【あらすじ】
路上で遊ぶ11歳のジミー、ショーン、デイヴ。
警察バッジを示した男にイタズラを咎められ、家の遠いデイヴだけが車に乗せられるが、男が刑事だと信じたほかの2人はそれを見送るほかにない。
連れ去られたデイヴは、小児性愛者の男に監禁され性暴力を受けるが、自力で脱出し生還する。
25年後、ジミーの娘ケイティの射殺体が発見される。
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殺人課の刑事として事件を担当するショーン、被害者の父ジミー、事件当夜にケイティを見かけていたデイヴと、あの忌まわしき出来事から疎遠になっていた幼なじみが顔を合わせることになる。
事件当夜、血まみれで帰宅したデイヴは、動揺する妻セレステに対し、強盗に遭って反撃したことを説明するも疑念を晴らすことができない。
ショーンはデイヴの車で血痕を見つけて彼を追及するもケイティ殺害の確証は得られず、ケイティの恋人ブレンダン・ハリスにも殺害の動機を見つけられない。
強盗罪で服役後、雑貨店を営んで家族を養っていたジミーだったが、昔の犯罪仲間の手を借りても娘の殺害犯の足取りは掴めず、悲しみと怒りを募らせていく。
夫の不審な様子とケイティ殺害を結びつけたセレステは、不安のあまりジミーに心の内をすべて告白する。
ショーンは残された弾丸の線条痕が昔の強盗事件のそれと一致することを突き止め、かつてジミーを売って現在は行方不明のレイ・ハリスの息子であるブレンダンを問い詰める。
白を切るブレンダンを帰し、後にハリス宅へ踏み込むと、ブレンダンが口のきけない弟レイとその友人に自白を迫る場面に出くわし、2人が銃を持ち出した末の突発的な犯行だったことを知る。
一方、怒りに駆られたジミーはデイヴを呼び出し、かつてレイを沈めた川べりに追い詰める。
デイヴがあの夜の真相(小児性愛者を見つけ我を忘れて殴り殺した)を告白しても耳を貸さず、強要の末にケイティ殺害を認めさせると、ナイフと銃で復讐を果たす。
ショーンから犯人逮捕の知らせを受けたジミーは、取り返しのつかない過ちを犯したことを知る。
それでも、川に沈めた真実を引き上げることはない。
レイの妻子にしてきたように、デイヴの妻子にも経済的な償いをしていくことを心に誓いながら。
【感想】
何かしら、この
救いのない話…。
ジミーは自分の妻と下の娘2人を守っていくんですってよ。
盛大な思い込みの末にデイヴを殺したくせに。
刑事のショーンもそれを勘付きながら、ことを明るみに出すことはないのよ。
おまけに無言電話の妻が赤ん坊と一緒に帰ってきて。
……ありえないわ。
なんかもう
理不尽祭 でイヤになっちゃう。
いくつも分かれ道がある中で、いちばん理不尽な道を選んでいくみたいな脚本なんだもの。
これは原作どおりなのかしら??
セレステはデイヴの過去を知らないわけではないでしょうに、ちょっとぐらい夫が挙動不審でも信じてあげなさいよ。
ましてや被害者の父で危険人物のジミーに憶測を話すなんて、デイヴを殺すように促してるも同然だわ。
ショーンがデイヴに容疑をかけるのも、ジミーがデイヴを犯人と信じ込むのも、
理由付けが薄い のよ。
警察としては弾丸の線条痕調べるのなんて真っ先にすべきだし、そしたら真犯人に辿り着くのも容易だったはず。
もちろんデイヴが死ぬこともなかったのに。
あとは、
登場人物の描き込み が圧倒的に不足してるわ。
特に、性暴力の被害に遭ったデイヴがいかにして成長し、結婚して子供を持つまでに至ったのか、っていうところが。
そもそも、この設定を2時間程度で描き切ることが不可能なんだと思うわ。
ワタシが続きモノの海外ドラマを見慣れてるからそう思うのかしら?
救いがなくても、それがノンフィクションなら、そこには「現実を知る」っていう大きな意義があるわ。
でも、
救いのないフィクション って、なんの存在意義があるのかしら??
『ミリオンダラー・ベイビー』もそうだけど、クリント・イーストウッドってこういう系統の話が好きなのね。
一方で、救いのある『グラン・トリノ』とか『ヒアアフター』も良かったし、実話を基にした『チェンジリング』には心を動かされたわ。
ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンらの演技を評価しないわけじゃないけど、出色の出来とまでは思わなかったわ。
アカデミー賞主演男優賞(ショーン・ペン)、助演男優賞(ティム・ロビンス)もどうなのかしらね。
付け加えるなら、クリント・イーストウッドの音楽も安直で薄っぺらい印象を受けたわ。
ってことで、星を付けるなら
★★☆☆☆(2つ)ってとこね。
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