Der Klang vom Theater (ドイツ~劇場の音と音楽)
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オーディオに向ける情熱の源は何処・・・

オーディオに対する情熱が燃え滾っているのは・・・
ズバリ!申しましょう

「音に納得できていない時」

自分の過去を振り返っても、音に満足している時はオーディオの電源が中々入らなかった

「早く満足のいく音にしてゆっくり音楽に浸りたい」なんて夢見ていたのはいつの日だったか
「音に満足した」途端スピーカーを手放した。新たなスピーカーで最初から挑戦したかったから

「何も手を掛ける必要がない」とは興味が持てないのと同意語なのだ


一方、如何にもこうにも上手く鳴らない、音に満足できない時は、仕事の終業時間もまどろっこしく毎日真っ直ぐ帰宅するだけでなく、あろう事か「有給」を取ってまでオーディオに付きっきりだったのを思い出す



さてさて時は流れ不惑の歳も遠に過ぎた今、欲しいスピーカーもまだ沢山あるが若い頃の様に潔く買い替え出来ないなら、より深まった探究心を用いてオーディオへの情熱を盛り上げられないだろうか?


🌟 そうだ! 

これまで頑張ったけど上手く鳴らないレコード(CD)を何とかして満足いく様に鳴らしてやろうじゃないか




そう閃いたら、昨日までよそよそしかったオーディオが俄然愛おしく見えてきたぞ
気に入らずに燻んでいたレコードも急に輝いて見えるから人間のココロなんて現金なもの


早速、取り組むべき1枚を選んだ、と言うか、これしか無い


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カラヤン 全録音中の白眉でありマイスター・ジンガー全体を見渡しても屈指の名盤だ
EMIでダメならとETERNA初版を買い込んでみたがそんな逃げ腰をオーディオの神様は見逃してくれる筈もなく


20年も前に旧知のYさんのお宅で聴かせて頂いて、その格調高い響きと清潔感溢れる音場に痛く感じ入って求めたが、自宅では20年やってもあの時の品格が表現できない

やはり、他の人に聞かせてもらって買った盤ではそのお宅の音を凌駕し得ない!
そんなマイルールの根拠となった代表格だ


・一番の問題は音離れが悪い。ので下記の様な現象が出る

・中央への寄りが悪い為、音場に集中力がなく深み、奥行きが出ない
・歌手がサイドに移動すると左右にハッキリ別れ過ぎてステージから飛び出してしまう

まあ、簡単に言えば「スピーカーから音が聞こえる」って事

そんなの当たり前だろうって?  まあそりゃそうなんですが・・・


目標はただ一つ

音楽がスピーカーから独立してオーディオとは無縁な状態で存在する


ふるいつきたくなる様なレコードが1枚増えれば、新しいスピーカーを買ったのと同じ達成感を得られるに違いない

こりゃあ楽しくなってきたぞー





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日本式オーディオとの決別 〜 ルームアコースティック編

高校(高大の一貫校です)に入ってすぐの頃、同級生にオーディオの好きな人がいて
悪い人間じゃ無いんだけれど、ちょっと極端な・変な宗教にでも逝きそうな人っぽくて

「オーディオの究極はレコードに記録された音を何も変化させずそのまま出す事だ!!
ホールでの収録ならば残響は一緒に入っているから部屋の響きは邪魔なだけで無響室が理想だ」


と彼は言った

1970-80年代の「ストレートワイヤー with ゲイン」だとか「原音再生」なんてもっともらしいワードがオーディオ雑誌に踊りアメリカでは「Hi-END」の掛け声と共にブレナー(静電型衝立)スピーカーが流行り出した懐かしい時代だ

魚に限らず、卵や肉ですら生食を是とする日本人は音に対しても「鮮度」「無色」という概念が好きで「色つけの無い原音再生」は他民族よりも強く心に刺さったことは想像に難く無い



その後、彼は土木コースに行き私は電気コースに進み最終年はゼミに参加することになる
私のゼミは音響の実験設備があるのでそれを希望した訳だが、無響室を自由に使える環境を手に入れて自分のスピーカーを持ち込んでは測定などと卒論とは関係ないような遊びに没頭した

ある時、件のオーディオ好きの彼のことを思い出し「君、無響室が理想って言ったろう、うちの研究室にあるから体験させてあげるよ」と誘ってみた

無響室へ入ってから10秒もしないうちに叫び出して救出を懇願し、白い顔のまま転がる様に這い出してきた

一応書き添えておくが、人間は無響室に10分も入れられると半狂乱になってしまうほど神経を病む、いくら実験と言ってもこの私だって無響室に入るのは大嫌いだった




そんな経験もあって卒業から十余年ほど経って自分の家を建てる際に「防音室」は計画から除外した

深夜に周りの迷惑になるなら聞かなきゃ良いじゃん、けど昼間は大丈夫!これぞ田舎暮らしの特権でぃ
何より自分にとって居心地の良い部屋で過ごす以上のプライオリティをオーディオに与える事は想像もできなかった
(少々の隙間風が吹く方が音にも人間にも良さそうだと考えが及び、もしJazzやPOPsを中心に聴くなら和室一択とする)




VE(ビクター・エンターテイメント)のNマスタリングセンター長とは長く親しくさせて頂いたが、印象深い会話がある

「マスタリングやカッティングの技術者の腕の差はなんだと思う?」

「いい音のディスクを作れるなんておバカな答えじゃ無いですよね」

「もちろん! 購入者がどんな環境で聞くかを想像し、その環境で最大限、演奏会場(収録時)の雰囲気を再現できる。ってことじゃ無いかな」

「それだと、ユーザーの家の環境で変わるんじゃ無いですか?」

「当然だ、だが、どんな音作りをしてもそれは同じことでしょ」

「英国で育った人は無意識に英国の住宅事情を想定してマスタリングするって事ですね」

「全てがそうとは言い切れないけれど、生まれ育った環境は音の感性に影響を与えて然るべきだよね」

「そりゃあ、同じアルバムでもマスタリングやプレスの国が変われば音が異なるのは当たり前ですね」



今なら「無響室が理想だ」なんてイキった同級生がいても簡単に迎撃できる

レコード制作の現場にはそんな(無響室で上手く鳴る様なレコードを作る)バカ野郎はいないんだ


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デコラ発売当時のカタログより
日本人の感覚だと「カタログみたいな立派な家で使えるわけじゃない」と憤慨するが、1958年の英国でデコラを買えるクラスの人達からすれば「我家はこんな質素な部屋じゃねーぞ」と憤慨した事だろう


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キッチンや玄関ホールなどとフロア続きで広大な空間に置かれたO先生のお宅。見事な普請と形状とエアヴォリュームにより「ルームチューン」なしに空間にオーケストラが忽然と現れる
(GRFさんのブログからお借りしました)

比べてフリースタンディングに置かれた我が家の居心地の悪そうなデコラは、随分と縮こまった音だが仕方なし
強靭な床と背後の壁がこの古い英國謹製電蓄を上手に鳴らす必要条件だ、蓄音器もそんな環境ならビックリするほど朗々と鳴る


理由は明確
レコードもオーディオセットもその様な結果とすべく意図を持って作られているから





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音楽を聴くときの椅子とは何者か?

多くの方が沢山のブログやコミュニティーで、それぞれのオーディオの椅子(以下単に「椅子」と記する)について自説や理想の見解を述べられている
自分もブログを始めて16年。ついに椅子について書いてみようと思う


まず初めに読んでいただいている方は椅子に対して何を望んでいるだろうか?

1)座り心地  柔らかさ・姿勢
2)音に与える影響  大きさ、材質、形状
3)デザイン・ブランド  価格も含め       こんな感じかなと思う

対して私の望む要件はただ一点 「座り心地の悪い椅子」

あるコミュニティーで知り合った方が我が家を訪ねてくださった時の会話を思い出す

私「音場感の最後のツメは自分の頭の位置なので微調整したら動かないで聴いてね」

お客様の心の声「動かすなって・LP片面で30分も頭を固定して聞けるわけないだろ」

後刻その方のブログの我家への訪問記中に心の声が漏れてました・・・



こんな考え方には2つの原点があって、実は先人の真似っこをしているだけだなのだ

原点 (1)

師匠が奥様とドライブに白鳥の飛来で有名な瓢湖へ行った際に、売り土地の看板を見つけてその場で不動産屋に連絡を取って購入、オーディオの館を建てられた。そこに備えてあった椅子に衝撃を受けた

銭湯の玄関脇に置いてある「縁台」・・そう縁台将棋で有名な長椅子がフロアに固定されていた
なので動かす事もできないし、背もたれが無いから気を抜くと後ろへ倒れてしまう

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こんな感じの長椅子がスピーカーから5m程の位置なので40畳を超える大部屋の中ではかなり前方に固定されていた


当然、そのココロは?と聞いた

「適当な気持ちで聴かない為に」

そうだった、うちの師匠は真剣に聴くときは一切アルコールを飲まない人。会津藩の剣術師範の末裔だった


原点 (2)

ワグナーと言えばドイツ南部の田舎町にある「バイロイト」が聖地として有名だ
小さい劇場一つで開催期間も短く最もチケットの入手困難な音楽祭の一つで「一度は行ってみたいなあ」なんて人もいるらしいが、バイロイトを舐めちゃいかんぜ

ワグナーはうちの師匠と肩を並べる潔癖モンスターだ

3時間x4日間 観客には一睡の居眠りも許すまじ!とこの世の劇場の中で最も座り心地の悪い椅子を備える事をこの偉大な楽劇作曲家は望んだ。そしてその想いは100余年の年月を経て未だにバイロイトの観客を苦しませ続けている

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これが悪名高きバイロイトの椅子。常連さんはクッションの持参を忘れない


以上の様な経験を経て我が家の椅子は、今ここにある
「自宅でレコードを聴く時」も入場料を払うつもりで、一期一会の心構えで聴きたい

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横浜のクイーンズにあった「ロイズ・アンティークス」で衝動買いしたイギリスのアンティーク・チェア。1900年頃の製造だが、もう少し前の時代のレプリカントである(もし本物なら新車のBMWが買える)

この椅子の良いところは
・座面が高い事・・劇場用スピーカーや当時使っていたLowther PW-2はとても背が高い
・アーム(肘掛け)チェアである・・疲れて上体が左右にブレるのを防ぐ
・背もたれが垂直に近いが、真剣に聴く時には背をつけ無い
・最後に、この時代のスタイルとしてシンプルでデコレーションが少ない


確かに「30分も頭を動かさずに聞けるわけないだろ」は多くの人の意見だと思うけど

なんの「神々の黄昏」LP5枚分は余裕で頭の位置を保って聴きますよ

ステレオ聴取なら目を瞑って脳内に広がる奥行き25m先にある 幅18mのステージが見えるので
この状態を保つ為には頭はほぼ動かせない

オーディオは聴覚の遊びであって見るものじゃない。と言われると立つ瀬もありませんが



一方、Decolaを聞く時にはこちらの椅子も使う

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Decolaは「電蓄」なので木戸銭を投げて聞く様な対象ではない。部屋で丹前を引っ掛けステテコ一丁で憚ることもなくビートルズやフランク永井も併せて聞く。

そんな時には重要なマイ・ルールがある

音がどうのこうのと考えながら聴かないこと



所謂ソファを使わないのは、柔らかい椅子にゆったり姿勢で座ると短時間で背中や腰が凝ってしまうという個人的、身体的特徴による理由で、同じく高級そうなオットマン付きのリクライニングチェアも不向きな貧乏体質によるものである事を添えておきたい




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ハンダとハンダ鏝の話 〜 ハンダ編 〜

知り合いの技術屋さんから聞いた話がずっと頭に残っている

「異種配合のハンダを同じ場所に使ったら、完全に融合できないので接合面が離れることあるでえ」

・・・という事で、扱った機械が増えると共に増殖したハンダの歴史となっております


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18歳の頃だったか、初めてキチンとしたハンダを買ったのがキースター #44 (写真右)
もちろんアメリカ製の老舗メーカー、もうどれほど使ったか分からない、写真のリールで7、8本は使った

若い頃はALTEC LANGEVIN Mclntoshなどのアンプと交わることが多かったのでキースター一択だった


写真左は初めてQUADのアンプを購入した頃に入手した英国製ERSIN マルチコア・ソルダー
確かこの会社がマルチコアの元祖じゃなかったかな?商品名のようになっている


ちなみに、糸ハンダの太さも重要なファクターで
真空管アンプのようにラグを使う箇所には太めのハンダを素早く流す事で綺麗なフェザーエッジを実現すれば低い抵抗で長持ちするし、基盤に用いるには細い物でないと隣のパターンに接触したりと要らぬトラブルの元になるので気を付けたい

もちろん、それぞれにマッチした鏝先の選択も重要だ


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見えにくいが、写真中央の「バッジ」にTELEFUNKENのマークがあるハンダ


ドイツのアンプ修理にはこちらのともう一つ「SIEMENS」銘として買ったハンダもあるが中身は多分同じ物だろう

安直な業者のブランド戦略に踊らされてはいけない
星の数ほどもあるハンダの種類・用途の中でオーディオ用途は極々わずかであるということ

ハンダは成分と割合の違いによって様々な用途に応じて用意されており
「TELEFUNKEN」とか「SIEMENS」「Western Electric」 「Nassau」 「Alpha」等々のシールが貼ってあってもそれが音響用製品に使われていたかは確認が難しい

産業用の太い銅管の接合に使われるハンダは最高性能だが音響用とは随分中身が異なるのはどなたもお分かりになるだろう

だからこそ、成分と配合が明記してある物の方がブランドのシールよりもずっとありがたい

老婆心で付け加えれば、ネットオークションで「切り売り」しているハンダの何を持ってして・・・この先は個々人でお考え下さい

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左様な実態のハンダ業界だから、自分の一番大切な戦前のKlangfilm製アンプの修理にはこれを用いる


「Radio-Kartchen(ラジオカード)」「より使いやすくなりました=ヤニ入りのことと思う」印字のある古いSIEMENS製のハンダ

これはもう用途が指定してあるので安心して使える



最後に重要な件

1)例によって「ハンダに拘っている」という人もいるといけないので蛇足だが

英国製品に英国のはんだ、米国製品に米国のハンダは私個人に何のこだわりがない故の当たり前の選択だと断言する

古いアンプのハンダを溶かした時の匂いが、国やメーカーによってビックリする程違う。ペーストも含めハンダの中身が異なる事の査証に他ならない。全てを合わせる事はもちろん出来ないが

兎にも角にも、冒頭申し上げた通りメンテナンス後長年にわたってハンダが原因のトラブルを起こさないために可能な限りの方策として各種ハンダを使うのが主眼である


2)ハンダで音が良くなる(変わる)という主張には賛同できない

落雷の例を取るまでもなく電気はより通り易い道を通る

ラグとリードがきちんと接触していればハンダが無くとも導通する
「ハンダで音が良くなる」と思うならば「絡げ方」をまず見直すべきだろう


部品やワイヤーとラグが全く接触せずに「接着剤」としてハンダを使っている場合は
全ての接点で  「リード」→「ハンダ」→「ラグ」という随分と乱暴な信号経路になっている

わかり易い例がプリント基板に付いている部品で、パターン(導線)に抵抗やコンデンサの足が接触せずにハンダを経由して導通している・・・その数は膨大でプリント基盤を使えば当然ハンダの音が乗る・・・


なるほど、ハンダの音にこだわりたくもなろうと納得する次第






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ハンダとハンダ鏝のお話し

先日、ある自作アンプマニアの方と話していたら

「今作っているアンプがノイズが取れなくて困っているんだ、どうしてだと思う?」
まあ、思いつく事をあれこれと話し合ったんだけど、後日こんな報告があった

「原因は芋ハンダだったんよ。ハンダ鏝が具合悪くてさ思い切ってホームセンターに新しいのを買いに行ったら交換用のこて先があったので買って付け直したら良くなった」

なるほど


普通にアンプのお話はするけれども私の方は自作マニアなんて恐れ多くて、必要に応じて=市場で手に入らないから80年も昔のアンプのコピーを作るような「贋作師」に過ぎないが、彼は軽く10倍以上の数のそれも自分で企画立案からアンプを作っている筋金入りのクリエイター・マニアだ

そんな大ベテランでもハンダの事で失敗をするのならと、折角だからハンダとハンダ鏝について記事を書いてみたいと思う


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写真では汚く見えるが、熱を加えるとチップは青銅色に焼けており「良い材料使ってはるなあ」と思う
上は新品の湾曲したチップ。材料もさることながら先端には保護用のコーティング材が塗布されており本物の風格があります
大英帝国謹製の証

学生時代から使っていたハンダ鏝は英国ANTEX社 XS級25W 小柄で黄色のコケティッシュなイギリス娘

25Wなのでパワーは少々心許ない感もあるが、どうしてどうして、電源周りの大きな端子に16ゲージのワイヤーを付ける時でもグイグイと流してくれて見かけによらず働き者だ

この斜めカットされたチップも真空管アンプ製作には絶妙の形状をしている

・・・イギリスの食事が不評なのは世界で初めて産業革命を成功させ主婦層が遅くまで仕事をするようになり家庭の食事が簡略した事に端を発する。とロンドンの民俗学の先生の談・・・そう、イギリス娘は元々働き者なのだ



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ペンシルの形状が絶妙で手に馴染んだことこの上なし


2002年頃に横浜の「電気街」と言っても古びたビルのワンフロアに3軒だけあるうちの1軒に行った時、Wellerの可変式ソルダリング・アイロンが在庫限りの処分セールをしていた
よほど欲しそうな顔をしていたのだろう、同行者に買ってもらえたので以来20年以上ありがたくも愛用した我が相棒だ

ペンシルのヒーター本体は5回以上交換したし、チップ(小手先)は軽く20本以上は替えたろう
少し前に個人輸入した純正チップは中国製になっていて熱伝導が悪くハンダの流れに納得できない為ついに買い替えた


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見え難いが、金属が溶けて火山の様にすり鉢状に凹んだコテ先
ハンダ鏝ってのは自分の寿命を削ってアンプを組みててくれているんだ、そのありがたみを感じれない者に良いアンプを作れるはずがないと思う

現行品に比べ立ち上がりは遅いけれど、ハンダの溶け始めが速いし流れもスムーズで大変に気に入っていた

交換用パーツが流石に入手難となり下記の現行品にバトンタッチとなったが、コントローラーは至って元気なのでできる事ならば消耗品を手配してもう少し使いたかった。今でも諦めずに探しているので公称は「休眠中」


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同じく、Wellerのに買い替えた
見た目も価格も消費電力も立派な現行品 メキシコ製
チップの金属は先行品とは明らかに違う

電源投入後マッハで立ち上がるし、温度設定も高く出来るので良いはずなのだがハンダを流す能力に限って見ると先行機に及ばない

異なる形状のチップをいくつか用意してあるのでもう少しあれこれと悩んでみたいが、ハンダ鏝の使い勝手はアンプの仕上がりに直結するので、ストレスの無い相性の良い鏝は必須の条件だと思う



あまりハンダ鏝に興味のある人はいないと思うので、今日はこの辺で
次回はハンダについて書きましょう






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