好きなモノに囲まれて… 2013年02月
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『ゾンゲリア』

1980年代は、ゾンビ映画最盛期でした。
良くも悪くもゾンビが溢れ返った時代。
ゴア描写はユルいけど、精神的にグッとくる作品が多かったですよね。


ゾンゲリア   原題:DEAD&BURIED
ゾンゲリア
何という邦題でしょう。
多分ですが、この当時ヒットした「ゾンビ」と「サンゲリア」を合体させたネーミングでしょうが、あまりにも適当すぎます。それでも内容自体はそこそこ頑張っていましたよ。
ゾンビが人を食う話とはちょっと違う、自分が経験すると嫌な話です。



男性カメラマンが休暇を利用して、ある田舎町にやって来ます。
浜辺でパチパチと撮影していると、こちらを見ている美女が。
ゾンゲリア:冒頭


田舎町の娘にしては色っぽい。
カメラマンはつい下心丸見えで、美女の甘い誘惑に乗ってしまいますが・・。
気が付けば、謎の集団に襲われ火だるまにされてしまいます。
ゾンゲリア:火だるま

いきなりのシーンに思わず引き込まれます。
夜になり、一台の車が横転しているのが見つかり、中から焼死体が発見されました。冒頭に登場した男のようです。どうして車の中にいるのでしょうか。
警察や検視官が到着し、さっそく死体に近づいてみると・・。
ゾンゲリア:生きていた男
口が開いた!
いきなりの出来事で、ビクッとなりました、私
なんとこの男、焼け焦げているのに一命を取り留めたのです。凄い生命力です。



事件なんで滅多に起きない田舎町。
保安官のダンは、この不思議な事件に魅入られますが、焼死体の男の正体すらわかりません。
ヤキモキしている間にも、第二の犠牲者が出たとの連絡が入ります。
ゾンゲリア:保安官ダン



酔っ払いの男が顔面をズタズタに引き裂かれて殺されていたのです。
ゾンゲリア:第二の犠牲者



検視官であり葬儀屋であるドップスも、この奇妙な事件に興味深々であります。
ただ、このドップスは事件よりも死体を修復する事が大好きなようです。死体が見つかるたび(しかも損傷が激しければなお嬉しい)、嬉々として死体を修復してしまうのです。
ゾンゲリア:葬儀屋ドッブス



保安官ダンには美しい妻、ジャネットがいます。
小学校の教諭であり、ダンのよき理解者でもあります。
ゾンゲリア:妻

ところが、このジャネットがホテルで男と会っていたという目撃情報があり、ダンの心は晴れません。貞淑な妻が他に男を作っているのか?
しかもホテルで会っていた男というのは、あの火だるまになった男だということも判明しました。
妻は「男性とは会ったけど、彼は小学校に来た営業マンよ」と一蹴するのです。ダンは必死で妻を信じようとします。



ダンは意識が回復した火だるま男の元に向かいます。
いったい、誰がこんな事をしたのか。そして自分の妻とホテルで何をしていたのかを聞き出す為です。
ところが医者に「会話は無理だ」と面会を拒絶されます。
仕方なく廊下で医者と話し込むダン。




ゾンゲリア:包帯男
その隙に・・美しいナースがそっと病室に潜り込みます。
ナースの姿を見て驚愕する火だるま包帯男。なぜなら、ナースは自分を焼き殺そうとした浜辺の娘だったからです。娘はおもむろに注射器を取り出すと・・。

ゾンゲリア:目玉ブスッ
ゾンゲリア名物の「目玉注射器シーン」。

きっと「サンゲリア」に登場する木片目玉串刺しシーンから便乗して、ゾンゲリアという作品名になったんでしょうが、サンゲリアに劣らず、こちらも凄いシーンです。

敢え無く火だるま包帯男は死亡。
ダンは悔しがります。廊下にいたのに何をしていたんだよ、ダン!



ダンが犯人探しに躍起になっている間にも、続々と被害者が出てしまいます。
今度は家族3人が犠牲に・・。
ゾンゲリア:第三の犠牲者


こんな風にノロノロと謎の集団は襲ってきます。
ただ、ゾンビのように人を食うわけではなく、直接的な打撃(しかも顔中心)での襲撃です。
ゾンゲリア:忍び寄る影



ダン、もう混乱気味の中、またもや犠牲者が・・。
若い女性が顔を潰されて殺されてしまいます。
ゾンゲリア:第四の犠牲者


こんな風に
ゾンゲリア:顔の修復
検視官、ドップスは早速彼女の顔を修復します。

そして美しくなった姿に満足のドップス。その場を去ります。
すると・・死体が起き上がり・・。



ダンの知らない所で、どんどんと何かが進んでいるようです。しかしようやく光明の兆しが。
ダンはある夜、パトロール中に人をはねてしまいます。ダンが近寄ると、轢いた男の腕がありません。ギョッとすると、男はそのまま車のフロントに付いた腕をひったくると逃げてしまいました。
あまりの事に唖然とするダンですが、車に付いていた肉片を医者に見せるのです。
ゾンゲリア:謎の肉片
返って来た答えは「この肉片は死後、3~4ヶ月のものだ」という、とんでもないものだったのです。


そんなダンをサポートする医者もついに殺されます。
鼻から硫酸を入れられるという珍事・・。
ゾンゲリア:顔面溶解


死体と言えば、最初の犠牲者「火だるま男」の死体ももしかしたらと、ダンの鋭い勘が光り、墓場を掘り返してみます。すると死体は無く、代わりにドクドクッと動く心臓だけが入っていました。
葬儀屋のドップスに理由を聞かなくてはなりません。本部に問い合わせてみると、実はドップスは著名な医者であったが、ある罪で逃亡しているとのこと。
ゾンゲリア:心臓


ドップスの、死体に対しての並々ならぬ執着心に疑問を抱いたダンですが、それと同時に妻の秘密も知ることになります。妻から頼まれていたビデオカメラの現像。いけないと思いつつ、ダンは自宅で上映してしまいます。
ゾンゲリア:上映機


そこに写っていたのは、ベッドで愛し合う男女の姿。
すると女性はおもむろにナイフで男性を刺し殺します。なんと女性は妻、ジャネットでした!
ゾンゲリア:妻の正体


それだけならまだしも、妻の横に立っていたのは・・
ゾンゲリア:ドップスの正体
謎の葬儀屋、ドッブスです。


怒りに身を任せ、ダンはドッブスのもとへ向かいます。
妻をどうしてくれると、ダンは詰め寄ります。
ゾンゲリア:ドッブスの告白

ダンがやって来ることを予知していたかのように、ドッブスは話し出します。この町にいる者はせいぜい数週間しかもたない。だが、ダンの妻ジャネットは相当気に入っており、不安と性と愛を与えていると。
ダンは彼が何を言っているのか理解できません。

そんな彼の元にジャネットがやって来ます。
ゾンゲリア:妻ゾンビ化
ダンは妻に駆け寄りますが、触れた頬は無残にも崩れてしまい、悲鳴をあげるダン。
ジャネットは「今日の晩御飯はどうする?」などと、見当違いの事を言い出します。つまりは、ジャネットはドッブスの手によって蘇ったゾンビだったのです。
ジャネットは不慮の事故で帰らぬ人となりました。ダンはそれを信じることができません。


信じなくても信じられると、ドッブスがある映像を見せます。
それは先ほどジャネットが殺人を犯すテープでした。ナイフを振り下ろし、ゴロッと転がる死体。
それは・・。
ゾンゲリア:ダンの正体
ダンでした。


震える手で顔を覆うダン・・。
その手は・・。
ゾンゲリア:ダンの肉体崩壊






小さな田舎町で起こった殺人事件の話が、実は町全体どころか、妻や果ては自分までがゾンビだったという、凄いオチの映画でした。若かりし仲代達矢似の主人公ダンが、不幸なまでに振り回されるのがかわいそうです。
勘の鋭い方は、冒頭の犠牲者を殺害する面々が町の人々だと気が付けば、ストーリーは自ずと見えてくるかと思います。ゾンビが人を食う話とは違う次元のゾンビ映画ですが、ゾンビになった苦悩を見事に描いていたので、怖くはないですが、退屈もしませんでした。

予告編を載せてますが、画面が暗くて何が起きているのかわからない(笑)
ホラーが苦手な人も安心して閲覧できますね。

テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』

ダイアリー・オブ・ザ・デッド
ダイアリー・オブ・ザ・デッド
久しぶりに、ロメロの作品を観ました。
風刺が効いた作品作りで知られるロメロのゾンビ映画は、世界中で賛否両論を起こさせるゾンビ界の指標となるもの。ロメロのゾンビ映画は中盤の中だるみが特徴なんですが、今作もそれが遺憾なく発揮されてます。
POV撮影なのに、ご都合的なカメラワークのためロメロの思考が手に取るようにわかります。
それでも我らのロメロですから、新作が出れば観てしまうのでしょうが・・。



映画冒頭。
殺人事件が起こった現場の生中継ニュースです。
女性レポーターが現場で状況を説明していると、彼女の後ろにあった死体が動きだします。
そして救急隊員を襲ったのです。カメラは動揺しつつも撮影を続けますが、ゆっくと歩み寄る女性レポーターの顔面を食い千切ったのです・・・。
DOTD:始まり



一方、山奥で卒業制作のために映画撮影をしていた大学生たちがいました。
撮影を仕切るカメラマン兼監督のジェイソンは、常にカメラを離さずレンズ越しの会話です。
そんな彼らのもとにラジオから奇妙なニュースが飛び込みます。
DOTD:ラジオニュース

全米各地で死体が蘇り、人を襲っているというのです。
学生たちはこのニュースに驚きます。気味が悪いと言う者や、誤報だと言う者。
DOTD:学生たち


変なラジオニュースのせいで、とても撮影を続ける雰囲気ではなくなった為、早々にジェイソンたちは山奥をあとにします。ジェイソンには寮で生活している恋人のデブラがいました。
彼女の身を案じたジェイソンは、仲間と共に寮に向かいます。
DOTD:デブラ

学生たちが逃げ出した無人の寮にデブラはいました。
家族と連絡が取れず困り果てていたのです。デブラの家に向かおうとジェイソンは彼女を連れ出します。


相変わらず車中のラジオや携帯のyou tube動画では死体が蘇るという情報が錯綜しています。そんな混乱した社会をカメラに残そうとジェイソンは常にカメラを回し続けます。
お陰で車中にいる仲間から総スカンです。


そんな彼らを乗せた車の眼前に、火だるまになった車が飛び込んできます。
何事かと思っていると、黒い人影がゆっくりと近づいて来るではありませんか。完全に焼け焦げた人間が、車を叩きます。皆は絶叫し、車を出せと叫びます。
そして、ゾンビらしき数人をバタバタと轢いてしまいます・・。
DOTD:ゾンビたち


しばらく走行していた車を道端に停め、今見たモノはニュースに出てきているゾンビなのだろうかとジェイソン達は話し合います。家に帰りたいと皆が口々に言い出した矢先、一発の銃声が響きます。
先ほど、車でゾンビを轢いた運転手の女学生が、罪の意識からピストル自殺をはかったのです。慌てて介抱するものの、虫の息です。
とにかく病院に連れて手当てをしなければ!皆は病院に向かいます。
DOTD:病院にて


とろこが病院には人がまったくいません。
それどころか中は荒れ果て、異様な雰囲気です。それでも医者を捜そうと手分けして走り回っていると、医者らしき人を発見。
ところが・・・。
DOTD:医者ゾンビ
ゾンビでした・・。
仲間は思わず銃で撃ってしまいます。頭を狙っているところを見ると、ゾンビという定義がよくわかっているようです。すると奥からナース姿のゾンビが出てきました。


ナースの頭に電気ショック!
目玉が吹き飛び、素敵なシーンです。
DOTD:ナースゾンビ


そんな危機的状況にありながらも、ジェイソンは常にカメラ撮影に必死。
カメラを置いて、人を捜そうと言う恋人デブラの意見も聞かず、充電する姿が情けない。
DOTD:ジェイソンのワガママ


そんなジェイソンにデブラが反撃。
病院内に都合よく捨てられていたカメラを拾ってきて、ジェイソンを挑発します。
DOTD:デブラの嫌味


そんなバカなやり取りをしている間に、女学生が死亡。
その死体はしばらくするとゆっくりと動き出しました。死んだ者まで生き返るのかと学生たちは震え上がります。そんな状況を打破したのが彼らの教授。静かに引き金を引き、殺してしまいます。

射殺した姿もしっかりと撮影するジェイソンに対し、教授は・・
DOTD:教授の苦言
「君は何でも記録に残そうとする傍観者だ」と苦言を呈します。

しかしジェイソンも負けてはいません。
「映画を撮れと言ったのは、教授、あなたじゃありませんか」


そんな小競り合いの中、犠牲者は増えていきます。
DOTD:被害続出
仲間が襲われようが、しっかり撮影するジェイソンは立派な監督になれることでしょう!


一方、街中ではゾンビが少しずつですが数を増やしているようでした。
DOTD:町の状況



長い走行のため車の故障は当たり前。
皆で、工具がありそうな小屋まで車を押している間も、ジェイソンは撮影中・・。
DOTD:車の故障


小屋の持ち主は耳が不自由な老人です。
首から提げたボードで会話のやり取りをするんです。この老人がとてもキュートで素敵なんです。
DOTD:爺さん


ところが車の修理も済み、さあ老人も乗せて出発だという時に!
老人がゾンビに襲われてしまいます。その後、老人が取った行動は、ゾンビもろともツルハシで頭を貫くのです。あまりにもかわいそう過ぎる!
DOTD:爺さんの最期


道中で強盗団に襲われたりしますが、意外と彼らが良い人だったりします。
旅に必要な燃料や食料、はたまた武器まで分け与えてくれるのです。こんな状況だからこそ、協力し合うって大事なんですよね・・。
DOTD:強盗


ジェイソンは今まで撮り続けたテープの編集をしています。
デブラが心配して「あなた、家族との連絡を取っているの?」と言います。デブラにしてみれば、彼氏が家族の事より撮影を重視していることが考えられなかったのです。
DOTD:亀裂
ジェイソンにしてみれば、自分の命よりも今後生き残るであろう人々の為に記録を編集したいと熱く語るのですが、デブラはには理解できません。


アメリカで起きているこのゾンビ騒動は、東京にまで飛び火している模様。
you tubeで悲痛な面持ちで訴える日本人女性・・。
DOTD:東京


そして追い討ちをかけるかのように、デブラ宅に到着した先で見たものはデブラ家族の変わり果てた姿でした。
発狂するデブラをよそに、淡々と家族を殺していく教授が格好いいのですが・・。
DOTD:デブラの母



皆、精神的にボロボロな状態ですが、そんな彼らにつけ込む悪い傭兵たちが、ジェイソンたちの食料や武器を奪ってしまいました。国を守る軍人が民間人から略奪行為をするなんて、混乱した世界に秩序はないのでしょうか。
DOTD:傭兵


映画エキストラの友人が住む自宅に向かったジェイソンたち。
すごい豪邸で、屋敷内には監視カメラがいっぱいあります。
DOTD:安住の地
やっと安住の場所が見つかった彼ら。かなり田舎なので人(ゾンビ)が少なく、豪邸なので食料も確保されているのです。この屋敷の息子は、書斎の隠し部屋にいました。
DOTD:隠し部屋
ん、変な格好・・。

各々、部屋を与えられ、つかの間の休息といったところですが、デブラはなぜかこの友人が気になって仕方がありません。彼以外に家族が見当たらないのです。問い詰めると・・。
DOTD:告白


どうやら彼以外の人間はすべてゾンビになったようです。
デブラはこの友人の挙動に不信感を募らせます。そう、目はうつろ、会話は支離滅裂になり、歩行も困難になってきたのです。
そしてとうとうジェイソンを襲います。ゾンビになっていたのですね・・。
カメラが落ちてしまいますが、こんなうまい具合な場所に落ちるでしょうか。
DOTD:ジェイソンの危機


絶望的な状況なのに、ジェイソンはカメラを取ると、食われながら撮影をします・・。
デブラ達がゾンビを退治したのですが・・・。
DOTD:頭切断


カメラを抱いたまま絶命したジェイソン。
デブラは泣きながらジェイソンをそっと撫でます。襲われながらも必死で撮影を続けたジェイソン。
そんなジェイソンの頭に、教授は銃弾を撃ち込むのです・・。



数日後、隠し部屋に残っていたのはデブラを含めて3人でした。
あんなにいた仲間たち・・。彼らのため、いやジェイソンのためにデブラはジェイソンが遣り残した映画の編集をすることを決断します。
そんな彼らをあざ笑うかのように、屋敷の外や中にゾンビがわらわらと集まってきます。
DOTD:監視カメラ
DOTD:監視カメラ2



デブラ達は・・生き残ったのでしょうか。
DOTD:篭城





この映画はジェイソンが撮影したものを、デブラが編集、作成したようです。
撮影できたとしても、混乱した世界でどうやって編集作業ができたんだろうと不思議に思いますね。しかも親切な音声解説付きなんです
隠し部屋に閉じこもったデブラ達のその後も気になるし、どうやってこの映像が残っていたのかも謎。
ホラー映画に謎もなにもないですが、視聴者に答えを委ねる手法はロメロお得意芸ですからね。
最後のシーンは強烈でなかなか良かったですね・・。
DOTD:エピローグ


このゾンビ女に対して銃を向ける人間たち。
DOTD:エピローグ2


ドカーンッ。
DOTD:エピローグ3



この演出だけで満点をあげたいくらい。
ナイト・オブ・ザ・リビングデットの時代から描き続けてきた、人間の残酷さ。
こういうシーンは次作の「ゾンビ」にも引き継がれ、私たちに何を訴えているかのようです←そこまで深くは考えていませんが・・。
そう言えば、ジェイソンたちを襲った傭兵たちがいましたが、彼らがロメロの次回作「サバイバル・オブ・ザ・デッド」の主人公らしいです。次の作品のキャラを登場させるなんて抜け目ないなぁ。


テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

『スケルトン・キー』

スケルトン・キー
スケルトンキー
スケルトン・キーってどういう意味でしょうね。
英語がまったく駄目な私は原題からも推測できなかったので、変な固定観念なく観賞することができました。
出演しているケイト・ハドソンも美しく、アイライナーの黒い涙を流しながらの迫真の演技に、食い入るようにみてしまいました。
現代に甦った黒魔術のお話ですが、近所にこんな家があったら恐ろしいですね・・。




アメリカ南部、田舎町にある巨大な屋敷。
スケルトンキー:屋敷




この屋敷の持ち主が応募している看護士募集を見てやって来たキャロライン。
脳卒中で倒れたベンという老人の世話を任されることになりました。
スケルトンキー:ベン




愛煙家の妻ヴァイオレットは、北部出身のキャロラインに不信感を抱いています。
南部の閉鎖的な考えが色濃く残る思想。
スケルトンキー:ヴァイオレット




ヴァイオレットの依頼で看護士募集記事を載せた弁護士です。
スケルトンキー:弁護士
「南部出身者は、どうしても偏った考えがるから気にしないで」とキャロラインを慰めます。
今回は5人目の看護士応募で、今までやって来た看護士は皆早々に辞めてしまったと言います。
どうかベンを最期まで世話して欲しいとお願いされたキャロライン。


不安があるものの、看護士としての使命をまっとうしたいと思っていたので承諾しました。
これから寝食をこの広大な屋敷で過ごすことになります。


与えられた部屋に鏡がないのに気が付くキャロライン。
よく見ると、屋敷中の鏡がすべて取り外されていました。
ヴァイオレットに聞くと「すべて捨てた」との曖昧な返事です。
スケルトンキー:鏡がない


この家の持ち主であった、ある兄妹の写真が飾ってあります。
キャロラインが不意にフレームを持つと、下から別の写真が出てきました。
黒人の男女と、兄妹が一緒に写っている写真でした。
キャロラインは何故か、の黒人の男女が気になりますが、そっともとの場所に戻します。
スケルトンキー:謎の写真




ヴァイオレットから、屋敷の鍵を渡されます。
屋敷には30もの部屋があり、すべてこの鍵で開くと言うのです。
スケルトンキー:屋敷の鍵


ある日、ヴァイオレットから「階段そばにある部屋の中に花の種ががあるので取ってきて欲しい」と指示されます。例の鍵を持って部屋に入ると、さらに上に続く階段を発見。
興味に駆られたキャロラインは、そのまま屋根裏へと続く部屋に忍び込みます。

この部屋でベンが脳卒中で倒れたと事を思い出すキャロライン。
すると、部屋の奥隅から物音が聞こえます。
見てみるとドアノブがありました。そっと鍵を差し入れますが開きません。

すべての部屋が開くと言われていたのに「開かずの間」が存在していたのです。



ある夜、物音を聞いたキャロライン。
物音の先にはベンの部屋があります。慌てて飛び込むとベンの姿がありません。
まさかと窓を開けると、必死な形相で屋根をつたい逃げるベンがいます。そのままベンは落下。
ヴァイオレットを呼び、屋根から落ちたベンを助けるため、車椅子とシーツを引っ張り出したキャロライン。
そのシーツには・・。
スケルトンキー:悲痛な叫び
「助けて」



キャロラインは驚きを隠しつつ、ベンのもとに駆けつけます。
ヴァイオレットに抱き抱えられるベン。ベンの表情は、キャロラインに助けを求めているように見えたのでした。もしかすると何かを訴えているのかもしれない。喋ることも動くこともできないベンが、キャロラインに何かを伝えようとしているのです。
それも、なにか重要なことです。


看病するヴァイオレットの姿を、キャロラインは疑いの目で見つめるのでした・・。

それに例の「開かずの間」も気になる。
とうとうヴァイオレットの目を盗み、開かずの間の前に立ちます。
そして鍵穴を調べ、詰まっているのを取り除き、再び鍵を差し込むと・・・開きました。詰まってただけかい!



そこにはキャロラインが見たこともない怪しい物がいくつも置いてる異様な部屋でした。
意味不明な標本やたくさんの瓶、そして書物。ヴァイオレットが捨てたと言っていた鏡もここにはたくさんありました。
黒魔術的な事が書かれている本もあります。
スケルトンキー:護身呪文




そしてレコードもたくさんりました。
録音機がそばにありキャロラインは一枚拝借し、町に出てこっそりレコードを聴くのです。
スケルトンキー:レコード



男の声でした。
「主よ、今こそ砂塵から救ってください。この鎖からも悪魔の家からも、暗闇から私を救ってください」

何じゃこりゃ!?


屋敷とヴァイオレットへの不信感が募り、とうとうキャロラインはヴァイオレットに直談判します。
「あの屋根裏にあった部屋は何なのか?理由を教えてくれなければこの家を出て行く」とまで言い切ります。
観念したヴァイオレットは渋々ですが、屋敷について語りだします。




この屋敷は昔、銀行家の持ち物でした。
彼には召使いがおり、ジャスティファイとセシールという黒人の夫婦でした。
スケルトンキー:ジャスティファイ夫婦
魔術師として非常に優れていてた彼らは、町の人の病を治したり、密かに呪いをかけることもしていたようです。



ある日、銀行家は屋敷でパーティを開きました。
しばらくして、彼の子供たちの姿が見えないことに気が付き、客人と共に屋敷中を捜し回ります。
そしてジャスティファイが寝床にしている屋根裏部屋で子供たちを発見するのです。
スケルトンキー:召還
おお、あの部屋か!




魔方陣に囲まれた姿でした。
召使いを庇って「自分たちが頼んだ」と子供たちは訴えますが、銀行家は激怒しジャスティファイ夫婦を庭先の木に吊るし、火あぶりにしてしまいます!

この行為について、銀行家は何ら罪に問われることはありませんでした。南部の風習のせいかもしれません。
スケルトンキー:火あぶり




その後、銀行家が経営する銀行は破綻。銀行家は自殺してしまいます。
彼の子供たちは、しばらくこの屋敷に住んでいましたが金銭的な理由でヴァイオレットに屋敷を譲ったとの事です。その時には開かずの間について、何も聞かされなかったとのこと。
壮絶な話だ。



鏡が屋敷にないのは、死んだジャスティファイの姿が映るからだとヴイオレットは言います。
スケルトンキー:鏡がない理由


それは「フードゥ」という魔術であり、ベンはその呪いにかかってしまった。
フードゥについて勉強した自分は、決してベンのようにやられたりはしないとヴァイオレットは意気込むのです。

呪術をかけられたという事は、それを解く呪術も存在するということだと確信したキャロラインは、ベンを救うため、フードゥに詳しい術師のもとを訪ね道具を揃えます。
そしてベンの寝室でヴァイオレットに内緒で(キャロラインはまだヴァイオレットを信用していない)、呪文を唱えるのです。
スケルトンキー:呪いを解く


するとベンはもがき、掠れた声で「たす・・けて・・」と喋ったのです。
キャロラインは必死で問いかけます。
「誰に呪文をかけられたの?」
この時キャロラインの念頭にはヴァイオレットの事が思い浮かんだでしょう。
しかし、その答えが聞けないまま、ヴァイオレットが部屋にやって来て質問の答えや呪いを解くことも失敗に終わったのです。


ヴァイオレットはキャロラインを夕食に誘います。
ダイニングテーブルに座ってお互いを見つめ合いながらの食事です。空気が重い。
ヴァイオレットの正体がどうであろうと、キャロラインはベンを屋敷の外へ連れ出す覚悟でしたので、こっそりヴァイオレットの食事に睡眠薬を仕込んでいました。

意識を失うヴァイオレット。
その隙に、キャロラインはベンを車に乗せ脱出を図るのですが、巨大な門がいつのまにか施錠されており、脱出に失敗。ベンを一旦、物置小屋に隠すとキャロラインは外界に通じる沼をボートを使って逃げます。
背後からヴァイオレットが撃つ銃声が聞こえますが、必死で漕ぎます。あぶねー婆さんだ!


町にたどり着いたキャロラインは弁護士のもとに向かい、一連の出来事を話します。
驚く弁護士。彼の元にヴァイオレットからの電話があります。
弁護士はキャロラインの存在に気が付かないように取り繕ってくれました。
別室でキャロラインは来ていないと説明します。
一人部屋に残ったキャロラインは、弁護士の机に隠された自分の写真を見つけます。勝手に見るのが好きなんか。
スケルトンキー:隠し撮り
すべて隠し撮りでした。
震える手で引き出しを開けると、開かずの間で見た道具が出てきたのです!弁護士もグルだったのか。


ゆっくりと部屋を退散しようとしたキャロラインに、弁護士が襲いかかります。スケルトンキー:弁護士の正体


意識が遠のくキャロライン。



目を覚ますと、弁護士によって屋敷に戻されていました。
ヴァイオレットが詰め寄ります。
「ベンはどこ?彼がいないと成功しないのよ」
スケルトンキー:ヴァイオレットの正体
言葉の意味はわかりませんが、やはりヴァイオレットはブードゥを執り行うみたいですね。それはベンの命を利用した悪意ある何かなのです。
弁護士はヴァイオレットに従順でこの魔術を成功させるための従者に過ぎないようでした。


キャロラインはベンがいる物置小屋のことを伝え、反撃に出ます。←言ったらアカンのでは?
血だらけになったヴァイオレットに絶叫する弁護士。
スケルトンキー:反撃




屋根裏部屋に急いだキャロライン。
この呪いを解く護身用呪文の本があったことを思い出したからです。
それをもとに魔方陣を作り上げていくキャロラインですが、這ってきたヴァイオレットが詰め寄ります。
スケルトンキー:護身の魔方陣


ヴァイオレットは言います。
「あなたもフードゥを信じるでしょ?」
魔方陣の中でキャロラインは叫びます。
「信じない!そんなものは絶対に信じない!」

部屋にあった巨大な鏡をヴァイオレットが見せます。
「ほら・・・見えるでしょ?」

そこにはジャスティファイの妻、セシールの姿が映っていました。恐怖におののくキャロライン。間違ってたのね。呪術は失敗です。

「その魔方陣はね、自分が結界から出られないものなのよ。あなたはもう逃げられないの」

ヴァイオレットはそう言い放つと、鏡をキャロラインに投げつけます。
鏡が当たった衝撃で、キャロラインは意識を失います・・・。


ネタバレ↓



意識を戻したキャロラインはゆっくりと起き上がります。
そして、吸わなかったタバコに手を伸ばします。
弁護士が背後から近づき、そっと寄り添います。
スケルトンキー:入れ替え
「成功できてよかったわ」

「最近は、風習や魔術を信じる人間が少ないから大変だな」

「私、黒人がよかったのに・・・」

「仕方がないさ、黒人はブードゥの意味を知っているからね。難しいよ」


そう、彼らには別の人格が宿ったのです。
弁護士にはジャスティファイ、キャロラインにはセシールの霊が乗り移ったのです。


足元に転がるヴァイオレットは・・・そう・・。
キャロラインなのです。


救急車が呼ばれ、脳卒中の状態で口が利けなくなったキャロライン(姿はヴァイオレット)と、ベンは互いに見つめ合うのでした・・。
スケルトンキー:キャロラインの成れの果て
スケルトンキー:ベンの成れの果て

★★★★★★★
大どんでん返しでしたね!
ヴァイオレットの謎がここまでとは(笑)
セシールの霊が乗り移っていたということは、ヴァイオレットも被害者だったんだなぁ。
ベンから弁護士に鞍替えしたジャスティファイの手引きで、キャロラインが犠牲になってしまったという何とも後味の悪い、けどストーリーがしっかりとあった映画でした。
ジャスティファイ夫婦はこうやって、次々に自分たちが入る「母体」を捜していたのですね。
30もある部屋についてもう少し描ければ、「スケルトン・キー」という題名に深みが出たのに残念でしたねぇ。
結局、屋根裏部屋に通じる鍵も、同一の鍵だったのは捻りが弱かったように思います。
それでも面白かった!
最近は、血や内臓ばかりのストーリー皆無なホラー映画ばかりを観賞していたので、お腹一杯で満足です

テーマ : ホラー映画
ジャンル : 映画

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