きのう、NHK総合の「篤姫」が終わった時間帯から、教育テレビで加藤周一さんを偲ぶ番組が放映された。
『偲ぶ』番組と言っても、彼を知る人々が集まって人柄や業績を偲ぶと言うものではなく、【1968年】を語るロングインタビューでした。

最初、番組の予告編を見た時点では、1968年の諸事件について、その当時のインタビュー番組を再編集して再放送するものかと思っていましたが、そうではなく、今年収録した当に
“Last Message !”と言うにふさわしいものでした。
加藤さんの話のキーワードは、「言葉と戦車」
1968年のチェコ・スロヴァキアでドプチェク共産党第一書記が始めた「プラハの春」と称された『人間の顔をした社会主義』への改革運動とそれを武力侵略・弾圧したソ連軍との関係を中心に話を展開された。
特に、戦車を先頭に武力侵略してきたソ連軍に対して、武装闘争ではなく、戦車上の同世代の若いソ連兵に話しかけるチョコの学生たちの活動に着目して、それが「言葉と戦車」との表現に集約されています。
加藤さんは、チェコの社会主義の民主的な発展に期待していただけに、ソ連の介入と弾圧を目の当たりにして社会主義が自ら墓穴を掘ったように感じたようです。
感銘を受ける話が多かったのですが、さすがに今年(2008年)の猛暑の夏のことでもあり、言葉の重さに比べると声に勢いはありませんでした。
「9条の会」の呼びかけ人になって、働きかけを行っていることは、最後の方に紹介されましたが、極短い扱いでした。
番組では、「評論家・加藤周一」と紹介されていますが
私の捉え方では、「思想家・加藤周一」 だと思います。
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NHKの番組ページ によると、以下の通り。
ETV特集
「加藤周一 1968年を語る~“言葉と戦車”ふたたび~」
チャンネル :教育/デジタル教育1 /ジャンル :ドキュメンタリー/
放送日 :2008年12月14日(日) / 放送時間 :午後10:00~午後11:30(90分)
2008年12月5日、評論家の加藤周一さんが89歳で亡くなった。加藤さんは夏、病をおしてインタビューに応じた。テーマは1968年。その年、加藤さんは五月革命に揺れるパリでサルトルと議論し、プラハの春を推し進める市民に接する。その体験は著作「言葉と戦車」にまとめられ、権力と言論の問題を考えていく。そして今、68年と同様に「閉塞(へいそく)感」が社会に広がる中、あの年が私たちに問いかけるものとは?
【NHK の番組紹介ページ】 より引用
12月5日、評論家の加藤周一さんが89歳でなくなった。
幅広い知見、国際的な視野から日本文化を見つめ直す評論活動を展開。人間の自由について考え続けた戦後民主主義を代表する知識人であった。
その加藤さんが入院直前の今年夏、「どうしても語りたいことがある」と病をおして、2日間インタビューに応じた。そのテーマは1968年であった。
今からちょうど40年前の1968年。激動が全世界を覆った。チェコの民主化運動「プラハの春」で幕を開け、パリ五月革命、シカゴ暴動、東大安田講堂の封鎖など、若者たちによる異議申し立てが世界中に広がった。
加藤さんは、60年代後半、教鞭(べん)をとっていたカナダやアメリカの大学で、社会に不満を募らせていく若者たちを目の当たりにしていた。そして1968年、五月革命に揺れるパリでサルトルと議論を交わし、東欧では、自由な空気に酔うチェコスロバキアの市民たちに接する。しかし、その直後、ソ連の戦車がプラハに侵入。救援を訴えるアナウンサーの姿を地下放送で見て衝撃を受けたという。その体験は著作「言葉と戦車」にまとめられ、権力とそれに対峙する言論の問題を考え抜くことになる。
そして、今、アメリカでは「60年代に崩壊した道徳と秩序の回復」を重要な政策に掲げたブッシュに代わり、「Change!」を訴えるオバマが初の黒人大統領に当選・・・。加藤さんはそこにパリ5月革命と同様、変革を求める人々の声を聞いた。そして日本には68年と同様に「閉塞感」が社会に広がり、これに不満を抱く若者たちの姿があった。
「1968年、社会を覆っていた閉塞感は、20世紀から21世紀に積み残されている」と加藤さんは言う。
1968年、世界の若者たちはなぜ反抗したのか?
世界が未曾有の恐慌におびえる今、あの年の問いかけが私たちに問いかけるものとは…
番組では、「プラハの春」を中心に加藤周一さんの見た1968年を再構成。
評論家・加藤周一が、“68年”を通して今に遺(のこ)したラストメッセージを伝える。
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