米澤穂信 「クドリャフカの順番」 感想(ネタバレあり)
クドリャフカの順番 (角川文庫) (2008/05/24) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
「クドリャフカの順番」は古典部シリーズ第三弾。舞台は文化祭です。
これまでは奉太郎視点で物語が進行していましたが、今作は奉太郎、里志、千反田、摩耶花の4つの視点が切り替わりながら物語が進んでゆきます。
メインとなるのは古典部の文集を完売すること。
手違いで多く印刷しすぎてしまったので、完売を目指して古典部メンバーが奮闘することになります。
今作は青春ものとしての出来が素晴らしいです。読者として神山高校の文化祭を堪能できます。
特に千反田視点が最高です。
これまで個人的に千反田はウザイ奴だと思っていたのですが、この巻でようやく可愛さを理解できました。
ミステリー的にはミスリードの使い方が実に上手でした。
事件の真相やそれに到達する推理部分では少し疑問符がつくのですが、ミステリー作品ではなく学園青春ものとして見るとかなりの良作です。
ハードカバー版の表紙と文庫版の最初の表紙。
ハードカバー版は「十文字事件」というサブタイトルが。
ちなみにカバーを外すとロシア語の文字が書かれていて、タイトルに出てくるクドリャフカのこと、ロシアの宇宙船、スプートニク2号に乗って宇宙に行った犬のことが書かれているようです。その犬の名前がクドリャフカです。リトルバスターズ!でも有名ですが。
文庫版では Welcome to KANYA FESTA! のサブタイトルが。
追記ではネタバレ注意の感想と解説を:
ABC殺人事件 (創元推理文庫) (2003/11) アガサ クリスティ 商品詳細を見る |
「クドリャフカの順番」ではアガサクリスティーの代表作の一つである「ABC殺人事件」がモチーフとして使われています。
簡単にABC殺人事件を説明すると、ABCと署名された挑戦状がポワロのところに来て、Aで始まる町、Andover で何かが起きることが予告されています。そしてそのAで始まる名前の町でAlice Ascher というAのイニシャルを持つ人が殺され、現場にはABC鉄道案内が置かれています。
続いて再び予告状が届き、今度はBで始まる町でBのイニシャルを持つ人物が殺害され、それがアルファベットの順番で同じようにして続いてゆきます。
このABCの使い方が巧みで、ABCの順に殺したように見えて実はそこにはある意図があります。
「クドリャフカの順番」では、文化祭中に奇妙な連続盗難事件が発生します。
アカペラ部ではアクエリアスが盗まれ、囲碁部では囲碁が盗まれます。
ABCでは鉄道案内が現場に残されましたが、クドリャフカでは文化祭のしおりが残されます。
そして犯行を伝えるメッセージも残され、そこには「十文字」の署名があります。
ABC順ではなくあいうえお順、盗まれるものも団体名と同じ頭文字のもの、ABCの署名の代わりに十文字、鉄道案内の代わりにしおりが置かれます。
この盗難事件がほぼ2時間おきに行われてゆくという現在進行形の事件になっています。
作品内にもしおりの団体名のページが序盤に載せられているので、いかにもこれが何かの仕掛けになっていることを匂わせてくれます。
それでABCのようにあいうえお順で事件が起きること、十文字の署名からそれが10文字分、10の事件があることを読者に予想させます。
「あ」で始まるということは10文字目は「こ」。
つまり古典部がターゲットになります。
それで、古典部メンバーはこの事件を取り上げて古典部の名前を売り込み、多く印刷しすぎてしまった文集を完売させようとします。
十文字の署名ですが、占い研究会をやっているのが十文字さんで(桁上がりの名家として氷菓で名前が登場します)、「じゅうもんじ」なのか「10文字」なのかをぼかすところが上手です。日本語ならではのテクです。
ABC殺人事件を知っている人なら、あいうえお順に盗んでいるように見えて、実はそこに何かの意図があるということを推察するのですが、犯人の動機、目的がなかなか見えてきません。
古典部として文集を完売するという文化祭活動にリアルタイムで起きている事件を混ぜてくるという手法は面白いです。
そこに古典部メンバー4人の視点を混ぜ、それぞれがどのように文化祭に関わり、古典部の問題と十文字事件に関わってゆくのかを見せてくれます。
この作品の最大の特徴は文化祭の出来事を、古典部メンバーの4人の視点で追っているところです。
それ故に文化祭を様々な角度から見ることができ、各自の視点が合わさることによって、一人称では見えてこない繋がりが読者には見えてきたりします。
ミステリーとしても楽しめるし、文化祭の青春ストーリーとしても面白いです。
文化祭で登場するメンバーのキャストも発表されています。
古典部の名前を売るためにイベントにも参加するのですが、アニメで絵として見れるのが楽しみです。
特にお料理対決が楽しみです。
パンプキンヘッズも楽しみです。
古典部シリーズ5作目の「ふたりの距離の概算」にも製菓部の二人は登場してくれます。
ミステリーの方ですが、途中までは最高に楽しめました。
これまで地味な事件が多かった古典部シリーズですが、文化祭の最中にリアルタイムで起きている、犯行の際にメッセージを残している、古典部がこの事件を壁新聞部に売り込むことにより、校内でも話題になるといったように、これまでの事件の中でも最大の盛り上がりを見せます。劇場型犯罪です。
この展開は「ABC殺人事件」を知っているととても楽しめます。
ここからは事件の真相のネタバレになります:
この文化祭で起きている「十文字事件」ですが、その鍵が摩耶花視点にあります。
摩耶花が在籍する漫研ですが、河内が主要メンバーですが考え方の違いから摩耶花と対立しています。(アニメで浅野真澄さんというのはぴったりな感じが)。湯浅は漫研の部長。大人な感じでとらえどころのない人です。
漫研部員の木村と辺見は恐らく河内グループの人だと思います。
摩耶花と河内先輩との間で漫画の評価に関する議論が起きるのですが、漫画の面白さは主観で決まるとか漫画の面白さを理解できるアンテナが必要とかの話は、「氷菓」と「愚者のエンドロール」が世間で評価されなかったことに対する作者の不満のようなものが現れている気がしました。氷菓からクドリャフカまで7年が過ぎています。
河内先輩の説に対抗するために摩耶花は「夕べは骸に」という、昨年の文化祭で売られていた漫画を例としてあげます。
この漫研のトラブルが十文字事件と関連があるというのは読めませんでした。
ちなみに古典部シリーズ5作目の「二人の距離の概算」にもこの漫研でのトラブルが関係してきます。
奉太郎はこの漫画を文化祭最終日に姉から差し入れされることによって、事件との関連に気がつきます。
千反田視点で奉太郎の姉(明確にはされていませんが、姉であると見て間違いないと思います)が十文字件に関する壁新聞を読んでいたことが描写されています。
この人物は壁新聞を見た後で「昇降口」へと消えてゆきます。
「昇降口」は階段のある登り口を指しますが、学校の玄関を指して使われることもあります。
後者の意味で使われていたとしたら、奉太郎の姉は壁新聞を見て、今回の事件の真相に気がつき、それを奉太郎に伝えるために「夕べは骸に」を家から持ってきたという仮説が立ちます。昨年この本を手に入れてファンになったので、次作も欲しいと思い、ファンであることを伝えるために家から持ってきていたのかもしれませんが……。どちらにしても今回も奉太郎は姉の手によって事件の核心へと近づくことになり、姉の奉太郎高校生活薔薇色作戦に乗せられることになります。(氷菓でも愚者でも姉の介入によって奉太郎は事件と関係することになっていました)
この「夕べは骸に」のあとがきに、これを書いたのが漫研メンバーではないこと、来年はクリスティーの超有名作をひねって「クドリャフカの順番」というタイトルにすることが書かれています。
その漫画の絵を千反田が見たことがあると言いだし、絵を描いたのが文化祭の宣伝ポスターを描いたのとどう人物、生徒会長の陸山であることがわかります。
十文字事件ですが、「く」で始まる「グローバルアクトクラブ」では何も盗まれません。
「く」は飛ばされて次の「け」軽音部で「弦」が盗まれます。
なぜ「く」が飛ばされる……。
ABC殺人事件ではDで始まる町でEで始まる名前の人物が殺されるという矛盾が起き、犯人のミスだと思われます。
しかし、十文字事件ではそのことにも意味がありました。
犯行メッセージから「く」で始まる場所から「く」で始まるものが既に失われている……と推理する奉太郎。
その真相とは「く」で始まるのは部活名ではなく生徒会長の陸山(くがやま)だったからです。
陸山(くがやま)という名前をクイズ研究会の最終問題で登場させていたのは巧みです。
その名前は文化祭のしおりの部活紹介の最後に執行本部の紹介としてしおりに載せられています。
しおりが部活名を示すだけのものだと思わせておいて、生徒会長が関係している、しおりの33ページ目だけが事件と関係しているというのは非常に巧みなミスリードでした。そして実にフェアです。
犯人が伝えたかったのは「く」の人物、陸山から「く」で始まる「クドリャフカの順番」が既に失われているということでした。
奉太郎は「夕べは骸に」の作者が安心院鐸玻(あじむたくは)から、この作品を書いたメンバーに「た」と「じ」で始まる人物がいること、それが総務委員長の田名辺治郎であることに気がつきます。
田名辺は「夕べは骸に」の次作である「クドリャフカの順番」を陸山が描く気がなかった。もらった原作を開いてもなかった。
陸山にとって漫画は昨年限りの遊びでした。
この作品の面白さを伝えるため、陸山に漫画をもう一度やらせるために、「クドリャフカの順番」の内容を文化祭で再現したのでした。
でも陸山は「クドリャフカの順番」を読んでもいなかった……。田名辺のメッセージは陸山には届かなかったのです。
この真相だけが不満でした。
口で伝えられないからということで今回の事件をおこしたわけなのですが、なぜこんな回りくどくて手の込んだことをしなければならないのかという疑問が残ります。
やっていたことは愉快犯にしか見えないし。
「クドリャフカの順番」の原作を持っているなら、それを陸山につき付ければよかったのでは……
と思ってしまいます。
摩耶花の漫研でのエピソードも何のために入れたのかもわかりにくいです。
このストーリーは古典部とは直接関係がない話です。
摩耶花の漫研設定を事件の動機と結びつけるためだけに利用しただけなのか。
アンテナの話を才能の違いに結びつけることによって、このシリーズの特色の一つである青春のほろ苦さを出そうとしていると思うのですが、「夕べは骸に」に関わった人たちはもっと上手なやり方があっただろうと思ってしまいます。
それに姉から「夕べは骸に」を受け取らなければ、奉太郎の推理は成り立ちませんでした。
漫研での出来事には奉太郎は関わっていないので、奉太郎と漫研を結びつけるためにそうするしかなかったと思うのですが、これまで古典部シリーズではフェアな仕方でヒントを提出していただけに少し違和感が。
トリックのために漫研サイドの話を無理矢理入れたような気がしてしまいます。
それと文化祭のしおりですが、里志の提案によってしおりに掲載される部活名が50音順から登録順になりました。
しおりP33に書かれた部活の名前が「あ」から「こ」になったのは偶然だと思うのですが……
田名辺が十文字事件のために改変をしたという可能性もありますが、そうしたのなら里志が気がついていそうです。
いつ田名辺がこのしおりのページを使うことを思い立ったのかが謎です。
50音順だったら十文字のトリックがすぐにわかってしまうから……という後付け的な理由なのか。それに陸山を同じページになったのも。
古典部シリーズでは王道的ミステリーに対するアンチテーゼ的なものが多いのですが、今作では名作として有名なABC殺人事件をモチーフにして、かなり面白いアレンジをしています。動機のところをもっとスマートにまとめていれば、本家を超えたとも言えたのですが……
米澤さんはクリスティーの超有名作の「そして誰もいなくなった」をモチーフにした「インシテミル」も書いています。
基本的にミステリーは探偵役による一人称で話が進んでゆくのですが、多重視点を使ったという点は面白いです。
それによってこれまで奉太郎の一人称では見えていなかったところもわかるようになります。
なぜタイトルに「クドリャフカ」が使われたのか少し謎でした。
宇宙に行った犬の名前がクドリャフカですが、帰ってこれずに宇宙船の中で死亡することが決まっていた悲劇性が作品のテーマになっていたのでしょうか。
アニメ2話のEDが天体仕様なのはこのクドリャフカが関係しているのでは……とふと思いました。
Polaris北極星が打ち上げられ、星が回り出しますが、クドリャフカが打ち上げられて地球を周回したことを象徴しているのではと思うのですが。(クドリャフカの順番のエピソードはアニメ後半になると思うので、その頃にはEDが変わっている可能性が高いですが……)
文化祭という薔薇色のイベントがメインテーマになっていましたが、そこに暗い話を入れることによってその対比を生かすことにしたのか。古典部シリーズの特徴でもある結末のほろ苦さを出していました。
青春ストーリーとして極上ですが、それだけにしないいつもの面白さもあります。
ミステリーとしては「愚者のエンドロール」の方が面白かったですが、本としての出来は「クドリャフカの順番」の方が上だと思います。
読みやすさという点では古典部シリーズ一番ではないでしょうか。
おまけ:摩耶花のコスプレ元ネタ
1日目:フロルベリチェリ・フロル(11人いる)
本文中にも元ネタが表記されています。
白いシャツに緋色のカーディガン,太いベルトと。
ちなみに単行本ではヴァンデミエール(ヴァンデミエールの翼)だったようです。文庫本で変更に。
2日目:エスパー魔美。
先輩から「おマミ」と呼ばれ,胸にハート型のブローチと記載。
本文中の記述によると,ベレー帽の私服バージョンのようです。
3日目:千里万里子(七色いんこ)
カーキー色のジャケットに人民帽,鳥を見ると縮む刑事と表記。
河内先輩のコスプレ元ネタ:
1日目:レイレイ(ヴァンパイア ハンター)
キョンシー,チャイニーズ・ゴーストと表記されていますが,ゲームキャラでまとめていると後述されています。
2日目:キング(龍虎の拳)
タキシード姿の男装のムエタイ使いと表記。
3日目:春麗(ストリートファイター)
刑事で格闘ゲームで中国系といえば元祖とも言えるキャラクターと。
アニメでのコスプレに期待です。
- 関連記事
-
- 米澤穂信 「ふたりの距離の概算」 文庫版の英語タイトルが明らかに (2012/06/06)
- 氷菓 第7話 「正体見たり」 (2012/06/04)
- 氷菓 第6話 「大罪を犯す」 (2012/05/28)
- 氷菓 第5話 「歴史ある古典部の真実」 (2012/05/21)
- 氷菓 第4話 「栄光ある古典部の昔日」 (2012/05/14)
- 米澤穂信 「ふたりの距離の概算」 感想(ネタバレあり) (2012/05/09)
- 氷菓 3話 「事情ある古典部の末裔」 (2012/05/07)
- 米澤穂信 「遠まわりする雛」 感想(ネタバレあり) (2012/05/06)
- 米澤穂信 「クドリャフカの順番」 感想(ネタバレあり) (2012/05/02)
- 氷菓 第2話 「名誉ある古典部の活動」 (2012/04/30)
- 氷菓 第1話 「伝統ある古典部の復活」 (2012/04/23)
- 米澤穂信 「愚者のエンドロール」 感想(ネタバレ注意) (2012/04/20)
- 「氷菓」 上映会が開催! (2012/04/15)
- 米澤穂信 「氷菓」 感想 (ネタバレ注意) (2012/04/12)
- 2012 春アニメ 注目作品 「氷菓」 (2012/03/19)
コメントの投稿
No title
初めまして。
濃い感想をありがとうございます。
色々とミステリーネタが使われているんですね。ミステリーはあまり詳しくないので参考になりました。
おまけのコスプレネタは読んでいたときには元ネタがわからなかったのでようやく理解できました。
おかげでアニメの文化祭開回がとても楽しみになりました。
濃い感想をありがとうございます。
色々とミステリーネタが使われているんですね。ミステリーはあまり詳しくないので参考になりました。
おまけのコスプレネタは読んでいたときには元ネタがわからなかったのでようやく理解できました。
おかげでアニメの文化祭開回がとても楽しみになりました。
2012-05-18 00:35 :
ジェイジェイ URL :
編集
No title
こんばんわ,ジェイジェイさん。コメントありがとうございます。
米澤さんはかなりミステリーに精通しているようですね。
現在ミステリー作家として活躍されていることにそのことが表れていると思います。
コスプレ元ネタは間違っているかもしれませんが,本文中の説明からすると恐らく正解なのではと思っています。
アニメでの映像で正解がわかると思うので楽しみに待とうと思います。
米澤さんはかなりミステリーに精通しているようですね。
現在ミステリー作家として活躍されていることにそのことが表れていると思います。
コスプレ元ネタは間違っているかもしれませんが,本文中の説明からすると恐らく正解なのではと思っています。
アニメでの映像で正解がわかると思うので楽しみに待とうと思います。
2012-05-23 01:29 :
ジュンク URL :
編集
はじめまして。
記事拝見して気になったこと一つ。
文化祭のしおりの参加団体コメント欄の順番は「申請順にしてもらった」と、第一章の里志編に書いてあります。
総務委員長はそれを受けての逡巡、計算、承諾を。
がしかし、里志の申し出によって実現したトリックではないかと。
クイズトライアル7でのルビまで「陸山」を「くがやま」と読む発想は私にはなく、それ以降も「くがやま」のルビは無かったので、そこも意図かと今作はやられました。
しつれいしました。
ちなみに、犯人は違う人を想像していました。
記事拝見して気になったこと一つ。
文化祭のしおりの参加団体コメント欄の順番は「申請順にしてもらった」と、第一章の里志編に書いてあります。
総務委員長はそれを受けての逡巡、計算、承諾を。
がしかし、里志の申し出によって実現したトリックではないかと。
クイズトライアル7でのルビまで「陸山」を「くがやま」と読む発想は私にはなく、それ以降も「くがやま」のルビは無かったので、そこも意図かと今作はやられました。
しつれいしました。
ちなみに、犯人は違う人を想像していました。
2012-07-17 01:59 :
aaa URL :
編集
Re: タイトルなし
> こんばんわ,aaaさん,コメントありがとうございます。
里志の提案によって部活の掲載順が申請順になったのですが,委員長はトリック成立のために掲載順を一部変えた可能性が高そうですね。
古典部を最後にさえしておけば里志の目をごまかせると考えていたのではないでしょうか。
従来のあいうえお順だったら,執行本部の名前を最初に持ってきて同じページにするのが簡単だったので,委員長は里志の提案に最初渋ったようですね。
今作は複線の回収が見事なので,それをどのようにアニメで見せてくれるのかを楽しみにしています。
里志の提案によって部活の掲載順が申請順になったのですが,委員長はトリック成立のために掲載順を一部変えた可能性が高そうですね。
古典部を最後にさえしておけば里志の目をごまかせると考えていたのではないでしょうか。
従来のあいうえお順だったら,執行本部の名前を最初に持ってきて同じページにするのが簡単だったので,委員長は里志の提案に最初渋ったようですね。
今作は複線の回収が見事なので,それをどのようにアニメで見せてくれるのかを楽しみにしています。
2012-07-17 22:48 :
ジュンク URL :
編集
アニメを見て
ちょうど昨日、アニメでは「クドリャフカの順番」が完結しました。
この「クドリャフカ」というのは『夕べには骸に』で原作担当の安城さんのことを表しているのではないか・・・と思いました。
転校していって「死」ではないにしても、病気かなにかで前の健康な状態には戻れなくなった悲劇的な存在では、と思ったのです。
この「クドリャフカ」というのは『夕べには骸に』で原作担当の安城さんのことを表しているのではないか・・・と思いました。
転校していって「死」ではないにしても、病気かなにかで前の健康な状態には戻れなくなった悲劇的な存在では、と思ったのです。
2012-08-13 13:14 :
通りすがりのもの URL :
編集
Re: アニメを見て
> こんばんわ,こめんとありがとうございます。
安城さんが何を考えて「クドリャフカの順番」というタイトルをつけたのか気になりますね。
ロシアの宇宙犬たちは雌犬でしたし,クドリャフカは最初から帰ることができない片道通行の旅になることが決まっていたので,その悲劇性に自分を重ねた可能性もありそうです。
しかし,あとがきで次回作の構想が登場しているので,クドリャフカの順番を書いた時にはまだ転校のことは決まっていなかったという可能性もありそうです。
アニメでは,伝えたい相手しか知らない解読法を使ってメッセージを送ることがクドリャフカの順番のテーマだったと奉太郎が推理していました。
つまり一方通行でのコミュニケーション,片道通行で届かないメッセージ,意思伝達を示しているのではと思います。
夕べには骸にもタイトルからしてハッピーエンドが想像できないので,こういう暗い悲劇的な話が安城さんの作風なのではと思っています。
安城さんの原作は読んでみたいです。
特典とかにはならないのでしょうか。
安城さんが何を考えて「クドリャフカの順番」というタイトルをつけたのか気になりますね。
ロシアの宇宙犬たちは雌犬でしたし,クドリャフカは最初から帰ることができない片道通行の旅になることが決まっていたので,その悲劇性に自分を重ねた可能性もありそうです。
しかし,あとがきで次回作の構想が登場しているので,クドリャフカの順番を書いた時にはまだ転校のことは決まっていなかったという可能性もありそうです。
アニメでは,伝えたい相手しか知らない解読法を使ってメッセージを送ることがクドリャフカの順番のテーマだったと奉太郎が推理していました。
つまり一方通行でのコミュニケーション,片道通行で届かないメッセージ,意思伝達を示しているのではと思います。
夕べには骸にもタイトルからしてハッピーエンドが想像できないので,こういう暗い悲劇的な話が安城さんの作風なのではと思っています。
安城さんの原作は読んでみたいです。
特典とかにはならないのでしょうか。
2012-08-14 19:41 :
ジュンク URL :
編集
No title
はじめまして
摩耶花のコスプレ元ネタをググってて辿り着きました
とても深い考察と共感できる感想でした。
そしてコスプレ(コスプレて言うな!!)の元ネタ、
わかりやすくて画像もあって
感動しましたw
摩耶花のコスプレ元ネタをググってて辿り着きました
とても深い考察と共感できる感想でした。
そしてコスプレ(コスプレて言うな!!)の元ネタ、
わかりやすくて画像もあって
感動しましたw
2012-10-28 21:17 :
URL :
編集
No title
はじめまして
気になったことを一つ。
しおりのP.33にあ~この部活が来るように仕組んだのは
田名辺先輩です。
奉太郎はP.33にあ~この部活が来るように仕組めるのは
総務委員会しかいない、加えて安心院鐸玻(あじむたくは)から陸山、安城のく、む、あ、はを除くと残るのがた、じになるので、総務委員会でた、じの頭文字を持つ人物と推理しています。
里志は古典部にかかりきりなので仕組まれているのには気づかなかったのでは、と想いました。
気になったことを一つ。
しおりのP.33にあ~この部活が来るように仕組んだのは
田名辺先輩です。
奉太郎はP.33にあ~この部活が来るように仕組めるのは
総務委員会しかいない、加えて安心院鐸玻(あじむたくは)から陸山、安城のく、む、あ、はを除くと残るのがた、じになるので、総務委員会でた、じの頭文字を持つ人物と推理しています。
里志は古典部にかかりきりなので仕組まれているのには気づかなかったのでは、と想いました。
2014-07-06 12:56 :
Luke URL :
編集
trackback
JUGEMテーマ:読書感想文 
 
 
◆古典部シリーズ
 
またもや折木奉太郎を混乱の渦に誘い込む折木供恵。
 
事件の黒幕かと思えるほど...
2012-08-25 15:40 :
こみち
壁]´Д`*)。こんにちは
壁]´Д`*)。このブログはきゅーの日常を描いたものなのだ
クドリャフカの順番 [ 米澤穂信 ]価格:660円(2013/1/6 02:28時点)感想(20件)米澤穂信さんの“古典部シリ
2013-01-07 22:16 :
きゅーのむにむに日和(ノ)・ω・(ヾ) ~むにきゅーアフィリエイト~