遠慮なしの旧友来る・・・ミスった自分がいる
GWに30年来の知人でアンプの修理やら製作を以来して頂いているAさんが遠路お見えになった
コロナの時期を除いて30年ほぼ毎年この時期に=多分に春野菜と蕎麦を目指して来ます
オーディオとの関わり方は随分と異るが個性を分かり合っているので絶妙に大人の関係を築いてる二人
Aさんはオーディオ大好きの典型的な「昭和のマニア」で、自宅と隣接する仕事場に2部屋のオーディオルームがありそれぞれ足の踏み場も無いくらいの機材で溢れている。音や音楽を聞くよりオーディオ談義をしている時間が好きと言うタイプかな
今回、珍しく音を聴かせてくれ。と言うのでハタと考えてしまった
初対面や少ない機会の来客がある時には「この人はどんな音楽が好みだろう?」と最初の30分くらいは顔色やら仕草で反応を見ながらこの会に相応しい音源を探す作業をする
モンスター井上尚弥が1Rは相手に打たせて、パンチの軌道やパワーの測定を行う感じで・・よく言い過ぎだけれど実際そうした「無言の対話」をしながら一期一会を気持ち良いものにする努力はしたい
ところが単純なミスを犯してしまった
前日聞いていたので出しっぱなしになっていた「サティのピアノ曲」をかけてしまったのだ
「あれ?反応薄く無い?」慌てて隣を見たら鳩が豆鉄砲食らった様な顔で固まっていた
火曜サスペンスのBGMでかかる安っぽい環境音楽と思ったのかも。我が家に来たらベートーベンやワグナーがバーンと鳴るのを期待しただろうか
少々考えればAさんにサティは無いよなって直ぐに分かるのに魔が刺したと言うか、何とか取り返そうとGinossiennesの神曲5番どころか2番に行く前に止めて真っ白な頭で次にかけるディスクを探った
心の恋人 ケフレックのピアノはノーブルで透明でパリの空に消えていきそう
音の恋人でもあるERATO録音は曲想にマッチして非の打ち所がない!事をLowtherが教えてくれた
EuropaやDecolaではより立派な音にはなるんだけど「儚さ」や「あの世感」が出ない。贅沢な話だ
Aさん宅で音を聴いた事はあるけれど、聞いた曲の記憶が薄く特定の音楽の話をした記憶もない
昔「なんでも聞くよ」と言われた事があるが「あれは名演だね」とか「あのアルバムが好き」は無かった
隣で一緒に聞いていて「この人は今満足しているのかどうか?」分かりにくい人は確実にいます
以降、急ハンドルを切って「ちあきなおみ」「ビートルズ」「ホルストの惑星」と矢継ぎ早に繰り出して凍り付いた空気の溶解になんとか成功した
いつもの通り曲の世界観を最も表現出来ると踏んだスピーカーシステムを選んでいたのだが
「自分は全てのジャンルを聞けるように調整している」と、宣うた。だから
「10も20もスピーカー置いて、どの口が言っとんねん」と、突っ込んだ
「すべてのスピーカーをその心積りで使っている!」らしい
「音楽はなんでも聞くってのは、実は何も聞きたくない!ってのと同意語ぞ」まあ、こんな事を面と向かって言い合える間柄っちゅう事ですわ
でも流石に
「何でも鳴るスピーカーってのは、何も鳴らないってのと同意語ぞ」は喉につかえて出なかった
もう少し丁寧に書くと
「素晴らしく良い感じにスピーカーが鳴れば鳴るほど、そのスピーカーの持つ個性が際立ち特定の音源で夢の様な音響を発揮する。そう成ればそれ以外のレコードもビックリするくらい良く鳴るが、一方で高度な判断では合わなくなるレコードが出てくるのもまた当然。そこそこの段階のスピーカーの方が特段に良くも悪くもなく広い音源に適応できる」
最初から1枚のレコードに合わせるのは本末転倒と同時に全ジャンルに合わせて調整と言うのも本末転倒。全ては1台のスピーカーと死ぬ気で取り組んだ何年も後の話
私の知る限りに於いてだが
「1枚のレコードを毎晩抱いて寝る」人で
「1セットのオーディオを全ジャンル鳴るように調整している、あるいはしたい」と言う人を一人も知らない
100枚のレコードあれど99枚は諦めているがこの1枚さえ感動できれば・・・と言う覚悟でオーディオする人の家だけでその感動を受け取る事ができる。感動や情熱はパワーとなって溢れ出して部屋に満ち、訪問者にそれは伝染する
(しかしまあ、同じ傾向=レーベルや演奏家のレコードを多く買うから99枚ダメってことはない)
詰まるところアクセサリーやコンポーネントを取り替えて音の変化に情熱を燃やすお宅では訪問者はその情熱を受け取る事になる。もちろんどちらかが優劣であると言う話ではない。趣味の世界だからご亭主のやりたい事をすれば良い、それが個性で有り多様性だからだ
残念ながらこんな事を言う人も賛同する人も余りいないが
ここにオーディオの究極奥義が存在すると確信する
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コロナの時期を除いて30年ほぼ毎年この時期に=多分に春野菜と蕎麦を目指して来ます
オーディオとの関わり方は随分と異るが個性を分かり合っているので絶妙に大人の関係を築いてる二人
Aさんはオーディオ大好きの典型的な「昭和のマニア」で、自宅と隣接する仕事場に2部屋のオーディオルームがありそれぞれ足の踏み場も無いくらいの機材で溢れている。音や音楽を聞くよりオーディオ談義をしている時間が好きと言うタイプかな
今回、珍しく音を聴かせてくれ。と言うのでハタと考えてしまった
初対面や少ない機会の来客がある時には「この人はどんな音楽が好みだろう?」と最初の30分くらいは顔色やら仕草で反応を見ながらこの会に相応しい音源を探す作業をする
モンスター井上尚弥が1Rは相手に打たせて、パンチの軌道やパワーの測定を行う感じで・・よく言い過ぎだけれど実際そうした「無言の対話」をしながら一期一会を気持ち良いものにする努力はしたい
ところが単純なミスを犯してしまった
前日聞いていたので出しっぱなしになっていた「サティのピアノ曲」をかけてしまったのだ
「あれ?反応薄く無い?」慌てて隣を見たら鳩が豆鉄砲食らった様な顔で固まっていた
火曜サスペンスのBGMでかかる安っぽい環境音楽と思ったのかも。我が家に来たらベートーベンやワグナーがバーンと鳴るのを期待しただろうか
少々考えればAさんにサティは無いよなって直ぐに分かるのに魔が刺したと言うか、何とか取り返そうとGinossiennesの神曲5番どころか2番に行く前に止めて真っ白な頭で次にかけるディスクを探った
心の恋人 ケフレックのピアノはノーブルで透明でパリの空に消えていきそう
音の恋人でもあるERATO録音は曲想にマッチして非の打ち所がない!事をLowtherが教えてくれた
EuropaやDecolaではより立派な音にはなるんだけど「儚さ」や「あの世感」が出ない。贅沢な話だ
Aさん宅で音を聴いた事はあるけれど、聞いた曲の記憶が薄く特定の音楽の話をした記憶もない
昔「なんでも聞くよ」と言われた事があるが「あれは名演だね」とか「あのアルバムが好き」は無かった
隣で一緒に聞いていて「この人は今満足しているのかどうか?」分かりにくい人は確実にいます
以降、急ハンドルを切って「ちあきなおみ」「ビートルズ」「ホルストの惑星」と矢継ぎ早に繰り出して凍り付いた空気の溶解になんとか成功した
いつもの通り曲の世界観を最も表現出来ると踏んだスピーカーシステムを選んでいたのだが
「自分は全てのジャンルを聞けるように調整している」と、宣うた。だから
「10も20もスピーカー置いて、どの口が言っとんねん」と、突っ込んだ
「すべてのスピーカーをその心積りで使っている!」らしい
「音楽はなんでも聞くってのは、実は何も聞きたくない!ってのと同意語ぞ」まあ、こんな事を面と向かって言い合える間柄っちゅう事ですわ
でも流石に
「何でも鳴るスピーカーってのは、何も鳴らないってのと同意語ぞ」は喉につかえて出なかった
もう少し丁寧に書くと
「素晴らしく良い感じにスピーカーが鳴れば鳴るほど、そのスピーカーの持つ個性が際立ち特定の音源で夢の様な音響を発揮する。そう成ればそれ以外のレコードもビックリするくらい良く鳴るが、一方で高度な判断では合わなくなるレコードが出てくるのもまた当然。そこそこの段階のスピーカーの方が特段に良くも悪くもなく広い音源に適応できる」
最初から1枚のレコードに合わせるのは本末転倒と同時に全ジャンルに合わせて調整と言うのも本末転倒。全ては1台のスピーカーと死ぬ気で取り組んだ何年も後の話
私の知る限りに於いてだが
「1枚のレコードを毎晩抱いて寝る」人で
「1セットのオーディオを全ジャンル鳴るように調整している、あるいはしたい」と言う人を一人も知らない
100枚のレコードあれど99枚は諦めているがこの1枚さえ感動できれば・・・と言う覚悟でオーディオする人の家だけでその感動を受け取る事ができる。感動や情熱はパワーとなって溢れ出して部屋に満ち、訪問者にそれは伝染する
(しかしまあ、同じ傾向=レーベルや演奏家のレコードを多く買うから99枚ダメってことはない)
詰まるところアクセサリーやコンポーネントを取り替えて音の変化に情熱を燃やすお宅では訪問者はその情熱を受け取る事になる。もちろんどちらかが優劣であると言う話ではない。趣味の世界だからご亭主のやりたい事をすれば良い、それが個性で有り多様性だからだ
残念ながらこんな事を言う人も賛同する人も余りいないが
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元旦にフランスから荷物が届いたお話し
能登地方を始め地震により被災された皆様、羽田空港事故の被害者の皆様にお見舞いを申し上げます
我が家では呑気な話で大変恐縮ですが、元日のお昼過ぎに一つの荷物が届きました
まさか元日に配達があるとは思っていなかったのでビックリしました
小さなフルレンジスピーカーが1組です
1960年頃のラジオに使われていたオーバル・スピーカーは22cm x 13cm程の大きさで、マグネットなんか
「麩菓子かマシュマロ」一つ分の大きさしかありません
とりあえず音出しはしてみようと空いていたハーベス(吸音材や補強板を撤去済み)の箱にサブバッフルを用意しセッティング完了です
本来はラジオの付属品ですから、ベークライトの小さな筐体に入っていた程度のスピーカーです
これを高音質だのHi-Fiだのを期待して使うのは無粋もいいところで、バッフルでも良いのですが大きすぎるのはまた粋とは言えません
なので折り曲がったのが良いのです、音響的面積が広がりますから。もちろん裏蓋は必要ありません。
ネットは自分で貼りました。少し歪んでいますしやや明る過ぎかと思いますが、雨の多い英国ものではなくラテンのスピーカーなので良しとしましょう
初めは5年ほど前にFMをエアチェックしてCD-Rに焼いたのを聞きました、そんなCDを選んだのですから初めはこのスピーカーにそれほど期待していなかったのでしょうね
2015年にWineで行われたルシュー(So)のリサイタルのライブ録音で
フォーレ、ルクー、アーンなどのメロディー(フランス語で歌曲)です、一音めが出る前から脳味噌がぶっ飛びました
ヴォーカルの声がどうとか伴奏のピアノの音が・・・なんて些末な問題ではありません
Wineのコンツェルトハウスの空気が鳴っているのです
これはタダ事ではない、なんでこんな事が起きているのか?少々間を開けて頭を冷やしてから色々と聞いてみました
現在の相場で計算すると「オイローパ」の1/300程の値段です、ではオイローパが300倍 音楽再生に有利なのか?・・・
まあ、その通りですね
ただし、特定の録音をとある環境下で聞いた場合にその価値観が逆転する場面があります
一つのスピーカーの音が気に食わないと思っていてもほんの数mm動かしただけで評価が一変するのと並んでオーディオの本当の楽しさはこんな些細なところに隠れていて、本当にごく稀に顔を出してくれます
4日ほどかけていけると思ったCDを聞いてみました
思惑通りだったのもあったし、当てが外れたのもありましたがレコードで聞けば評価はまた変わるでしょう
オーケストラやオペラの会場の広さの印象は勿論大型スピーカーに及ぶべくもありませんが、精巧なミニチュアの「ワーテルローの戦い」をみているかのような・・・フランスが負けてはいけませんが・・・クリュイタンスのベートーベンはオイローパではどうにも心に響かなかったのです
同じくLPレコードでは神の国・天界からピアノが降って来るようなヴァレンティンのピアノですが、こちらのコンピセットは我が家のどのスピーカーで聴いても「パッとしない音」の印象でした、マスターの出どころの分からない格安セットだからと諦めていたのです
それが、手のひらに乗るような小さなスピーカーから輝く透明なピアノの音が叩き出されてきました
「のだめカンタービレ」パリ編の初回、のだめがパリのアパルトマンに着いて直ぐに備え付けのピアノを弾きます
「わあー〜、空気が軽〜い!ピアノの音が空に広がって行く(意訳)」と言ったのを強烈に記憶しています
その時ののだめと同じ感想を空気の重い日本で言えるとは恐るべきラジオスピーカーです
P.S
実はちょっとドーピングしています
以前メンテをさせてもらったWestern Londonの300B-ppアンプをUTCのトランスでデットコピーしたアンプしか空いていなかったのでそれを使いました
まさか当時のラジオにこんな大きな規模のアンプは付いていません
ただし少々中低音が逞し過ぎるので、この闊達なスピーカーにふさわしいもう少し軽妙なアンプを用意したいと思っています
コンポーネント単体で(は音が出ないので)優劣を付けてもなんの意味もありませんが、組み合わせ(て音が出)た途端に厳しくも正確に成否を突きつけられます
オーディオを何年やってスピーカーやアンプを何十台買っても
人間の血や文化、伝統の物語をいつもこちらの心に刻まれているようです
くううー だからオーディオは面白い!ですねえ
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我が家では呑気な話で大変恐縮ですが、元日のお昼過ぎに一つの荷物が届きました
まさか元日に配達があるとは思っていなかったのでビックリしました
小さなフルレンジスピーカーが1組です
1960年頃のラジオに使われていたオーバル・スピーカーは22cm x 13cm程の大きさで、マグネットなんか
「麩菓子かマシュマロ」一つ分の大きさしかありません
とりあえず音出しはしてみようと空いていたハーベス(吸音材や補強板を撤去済み)の箱にサブバッフルを用意しセッティング完了です
本来はラジオの付属品ですから、ベークライトの小さな筐体に入っていた程度のスピーカーです
これを高音質だのHi-Fiだのを期待して使うのは無粋もいいところで、バッフルでも良いのですが大きすぎるのはまた粋とは言えません
なので折り曲がったのが良いのです、音響的面積が広がりますから。もちろん裏蓋は必要ありません。
ネットは自分で貼りました。少し歪んでいますしやや明る過ぎかと思いますが、雨の多い英国ものではなくラテンのスピーカーなので良しとしましょう
初めは5年ほど前にFMをエアチェックしてCD-Rに焼いたのを聞きました、そんなCDを選んだのですから初めはこのスピーカーにそれほど期待していなかったのでしょうね
2015年にWineで行われたルシュー(So)のリサイタルのライブ録音で
フォーレ、ルクー、アーンなどのメロディー(フランス語で歌曲)です、一音めが出る前から脳味噌がぶっ飛びました
ヴォーカルの声がどうとか伴奏のピアノの音が・・・なんて些末な問題ではありません
Wineのコンツェルトハウスの空気が鳴っているのです
これはタダ事ではない、なんでこんな事が起きているのか?少々間を開けて頭を冷やしてから色々と聞いてみました
現在の相場で計算すると「オイローパ」の1/300程の値段です、ではオイローパが300倍 音楽再生に有利なのか?・・・
まあ、その通りですね
ただし、特定の録音をとある環境下で聞いた場合にその価値観が逆転する場面があります
一つのスピーカーの音が気に食わないと思っていてもほんの数mm動かしただけで評価が一変するのと並んでオーディオの本当の楽しさはこんな些細なところに隠れていて、本当にごく稀に顔を出してくれます
4日ほどかけていけると思ったCDを聞いてみました
思惑通りだったのもあったし、当てが外れたのもありましたがレコードで聞けば評価はまた変わるでしょう
オーケストラやオペラの会場の広さの印象は勿論大型スピーカーに及ぶべくもありませんが、精巧なミニチュアの「ワーテルローの戦い」をみているかのような・・・フランスが負けてはいけませんが・・・クリュイタンスのベートーベンはオイローパではどうにも心に響かなかったのです
同じくLPレコードでは神の国・天界からピアノが降って来るようなヴァレンティンのピアノですが、こちらのコンピセットは我が家のどのスピーカーで聴いても「パッとしない音」の印象でした、マスターの出どころの分からない格安セットだからと諦めていたのです
それが、手のひらに乗るような小さなスピーカーから輝く透明なピアノの音が叩き出されてきました
「のだめカンタービレ」パリ編の初回、のだめがパリのアパルトマンに着いて直ぐに備え付けのピアノを弾きます
「わあー〜、空気が軽〜い!ピアノの音が空に広がって行く(意訳)」と言ったのを強烈に記憶しています
その時ののだめと同じ感想を空気の重い日本で言えるとは恐るべきラジオスピーカーです
P.S
実はちょっとドーピングしています
以前メンテをさせてもらったWestern Londonの300B-ppアンプをUTCのトランスでデットコピーしたアンプしか空いていなかったのでそれを使いました
まさか当時のラジオにこんな大きな規模のアンプは付いていません
ただし少々中低音が逞し過ぎるので、この闊達なスピーカーにふさわしいもう少し軽妙なアンプを用意したいと思っています
コンポーネント単体で(は音が出ないので)優劣を付けてもなんの意味もありませんが、組み合わせ(て音が出)た途端に厳しくも正確に成否を突きつけられます
オーディオを何年やってスピーカーやアンプを何十台買っても
人間の血や文化、伝統の物語をいつもこちらの心に刻まれているようです
くううー だからオーディオは面白い!ですねえ
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今年最後の大仕事 ALTECスピーカー
今日は12月30日、各地の高速で大渋滞が起きている頃だろうけれど折角の楽しい年末年始のお休みなのでどちら様も事故や怪我のない様にしていただきたいと思います
さて、この渋滞を避けるべく26日に約900kmを往復して素晴らしいスピーカーを取りに行ってきました
5年ほど前、当時はJBLのWウーハーをマッキントッシュのマルチで格闘していたMさんと「音に関しては距離をとって、もう少し音楽に寄り添ったオーディオに取り組みましょう」と二人三脚で頑張ってきました
その最後の仕上げで、ヴォーカルやコンテンポラリーのステレオ・ディスクを聴くためのスピーカーを探していました
1970年以降の煌びやかな音を出すJBLに見切りをつけていたので選択肢が狭くなってスピーカー選びには随分と苦労しました
やっと目的にピッタリなスピーカーに出会ったのでしたが、発送が出来ないとのことでしたので、ここは一番私が行くしかあるまいと大阪の枚方パークのちょっと先(西野七瀬氏の実家の近くだと言うモチベだけで・・・ウソです)まで
ALTEC 15インチ 2Wayフルレンジ 602Bが米松箱にインストールされたALTECのオリジナルシステム
よく乾いて響きが最高な箱に入っています、日本では見かけた事がありません
1958年頃にアメリカで販売された物ですが、当時は代理店が無く後年中古品で輸入されたのでしょうが、傷もほとんどなくユニットも過去に一度も外された事がないので今日作られたかの様な極上品です
オリジナルは1954年に作られたユニットで、業務用の604同軸型やA-5、A-7に隠れた製品だったので製作数も少なかったのでしょう、アメリカのオークションでも出現数が少なく今となっては結構な金額で取引されているのです
他方、日本のオーディオマニアは独特な心情を持っており「最高価格品」のみに興味があってこの様な家庭用のスピーカーは売れなかったのであまり輸入されませんでした
特にエンクロージャー 入りスピーカーは「空気に高い金を払って運んで来る放蕩者」と言われ輸入業者に嫌われていたのです
当時の(今も?)日本のオーディオ業界は「ユニットさえあれば箱なんかどこで作っても同じ音がする」と極めて残念な認識=経営方針があって、日本の家庭の音の進歩を何十年も遅らせた原因になっていました
作家の五味さんがその著書の中で「第一にオリジナル・エンクロージャーありき 」と力説していた頃です
日本の狭い部屋に設置ディスタンスの遠い業務用スピーカーを押し込んで目の前で聞けば、中高音が突出したバランスの崩れた音がするのは必定で「低音が出ない」は長く日本オーディオ界全体の合言葉でした
ならばとウーハーをダブルにすれば・・・アンプをマルチにして低音の音量だけ大きくすれば・・・と泥沼にはまっていった・・・Mさんもその1人だった訳です
我が家も30年以上業務用ですし、同様の方も沢山知っていますがサブウーハーやマルチにしなくても満足して使っている人が見えるのも事実ですから、オーディオが天国か地獄かは使い手の受け取り方次第なのですけれどね
まあ、こんな歴史的背景もあって令和の時代にこの素晴らしいスピーカーは信じられないお手軽な価格で入手出来ました。そんな機会ですから900kmの距離なんでへっちゃらさ!と思って出かけたのですが、流石にあれから3日間は腰が死ぬほど痛いです
突き板は高級品の証「マホガニー」でバッチは1950-60年初頭の証「トスカニーニ・マーク」入りです
当然メンテナンスは必要でしたが、裏板を止めていたネジ穴の緩みを埋めたり端子が錆びて接触不良を起こしていたのでクリーニングをしたりハトめの締め直しをするなどの要件だけでした
夜中に・・メンテが開けて音を聞いてみるのはいつも夜中になるのは何故でしょう・・フランク永井を聞いてみました
あ〜ービックリしたなあもう!
これほどまでに太くて、柔くかくて、しかも豪華絢爛なフランクさんは生まれて初めてです
つい先日Decca デコラで聞いたフランクさんは渋く光って時代の流れを感じさせました。一方ALTECから聞こえたフランク永井は今そこで歌っているかの様なダイレクトな実在感が圧倒的なのです
我が家でアメリカ製の名機が謳うのは何年ぶりのことでしょう
ずっと憧れていたのはこの音でした
Mさん宅にピッタリ納まったALTEC
WesternのKSナンバーのアンプでドライブされます、役者が揃ったと言う感じです
今朝メールが届きました
「昨日はありがとうございました。あれから置き場所を変えたら低音の被りがスーッと抜けて豪華な感じになり、夕食もそこそこに今朝まであれこれ聴いてしまいました」
レコードも結構ですが、ご飯はしっかり食べましょう! と返信しました
腰の痛みはまだ引きませんが、疲れが取れるありがたいお便りでした
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さて、この渋滞を避けるべく26日に約900kmを往復して素晴らしいスピーカーを取りに行ってきました
5年ほど前、当時はJBLのWウーハーをマッキントッシュのマルチで格闘していたMさんと「音に関しては距離をとって、もう少し音楽に寄り添ったオーディオに取り組みましょう」と二人三脚で頑張ってきました
その最後の仕上げで、ヴォーカルやコンテンポラリーのステレオ・ディスクを聴くためのスピーカーを探していました
1970年以降の煌びやかな音を出すJBLに見切りをつけていたので選択肢が狭くなってスピーカー選びには随分と苦労しました
やっと目的にピッタリなスピーカーに出会ったのでしたが、発送が出来ないとのことでしたので、ここは一番私が行くしかあるまいと大阪の枚方パークのちょっと先(西野七瀬氏の実家の近くだと言うモチベだけで・・・ウソです)まで
ALTEC 15インチ 2Wayフルレンジ 602Bが米松箱にインストールされたALTECのオリジナルシステム
よく乾いて響きが最高な箱に入っています、日本では見かけた事がありません
1958年頃にアメリカで販売された物ですが、当時は代理店が無く後年中古品で輸入されたのでしょうが、傷もほとんどなくユニットも過去に一度も外された事がないので今日作られたかの様な極上品です
オリジナルは1954年に作られたユニットで、業務用の604同軸型やA-5、A-7に隠れた製品だったので製作数も少なかったのでしょう、アメリカのオークションでも出現数が少なく今となっては結構な金額で取引されているのです
他方、日本のオーディオマニアは独特な心情を持っており「最高価格品」のみに興味があってこの様な家庭用のスピーカーは売れなかったのであまり輸入されませんでした
特にエンクロージャー 入りスピーカーは「空気に高い金を払って運んで来る放蕩者」と言われ輸入業者に嫌われていたのです
当時の(今も?)日本のオーディオ業界は「ユニットさえあれば箱なんかどこで作っても同じ音がする」と極めて残念な認識=経営方針があって、日本の家庭の音の進歩を何十年も遅らせた原因になっていました
作家の五味さんがその著書の中で「第一にオリジナル・エンクロージャーありき 」と力説していた頃です
日本の狭い部屋に設置ディスタンスの遠い業務用スピーカーを押し込んで目の前で聞けば、中高音が突出したバランスの崩れた音がするのは必定で「低音が出ない」は長く日本オーディオ界全体の合言葉でした
ならばとウーハーをダブルにすれば・・・アンプをマルチにして低音の音量だけ大きくすれば・・・と泥沼にはまっていった・・・Mさんもその1人だった訳です
我が家も30年以上業務用ですし、同様の方も沢山知っていますがサブウーハーやマルチにしなくても満足して使っている人が見えるのも事実ですから、オーディオが天国か地獄かは使い手の受け取り方次第なのですけれどね
まあ、こんな歴史的背景もあって令和の時代にこの素晴らしいスピーカーは信じられないお手軽な価格で入手出来ました。そんな機会ですから900kmの距離なんでへっちゃらさ!と思って出かけたのですが、流石にあれから3日間は腰が死ぬほど痛いです
突き板は高級品の証「マホガニー」でバッチは1950-60年初頭の証「トスカニーニ・マーク」入りです
当然メンテナンスは必要でしたが、裏板を止めていたネジ穴の緩みを埋めたり端子が錆びて接触不良を起こしていたのでクリーニングをしたりハトめの締め直しをするなどの要件だけでした
夜中に・・メンテが開けて音を聞いてみるのはいつも夜中になるのは何故でしょう・・フランク永井を聞いてみました
あ〜ービックリしたなあもう!
これほどまでに太くて、柔くかくて、しかも豪華絢爛なフランクさんは生まれて初めてです
つい先日Decca デコラで聞いたフランクさんは渋く光って時代の流れを感じさせました。一方ALTECから聞こえたフランク永井は今そこで歌っているかの様なダイレクトな実在感が圧倒的なのです
我が家でアメリカ製の名機が謳うのは何年ぶりのことでしょう
ずっと憧れていたのはこの音でした
Mさん宅にピッタリ納まったALTEC
WesternのKSナンバーのアンプでドライブされます、役者が揃ったと言う感じです
今朝メールが届きました
「昨日はありがとうございました。あれから置き場所を変えたら低音の被りがスーッと抜けて豪華な感じになり、夕食もそこそこに今朝まであれこれ聴いてしまいました」
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Pathe マグネチック・スピーカー メンテナンス完了?
17歳の時に初めてフレンチ・メロディーを聞いて以来自分にとってのオーディオは常にこの為にありました
フォーレ、ドビュッシー、アーンと言った綺羅星の如く居並ぶ近代フランス芸術の結晶だと思ったのです
でも、フランスの産業といえば「農業」「観光」「ワイン」・・・で、良いオーディオの産地だ!とは・・・勿論現代オーディオではフランス製の良品はありますが・・・1950年代には言えなかったでしょう
昨年、ついにPATHEの蓄音機に手が届き、後は電気再生用のスピーカーが欲しいなあと思っていた時に見かけたのがPatheのマグネチックの中でも大口径の「カテドラル」でした
NYから購入した時の顛末は以前に記事にしました
骨董屋のオヤジさんが550ドルの値付けをしていた物(妄想)をe-bay経由で2000ドル(送料別)以上払って決死の覚悟で購入を決意しました
その半年後にも別のカテドラルが随分安価で出品されていました
その個体は後年に大幅に人の手が入った物で「ああ、高かったけどオリジナルのを買えてよかった」と溜飲を下げた物です
しかしながら、ほとんど100年前に作られた電気製品です
全く修理がされていなかったのは天からの贈り物でしたが、機能としては全く使い物になりません
エッジを抑えていたゴムのダンパーは硬化してポロポロ落ちてくる始末
そのゴムを覆っていた絹のパイプに至っては、4世紀の聖人のミイラを覆っていた聖骸布の様に触ると粉になりました
まずはエッジを止めなくては話が始まりません
ホームセンターを覗いたり、Amazonで検索したり、結局モノタロウから3種類ほどのゴムパイプを購入しました
ゴムが剥き出しで紙のコーンを何年も圧着すると加水分解でゴムが溶け出す心配があって絹のパイプを被せてあったのだと思います
しかし現在ではそうそう簡単に入手できそうにないのでこの代替品には苦労しました
スタジオ機器の販売店からケーブルを覆う為のネットスリーブを購入し試したところ、すこぶる良い結果が得られました。この度はこれに出会たのが最大の幸運でした
短く押し込むと直径が大きくなってゴムパイプを飲み込み、長さ方向に伸ばすと狭くなってフィットしてくれる優れものです
では、と 聞いてみました
いやいや、音量も取れないし歪みが多くてとても聴けた物ではありません
そこから長い長いピッタリフィットを探す旅の始まりになりました
まずは意を決してコーンを外して駆動部の構造を把握することに努めました
こちらに向かって来る細い棒が「カンチレバー」・・コーンを動かす
その根本の扇型の板が「アーマチュア」・・シーソー式で振幅を増幅させる
中央のアーチ型鉄板を止めているネジ
簡単な図にするとこんな感じです(ネットでの拾い物です、ご不便の際はご一報を)
一口で言うと
「アーマチュア」が正しい位置にあるか?が勝負の分かれ目でした
最初は雲を掴む様な話でチンプンカンプンでしたが、こそこそ弄っていて偶然見つける事ができてラッキーでした
さて、ではその黄金のポジションにいつも居てもらうための「要件」とは何なのでしょうか?
オーディオでは常に最大の課題である「再現性」を掴まなければ単なる偶然で、もう一度不具合が起きた時にはまたラッキーに頼らなければなりませんが、そんな幸運にはもう二度と巡り合えないかも知れません。
これが作られたのは1920年頃でしょう、アホみたいな超絶技巧で組まれているなんて絶対あり得ません
コーン紙なんか剥き出しですから、子供の一撃でひとたまりもありません
そうしたら補修は「街のラジオ屋さん」が行ったに決まっているんです
髭が生えて、帽子をかぶった赤ら顔のいかにもパリの職人というあの人ですよ、細かい調整なんて出来っこないんだ(失礼)
そうだと勝手に思い込んでやって見たらすんなりとできる様になりました
やっぱりね、古い物と向かい合う時はその時代のそこに住んでいた人の気持ちにならなきゃ難しいのだ
・写真のセンターにあった固定ネジの締め具合
・コーン紙を取り付ける時の張り具合
・最後に正面にあった訳のわからなかった「ネジ」・・当初はいくら回しても変化なかったが
この3要素のバランスで音量が取れて音がビビらないポイントがありました
銘板の下にあるこの小さなつまみに大きな役目があったみたい、未だに理由はよくわからんけど
このつまみの上には小窓があり、つまみの先に付いているピンが見えます
全ての調整がピタリとはまった時には、何故かこのピンが真上を向いた時に音量が取れてビビリが無くなります
構造自体は本当におもちゃみたいに簡単な物ですが、先人の努力と知恵には全く頭の下がる思いがします
修理が完了したこのマグネチックの出す音を聴いていると、オーディオに対する感性が変化しますね
大規模なオーディオの音も素晴らしいけれど、朧月夜には小さな音でフォーレを聞いていたい
10年も昔に録った、しかも大規模なスピーカーですみませんが、秋の夜長にフォーレをどうぞ
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フォーレ、ドビュッシー、アーンと言った綺羅星の如く居並ぶ近代フランス芸術の結晶だと思ったのです
でも、フランスの産業といえば「農業」「観光」「ワイン」・・・で、良いオーディオの産地だ!とは・・・勿論現代オーディオではフランス製の良品はありますが・・・1950年代には言えなかったでしょう
昨年、ついにPATHEの蓄音機に手が届き、後は電気再生用のスピーカーが欲しいなあと思っていた時に見かけたのがPatheのマグネチックの中でも大口径の「カテドラル」でした
NYから購入した時の顛末は以前に記事にしました
骨董屋のオヤジさんが550ドルの値付けをしていた物(妄想)をe-bay経由で2000ドル(送料別)以上払って決死の覚悟で購入を決意しました
その半年後にも別のカテドラルが随分安価で出品されていました
その個体は後年に大幅に人の手が入った物で「ああ、高かったけどオリジナルのを買えてよかった」と溜飲を下げた物です
しかしながら、ほとんど100年前に作られた電気製品です
全く修理がされていなかったのは天からの贈り物でしたが、機能としては全く使い物になりません
エッジを抑えていたゴムのダンパーは硬化してポロポロ落ちてくる始末
そのゴムを覆っていた絹のパイプに至っては、4世紀の聖人のミイラを覆っていた聖骸布の様に触ると粉になりました
まずはエッジを止めなくては話が始まりません
ホームセンターを覗いたり、Amazonで検索したり、結局モノタロウから3種類ほどのゴムパイプを購入しました
ゴムが剥き出しで紙のコーンを何年も圧着すると加水分解でゴムが溶け出す心配があって絹のパイプを被せてあったのだと思います
しかし現在ではそうそう簡単に入手できそうにないのでこの代替品には苦労しました
スタジオ機器の販売店からケーブルを覆う為のネットスリーブを購入し試したところ、すこぶる良い結果が得られました。この度はこれに出会たのが最大の幸運でした
短く押し込むと直径が大きくなってゴムパイプを飲み込み、長さ方向に伸ばすと狭くなってフィットしてくれる優れものです
では、と 聞いてみました
いやいや、音量も取れないし歪みが多くてとても聴けた物ではありません
そこから長い長いピッタリフィットを探す旅の始まりになりました
まずは意を決してコーンを外して駆動部の構造を把握することに努めました
こちらに向かって来る細い棒が「カンチレバー」・・コーンを動かす
その根本の扇型の板が「アーマチュア」・・シーソー式で振幅を増幅させる
中央のアーチ型鉄板を止めているネジ
簡単な図にするとこんな感じです(ネットでの拾い物です、ご不便の際はご一報を)
一口で言うと
「アーマチュア」が正しい位置にあるか?が勝負の分かれ目でした
最初は雲を掴む様な話でチンプンカンプンでしたが、こそこそ弄っていて偶然見つける事ができてラッキーでした
さて、ではその黄金のポジションにいつも居てもらうための「要件」とは何なのでしょうか?
オーディオでは常に最大の課題である「再現性」を掴まなければ単なる偶然で、もう一度不具合が起きた時にはまたラッキーに頼らなければなりませんが、そんな幸運にはもう二度と巡り合えないかも知れません。
これが作られたのは1920年頃でしょう、アホみたいな超絶技巧で組まれているなんて絶対あり得ません
コーン紙なんか剥き出しですから、子供の一撃でひとたまりもありません
そうしたら補修は「街のラジオ屋さん」が行ったに決まっているんです
髭が生えて、帽子をかぶった赤ら顔のいかにもパリの職人というあの人ですよ、細かい調整なんて出来っこないんだ(失礼)
そうだと勝手に思い込んでやって見たらすんなりとできる様になりました
やっぱりね、古い物と向かい合う時はその時代のそこに住んでいた人の気持ちにならなきゃ難しいのだ
・写真のセンターにあった固定ネジの締め具合
・コーン紙を取り付ける時の張り具合
・最後に正面にあった訳のわからなかった「ネジ」・・当初はいくら回しても変化なかったが
この3要素のバランスで音量が取れて音がビビらないポイントがありました
銘板の下にあるこの小さなつまみに大きな役目があったみたい、未だに理由はよくわからんけど
このつまみの上には小窓があり、つまみの先に付いているピンが見えます
全ての調整がピタリとはまった時には、何故かこのピンが真上を向いた時に音量が取れてビビリが無くなります
構造自体は本当におもちゃみたいに簡単な物ですが、先人の努力と知恵には全く頭の下がる思いがします
修理が完了したこのマグネチックの出す音を聴いていると、オーディオに対する感性が変化しますね
大規模なオーディオの音も素晴らしいけれど、朧月夜には小さな音でフォーレを聞いていたい
10年も昔に録った、しかも大規模なスピーカーですみませんが、秋の夜長にフォーレをどうぞ
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この世に沢山のスピーカーがある理由とは?
例えば、ビートルズの全てのレコードの1音すら聞き逃すまじと頑張っている人
ブルーノートのモノラル盤をコンプリートしようとしている人
言うまでも無く、この様な方々はスピーカーを複数台持つ「必要性」は少ないでしょうが
その中でも、「モノラル用」「ステレオ用」と使い分ける人もいるでしょうし、リビングと書斎にも・・・など
いく種類かのスピーカーを複数台使う人もいるでしょう
ただし、私の様に100年の時間と各国の民族色の強い音楽を嗜好する人間とは、同じ3台のスピーカーを所有していてもその意味合いが大きく異なるのは自明です
この話題を考えるとき、いつも思い出す事は、オーディオを始めたばかりの頃師匠から
「スピーカー1台、アンプ1台でオーディオをやった気分になってるんじゃねえぞ」
もう、40年も前に聞いた言葉で、その間に自分は様々な捉え方をした様に思います
・世の中には星の数ほどスピーカーがあり、異なる個性がある事を知らないと自分の立ち位置を測りようが無い
・1台だけのスピーカーで「音が悪い」だの「音質向上」だの沼にハマっていては抜け出せない
・師匠はオーディオ店店主だから、沢山買って欲しかったwww 私には一度も営業をされた事はなかったけどね
・他にも沢山考えたが、
結局のところは伊藤喜多男さんも言っていた「一芸に秀でた者では社会で使い物にならない」
「多芸の一芸が重要なんだ」との感触に一番近いだろうか
たかだか、レコードで音楽を聞くに当たって
部屋の内装、調度、照明、果ては時計とかカメラ、勿論服装に渡るまで沢山のことを教えてもらったが、人間の幅を広げるのとオーディオ世界の見聞を広げよ。とは同じ目的のための避けては通れぬ「道」なのかと
オーディオを聞きにお邪魔したら、こんな家から
こんな紳士が「やあ、いらっしゃい」って出てきたら・・・音なんか聞く前に惚れちゃいます
師匠に出会って以来、中々お目にかかれませんが
次郎さんも武相荘でオーディオやっててくれたらなあ・・・
さて、改めて記事にしてみて、昔の事など考える時間を持てました
まず、この世の中には何故これほどにも多くのスピーカーがあるのでしょう?
ビジネスとしてはあまり「旨味」が少なそうなのにねえ、何ででしょうか?
本当に唯一無二の「音の良い」スピーカー(アンプでも何でも)があるなら
この世にスピーカーは1つでいいんじゃね?って思いません? せめて各価格帯に1機種づつで
この辺りにヒントがありそうです・・・オーディオを始めたばかりの人たちが
「どのスピーカーが音が良いですか?」
「あのスピーカーより、こちらのスピーカーの方が音が良い」
と、言っているのをよく耳にします
その意味ではオーディオ雑誌が新商品に「特選」だの「推薦」だのシールを付けるのは、初心者向けなのが分かりますね
「俺の好きな音がいい音」って段階の人にはこの世のスピーカーが10種類くらいしか無いことになっていて、自分のスピーカーはその中で唯一の最高にマッチした「運命のスピーカー」だって言い張っています
だけども、
他の家で自分家より高いレヴェルの音に出会うと「運命のスピーカー」をすぐに売り払って買い換えます
結局、
自分は何を聞きたいのか?を、まだ分かっていないから「俺が好きなんだから良い」にしか拠り所がないのです。
聞くべき音楽が分かっているなら、悩むことも「試聴」する事もなく買うべきスピーカーはハッキリするものです
音楽が「これを買え」って教えてくれますからね
ちゃんと「出会った」人は、何百件のマニアの家に訪問しても、どこで美音を聞いても微動だにせず
何十年も自分の分身のごとく同じスピーカーを使い続けるものです
これこそが、スピーカー1台の本当の姿ですけど、
そこにたどり着くには何台も使った経験の末でしょう、人生の最後にたどり着くべき「フナ」=替えの効かないスピーカーと出会った人は幸せです
ここまで、読んでいただいた方は、私の言いたい事はもうお分かりですよね
・美空ひばりのSP時代の歌を好きな人と
・1958年録音のオペラを沢山聞く私と
・イザベル・ファウストの最新録音のDSDデータを楽しみたい人と
この3人の思い浮かべる「良い音」は全く違う
よって、3人の求める「良いスピーカー」も全く異なる
と、いう事は
自分以外の人間と「音について」話をする時には
自分が「どんな音楽世界の住人」なのかを最初に宣言しておかなければ、オーディオ製品のブランド名や型番を振りかざして叫んでみても何の意味もないんだよね
ちなみに・・・
前回の冒頭で
「スピーカーの守備範囲云々で、スピーカーは1台あればいい」と口角に泡を飛ばしていた御仁のお宅には
先日、3台目のスピーカーにアンプ、プレーヤーのセットを納品してきました ちゃんちゃん
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ブルーノートのモノラル盤をコンプリートしようとしている人
言うまでも無く、この様な方々はスピーカーを複数台持つ「必要性」は少ないでしょうが
その中でも、「モノラル用」「ステレオ用」と使い分ける人もいるでしょうし、リビングと書斎にも・・・など
いく種類かのスピーカーを複数台使う人もいるでしょう
ただし、私の様に100年の時間と各国の民族色の強い音楽を嗜好する人間とは、同じ3台のスピーカーを所有していてもその意味合いが大きく異なるのは自明です
この話題を考えるとき、いつも思い出す事は、オーディオを始めたばかりの頃師匠から
「スピーカー1台、アンプ1台でオーディオをやった気分になってるんじゃねえぞ」
もう、40年も前に聞いた言葉で、その間に自分は様々な捉え方をした様に思います
・世の中には星の数ほどスピーカーがあり、異なる個性がある事を知らないと自分の立ち位置を測りようが無い
・1台だけのスピーカーで「音が悪い」だの「音質向上」だの沼にハマっていては抜け出せない
・師匠はオーディオ店店主だから、沢山買って欲しかったwww 私には一度も営業をされた事はなかったけどね
・他にも沢山考えたが、
結局のところは伊藤喜多男さんも言っていた「一芸に秀でた者では社会で使い物にならない」
「多芸の一芸が重要なんだ」との感触に一番近いだろうか
たかだか、レコードで音楽を聞くに当たって
部屋の内装、調度、照明、果ては時計とかカメラ、勿論服装に渡るまで沢山のことを教えてもらったが、人間の幅を広げるのとオーディオ世界の見聞を広げよ。とは同じ目的のための避けては通れぬ「道」なのかと
オーディオを聞きにお邪魔したら、こんな家から
こんな紳士が「やあ、いらっしゃい」って出てきたら・・・音なんか聞く前に惚れちゃいます
師匠に出会って以来、中々お目にかかれませんが
次郎さんも武相荘でオーディオやっててくれたらなあ・・・
さて、改めて記事にしてみて、昔の事など考える時間を持てました
まず、この世の中には何故これほどにも多くのスピーカーがあるのでしょう?
ビジネスとしてはあまり「旨味」が少なそうなのにねえ、何ででしょうか?
本当に唯一無二の「音の良い」スピーカー(アンプでも何でも)があるなら
この世にスピーカーは1つでいいんじゃね?って思いません? せめて各価格帯に1機種づつで
この辺りにヒントがありそうです・・・オーディオを始めたばかりの人たちが
「どのスピーカーが音が良いですか?」
「あのスピーカーより、こちらのスピーカーの方が音が良い」
と、言っているのをよく耳にします
その意味ではオーディオ雑誌が新商品に「特選」だの「推薦」だのシールを付けるのは、初心者向けなのが分かりますね
「俺の好きな音がいい音」って段階の人にはこの世のスピーカーが10種類くらいしか無いことになっていて、自分のスピーカーはその中で唯一の最高にマッチした「運命のスピーカー」だって言い張っています
だけども、
他の家で自分家より高いレヴェルの音に出会うと「運命のスピーカー」をすぐに売り払って買い換えます
結局、
自分は何を聞きたいのか?を、まだ分かっていないから「俺が好きなんだから良い」にしか拠り所がないのです。
聞くべき音楽が分かっているなら、悩むことも「試聴」する事もなく買うべきスピーカーはハッキリするものです
音楽が「これを買え」って教えてくれますからね
ちゃんと「出会った」人は、何百件のマニアの家に訪問しても、どこで美音を聞いても微動だにせず
何十年も自分の分身のごとく同じスピーカーを使い続けるものです
これこそが、スピーカー1台の本当の姿ですけど、
そこにたどり着くには何台も使った経験の末でしょう、人生の最後にたどり着くべき「フナ」=替えの効かないスピーカーと出会った人は幸せです
ここまで、読んでいただいた方は、私の言いたい事はもうお分かりですよね
・美空ひばりのSP時代の歌を好きな人と
・1958年録音のオペラを沢山聞く私と
・イザベル・ファウストの最新録音のDSDデータを楽しみたい人と
この3人の思い浮かべる「良い音」は全く違う
よって、3人の求める「良いスピーカー」も全く異なる
と、いう事は
自分以外の人間と「音について」話をする時には
自分が「どんな音楽世界の住人」なのかを最初に宣言しておかなければ、オーディオ製品のブランド名や型番を振りかざして叫んでみても何の意味もないんだよね
ちなみに・・・
前回の冒頭で
「スピーカーの守備範囲云々で、スピーカーは1台あればいい」と口角に泡を飛ばしていた御仁のお宅には
先日、3台目のスピーカーにアンプ、プレーヤーのセットを納品してきました ちゃんちゃん
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