海外ドラマ クリミナル・マインド 第14話 「死刑へのカウントダウン」 感想
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クリミナル・マインド大変面白いのですが,素晴らしい回があったので感想です。TVで放送するのがもったいないというか,映画にしてもいいぐらいのレベルです。
扱っているテーマが死刑執行間近の囚人と非常に重い内容なのですが,そこに込められている捜査官の信念,決断,母の思い,犯罪の悲劇など様々なテーマが込められています。泣けます。放送されたときアメリカでは相当な反響があったのではないでしょうか。
簡単にクリミナル・マインドを説明すると,FBIの行動分析課(BAU)のチームの話です。
各地の警察からの依頼を受けて現場に行き,容疑者をプロファイリングし,犯罪者の心を分析します。
このプロファイリングによって,犯人の人種,年齢,背景,立場などがわかるので,容疑者を絞り込むことができ,速やかな犯人逮捕につなげることができるわけです。
しかし,この回はいつもとは違い,死刑執行間近の囚人がターゲットです。
深く感動したのではじめての海外ドラマの感想です。
以下ネタバレになります。DVDがレンタルで出ていると思うので続きを読むことよりも,作品を見ることをお勧めします。
冒頭で主役の捜査官であるギデオンが無伴奏チェロ組曲を聴いて涙しています。しかし同時にその演奏を微笑んで見守っています。
最後まで見るとこの涙と微笑みの意味がわかります。
2回目に見たときには,このシーンを見ただけで涙でした。
死刑執行が迫っているのはジェイコブとサラの夫婦。彼らは連続殺人犯夫婦で,12人の少女と実の息子を殺したことで死刑判決を受けています。
サラは最後のお願いとして,今日は満月なので月を見せて欲しいと所長にお願いしますが,規則に反するのでできないと断られます。
死体が見つかっているのは12人ですが,もっと犯罪を犯しているようなので,BAUはそのことを探ろうと彼らに面会します。
死刑までの残り時間は35時間です。
少女が連続して失踪する事件が起き,匿名の電話によってジェイコブが容疑者としてあがり,警察が訪問します。
3時間後に捜査令状を持って家宅捜査すると,息子のライリーの姿がなく,ジェイコブの作業場の地下から12人の少女のバラバラ死体が掘り出されます。
サラは息子殺しは認めますが,少女たちの殺害に加わったとは言っていません。
ジェイコブはサラも共犯であると主張していますが,サラは否定も肯定もしていません。
このジェイコブはとんでもない奴です。少女たちを拷問して殺し,回転のこぎりで死体を切断して肢体を埋めています。作業場の地下には12人分のスペースしかないので他の場所にも死体を隠しているのではとBAUは考えています。
でもジェイコブは幼少期に虐待を受けていて,それが原因で犯罪になったとも言えます。この辺にアメリカの社会が抱えている問題が表われています。
サラは死刑執行前に母親に手紙を書き送っていました。
それを読むと,サラは直接手を下したのではなく,ジェイコブが女の子を作業場に連れ込んでいることは知っていても殺していることを知らなかったのです。母親として女として務めを怠ったゆえに少女たちが死んだので,そのことを悔いているので罪悪感と後悔の念から罪を受けようとしています。
ギデオンはサラが描いた絵から真相を探り出そうとします。
絵に描かれているのは息子のライリーです。
ギデオンは息子の話をしますが,サラはその話題を避けようとします。
サラはジェイコブを恐れているゆえに,何かを隠しています。
ギデオンはライリーをジェイコブから守るために殺したのではと考えます。
サラも大事なのはあの子が安全かどうか,より良い場所にいることだと語ります。
この辺にサラの深い決意が表われています。
一方,ジェイコブから話を聞いていたホッチはポーカーで勝ったら,他の死体のことを話すというので勝負し,勝ちます。しかし,ジェイコブは他に死体はないと。
ここで,サラは息子を殺していないので釈放されることになったと揺さぶりをかけます。
すると,ジェイコブは息子の死体の場所を教えてやると。
ジェイコブはサラを支配しています。自分だけが死ぬのではなくサラも巻き込もうと。
しかし見つかった死体は少女のものでライリーではありません。ここで残り時間は8時間です。
ホッチは執拗にジェイコブに迫ります。
ちなみにホッチは8話で自分も虐待を受けていたことを,幼少期に虐待を受けていて,成長して虐待する側になった犯罪者に対して語っています。
犯人は虐待されて育ったものは殺人者になると,しかし,犯罪者にならないものもいるとホッチ。犯罪者にならないなら何になるんだという問いに,ホッチは逮捕する側になると。
そういう背景もあってジェイコブのような奴は特に許せないのだと思います。
ギデオンはサラが描いた絵が出エジプト記の幼少の時のモーセを表わしていることに気づきます。
エジプトのファラオは奴隷であったイスラエル人を恐れて,生まれた男の子をすべて殺すように布告を出します。しかしモーセの母はあまりにも可愛いので殺すことができず,かごに入れてナイル川に流します。モーセが生き延びたように,もう一つの絵に描かれているのは成長して自由なライリーだと。
ギデオンはライリーが生きていると確信し,その居場所をサラに尋ねます。
サラは答えません。
ギデオンはライリーを見つければ,サラを救えると探します。
サラは2度目に警察が来るまでの3時間の間にライリーを逃がしたはずです。
ギデオンはサラは居場所を必ず知っているから独房を調べたいと所長に掛け合います。
ギデオンの説得によって所長は許可を出し,サラの願いであった月を見せに外に連れ出します。
月を満足げに見上げるサラ・・・2度目に見ると泣けてくるシーンです・・・
サラは離れ離れになったとしても月の男は二人を見てくれているとライリーにいつも話していたのです。Man on the Moon です。
その間に独房を調べるギデオン。絵の裏に現在のライリーの写真,チェロを持った青年の新聞記事の写真が隠されていました。
写真から身元を探るBAUメンバー。
その一方で死刑執行を迎えるジェイコブ。
電気椅子に座るジェイコブにホッチは例の成長したライリーの写真を突きつけます。
「ライリーだ。お前の負けだ」
サラは守ろうとしていたライリーを守りきることができました。つまり,ジェイコブはサラを支配できていなかったのです。死の直前にそのことに気づかされるジェイコブ・・・
ギデオンはジェイコブは死んだ。もうライリーは安全だから居場所を教えてくれとサラに。
ギデオンはライリーを見つけ出してサラを助けたいと願います。
調査の結果,ライリーの居場所がわかり,急行します。
しかし,死刑執行のときがやってきます。
あと数分で生存がわかるのでそれまで刑の執行を待って欲しいと所長に頼みます。
サラはライリーが素晴らしい人生を送ることがいまできているので,それを守るためなら何でもすると。
ギデオンは君が母親だと知ったらライリーはその中に入ることを望むかと。
サラは両親が何者か知ったら,息子が痛手を負うことになると。
ギデオンはライリーがどう感じるかと。無実の母親が死刑囚として15年も刑務所にいた,それも息子を守るために。
サラはわたしの命などどうでもいい,ライリーの人生がかかっていると。あの子の命があなたの手にかかっているんですと。
ギデオンは決断を迫られることになります。
ライリーに真相を知らせるか,無実のサラを救うか,サラの願いを尊重するか・・・難しい選択です。
わたしは君の命を救いたい。
わたしの命はジェイコブと会ったときに死んだ。
ライリーの家に到着しますが,家族は留守です。
そこに車で帰ってくる家族。
ライリーが車の中にのっています。
FBIが息子さんの件で尋ねてきたことを知り,対応に出た父親は用件を理解します。
わたしがここにいるのは自分で決めたことなの。息子を最後の餌食にしないで。自由にさせて。
その言葉を聞いてギデオンは決断します。
間違いだと言え,彼はサラの息子ではないと。
そのことを父親にも伝えます。
彼も捜査官に深く感謝します。
そして刑の執行が。
サラは最後にギデオンの顔を見たいと。
サラはギデオンの顔を見ながら刑の執行を受けます
最後を見守るギデオン。
そして冒頭のシーンにつながります。
ギデオンはライリーのコンサートを見に行きます。
ギデオンは涙を一粒を流すのですが,でもその表情は笑顔に満ちています・・・・・・
素晴らしいです。何度見ても泣けてきます。
サラの決意,それを尊重するギデオン。
そのことによって無実の人が死刑になることに。
でもそれによって守ることができたものを考えると,ギデオンは自分の決断に満足していたのを読み取ることができます。
非常に考えさせられる内容をテーマとして扱っています。
俳優たちの演技も素晴らしいです。
クリミナル・マインドはどの回も質が高いのですが,この回はベストエピソードだと思います。
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見終わった後も涙が止まりません
素晴らしい話ですね!
感想に共感したので思わずコメントしちゃいました