お久しぶりです。
一年以上放置していたブログ、久しぶりに更新してみます。

2017年は元旦から結構突っ走っておりました。
仕事が忙しくて、ワーク・ライフ・バランスにずっと悩みながら、受注する仕事が増えると「子どもたちの事は全部僕がやるの?家族をなんだと思ってるの?」という夫と(もっともなんですけど)夫婦で話し合いというか何度も喧嘩もしながらの一年でした。
頂くお話を全部はお受けできる訳ではないですし、また依頼が同じ週に集中する事も多く、信頼できる同僚に何度も頼んで振り分けたり、どうしてばらけてくれないんだろうなぁ、と自分勝手なことも思ったりしましたっけ。
最近、久しぶりに落ち着いていて、合間に読書する時間ができたりして、溜まった事務処理や断捨離にあてています。それでもなかなか進まないものですね、10年以上経ったファイル等も処分しないと場所がなくなるのでやらなきゃ、と思いつつ見直すとこれもまだ勉強しなきゃいけない分野だったとか、すっかり忘れてるとか(汗)、まとめなきゃとか、思い出があったりで色々捨てられないものばかり。
こんな仕事、こんなお客さんとも出会いがあったな、とか懐かしく思い出しながら手がお留守になるわけです。
さて去年はどんな分野の仕事をしていたかというと、相変わらず工学系のお仕事は多かったように思います。
金属(非鉄)、エネルギー(電力:変・送電、電磁界、ごみ発電、熱電併給、バイオマス、スマートシティ、ヒートポンプ、等)、電力でも原子力発電関係では(PRA、リスク管理、リスクコミュニケーション、安全文化、バンカーシステム、放射線防護、最終処分、建設)、IoT、AI、VR、AR、通信(5G、データベース、クラウドNWアーキテクチャ、保守)、自動運転(法制度、サービス、MaaS)、医療(遺伝子治療、プレシジョン・メディシン、バイオバンク、医療倫理)、IPR案件も少しずつ増えてきました。これは係争につながるデリケートな場面では、双方に弁護士、通訳が付き、互いに不利益な状態にならないようにセッティングからして入念な準備がなされるので、こちらもかなり気を遣います。
エンジニアリング系に戻ると、水処理も今後地球全体でとても大事なところですけど、少しは分かってきたような「気」がしてます。ただ、ちょっと詳しくなったと思ったという事は実際はまだまだ分かってない状態なんですが。関連して環境トピックも幅が広すぎて‥。マイクロ・プラスチック問題から低炭素/炭素フリー社会、大気汚染、ブラックカーボン(黒い粉塵がついて、太陽が黒い色のところに当たると集中して光を吸収して氷河をどんどん溶かしてしまう、現在進行中の深刻な問題)にメタンに...。メタンはいい燃料なんですけどCO2と同じく大気圏内の温室効果ガスのカテゴリなんですよね。
北極評議会でもこれらトピックを扱いますが、フィンランドが議長国でしたし、日本は常任オブザーバー国として参加していますので日本も実は他人事ではありません。
医療から関連していえば、福祉関係で母子保健でネウボラのアポ取りに通訳も相変わらずありました。箱物だけ作って終わりにならなければいいのですが。
出身地の福山市長団の皆さんも昨年お迎えし、アポ取りに非常に苦労しましたが、視察団に大学の先輩がいらしたりして、市長もとても切れ者の素晴らしい方で、夏の一番の思い出となりましたし福山では保育士の資格を持つ方を巻き込んでの独自のネウボラ・システムがスタートし、現在も市の方とは時々やりとりがあります。
あと、高齢者介護施設、病院、障がい者の自立支援組織、介護ロボットの現場におけるニーズ等情報収集もありました。
観光トピックについてもありましたね。動物園視察やヘルシンキ・マーケティング、エアポートセールス。
日本はオリンピックに向けてこれから3年が勝負ですね、そしてその後がどう流れをつなげるかが正念場なのだろうと思います。
ソフトな分野もまだあって、昨年は良品計画さんがフィンランドの家具見本市Habitareに欧州で初めてポップアップショップを出されて、基調講演が別名Mr.MUJIの金井さんだったので、そのプレスリリースなど10カ月近く訳すという楽しいお仕事もありました。当日はかぶりつきで聴いてわくわくしたものです。トップの写真はその時のもの。
夏は小中学生の団体さんとも4日間通訳のお世話させていただきました、みんな賢くて明るくて癒された日々でした。教育視察は同業でやってらっしゃる方が多いので私にはそんなにお話はないですが、今年に入って創造都市の方々のフィンランド教育視察はビジネスで流行りのデザイン・シンキングが教育の場面にも進出していることがとても興味深かったです。(ユネスコは世界遺産カテゴリ―で有名ですけれど、創造都市リンクという世界数十都市の繋がりもあるのです。ヘルシンキも、日本では神戸市も、名古屋市も入っています)あと教育ってあまり単語を必死に調べたりしなくてもすいすい訳せて、とても楽!かつ楽しい(同じ字ですね)分野でした。改めて自分が文系なのを思い知りましたね。
9割通訳だったような気がしますが、翻訳も。
実務翻訳に加え、4か月にわたって商談のコレポン(メールのやり取りを双方に訳す)とか、映画字幕の監修、一部のみチェックも数本。
仕事以外では、せめて少し位子育てを、と習い事の面倒や試験勉強の手伝いを少しだけ、新聞を読むのも滞りがちで読書はつぎ込むエネルギーがありませんでした。ゴルフも全然できなかったなぁ。
移動も多かったですね。去年もスウェーデン5回ぐらい、ベルギーや英国、、と何度か国外出稼ぎもさせていただきました。中には「いつならセルボさん空いてますか?」とこちらのスケジュールを気にして下さるお客さんもあり、不規則な仕事の弊社としては大変ありがたいです。
さて、去年やった中でもテーマとして面白く、これは、と思った分野の一つは循環経済(サーキュラーエコノミー)。
今後の注目度がさらに上がる分野だと思います。
その分野の仕事で、昨年第一回の世界循環経済フォーラム(World Circular Economy Forum)がフィンランドで開催。
主催はフィンランドのSitra(原語の直訳ではフィンランド独立記念基金。通称で「フィンランド政府イノベーション基金」と訳されることが多いようです。将来のイノベーションや持続可能な発展のプロジェクトに出資する)です。
この通訳(逐次と、基調講演パネルディスカッションの同時通訳と、そのほか会議で)をやらせていただく貴重な機会を頂きましたが、多くの分野が関係するとても面白いテーマです。
また大昔にロンドンに留学していたころの開発や国際関係も結構遠からずな分野で懐かしさもありつつ、ゲストスピーカーがUNEP(国際連合環境計画)の人もいましたし、SDGs=持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)はこの時何度も出てきたキーワードでもあります。
実は第二回が今年10月後半にパシフィコ横浜で開催されます。
https://www.sitra.fi/en/projects/world-circular-economy-forum-2018/
日本の環境省とSitraの共催ですので、ご興味のおありの方はストリーミングなどがおそらくあると期待されますし、ぜひご覧になってみてください。
千名程度と人数が限られていておそらく招待制となりそうですので。実際昨年の第一階はヘルシンキのフィンランディアホールで開催だったのですが、それほど収容人数も多くなく、当日前に制限が入るほどの盛況でした。多くの人が動画ストリーミングで視聴していたようですよ。
そして期間限定で大盛況のうち先週閉店したファインダイニングのレストラン、ヘルシンキの港近くのフィンヤーヴェルの次のコンセプトも発表されました。
上記のSitraが出資し、同じシェフ二人組とスタッフが、フィンランド伝統食文化から今度はコンセプトを循環経済にして如何に持続可能な開発を「食」を通じて実行できるか、に挑戦するUltimaが2018年5月半ばにオープンします。
前のFinnjävelは決して安いお値段ではなかったのですが、一度友人とその月一度の贅沢と称していってみたときはとてもおいしかったです。
頑張ってくれましたが、サービスが慣れていない(でも気持ちがうれしいかな、という)初々しいホール担当の人も、もうだいぶ慣れたのではないかと思いますのでまたお小遣い貯めて贅沢できそうなときに行ってみたいと考えています。
ずっと営業するエネルギーがなかった出版翻訳もまだ心の底でくすぶっているので、完全にあきらめたわけではありません。2年前に一旦諦めたシベリウスのグルメ評伝(https://www.f-musiikki.fi/nuotit/kirjat/kirjat/jean-sibeliuksen-poydassa-lehmusoks-9789527043073)は、まだやってみたいと思っていますし、そのほかにもちょくちょくこれは良さそうだというフィンランドの小説やノンフィクション本があります。また気長に取り組んで、皆さんにご報告できるといいなと思っています。
では、みなさんお元気で。