1月1日に発生した、石川県能登地方を震源とする最大震度7の地震から、8か月が経ちました。
被災地では、これまでに325のNPO等の支援団体が現地で活動しています(JVOADが把握している団体数)。
避難所や避難者の数は減少していますが、仮設住宅の建設はまだ続いており、避難所はもうしばらく継続されることが予想されています。輪島市では、PBVが避難所の集約作業や運営、生活環境の改善に携わっています。
また、被災地では、公的な支援を受けていない人を対象に訪問調査を行い、制度につなげる支援に取り組んでいる団体もあります。
JVOADは石川県に2名のスタッフを派遣し、石川県の被災高齢者等把握事業における在宅避難者調査、地域の絆を深め支え合い安心して暮らせる地域づくりを目指す「地域コミュニティ再建事業」、県の物資を現地で活動する支援も継続して行っています。
また、全国の災害中間支援組織の協力を得て現地支援を継続するとともに、支援状況や現場の課題・ニーズを行政に情報提供し、官民の連携を強化しています。
石川県及び地元企業とのコミュニティ支援に関する定例会の様子
《 概況 》
■ 住家被害状況
石川県は9月3日(火)、能登半島地震による住家被害が84,005棟になったと発表し、この数字は7月末から大幅に減少しました。輪島市、珠洲市、穴水町の3市町は、罹災証明書の迅速な発行のため、住家と非住家を区別せずに被害状況を計上していましたが、調査が進み、区別できるようになったため、数字が修正されました。
■ 避難所
8月28日(水)の新聞に、一次避難所が原則9月末で閉鎖されるとの記事が掲載されており、県の意向を確認するため、県庁と打ち合わせを行いました。その結果、避難が必要な世帯は引き続き滞在できる措置は取られ、9月末というのは、あくまでも目安であるということが確認されました。
■ 災害廃棄物
NPOの訪問調査により、倒壊家屋の所有者が被災地にいないケースが判明しました。この場合どうなるのか環境省に確認したところ、所有者が被災地にいない場合は、遠隔で被災証明を取り、公費解体の手続きを進めるという手順になるとの回答を得ました。
輪島市における避難所集約に向けたゾーニング
《 今後の課題とJVOADの取り組み 》
■ 石川県の被災高齢者等把握事業における在宅避難者の実態調査
当該事業は7月末に終了しました。事業の実施にあたっては、過去の大規模災害での活動実績が豊富な7つの災害支援団体と連携し、延べ約4,000人のボランティアやケアマネジャーが在宅避難者を訪問しました。約15,000人の在宅避難者の状況を把握し、次に行われる被災者見守り相談支援事業への引継ぎを行いました。
■ 支え合い安心して暮らせる地域づくりを目指す「地域コミュニティ再建事業」
JVOADは、県の要請を受け、被災者の孤立・引きこもりを防ぎ、被災者同士の対話・交流を促し、地域の絆を深め、支え合い安心して暮らせる地域づくりを目指す「地域コミュニティ再建事業」を受託しました。当該事業では、各市町を訪問し、市町が実施してほしい活動を確認し、実際のコミュニティ支援活動を働きかけています。コミュニティ支援にあたっては、各市町の行政や地域支え合いセンターと意見交換を行っています。
■ 災害中間支援組織の設置に向けて
石川県の災害中間支援組織をどうするかについては、石川県の関係部署と協議していく予定です。元々、石川県と交わした協定には、災害支援ネットワークの検討も含まれています。災害がなければ、災害中間支援組織の役割や機能を石川県がイメージすることは難しいものでしたが、災害を通じてその必要性が共有されたので、設置に向けて議論を進めていきたいです。
引き続き、ご支援・ご協力をお願いいたします。