『ゾンゲリア』
1980年代は、ゾンビ映画最盛期でした。
良くも悪くもゾンビが溢れ返った時代。
ゴア描写はユルいけど、精神的にグッとくる作品が多かったですよね。
ゾンゲリア 原題:DEAD&BURIED
何という邦題でしょう。
多分ですが、この当時ヒットした「ゾンビ」と「サンゲリア」を合体させたネーミングでしょうが、あまりにも適当すぎます。それでも内容自体はそこそこ頑張っていましたよ。
ゾンビが人を食う話とはちょっと違う、自分が経験すると嫌な話です。
男性カメラマンが休暇を利用して、ある田舎町にやって来ます。
浜辺でパチパチと撮影していると、こちらを見ている美女が。
田舎町の娘にしては色っぽい。
カメラマンはつい下心丸見えで、美女の甘い誘惑に乗ってしまいますが・・。
気が付けば、謎の集団に襲われ火だるまにされてしまいます。
いきなりのシーンに思わず引き込まれます。
夜になり、一台の車が横転しているのが見つかり、中から焼死体が発見されました。冒頭に登場した男のようです。どうして車の中にいるのでしょうか。
警察や検視官が到着し、さっそく死体に近づいてみると・・。
口が開いた!
いきなりの出来事で、ビクッとなりました、私
なんとこの男、焼け焦げているのに一命を取り留めたのです。凄い生命力です。
事件なんで滅多に起きない田舎町。
保安官のダンは、この不思議な事件に魅入られますが、焼死体の男の正体すらわかりません。
ヤキモキしている間にも、第二の犠牲者が出たとの連絡が入ります。
酔っ払いの男が顔面をズタズタに引き裂かれて殺されていたのです。
検視官であり葬儀屋であるドップスも、この奇妙な事件に興味深々であります。
ただ、このドップスは事件よりも死体を修復する事が大好きなようです。死体が見つかるたび(しかも損傷が激しければなお嬉しい)、嬉々として死体を修復してしまうのです。
保安官ダンには美しい妻、ジャネットがいます。
小学校の教諭であり、ダンのよき理解者でもあります。
ところが、このジャネットがホテルで男と会っていたという目撃情報があり、ダンの心は晴れません。貞淑な妻が他に男を作っているのか?
しかもホテルで会っていた男というのは、あの火だるまになった男だということも判明しました。
妻は「男性とは会ったけど、彼は小学校に来た営業マンよ」と一蹴するのです。ダンは必死で妻を信じようとします。
ダンは意識が回復した火だるま男の元に向かいます。
いったい、誰がこんな事をしたのか。そして自分の妻とホテルで何をしていたのかを聞き出す為です。
ところが医者に「会話は無理だ」と面会を拒絶されます。
仕方なく廊下で医者と話し込むダン。
その隙に・・美しいナースがそっと病室に潜り込みます。
ナースの姿を見て驚愕する火だるま包帯男。なぜなら、ナースは自分を焼き殺そうとした浜辺の娘だったからです。娘はおもむろに注射器を取り出すと・・。
ゾンゲリア名物の「目玉注射器シーン」。
きっと「サンゲリア」に登場する木片目玉串刺しシーンから便乗して、ゾンゲリアという作品名になったんでしょうが、サンゲリアに劣らず、こちらも凄いシーンです。
敢え無く火だるま包帯男は死亡。
ダンは悔しがります。廊下にいたのに何をしていたんだよ、ダン!
ダンが犯人探しに躍起になっている間にも、続々と被害者が出てしまいます。
今度は家族3人が犠牲に・・。
こんな風にノロノロと謎の集団は襲ってきます。
ただ、ゾンビのように人を食うわけではなく、直接的な打撃(しかも顔中心)での襲撃です。
ダン、もう混乱気味の中、またもや犠牲者が・・。
若い女性が顔を潰されて殺されてしまいます。
こんな風に
検視官、ドップスは早速彼女の顔を修復します。
そして美しくなった姿に満足のドップス。その場を去ります。
すると・・死体が起き上がり・・。
ダンの知らない所で、どんどんと何かが進んでいるようです。しかしようやく光明の兆しが。
ダンはある夜、パトロール中に人をはねてしまいます。ダンが近寄ると、轢いた男の腕がありません。ギョッとすると、男はそのまま車のフロントに付いた腕をひったくると逃げてしまいました。
あまりの事に唖然とするダンですが、車に付いていた肉片を医者に見せるのです。
返って来た答えは「この肉片は死後、3~4ヶ月のものだ」という、とんでもないものだったのです。
そんなダンをサポートする医者もついに殺されます。
鼻から硫酸を入れられるという珍事・・。
死体と言えば、最初の犠牲者「火だるま男」の死体ももしかしたらと、ダンの鋭い勘が光り、墓場を掘り返してみます。すると死体は無く、代わりにドクドクッと動く心臓だけが入っていました。
葬儀屋のドップスに理由を聞かなくてはなりません。本部に問い合わせてみると、実はドップスは著名な医者であったが、ある罪で逃亡しているとのこと。
ドップスの、死体に対しての並々ならぬ執着心に疑問を抱いたダンですが、それと同時に妻の秘密も知ることになります。妻から頼まれていたビデオカメラの現像。いけないと思いつつ、ダンは自宅で上映してしまいます。
そこに写っていたのは、ベッドで愛し合う男女の姿。
すると女性はおもむろにナイフで男性を刺し殺します。なんと女性は妻、ジャネットでした!
それだけならまだしも、妻の横に立っていたのは・・
謎の葬儀屋、ドッブスです。
怒りに身を任せ、ダンはドッブスのもとへ向かいます。
妻をどうしてくれると、ダンは詰め寄ります。
ダンがやって来ることを予知していたかのように、ドッブスは話し出します。この町にいる者はせいぜい数週間しかもたない。だが、ダンの妻ジャネットは相当気に入っており、不安と性と愛を与えていると。
ダンは彼が何を言っているのか理解できません。
そんな彼の元にジャネットがやって来ます。
ダンは妻に駆け寄りますが、触れた頬は無残にも崩れてしまい、悲鳴をあげるダン。
ジャネットは「今日の晩御飯はどうする?」などと、見当違いの事を言い出します。つまりは、ジャネットはドッブスの手によって蘇ったゾンビだったのです。
ジャネットは不慮の事故で帰らぬ人となりました。ダンはそれを信じることができません。
信じなくても信じられると、ドッブスがある映像を見せます。
それは先ほどジャネットが殺人を犯すテープでした。ナイフを振り下ろし、ゴロッと転がる死体。
それは・・。
ダンでした。
震える手で顔を覆うダン・・。
その手は・・。
小さな田舎町で起こった殺人事件の話が、実は町全体どころか、妻や果ては自分までがゾンビだったという、凄いオチの映画でした。若かりし仲代達矢似の主人公ダンが、不幸なまでに振り回されるのがかわいそうです。
勘の鋭い方は、冒頭の犠牲者を殺害する面々が町の人々だと気が付けば、ストーリーは自ずと見えてくるかと思います。ゾンビが人を食う話とは違う次元のゾンビ映画ですが、ゾンビになった苦悩を見事に描いていたので、怖くはないですが、退屈もしませんでした。
予告編を載せてますが、画面が暗くて何が起きているのかわからない(笑)
ホラーが苦手な人も安心して閲覧できますね。
良くも悪くもゾンビが溢れ返った時代。
ゴア描写はユルいけど、精神的にグッとくる作品が多かったですよね。
ゾンゲリア 原題:DEAD&BURIED
何という邦題でしょう。
多分ですが、この当時ヒットした「ゾンビ」と「サンゲリア」を合体させたネーミングでしょうが、あまりにも適当すぎます。それでも内容自体はそこそこ頑張っていましたよ。
ゾンビが人を食う話とはちょっと違う、自分が経験すると嫌な話です。
男性カメラマンが休暇を利用して、ある田舎町にやって来ます。
浜辺でパチパチと撮影していると、こちらを見ている美女が。
田舎町の娘にしては色っぽい。
カメラマンはつい下心丸見えで、美女の甘い誘惑に乗ってしまいますが・・。
気が付けば、謎の集団に襲われ火だるまにされてしまいます。
いきなりのシーンに思わず引き込まれます。
夜になり、一台の車が横転しているのが見つかり、中から焼死体が発見されました。冒頭に登場した男のようです。どうして車の中にいるのでしょうか。
警察や検視官が到着し、さっそく死体に近づいてみると・・。
口が開いた!
いきなりの出来事で、ビクッとなりました、私
なんとこの男、焼け焦げているのに一命を取り留めたのです。凄い生命力です。
事件なんで滅多に起きない田舎町。
保安官のダンは、この不思議な事件に魅入られますが、焼死体の男の正体すらわかりません。
ヤキモキしている間にも、第二の犠牲者が出たとの連絡が入ります。
酔っ払いの男が顔面をズタズタに引き裂かれて殺されていたのです。
検視官であり葬儀屋であるドップスも、この奇妙な事件に興味深々であります。
ただ、このドップスは事件よりも死体を修復する事が大好きなようです。死体が見つかるたび(しかも損傷が激しければなお嬉しい)、嬉々として死体を修復してしまうのです。
保安官ダンには美しい妻、ジャネットがいます。
小学校の教諭であり、ダンのよき理解者でもあります。
ところが、このジャネットがホテルで男と会っていたという目撃情報があり、ダンの心は晴れません。貞淑な妻が他に男を作っているのか?
しかもホテルで会っていた男というのは、あの火だるまになった男だということも判明しました。
妻は「男性とは会ったけど、彼は小学校に来た営業マンよ」と一蹴するのです。ダンは必死で妻を信じようとします。
ダンは意識が回復した火だるま男の元に向かいます。
いったい、誰がこんな事をしたのか。そして自分の妻とホテルで何をしていたのかを聞き出す為です。
ところが医者に「会話は無理だ」と面会を拒絶されます。
仕方なく廊下で医者と話し込むダン。
その隙に・・美しいナースがそっと病室に潜り込みます。
ナースの姿を見て驚愕する火だるま包帯男。なぜなら、ナースは自分を焼き殺そうとした浜辺の娘だったからです。娘はおもむろに注射器を取り出すと・・。
ゾンゲリア名物の「目玉注射器シーン」。
きっと「サンゲリア」に登場する木片目玉串刺しシーンから便乗して、ゾンゲリアという作品名になったんでしょうが、サンゲリアに劣らず、こちらも凄いシーンです。
敢え無く火だるま包帯男は死亡。
ダンは悔しがります。廊下にいたのに何をしていたんだよ、ダン!
ダンが犯人探しに躍起になっている間にも、続々と被害者が出てしまいます。
今度は家族3人が犠牲に・・。
こんな風にノロノロと謎の集団は襲ってきます。
ただ、ゾンビのように人を食うわけではなく、直接的な打撃(しかも顔中心)での襲撃です。
ダン、もう混乱気味の中、またもや犠牲者が・・。
若い女性が顔を潰されて殺されてしまいます。
こんな風に
検視官、ドップスは早速彼女の顔を修復します。
そして美しくなった姿に満足のドップス。その場を去ります。
すると・・死体が起き上がり・・。
ダンの知らない所で、どんどんと何かが進んでいるようです。しかしようやく光明の兆しが。
ダンはある夜、パトロール中に人をはねてしまいます。ダンが近寄ると、轢いた男の腕がありません。ギョッとすると、男はそのまま車のフロントに付いた腕をひったくると逃げてしまいました。
あまりの事に唖然とするダンですが、車に付いていた肉片を医者に見せるのです。
返って来た答えは「この肉片は死後、3~4ヶ月のものだ」という、とんでもないものだったのです。
そんなダンをサポートする医者もついに殺されます。
鼻から硫酸を入れられるという珍事・・。
死体と言えば、最初の犠牲者「火だるま男」の死体ももしかしたらと、ダンの鋭い勘が光り、墓場を掘り返してみます。すると死体は無く、代わりにドクドクッと動く心臓だけが入っていました。
葬儀屋のドップスに理由を聞かなくてはなりません。本部に問い合わせてみると、実はドップスは著名な医者であったが、ある罪で逃亡しているとのこと。
ドップスの、死体に対しての並々ならぬ執着心に疑問を抱いたダンですが、それと同時に妻の秘密も知ることになります。妻から頼まれていたビデオカメラの現像。いけないと思いつつ、ダンは自宅で上映してしまいます。
そこに写っていたのは、ベッドで愛し合う男女の姿。
すると女性はおもむろにナイフで男性を刺し殺します。なんと女性は妻、ジャネットでした!
それだけならまだしも、妻の横に立っていたのは・・
謎の葬儀屋、ドッブスです。
怒りに身を任せ、ダンはドッブスのもとへ向かいます。
妻をどうしてくれると、ダンは詰め寄ります。
ダンがやって来ることを予知していたかのように、ドッブスは話し出します。この町にいる者はせいぜい数週間しかもたない。だが、ダンの妻ジャネットは相当気に入っており、不安と性と愛を与えていると。
ダンは彼が何を言っているのか理解できません。
そんな彼の元にジャネットがやって来ます。
ダンは妻に駆け寄りますが、触れた頬は無残にも崩れてしまい、悲鳴をあげるダン。
ジャネットは「今日の晩御飯はどうする?」などと、見当違いの事を言い出します。つまりは、ジャネットはドッブスの手によって蘇ったゾンビだったのです。
ジャネットは不慮の事故で帰らぬ人となりました。ダンはそれを信じることができません。
信じなくても信じられると、ドッブスがある映像を見せます。
それは先ほどジャネットが殺人を犯すテープでした。ナイフを振り下ろし、ゴロッと転がる死体。
それは・・。
ダンでした。
震える手で顔を覆うダン・・。
その手は・・。
小さな田舎町で起こった殺人事件の話が、実は町全体どころか、妻や果ては自分までがゾンビだったという、凄いオチの映画でした。若かりし仲代達矢似の主人公ダンが、不幸なまでに振り回されるのがかわいそうです。
勘の鋭い方は、冒頭の犠牲者を殺害する面々が町の人々だと気が付けば、ストーリーは自ずと見えてくるかと思います。ゾンビが人を食う話とは違う次元のゾンビ映画ですが、ゾンビになった苦悩を見事に描いていたので、怖くはないですが、退屈もしませんでした。
予告編を載せてますが、画面が暗くて何が起きているのかわからない(笑)
ホラーが苦手な人も安心して閲覧できますね。