2週連続で首位チームとの戦いとなりましたが、今回は2点のリードを追い付かれて引き分けに終わりました。

前半は神戸の守備から攻撃への切り替えの速さがしばしば見られたものの、川崎のペースで試合を進められました。特に中盤からの球出しがスムーズかつ効果的で、神戸の守備網を巧みにくぐり抜けます。

また両サイドバックが内側にポジションをとるタイミングもよく、ボールの循環が円滑になりました。

23分には高い位置からのプレッシャーが功を奏して相手のミスを誘発させ、最後は脇坂泰斗がゴールに蹴り込みます。ボックスにかける人数の多さが得点につながりました。

さらに30分、脇坂のコーナーキックをファーサイドでジョアン・シミッチが折り返し、宮代大聖が大迫勇也との競り合いに怯まず飛んで加点します。申し分ない展開です。

しかしこのまま終わる神戸ではありませんでした。前半はゴール付近でのイメージの共有がうまくいっていませんでしたが、後半になると攻守ともにスピーディーになり、精度を上げて川崎に襲いかかってきました。

流れが大きく変わったのは、家長昭博のハンドをとられたPK献上の場面です。VARによるチェックによる決定でホームチームへの後押しも大きくなり、大迫が決めたことでムードが変わります。

その勢いを跳ね返す前に汰木康也のコーナーキックから再び大迫に決められ、スコアは2-2になりました。

大南拓磨が入って3バックに変え、ウイングバックが幅をとって前に出られるようになり、一時的にペースを握り返しますが、車屋紳太郎のアクシデントと思しき交代によりトーンダウン。

ハーフタイムで脳震盪の疑いにより登里享平も退いており、最終ラインのメンバーが大きく変わってしまいまいた。

そのことがチームに少なからぬ動揺を与える形となったか、システム変更で生まれたはずの優位がなくなります。11対11の数的同数にもかかわらず数的不利になったかのようになり、大迫、そして途中出場の飯野七聖が絡んだ攻撃で数度ゴールに迫られました。

川崎は最後に遠野大弥とともにレアンドロ・ダミアンを投入。復帰を果たした背番号9は、強引にシュートを狙うより、味方との連携を大事にするプレーに終始しますが、再びリードをすることはできませんでした。

残り時間がわずかになると、神戸は無理をして攻めなくなります。彼らにとっては勝ち点1でも悪くないという判断でしょう。

逆に川崎にとっては上位浮上のためには大事なゲームでしたが、勝ち点1を得るにとどまったと言わざるを得ません。