ラノベ 神様のメモ帳 感想
神様のメモ帳 (電撃文庫) (2007/01/06) 杉井 光 商品詳細を見る |
さよならピアノソナタで杉井光さんに注目したので,過去作品を読んでみました。
登場人物はニートとニート予備軍とニート探偵。
ドラッグを巡る事件に巻き込まれてゆくことに・・・
出だしといいなんだか文体が村上春樹風でした。言葉も引用されていました。
ドラッグやヤクザのような人たちが出てくるし,メインヒロインであると思われた同級生がとんでもないことになるし,暗くて重い話です。こんな内容だとこれもアニメ化は難しいのでは。
エンジェル・フィックスというドラッグが街に出回ることによって,事件が起き,主人公はニート探偵であるアリスとの出会いを通して巻き込まれていくことになります。
扱っている題材や登場人物がニートやヤクザたちなので,さよならピアノソナタのようなさわやかな青春ものではないですが,これはこれで面白いです。
ニート探偵というネットで情報を集めて問題を解決していこうとするスタイルは面白いです。
続きも読んでゆきます。
作品を理解する点で助けになることを幾つか。
作中に出てくる曲,ボブ・ディランの「ノッキング・オン・ヘンブンズドア」「天国の扉」ですが,ディランの代表曲の一つです。某漫画でも有名です。死にゆくガンマンのことが歌われていますが歌詞は難解で解釈についてはいろいろと語られています。ドラッグの死のイメージ,扉を開けて新しい世界にという意味で使われている感じです。
ナルミの着メロの「コロラド・ブルドッグ」。これはアメリカのHRバンド,MR.Bigの曲です。
犬が吠え声で始まる曲です。この曲でのビリー・シーンのベースワークは凄いものが。この曲を着メロで使ったら注目を浴びると思います。
NEET探偵事務所の扉にある It's the only NEET thing to do.
ですがNEETを粋なと訳しています。ニートにはよく知られている意味意外にも,粋なとかキザなとかこざっぱりとしたという意味があります。性格にはNeatですが読みはニートです。わたしは海外ドラマのフレンズで知りました。他にもウイスキーをストレートでという意味もあり,それをかけたジョークが使われていました。ただのニートではないということではないでしょうか。
アリスが墓見坂に語る神様のメモ帳とそこに書かれている14万4千人の名前。
これは聖書の巻末の書,啓示の書にでてきます。
啓示14章に出てきますが,14万4千人の人たちは天で神と共になる人たちで,その名前は巻物に書かれています。ドラッグによってその神から選ばれた特別な者になれる,天国の扉を通って天に行けると考えていたのではないでしょうか。
さよならピアノソナタの主人公と同じくヘタレ&鈍感ですが,神様のメモ帳では頑張るところ,体張るところも見せてくれます。一般受けしない内容だとは思うのですが,読み応えがある面白い作品です。
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