大久保嘉人、森重真人という攻守の要を欠きながらも、逆転勝利で見事に連敗脱出――とはなりませんでしたが、東京にとっては悪い流れを断ち切る試合となりました。

前半16分、ペドロ・ジュニオールに先制されてからしばらくは、鹿島の駆け引きのうまさが際立ち、東京にはいいところがありませんでした。攻撃はピーター・ウタカにボールを集めるものの、鹿島の厳しいプレスに苦しめられ、また前線に人数がかかりすぎて中盤でボールを回せなかったりするなどリズムが出ず、守備では逆にプレッシャーをかけようとしても簡単にいなされ、テンポよくボールを回されてしまいます。

流れを自分たちの方に引き寄せたのは、前半35分のことでした。東慶悟がクロスを入れると永井謙佑が落とし、ウタカ、高萩洋次郎とつながり、最後は再び東がシュートを放ちます。この一撃はブロックされましたが、ようやく連動したいい攻撃が出ました。

その勢いで前半44分に同点に追い付いたことでチームに活気が戻り、後半立ち上がりには前半かからなかったプレスの強度を上げて激しさを増したことで主導権を握り返します。

そして後半2分に永井がボールを拾ってウタカにスルーパスを出し、ウタカは昌子源を外してパスを出し、橋本が冷静に決めて勝ち越しに成功しました。

以降は小さなミスでピンチを招きかけるも、大事には至らずに時間が経過していきました。しかし、なかなかフィニッシュまでいけない状況が続く中で、またしてもペドロ・ジュニオールにゴールを許してしまいます。

同点になってから篠田善之監督は中島翔哉、前田遼一、田邉草民を送り込んで、勝ちに行く姿勢を見せます。入ってきた選手は期待に応えようと奮闘し、後半45分には中島が三竿健斗をトラップではがし、振り向きざまにシュートを打ちますが曽ヶ端準に阻まれました。

結局、2対2からスコアは動きませんでしたが、チームが再浮上できる可能性を感じさせる内容でした。それだけにこれから中断期間に入ってしまうのが惜しまれます。