2012 春アニメ 注目作品 「氷菓」
http://www.kotenbu.com/
http://www.kyotoanimation.co.jp/kotenbu/
来期の2012年春アニメは「氷菓」をメインにします。
今期は「Another」しか感想記事を書けなかったのですが、3,4月は多忙なので来期も1作品に絞ろうと思っています。
最速が4/22(日)24時からの千葉テレビ、そして25時からのテレ玉と放送スタートが遅いというのが個人的にも助かります。3話放送あたりから少し暇になってくれるのではないかと思っています。
古典部シリーズは全部購入済です。「氷菓」は読み終えていて、今は「愚者のエンドロール」を読んでいるところです。
感想記事も途中まで書いているので、近いうちにアップする予定でいます。
今期の「Another」がホラー色の強いミステリーだったのですが、「氷菓」は日常系ミステリーという感じです。
学園生活で発生する謎を解明するのですが、サスペンス要素はかなり少なく、学園生活で生じるちょっとした謎を解き明かすという方向性で、いわゆる本格ミステリーや名探偵ものとは違うノリです。
京都アニメーション制作ということで注目を集めることになりそうです。
個人的に久しぶりに注目する京アニ作品なので、この原作をどのようにアニメとして見せてくれるのかを楽しみにしています。
作品の舞台ですが、学校のモデルは校舎のレイアウトや制服、校章のデザインからして、「岐阜県立斐太高校」であると思われます。「白線流し」でも有名です。作者である米澤穂信さんの出身校でもあります。
PVでの町並みも斐太高校のある高山市のようです。
高山市内の喫茶店、バグパイプが。
えるが奉太郎に相談するのがこの喫茶店ですね。
ちなみに「星空へ架かる橋」でもこの喫茶店は登場しています。
おいでまっし! ぼんぼり旅行1日目のその3 飛騨高山 星空へ架かる橋聖地巡礼
【聖地巡礼】「星空へ架かる橋」の舞台になった岐阜県高山市に行ってきました 前編
☆ 星空へ架かる橋 聖地巡礼 その2 ☆
他にも同じ舞台が使われることはあるのか。
氷菓スレでも特定画像が。
2クールという噂が流れているので、古典部シリーズの3巻「クドリャフカの順番」の文化祭エンドにしてくるのではないでしょうか。
氷菓 (角川文庫) (2001/10/31) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
角川版の表紙。
明らかに売り方を間違っています。
同じスニーカー文庫であるハルヒの広告ページを見たら、米澤作品が紹介されていました。
米澤穂信 「氷菓」 感想 (ネタバレ注意)
氷菓 (角川文庫) (2001/10/31) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
http://www.kyotoanimation.co.jp/kotenbu/
京アニでアニメ化ということで読んでみました。
古典部シリーズ4冊をまとめて注文したのですが、第一印象は薄いなというものでした。最近読んでいたミステリーはどれも分厚いものだったので……
スニーカー文庫のミステリー部門で受賞してデビューということなので、ラノベぽい感じだと思っていたのですが、ラノベ的な文体、ノリではありません。萌えエロ展開や厨二バトルは出てきません。レトロ感ある学園青春ものという感じです
いわゆる本格ミステリー、殺人事件が起きて証拠を集め聞き込みをして矛盾点やトリックを探り真犯人を見つけるというような正当派ミステリーでもありません。
ジャンル的には学園物、学園生活でふと発生する謎や疑問を探るみたいな感じ、日常系学園ミステリーといったところでしょうか。
主人公は与えられた情報を分析してそこから一つの答えを導き出します。手法的には安楽椅子探偵です。答えは作中に小さなヒントととして提示され、それらを集めて整理する時に答えが見えてきます。
主人公の調査方法や思考パターンはあまり描かれず、ある程度情報が集まった時点で、主人公は真相に気がつき、その説明がなされるという感じです。
事件も非常に地味なもので、メインとなっている事件も作品の舞台となる「古典部」の過去に起きたことを探るというものです。
でもそれがいかにも普通の学園という感じでいい味を出しています。リアルな青春ものという雰囲気、普通の高校生活らしさがあります。
最近の京アニは以前ほどの高い評価をしてはいないのですが、原作ミステリー作品をどのように描いてくれるのか楽しみです。同じミステリーでも今期のAnotherとは対照的な作品なのでどういう見せ方をしてくるのでしょうか。
以降の感想や解説に関してはネタバレになるので追記で。
「氷菓」 上映会が開催!
氷菓先行上映・トークイベントレポ
本日は氷菓の上映会
氷菓の先行上映イベントに行ってきた。
レポでの評価は高いです。
アフレコの段階で絵が完成していて、すでに全体の半分ほど終わっているようです。
原作の時系列順に進むのか。ミステリー部分よりも学園ストーリー部分が強調されていると。
放送を心待ちにしています。
米澤穂信 「愚者のエンドロール」 感想(ネタバレ注意)
愚者のエンドロール (角川文庫) (2002/07/31) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
古典部シリーズ第二弾です。
前作の氷菓よりもミステリー要素が強くなっていて、ミステリーネタも使われています。
古典部シリーズの中で最もミステリー色が強く,ミステリーが好きな人にとって一番楽しめる巻です。
文化差に出展する予定でいた二年F組の自主制作映画が未完成の状態で頓挫しているので、奉太郎たちに現在完成している部分から、結末を導き出すことを依頼されます。
奉太郎たちは二年F組の関係者から話を聞くのですが、その関係者たちが推理する話を聞きながら、正解と言える解決編にたどり着こうとします。
いつの間にか3種類の表紙が。
追記ではネタバレ注意の感想と解説を:
米澤穂信 「クドリャフカの順番」 感想(ネタバレあり)
クドリャフカの順番 (角川文庫) (2008/05/24) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
「クドリャフカの順番」は古典部シリーズ第三弾。舞台は文化祭です。
これまでは奉太郎視点で物語が進行していましたが、今作は奉太郎、里志、千反田、摩耶花の4つの視点が切り替わりながら物語が進んでゆきます。
メインとなるのは古典部の文集を完売すること。
手違いで多く印刷しすぎてしまったので、完売を目指して古典部メンバーが奮闘することになります。
今作は青春ものとしての出来が素晴らしいです。読者として神山高校の文化祭を堪能できます。
特に千反田視点が最高です。
これまで個人的に千反田はウザイ奴だと思っていたのですが、この巻でようやく可愛さを理解できました。
ミステリー的にはミスリードの使い方が実に上手でした。
事件の真相やそれに到達する推理部分では少し疑問符がつくのですが、ミステリー作品ではなく学園青春ものとして見るとかなりの良作です。
ハードカバー版の表紙と文庫版の最初の表紙。
ハードカバー版は「十文字事件」というサブタイトルが。
ちなみにカバーを外すとロシア語の文字が書かれていて、タイトルに出てくるクドリャフカのこと、ロシアの宇宙船、スプートニク2号に乗って宇宙に行った犬のことが書かれているようです。その犬の名前がクドリャフカです。リトルバスターズ!でも有名ですが。
文庫版では Welcome to KANYA FESTA! のサブタイトルが。
追記ではネタバレ注意の感想と解説を:
米澤穂信 「遠まわりする雛」 感想(ネタバレあり)
遠まわりする雛 (角川文庫) (2010/07/24) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
「遠まわりする雛」は米澤穂信さんの古典部シリーズ第4弾,7話収録の短編集です。
奉太郎たちの一学期,夏休み,二学期,冬休み,三学期,春休みがそれぞれ扱われています。
古典部シリーズは「氷菓」が春から夏休み,「愚者のエンドロール」が夏休み終盤,「クドリャフカの順番」が秋の文化祭が舞台になっているので,長編の合間や舞台裏で何が起きていたのかを知ることができます。
「遠まわりする雛」で特に優れているのは最後の二つ,「手作りチョコレート事件」とタイトルの「遠まわりする雛」です。シリーズの今後にも関係してくる内容でした。特にタイトル作の「遠まわりする雛」は素晴らしいです。アニメの最終話に持ってくるのではないでしょうか。
遠まわりする雛 (2007/10) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
ハードカバー版の表紙。
短編一つ一つを見るとそれほどクオリティは高くはありません。(ミステリー的には)
でも,古典部シリーズならではの地味な事件には短編も向いている感じがします。
この短編集では古典部の最初の一年間を扱っているので,それぞれの人間関係や個人の変化といった点を補完していて,古典部シリーズのファンとしては欠かせない一冊です。
追記ではネタバレ注意の感想と解説を:
米澤穂信 「ふたりの距離の概算」 感想(ネタバレあり)
ふたりの距離の概算 (2010/06/26) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
古典部シリーズ第5弾。季節は5月、マラソン大会の話です。
奉太郎たちは二年生になり、古典部にも仮入部する一年生が現れるのですが、突然入部しないと言ってきます。
どうやら千反田との間に何かあったようです。
辞めることを言いだした翌日がマラソン大会にして、本入部の締め切り最終日。
それで、奉太郎はマラソン大会の最中に、何があったのかを推理し、問題を解決しようとします。
ミステリーでは安楽椅子探偵といって、自分からは動かずに座ったままで推理して事件を解決するというスタイルがあるのですが、今作ではそれとは真逆の探偵役がマラソンをしながら事件を解決するというわたしが知る限りでは初めての捜査方法が用いられています。
新入部員はなぜやめると言いだしたのか、千反田との間に何があったのかということに加えて、古典部メンバーの動きなども描かれていて非常に面白い内容になっています。
シリーズものなのでこれまでの作品を読んでいる方が楽しめます。
特に前作の「遠回りする雛」と「手作りチョコレート事件」は読んでおくことをお勧めします。
追記ではネタバレ注意の感想と解説を:
米澤穂信 「ふたりの距離の概算」 文庫版の英語タイトルが明らかに
ふたりの距離の概算 (角川文庫) (2012/06/22) 米澤 穂信 商品詳細を見る |
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201006-04/
古典部シリーズ最新刊が文庫版で6/22発売予定です。
文庫版はアニメ絵の表紙になるのかと思っていたのですが,これまでの学校に関係した写真の表紙でした。
アニメ放送中なので,何らかのキャンペーンが展開されるとは思うのですが。
追記:どういう形のサービスになるのかが楽しみです。
https://twitter.com/#!/honobu_yonezawa
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=201112000082
twitter で報告も。
ふたりの距離の概算の英題は"It walks by past"に。過去と歩くといった意味でしょうか。
「愚者のエンドロール」と「遠まわりする雛」がアガサ・クリスティネタだったので,該当するクリスティ作品を捜してみたのですが,それらしきものは無し。
夜歩く (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-2) (1976/06) ジョン・ディクスン・カー 商品詳細を見る |
IT WALKS BY NIGHT(夜歩く) ジョン・ディスクン・カーのデビュー作です。
マラソン大会なのに奉太郎は真剣に走らないのでこの英題になったのでしょうか。
奉太郎たちが2年生になった春の話なので,原作未読の人はアニメを最後まで見た後の方が楽しめるかもしれません。
追記:
英題が出題されていたんですね。確かにこれを当てるのは難しい……
さらに追記:
期間限定リバーシブルカバーになるようです。
氷菓 第7話の温泉のモデル
http://hirayuonsen.or.jp/kokyo.htm
氷菓第7話で登場した温泉は平湯温泉のようです。
平湯民族館に併設された露天風呂がモデルに。
温泉までバスで1時間半と言われていましたが,神山高校のモデルとなっている岐阜県立斐太高等学校から平湯温泉までも同じくらいで行けるようです。
http://blogs.yahoo.co.jp/tyarige5140/26661338.html
バスは濃飛バスのようです。