊さなくて良かった。
もー、ひとのはやんない。

明日は、手順を追って気付いた事等を書いてみます。


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音楽ファンの為の装置を考えてみた (消しちゃったので再掲載)

昨日の記事を出先で書いていたので、間違って一つ消してしまいました。
順番前後になってしまいますが、再掲載しておきます m(_ _)m

音楽を鑑賞する上で、何故、音質の向上を図る必要があるのでしょうか?(いじって変化を楽しむではないですよ)

市内のオーディオ店の社長さんは「クラシックの人はオーディオに金掛けてくれる人いなくてなあ」とぼやいていました。
「高いレコード買うには躊躇しないのに、オーディオは一回買ってくれるとグレードアップをしてくれない」と。
「それは、何故いい音で聞かなければならないか。その必然性を感じていないからですよ」と答えるしかありませんでした。

では、音質向上の必要性についてですが、私なりの極・私的な考えを始めに述べておきます。

1.建前的、倫理的理由

メジャーレーベルに所属するほどの演奏家であれば、幼少の頃より天才といわれた人が、長い時間を掛け超人的な努力の末、自身の音を磨き上げて世界にその成果を問うています。
そして、成功しての後は、名器の発する類稀な「音」を求めて億の金を楽器に投資します。
一方、ホールの音響を管理する人、録音をする人々もまた自身の存在をかけて仕事に取組んでいます。
このように、レコードやCDを製作する人たちは自分の(大げさでもなく)人生をかけて製作をしています。

1枚のレコードやCDには、その人々の情熱が我々の想像以上に克明に刻まれているわけで、そのホンの一部しか聴いていないとしたら大層もったいない事だからです。

2.本音、情緒的理由

皆さんも、人生の印象的な場面で聞いた音楽を何年かたってから聞いて、当時の場面を目の当たりにした経験をお持ちですか?

将来が見えず、底冷えのする部屋で一人、机にかじりついて受験勉強しながらラジオから流れていた曲を聴いた日々。
分れた彼女を家に送り届け、帰りの車の中で訳の判らないことをわめきながら運転していた時に流れていた曲。
それらの曲をふと聴いたときに、総天然色で甦る場面があると思います。
何故か、音質的に気持ちを深入りできる状況だと、甦った場面がより鮮明で克明であるように感じています。

そんな情景の再現を、より容易足らしめる為に僕はオーディオの音質向上に取組んでいます。



さて、具体的な商品名を出しますが、選択肢はまだまだありますので収拾が付きませんから、ここでは自分で聴いたものに限定しています。

スピーカー  ALTEC A-8
最近は球数が減っているのが残念です、大きさといいパフォーマンスといい家庭に入れるには絶妙です。
もしかしたら、日本では販売価格が安いので輸入されにくのかも知れません。
とすると、米国内にはまだ沢山残っていて、何時かは入手し易くなる、なんてことがあればいいですね。

プリアンプ  マッキン MX-110
FMチューナー付いても安価。EQも侮れない実力。(最近は少なくて高くなった、残念)
また、モノラルや古い録音が多いなら マッキンC-4は最高の選択。

DSC02822.jpg

上の写真はマッキンのMC-30型パワーアンプ
下は同じくマッキンの 左は 20W 右は C-4型  

パワーアンプ マッキン MC-30
まず、間違いないです。
プリにC-4を使う場合は マッキン20w(数が少ないのが泣き所)
Langevinの130Bもよい選択。

プレーヤー
Garrard 401 SME3010R  SPU  JSのトランス(中古)
       EMT-929  TSD-15 EMTのトランス(中古)    のどちらか。
EMTはコネクターに汎用性がありませんが、モノラル用、SP用も新品で入手可能なので初期投資さえ覚悟すれば。

MX-110+MC-30の組み合わせは帯域に不満がなく、活き活きとして快活な音まで期待できます。
それでも、ALTECらしい乾いた薄い木材の音が出て、のこぎりを引いているヴァイオリンにならず演奏の醍醐味を味わえると思います。
C-4+Langevinでは、溢れる滋味の中に現れる、深遠なグラディエーションに引き込まれること請け合いです。


長くなってしまったので次回に、続きを


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音楽ファンの為のステレオ  (英国編)

クラシックを中心に聞いている者にとっては、英国製のオーディオも捨てがたい魅力がありますね。

これまでの経験を要約すると、英国の機械はより俯瞰した描写が得意で、演奏会場全体を縮尺模型のように見下ろす感覚に秀でていると思います。
対して、米国の機械は一般に楽器の音を忠実に再現することに長けていると考えています。
演奏者と同じ床に座っていると言い換えても良いでしょう。


さて、英国の装置ほんの一例ですが。

スピーカー  Lowther アクースタMk-1  まだまだ中価格で素晴らしい物が沢山あり。

アンプセット QUAD 22+Ⅱ型  またはLeak ポイントワンプリ+Stereo20

プレーヤー Garrard401  Decca Mk-1アームとMk-1カートリッジ

以上のセットは全て揃って初めて英国の音を具現できるものとしています。
もし、あなたが英国のオーディオを好まれてクラシックを楽しみたいと考えているとしたら、これらのセットは限りない喜びを与えてくれることでしょう。



ここで唯一つ、日本のオーディオマニアが40年以上に渡って犯してきた間違いを私は指摘することができます。

その発端は、五味康祐さんの高名な著書に端を発しています。
その書にはこんなエピソードで五味さんのオリジナルTannoyとの馴れ初めが記されています。

「貴社のTannoyで十全なステレオ効果を得るには如何な装置を用いれば良いか?」と氏はTannoy社に尋ねました。
Tannoy社は答えて曰く
「Deccaの針、SMEのアーム、GarrardとQUAD(22+Ⅱ型)のアンプを用意して待て」と。

これらの機械を用意してTannoyの到着を待ち、これまでに経験したことのない音響の世界に驚愕したと氏はTannoyとの出会いを綴っています。
しかし、いつの間にかアンプは米国製に変わり、針もEMTに変わりました。

これはどうしたことでしょう?
私なりに推測するに、やはり、「より明確な音で聴きたかったのでしょう」
上述したように英国製の装置の醍醐味は、ホールごと俯瞰して聴けるような臨場感にあります。

このことは、反面楽器一つ一つの音色はブレンドされた状態でハーモニーの中に存在します。
この全体描写こそが英国オーディオの最大の美点であり、他国の機械に求め得ない特徴だろうと考えています。

その後、日本ではTannoyはクラシックを中心としたオーディオマニアの間で絶対的な名声を獲得しますが、その使われ方は、極めて日本的であったように感じています。異文化の伝統を受け入れて日本的なアレンジを加える能力ですね。

和菓子のあんこを、パンに入れて「アンパン」を創作する素晴らしいジャパンクリエイトです。


繰り返しになりますが、何かを得るには別の何かを手放すことにほかなりません。
英国の音響機器を使いながら、その長所をみすみす捨ててまで明快な鳴らし方にすることはないだろうに。と、私などはいつも思ってしまいます。
しかし、ヨーロッパの伝統的な文化の具現化は戦後の日本にはまだ遠く。はっきりとした、解りやすいソノリティへと嗜好が向かったこともまた、無理からぬこととは思います。


もちろん、オーディオはパーソナルな趣味であり、如何な組み合わせで聴かれてもご本人の満足を満たすことが大切ですが。
もし、英国のスピーカーをお使いで上のアンプを試したことがない方は、是非一度聞いてみることをお勧めします。



そこで得られる音は、ハッキリともクッキリとも聞き取れません。
しかし、数世紀に渡って、ヨーロッパの根底を流れてきた古く、底光りする燻し銀のようなクラシック音楽の文化自体の意味するところを、もう一度考え直させるいい機会になるのではないでしょうか。


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僕の好きなコンポーネント  (スピーカー達)

先日バレエ「白鳥の湖」を見てきた事を記事にしました。
ホールがオペラハウス形式でもあり、2階のバルコニー先端で、オケピットから10mほどの近距離という貴重な体験をしました。

そのときに聴きながら、ボーっと「この音はA-5の音だなあ」と思っていました。
ALTEC A-5は実に演奏会のソノリティの味を持ったスピーカーだと思います。

ALTECはA-5しか使ったことはありませんが、A-7(これは近所の喫茶店、シルバービートさんで逢ったKさんが使っていました)も家庭用のカーメル(友人のHさんが使用していた)も、本当に音楽をよく知っている人が作ったスピーカーだと感心させられます。

後半には席を後方へ移動し約30m程の距離を置いて聴きました。
よりハーモニーは融合し、ホールトーンに包まれる感じが強くなります。
このときは、流石にEurodyn(パーマネント)は良くできたスピーカーだったと思い起されました。

この2機種に共通なものは何か?
そうです。どちらも15インチウーハーとコンプレッションドライバーの2Wayであることです。
なるほど、改めて演奏会を聴きながら考えると、自分はこの式のスピーカーが好きなんだなと確認できました。

これらの他には、A-5と同じ設計図で作ったような Westrex London .Ltdの2080&2090型があり、Vitavoxのバイトーン型があります。この2機種は使った事がありません。
1020cell3.jpg Westrex London.Ltd 2090ドライバーと独特の形状をした10セルホーン。買っちゃおうかなー。置くとこ無いな

Westrexは何度か購入のチャンスがあったのですが、バフル(フロントホーン)が入手難でついぞ縁がありませんでした。そんな訳で、これは憧れのスピーカーですね。
まあ、ドライバーはALTEC-288ですし、ウーハーも見た目515(フレームの隙間に羊毛綿みたいのが詰まってますが)です。A-5を手放してしまってこれを買うのが申し訳ないっていうのが、心の底にあるかも知れません。

A-5やEyrodynは全てにおいてバランスがいいですね。
帯域は広すぎず、狭すぎず。直接音と間接音のブレンドも絶妙!
本当に劇場に居合わせた雰囲気で音楽を聴かせてくれると思います。
一般に広い部屋が必要だ!みたいな言われ方をしますが、専用室なら8畳もあればちょっと吸音に気をつければ充分です。

「言われ方」で思い出しましたが、日本の雑誌を読むと、これらのような構成のホール用スピーカーは
広い場所で多くの観客に聞かせる為に、パワーの入る設計がされており、迫力のある音を出すが家庭用としては音が荒いのが難点

なーんて評ばかりでしたし、その頃に話を聞いた販売店のお兄さん達も揃って同じようなことを言っていました。
イタイケな少年だった僕はそれを真に受けて仲間と話す時には、受け売りの業務用スピーカー評を展開していたのでしょう。

A-5を購入した時に、ハタと気付いちゃいましたよ。
ひょっとして、世の中の評価ってほとんどが受け売りなんじゃないだろうか! ってね。

それ以来 「てめーの身銭で買って使ったモノ意外、その製品について語らないぞ」とココロに念じました。


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