9月11日に2024年度日本数理生物学会年会(北海道大学)で、「『接触8割削減』モデルでの新規感染者数予測の検証」(スライド)を報告しました。拙稿「『接触8割削減』の科学的根拠」と「なぜ緊急事態措置は想定以上となったのか:数理モデル分析の影響について」の後半(5節、6節)の内容をもとにしています。
掛谷英紀先生(筑波大学)からお誘いいただいた企画シンポジウム「数理モデルによるCOVID感染者数予測の検証」での報告です。他の報告者は、中村隆(東京理科大学)、堀内(上島)有加里(東京理科大学)、掛谷英紀の諸先生。オーガナイザーは、掛谷英紀、梅野宜崇(東京大学)の両先生です。
異分野の研究者によるシンポジウムなので、どれだけ聴衆が集まるか心配でしたが、会場は(小さかったのですが)満員で、質問も活発に出る盛況でした。私の報告に対しては、事実関係の確認と、誤りを起こさないための方策についての質問があり、私の問題意識と報告内容が聴衆に概ねご理解いただけたのではないかと安堵しました。
接触8割削減での数理モデル利用の問題点について、数理生物学研究者にも知っていただく貴重な機会になりました。このような機会を与えていただいた、シンポジウム企画者と学会実行委員会の皆様に厚く感謝いたします。
参考文献
岩本康志(2023)「『接触8割削減』の科学的根拠」
岩本康志(2024)「なぜ緊急事態措置は想定以上となったのか:数理モデル分析の影響について」https://iwmtyss.com/Docs/2024/NazeKinkyuJitaiSochihaSoteiIjotoNattanoka240717.pdf
関係する過去記事
「『接触8割削減』の科学的根拠」(ベータ版)
『なぜ緊急事態措置は想定以上となったのか:数理モデル分析の影響について』改訂版(2024年7月7日)