タイトな日程ながら、幸いにもホームゲームが続いた川崎は、またしても1点のリードを守り切れずに引き分けました。

当初は広島のプレッシャーに苦しみ、後方でのボール回しでもたついてピンチを招きます。ドウグラス・ヴィエイラにシュートを打たれますが、橘田健人が体を張って難を逃れました。

やがて川崎は斜め前方に鋭いパスを繰り出すことを意識して、それが中盤で相手の守備を外すのに役立ちます。

また山田新が得意の力強いドリブルで運び、何度もボールを前へと進めました。

23分、両サイドバックが立て続けにクロスを供給する形で攻め入り、波状攻撃の後に瀬古樹のミドルが炸裂。東俊希に当たってコースが変わり、大迫敬介は懸命に触れたものの、こぼれ球に詰めたマルシーニョが蹴り込みます。今節は前半のうちに先制しました。

問題は2点目を取れるか否かでした。試合を通じてカウンターの機会もあり、ラストパスが正確ならば最後は決めるだけのシーンをつくれたはずですが、たびたびお膳立ての精度を欠きます。

後半は広島の選手がパスを受けに機敏に動くようになり、動くスピードも再び上がりました。それでもホームチームは粘り強く応対し、守っていました。

82分、大南拓磨を大島僚太とともに入れ、3バックに変更します。残り時間が限られた中で確実に逃げ切る算段でした。それだけに6分後の失点が悔やまれます。

エゼキエウのヒールでのリターンパスを受けた満田誠がミドルを放つと、体を投げ出したジェジエウに当たりコースが変わりました。

軌道の変化にチョン・ソンリョンも反応しきれません。結果的にディフレクションが両者それぞれに得点をもたらした格好です。

広島はベンチに控える外国籍選手を次々投入し、その迫力をもってして追い付きました。逆に川崎はゼ・ヒカルドとバフェティンビ・ゴミスに出番がありませんでした。

とはいえ、このまま勝ち点1を分け合うわけにはいかない川崎は、最後まで果敢に攻めました。サイドバックのごとく上がった大南のクロスに合わせた小林悠のシュートは、惜しくも枠を外れます。

アディショナルタイムにはジェジエウも前線に上がって、アウェイのアルビレックス新潟戦で見せた劇的ゴールの再現を狙うも、今回は成功せずにタイムアップを迎えました。

決して負けてはいないものの、連続した3試合で合計が勝ち点3どまり。一向に浮上する流れをつくれません。