那覇市首里の地域活性化を目指すNPO法人首里まちづくり研究会(大城裕美理事長)はこのほど、首里産の蜂蜜活用を軸とした事業「首里花いっぱいプロジェクト」を本格始動させた。古都・首里を花々が咲き誇る地域として再生するとともに、地域内で飼育するミツバチが生産した蜂蜜を新たな商品開発や体験観光プログラム創出につなげる。同研究会は協働による事業展開を目指し、地域住民に緑化や養蜂箱設置への協力を呼び掛ける方針だ。
NPO法人首里まちづくり研究会は2015年度、県の補助事業「戦略的課題解決型観光商品等支援事業」で「花咲き誇る首里まちづくり~首里ミツバチプロジェクト~体験観光プラン化事業」を展開。同様の事業は、東京都のNPO法人「銀座ミツバチプロジェクト」が先駆けで、首里まちづくり研究会はこの先進事例を基に、県内初のミツバチによる地域活性化に取り組む。
15年度は主に(1)商品・飲食メニュー開発(2)体験観光プログラム創出(3)賛助金システム構築と募集開始―などを進める。並行して首里城を中心に半径2~3キロ圏内(ミツバチの行動範囲)での採蜜可能な草花植栽や養蜂箱設置の協力を住民に要請していく。
首里地域で住民協力による養蜂箱設置は既に始まっており、住宅敷地内に設置された三つの養蜂箱を、事業に参画している新垣養蜂園(首里金城町)が管理。ミツバチたちは周辺に繁茂する草花と養蜂箱の間を行き来するなど、活発に採蜜活動を繰り広げている。
18日に首里公民館でフォーラムを開催し、地域住民らに事業内容を紹介した。同研究会は今後、養蜂業の専門知識を持った人材育成にも取り組む計画だ。
山城岩夫事務局長は「首里は戦前、緑豊かだったが、今ではミツバチの蜜源となる草花が少ない状況だ。花いっぱいで蜂蜜を使った食材や体験観光が楽しめるようになれば、地域活性化につながる」と強調した。