2021年7月18日(日) おととい7月16日にテレビで放映された金曜ロードショー 「サマーウォーズ」(2009年作品)の続編である細田守監督の新作アニメ映画【竜とそばかすの姫】 を きのう7月17日(土)にトリアス久山ユナイテッドシネマで見ました! 12年後に制作された続編ですが、仮想電脳空間がリアルワールドに 反映するという視点は同じです。 「サマーウォーズ」での電脳世界は『OZ』と称していて、あの 『オズの魔法使い』にヒントを得た仮想空間でした。 そこでは、アバターを自らの容姿や能力に関係なく選べて衣類や装飾品 などのパーツも選定して作成し、そのアバターが仮想空間で行動する訳。 一方、【竜とそばかすの姫】の仮想空間『U』では、個々人の身体情報を AI (Artificial Intelligence:人工知能)が、耳に挿入したイヤフォン型端末から 読み取り、3Dのアバターを自動的に創出すると云う発展型。 その仮想空間の名称『U』は、おそらく全作『OZ』の『O』と『Z』の中間を 取ったのだと想像します。 『OPQRST(U)VWXYZ』 そして、前作 「サマーウォーズ」が『オズの魔法使い』にちなんでいるように 本作【竜とそばかすの姫】では、『美女と野獣』がベースになっています。 『竜』は映画の中では「Beast」と呼ばれ、『そばかすの姫』は「Belle」 と呼ばれています。 これは『美女と野獣』の原題が『Beauty and the Beast』 であり主人公の名前が「Belle」であることからも明瞭です。 本作で『竜』が『自警団』のような私的警察官達に攻撃されるシーンは 『美女と野獣』で『野獣』がオオカミの集団に襲われ傷付く場面に 酷似していました。 竜の城たる御殿の雰囲気も『美女と野獣』の野獣の城に似ていて。 仮想空間での【竜とそばかすの姫】の関係も『美女と野獣』の関係に 極めて近いものになっています。 細田守監督が『美女と野獣』への敬意をもったオマージュとしているようです。 細田守監督の【バケモノの子】が劇団四季でミュージカル化され 2022年に上演される予定であることも含め、劇団四季のミュージカル 【美女と野獣】や『オズの魔法使い』をベースにした【WiCKED】との 関連を感じさせる新作アニメでした。 しかし、AIが支配する電脳空間の危険性や不安定さは前作「サマーウォーズ」 の方がよりリアルに描かれているように思えました。【竜とそばかすの姫】公式サイト VIDEO 『竜とそばかすの姫』予告1【2021年7月16日(金)公開】VIDEO 『竜とそばかすの姫』予告2【2021年7月16日(金)公開】 **********映画.comなどの作品紹介から 「サマーウォーズ」「未来のミライ」の細田守監督が、超巨大インターネット空間の仮想世界を舞台に少女の成長を描いたオリジナル長編アニメーション。 高知県の自然豊かな田舎町。 17歳の女子高生すずは幼い頃に母を事故で亡くし、父と2人で暮らしている。 母と一緒に歌うことが大好きだった彼女は、母の死をきっかけに歌うことができなくなり、現実の世界に心を閉ざすようになっていた。 ある日、友人に誘われ全世界で50億人以上が集う仮想世界「U(ユー)」に参加することになったすずは、「ベル」というアバターで「U」の世界に足を踏み入れる。 もうひとりの自分。 もうひとつの現実。 もう、世界はひとりひとつじゃない。 仮想世界では自然と歌うことができ、自作の歌を披露するうちにベルは世界中から注目される存在となっていく。そんな彼女の前に、 「U」の世界で恐れられている竜の姿をした謎の存在が現れる。 主人公すず/ベル役はシンガーソングライターとして活動する中村佳穂が務め、劇中歌の歌唱や一部作詞等も務めた。謎の存在「竜」の声は佐藤健が務めた。 ベルのデザインを「アナと雪の女王」のジン・キムが担当するなど、海外のクリエイターも参加している。 ************** 2021年製作/121分/G/日本 配給:東宝 ************** 原作・脚本・監督:細田守 企画・制作:スタジオ地図 【声の出演】 すず/ベル:中村佳穂 竜:佐藤健 しのぶくん(久武忍):成田凌 カミシン(千頭慎次郎):染谷将太 ルカちゃん(渡辺瑠果):玉城ティナ ヒロちゃん(別役弘香):幾田りら ジャスティン:森川智之 イェリネク:津田健次郎 スワン:小山茉美 ひとかわむい太郎・ぐっとこらえ丸:宮野真守 吉谷さん:森山良子 喜多さん:清水ミチコ 奥本さん:坂本冬美 中井さん:岩崎良美 畑中さん:中尾幸世 すずの父親:役所広司:
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