好きなモノに囲まれて… 2014年11月
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『パラサイト・バイティング』

紙芝居風にしてすみません
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のっけから謝罪です。
作品自体は可もなく不可もなくでした。せめてレビューくらいは楽しくしようと思いまして。
そこで紙芝居風にしてみたら、ただのギャグレビューになってしまった!この作品のファンの方には、本当に申し訳ないです。監督自身「ホラー映画と捉えてもらっても構わない」と言っていたように、グロ度が目立ってしまった本作。いきなりの頭部爆発は反則ですって。ビビッたわぁ。R15指定だそうです。
実は食人草の話なんですけど、そんなのどうでもいいくらい、登場人物の描き方が面白い。人間模様+草っていう話です。




ホラーで死ぬのは若者。これ定石です。今回もメイン4人とサブ2人が登場します。
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けれど、彼らを見ている限りではバカではなさそう。医学生もいるし、会話もしっかりしていますしね。そんな彼らはメキシコに旅行に来ているわけですが、マヤ遺跡の観光に行こうという話になります。




彼らを遺跡に誘ったドイツ人
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風貌は怪しいですが、彼の弟の彼女が先に現地にいるということなので、4人も安心して同行します。



翌日、4人とドイツ人、その連れの男性の6人で秘境へと向かうのです。乗り物を乗り継いでジャングル奥地まで進んだ彼らに、人影が見えます。
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子供のようです。声を掛けますが言葉が通じないのか反応しません。
すると子供たちは去って行きます。

ま、いいかと更なる奥地へ進んでいくと・・・。

見つけた!!
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日本でいうところの古墳みたいな遺跡ですね。遺跡は草で覆われており、歴史を感じさせます。一行は感激で遺跡の前で写真を撮ったりと大はしゃぎだったのですが・・・。



いきなり現地の方が登場します。何を言っているのかわかりません。とにかく激怒しているのです。
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メンバーは困り果ててしまいますが、とにかく和解しようと近寄った瞬間!




あれ、何か刺さった!?
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頭をふっ飛ばされた!
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一気に地獄と化したその場を去るため、5人は遺跡を上って逃げます。

現地の人が、あんなに怒るなんてどいうことだろう。
若者たちは頂上まで登りきると下界に見える現地人を眺めます。現地人は野宿の準備を始めており、これが長期に渡る監視だということがわかりました。


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頂上にはテントが張ってあり、ドイツ人の弟たちがいた痕跡が見えます。姿は見えませんが、少なくともここにいたことは間違いないようです。

頂上には穴が開いており、滑車も設置していました。
すると穴から携帯の着信音が聞こえてきました。皆はビクッとなりますが、ドイツ人は「これは弟の携帯音だ」と言い出します。

地下に降りるのは危険だとしても、ドイツ人は行くと言ってきかないので、滑車を使って降りるのですが・・・
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やっぱり落下。下で身動きが取れないドイツ人の為に、体が軽い女性が助けに降りるもののやはり傷を負ってしまいます。

何とかドイツ人を救出し、上まで引き上げたものの、ドイツ人と救出に行った女性の足に草が食い込んでいるのです。
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草を取り払うものの、ドイツ人は背骨を損傷しており歩くことも危険でした。



そして食料も殆どありません。
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下に降りて現地人を説得しようにも、また失敗。
怒りで近場にあった草の塊を現地人に投げたメンバーですが、その草が現地人の子供に当たったのです。草なので怪我などはしませんが、現地人の慌てようは尋常ではありませんでした。


現地人、子供を射殺!

ただ草が当たっただけなのに、これは話し合いにならないと頂上に戻ります。
遺跡頂上で餓死するか、下に降りて一か八かの逃亡を図るか・・・。彼らには時間がありません。

ドイツ人の足が壊死し始めていました。このままでは敗血症で死んでしまいます。いつのまにか足には蔦が巻きつき、切断するしか方法がないと医学生が熱弁です。
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骨を石で割り(!)、小さいナイフで肉を切るという拷問を提案します。ドイツ人は「やってくれ」と懇願します。


いざ始まると・・・
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そりゃ痛いだろう。ギャーギャー喚きます。

ナイフで切るのが億劫になってきたのか、足を引っ張って肉を裂く医学生。鬼畜!
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最後は熱したフライパンで血止めします。痛覚がないって医学生は言ってたのに、ドイツ人は痛がっておりました。



しかし、あんな拷問に耐えた彼も、衰弱してとうとう死んでしまいます。そんな彼の足を草が食ってます。
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メンバー一同、この遺跡はヤバイと気づくのです。
現地人が彼らを恐れているのではなく、遺跡を恐れているのだと。しかも遺跡に逃げ込んだ彼らに草が襲ってこようとは誰が想像したでしょう!

恐怖になればなるほど、意外と冷静になってくるメンバー。
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この遺跡がどういう意味で造られたとか、そんなのは分かりもしませんが、今を生きる事を必死で考えます。


怪我をした女性の体に異変が起きます。取り除いたはずの草がどうも残っていたらしく、体内でうごめいていたのです。
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取ってくれと女性が叫ぶので、医学生は得意のナイフで肉を裂いて取り出します。草は生きており、寄生虫のようにウニウニと暴れまわるのです。


この女優さん、鼻水を垂らしてまでの演技!
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立派です!

全部取り出したよと伝えるのですが、彼女は信用しません。
「頭の中にまだ残っている!」と言うのです。

いやいや、全部取ったって言ったでし・・・
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!!!
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!!!
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!!!
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皆さん、嘘が下手くそなので彼女にバレてしまい、とうとう自分で取り出すと体を切り刻み始めます。
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太ももの肉を削ぎ落とすシーンは素晴らしい。
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次々死んでいく仲間たち。その死体は草が戴きます。
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果たして生き残るのは誰だ!?
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★★★★★★★
紙芝居風にしましたが、ただの落書きみたいでしたね。
センスの無さに恥ずかしさが湧いてきて、以降はやめておきます。はい。
食人草という設定のわりには、なかなか草が行動を起こしません。なんなら風景と同化し過ぎて、恐怖の対象になっていないんですよ。現地人の方がよっぽど異様ですよね。
遺跡地下にも大量の草が生えているのですが、序盤に携帯の着信音が鳴るシーンも、実は草がその音を真似て生み出した音だったんです!そんな器用な事が出来るのに、草の出番は少ねぇ!!
ちなみにドイツ人の弟もその恋人も地下で死んだ模様です。恋人の死体はデロ~ンって出てきたけど弟もどっかで死んでるんでしょうね。合掌・・・。
R15指定ですが、やはり肉の削ぎ落としシーンの部分かな。安っぽいホラーよりもずっとリアルですからね。



テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

読書感想文『孤島の鬼』

読後、夢を見たのは初めてです。
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・読みやすさ
★★★☆☆
・恐怖度
★★★☆☆
・大どんでん返し度
★★☆☆☆
・感動度
★★★☆☆
・総合評価
★★★☆☆

<あらすじ>
初代は3歳で親に捨てられた。お守り代わりの古い系図帳だけが初代の身元の手がかりだ。そんな初代にひかれ箕浦は婚約を決意するが、箕浦の先輩で同性愛者の諸戸が初代に突然求婚した。諸戸はかつて箕浦に恋をしていた男。箕浦は、諸戸が嫉妬心からわざと初代に求婚したのではないかと疑う。そんなある日、自宅で初代が殺された。これは恐ろしく壮大な物語の幕開けに過ぎなかった。
-裏表紙より-


小学生の時にに読んだ「少年探偵団」以来の江戸川乱歩小説!
これを書いた時分の乱歩がノリに乗っていたのか、それとも改定された文章が秀逸だったのか、とても古い作品に感じません。時代背景が大正時代だという事を忘れるくらい読みやすかった!


主人公の「私」の独白で始まる冒頭から、出生の謎が残る初代との出会い。「私」に想いを寄せる美男子、諸戸。そして、数々の連続殺人の裏に隠された陰惨な島の出来事。
怒涛の展開の素晴らしさは、最近読んだ作品の中で群を抜いていました。
前回読んだ「黒祠の島」と被る設定ですけど、内容は全然違います!


「そんなばかな」という殺人トリックも、異常な世界観を前に納得せざるを得ません。
すっかり乱歩ワールドの虜ですよ。

乱歩自身が苦慮したであろう、同性愛というテーマも一種、作品の独特な作風に華を添えているかのように思えます。作中での諸戸は、男を愛する事にちゃんとした理由があり、ずっと苦しんできたことが描かれています。
「私」は、そんな諸戸の気持ちを知りつつ、やんわりと逃げるんですねぇ。罪作りな男ですねぇ。モテモテだよ、「私」は。


こんな異様な世界に、蟻が蜜に集まるように引き寄せられる登場人物の都合よさは目をつぶるとして、本当に素晴らしい作品でした。夢に見てしまいました。内容は覚えてませんが、こんな事は初めてですね。

これはミステリー小説ではありません。そんな枠では収まらない、超ド級のドラマなんですよ。



しかし、最後の二行は屈指の切なさです。
「悪魔の手毬唄」級の悲しさです。こんな最後ってありますか?「私」だけが幸せになったんですか?ちょっと納得できないなぁ。あまりにもかわいそうすぎます・・・○○さん。



次回作はこちら
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『シー・オブ・ザ・デッド』

ブラジルのゾンビは情熱的!
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2013年公開のブラジルゾンビ映画です。
この映画の監督、グロエロ映画の3部作を制作しており、この作品が完結に当たるそうです。ブラジルの気候と相まって、まあゾンビの造形の汚らしいこと!そして、ゾンビがブチ殺されるシーンの血みどろは、なかなかではないでしょうか。
物語の前半はメロドラマ風、そして後半は怒涛のグロオンパレード。そして最後はSFチックになっちゃった。破天荒なストーリーは別として、ホラー映画への情熱はしっかりと伝わりましたよ(笑)



ブラジルの夜の海。

ベテラン漁師が海底の網を引っ張り上げると「半漁人」を捕まえてしまった!
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半漁人によって大怪我を負った漁師は、妻子に事の顛末を黙っていました。誰に言っても信じてもらえないからです。釣れたアカエイを売った後は、床に臥せてしまいます。




主人公?になるのか、ちょっと気味が悪い男アルビノは、村の外れで遺体と共にあった本を拾います。
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この時点ではわかりにくいですけど、どうやら願いが叶う魔術が記載されているようです。アルビノはそれをある事に使おうと思っていたのでした。




冒頭の漁師が釣ったアカエイは、アルビノが勤めるバーに買い取られました。さっそくアカエイをさばくアルビノ。
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アカエイも気持ち悪いですが、アルビノの風貌の方が強烈です。




アルビノが想いを寄せている漁師の妻、インジアラ。素晴らしい肉体です。ほどよく乗った腹肉が色っぽい。
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アルビノはインジアラと添い遂げるため、例の魔術を行おうと画策しています。



最近では、漁が不作で漁師の家庭は火の車です。
インジアラも、旦那が大怪我をして漁に出られないので、いかがわしい店がオープンするその調理場のバイトに行く事になります。

店のオーナー、マダム・ウルスラ。
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間違っても女性には見えません。
しかし、村中の男は大はしゃぎ。酒と女がある店は大歓迎といったところでしょうね。




妻が働きに出かけている頃、夫の体の状態が良くありません。まあ、ゾンビになるんですわな。
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自分の息子の血を舐めてご機嫌になり、ファーストゾンビの誕生です。

妻の勤めているお店に挨拶(食事)に行こう~♪


一方、アルビノのバーに「古い本を探している」と言う男がやって来ます。
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アルビノは外出中でしたので、店主が対応していたら・・・。




バシュッ!!!
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斧で惨殺。本を手に入れるためなら殺人も平気だよ♪
・・・ちなみにこの男、物語と関係があるようで全く絡んで来なかった!最後は変なのに殺されちゃうし。本の説明をしようとした矢先だったもので、ポカーンですよ。
( ゚д゚ )ポカーン




漁師が獲ってきた魚たちも汚染されており、ウルスラの店でも提供されたモンだから、店はゾンビ化した人間が出てきます。そして、ファーストゾンビの漁師もお店に来店したものだから、犠牲者は瞬く間に増えます。
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裸と血。この映画には欠かせません・・・。





今作のゾンビはのろのろ系ですが、アピールは情熱的です。「グワーッ」ってな感じです。
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しかし、ヒールは頭に刺さるのかね。




鮮血というよりはタール色に近いドロドロとした血です。
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まあ、雨あられの血と肉が画面いっぱいに広がります。




ゾンビの退治方法も様々ですが、想像の許容範囲内ですね。
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熱々の油をかけて殺しちゃえ!



ブチブチとゾンビが死ぬシーンが多くて、ゾンビの食事シーンは少な目かも。
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暗めで見えにくい・・・。




「私の店のオープン記念に何してくれんのよ!」
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マダム・ウルスラはブチ切れ、店に置いてあるガトリングガン(普通ある?)で大殺戮の開始です。




オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!
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やり過ぎ・・・。




何とか逃げ延びたインジアラは、アルビノの店に避難します。
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アルビノ、ここで男を魅せます!

片っ端からゾンビを殺す殺す。狭い店内だから、誰が何をしているのかわからない!


わからないから、仲間がインジアラを刺しちゃった!
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「インジアラー!!」
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「こいつ、誰?」ではなく、彼はアルビノです。髪は魔術で剃っているのです。そういう魔術なのです(説明がずさん!)



間違えてインジアラを刺した男は、怒りのアルビノに顔面を削られた!
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紆余曲折があり(端折ってすみません)、アルビノはインジアラの遺体を塩漬けにし、魔術を使うのです。
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インジアラの髪とアルビノの髪を使った魔術は、相思相愛になるんですよ。




その頃、1人生き延びたインジアラの娘はクジラの化け物に追い駆けられます。
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この辺りから、もう訳がわかりません。唐突に出てきましたが、この化け物も海の汚染で巨大化したのでしょうか。



高台に逃げた娘が見たものは・・・。
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★★★★★★★
結末への収束方法があまりにも大味過ぎて、さっぱりわかりません!
一体、海から何が見えたの?アルビノは魔術を行ってどこに消えたの?と、前半のメロドラマに時間をかけすぎて、ここら辺りの謎は一切回収されないまま。
個性ある主人公アルビノだって、中盤は出番なしですよ。もっと彼を前面に出して欲しかった。異常さは十分伝わったけどね。
ブラジルホラーは、国民性を良く表していて情熱的でしたよ。
つまんなくはないけど、面白くはなかった・・・。
|´-`)。o(…)





テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

読書感想文『黒祠の島』

こういう設定は大好物です♪
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・読みやすさ
★★★★☆
・恐怖度
★★★★☆
・大どんでん返し度
★☆☆☆☆
・感動度
☆☆☆☆☆
・総合評価
★★★☆☆




<あらすじ>
調査事務所を営む式部剛は、懇意にしていた作家の葛木志保が行方不明になったことから、九州北西部にある彼女の故郷・夜叉島を訪れることになる。しかし閉鎖的な村人からは情報を得ることが出来ず、一旦は島を出ようとするが、何か異様なものを感じ村に留まることにする。その後、村の医師・泰田の協力を得られることとなったが、泰田から伝えられたことは「葛木志保は死んだ」という言葉であった。明らかに他殺体であるのに、真相を調べようとしないことに不信感を抱いた式部は、村の事情や過去に起こった出来事を調べていく。
-wikipediaより参照-

『黒祠』とは、明治政府が行った祭政一致政策によって、全国の神社は位階制で編成され、祭神も正統な神典に記載される神々に改められた。地方の小祠も統合されたり、弾圧されるなどしたが、その中で統合されなかったものを言い、いわゆる邪教であるとのこと。
そんな黒祠の島に渡った主人公は、私たち読者と同じ目線で島の異様な風土や慣習に触れることになります。


こういった閉鎖的な場所の作品は、横溝作品によく出てきているので、今更驚くことでもないのですが、しかしその設定は私の心を大いに惹きつけました。
登場人物の多さは、物語の奥行きを出し、残酷な描写はともすれば物語に華を添えているかのようです。

ちなみに・・・自分の推理で言えば、半分は当たっていたと思います。
しかし、主要人物が後半にしか出てこないですし、結末は「え?」となること請け合いです。ビックリです。過去と現在を行き来するのですが、これがかなりのポイントとなるでしょう。

本作に似たゲームを知っています。
「零」という有名なホラーゲームですが、この本を読んでもう一度プレイしてみたくなりました。内容は2の紅い蝶によく似ていると思います←ネタばれか?

土蔵とか、のシーンとか・・・似てると思います。
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島民、すべてが疑わしい。
推理するのがとっても楽しかったです。あ、これは推理小説ではありませんので(汗)


次回作はこちら
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ホラーじゃないよっ!『悪魔の手毬唄』

ホラーじゃないけど怖い
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前回、小説にて悪魔の手毬唄を紹介させてもらいましたが、映像化されても一級品でしたのでレビューさせて下さいませ。
個人的には「犬神家の一族」や「八墓村」よりも好きです。
そして金田一耕助役は石坂浩二が一番と思ってしまうのです。

ファンの皆様が言ってらっしゃるように、金田一シリーズは連続殺人が基本です。いわゆる「金田一耕助の防御率の低さ」を言っているのですが、これは仕方ありません。
だって金田一さんは事件解明のために、ちょくちょく出張されるのです。で、帰ってくると数人死んでいるのです・・・。不確定であれば警察にも腹の内を明かさない、金田一先生の実直さが、犠牲者の数字を高めているのかもしれません。
ちなみに平均4.2人だそうです。




皆さんご存知、金田一耕助(石坂浩二)です。
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やっぱりこの方の金田一が好きです。しかし若い・・・。
「金運!なんでも鑑定団」出演の姿を見ると老けたな~と思いますから。

時は昭和30年。
金田一、今回は岡山県と兵庫県の県境にある「鬼首村」に滞在してます。

滞在先である亀の湯の女将、青池リカ(岸 恵子)には悲しい過去がありました。
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23年前に、夫の源治郎が村にやって来た詐欺師、恩田幾三によって殺されてしまったのです。恩田はその後、行方不明のまま、事件は迷宮入りとなってしまいました。




リカには、村の好青年である息子の歌名雄(北 公次)と・・・
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体半分が赤痣に染まった里子(永島映子)がいました。
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本作のもう一人の主人公と言っていいでしょう。
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磯川警部(若山 富三郎)は、23年前に起きた未解決事件に並々ならぬ執念を抱いているのです。金田一を亀の湯に滞在させたのも、金田一に事件解決の依頼をする為です。
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顔が焼き焦がされた状態で発見された源治郎ですが、恩田が見つかっていないのを考えると、実は殺されたのは恩田で、犯人と被害者があべこべではないかというのが、磯川警部の推理なのでした。




しかし、昭和30年の寒村を撮影するにあたり、こんな素晴らしい情景があるでしょうか。
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岡山の県境に行けば、今でもこういう風情に出会えるのかなぁ。・・・と思ったら、山梨県に今でも残っている家屋だそうです。




そんな亀の湯で、金田一は老人と出会います。その前にお湯の色が気になりますが・・・。
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昔、鬼首村の庄屋であった、多々良放庵(中村 伸郎)は、日頃の不摂生と金遣いが荒い事で家を潰してしまい、今では隠居生活を送っています。そんな放庵が金田一に代筆を依頼してきました。
右手が不自由なのです。




そして、リカのもとに訪れる仁礼家の嘉平(辰巳 柳太郎)。
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鬼首村を統治している仁礼家の娘、文子と歌名雄の縁談を持ち込むのです。

初見の方は、ここまでで何が起きるか予想もつかないでしょう。
しかし、この人間関係が壮絶な殺人事件の幕開けになるのです。



翌日、金田一は放庵のボロ家に向かいます。想像以上のボロさ・・・。金田一も絶句気味です。
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代筆の内容は、放庵の5番目の妻おはん(小説はおりんではなかったかな)、が復縁を望む手紙を寄こしたので、その快諾の意をという事でした。
金田一は、下書きも含めて全て書いてやり、多々良邸を後にします。




亀の湯で落ち合った金田一と磯川警部。
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警察が探偵に捜査を依頼するなんて聞いたことが無いと、金田一は呆れますが、捜査に乗り出すのです。



捜査の為に総社に向かった金田一。峠で出会ったのは老婆でした。
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「お庄屋さんの所に戻って参りました。おはんでございます。どうぞ可愛がってつかあさい」


ああ、あれが庄屋さんが言っていた5番目の奥さんかと見送る金田一。

行方不明の恩田が利用していたと思われる旅館では、いと(山岡 久乃)が応対します。恩田と逢引を重ねていた鬼首村の別所春江(渡辺 美佐子)は、恩田の子供を身ごもり、村に居づらくなった流れで村を離れていたのでした。

春江の娘、千恵(仁科 明子)は立派に育ち、凱旋を兼ねて鬼首村に戻って来るのでした。
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「そう言えば、おはんさんと言う人がお庄屋さんの元に戻ってきたようですね」
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金田一の何気ない一言に、ゾッとするいと。
「おはんさんなら、去年亡くなりましてん・・・」
この山岡久乃の演技、好きだなぁ・・・。



放庵の身を案じた金田一は、鬼首村にいる磯川警部に連絡を取り、放庵宅に向かうのですが大量の吐血痕を残したまま、放庵の姿は消えていたのです。
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中村巡査(岡本 信人)を筆頭に、村中を捜すのですが見つかりません。

そして、鬼首村における陰惨な連続殺人が始まるのです。


金田一シリーズになくてはならない立花警部(加藤 武)登場。
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彼の「よし!わかった!」の名台詞と、粉薬噴出シーンは名物となっていますね。
ぎょっとする立花警部の視線の先には・・・。



ん、人形!?
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じゃなかった、由良家の娘、泰子でした。泰子と歌名雄は周知の間柄、つまりは恋人だったのです。
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彼女の死は、村に激震が走ります。



仁礼家と対立している由良家の娘が殺された事もそうですが、死体の状況があまりにも特徴的なのです。
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由良家で実権を握っている敦子(草笛 光子)は、娘の死体に仁礼家の漏斗と升があるのに気が付き、仁礼嘉平に詰め寄ります。



この殺人事件に使われた漏斗と升が出てくる手毬唄を、由良の大婆が知っていると聞きつけた金田一たちは、さっそく聴きに向かいます。
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手毬唄を聴いた金田一は絶句です。

聴いた限りでは、他にも殺される可能性がある娘たちがいるのです。この時点では彼の憶測なのですが・・・。



泰子の葬式では、死んだ源治郎の妻リカと、源治郎を殺害した犯人の恋人であった春江が再会し、複雑な過去を抱えつつも「昔の事だから」と話すのです。
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しかし、2人には同じ歳の娘がおり、過去だからと流せるものでもありません・・・。成功した娘と、痣を持つ娘。あまりにも境遇が違い過ぎます。



例によって例の如く、金田一は1人捜査をするため鬼首村を離れてしまい、磯川警部だけが鬼首村に残っています。立花警部もいますが、まあ想像通り役には立ちません。彼の立ち位置はそういうモンです(笑)
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23年前に源治郎を検死した権堂医師(大滝 秀治)の元を訪れた磯川警部。
検死した死体に身体的特徴がなかったかと、再度確認を依頼します。これが事件解決の糸口になってきます。




金田一が不在だと、殺人は加速します。

次は仁礼家の文子が殺されます。
金田一シリーズ屈指のインパクトさ!!
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写メを撮りましたが、かなりビビりますよ(笑)


そして、リカの、娘里子も殺されてしまい、鬼首村で殺された娘は3人になってしまいました。奇しくも殺された3人と、千恵の4人はすべて同じ年齢。


それぞれの母親には、とんでもない過去がありました。
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そう、もちろんリカにもです・・・。
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犯人がわかったとき、私は涙で画面が見えませんでした。
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このシーン、毎回泣きます。泣かない人はいるのでしょうか。こんな悲しい最期ってあるんでしょうか。




事件解決後、金田一が磯川警部に言った言葉・・・。
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「磯川さん、あなた○○さんを愛しておられたんですね」

ギュッと胸が苦しくなる言葉でした・・・。

★★★★★★★
小説よりも、簡素に訂正されている映画版は、出演者全員の演技の技量の素晴らしさでカバーできていると思います。有名な犬神家の一族よりも、ずっとずっとこちらの方が大好きです。
金田一映画の常連である、加藤 武、草笛 光子、大滝 秀治も役どころは違えどさすがの存在感です。
本当に非の打ちどころがないんです(笑)
泰子の死体の人形はアカンですけどね

小説を読んだ父親とDVDを観賞していましたが、父親も声を詰まらせていました。最近、父も涙もろくなったな~。

小説との違いについて談義するのも、また楽しいモンですね!





読書感想文『天使の囀り』

寄生獣を思い出しました。
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・読みやすさ
★☆☆☆☆
・恐怖度
★★★☆☆
・大どんでん返し度
★☆☆☆☆
・感動度
☆☆☆☆☆
・総合評価
★★☆☆☆

<あらすじ>
北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。恋人で作家の高梨は、病的な死恐怖症だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように、自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンで、いったい何が起きたのか?高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか?前人未到の恐怖が、あなたを襲う。
-BOOKデータベースよりー


「寄生獣」なんて書いて、ネタばれしたかも!って焦りましたが、そんなの通り越して情報量が膨大なので構わないでしょう。←いいのか?
個人的に貴志作品は読んでいる方です。「黒い家」と「ISOLA」です。どちらも映画化されましたね。

読書に明け暮れている私でも、今作はなかなか手ごわい小説でした。とにかく情報が凄いです。アマゾンの事、生態系の事、HIVの事、そして囲碁の事(笑)
ページをめくるスピードが遅い×2。端折りながら読んでしまう私を許してと言わんばかりの凄さ。貴志作品ってこんなんでしたっけ?

物語も中盤に差し掛かった所で、ようやく大きな動きが出てきますが、ここからは猛スピードで進んでいきます。面白いです。先が気になって仕方ありません。
セミナーハウスの探索なんて、もうドキドキしてしまって「これだよ、待っていたのは!」と興奮してしまいました。
膨大な謎も、ひとつ残らず回収する手腕、見事としか言いようがありません。読み応えだけで言えば、最高でした。ただ、やはり私には冗長な説明部分は苦手かもしれません。
おバカでごめんなさい。


グロい描写があるとネットでは言われていますが、私はちーっとも感じなかったですね。ホラー映画への耐性が出来ているからでしょうね。けど、映像化されるとどうでしょうか。無理でしょう(キッパリ)。




次回作はこちら
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