日本は前半17分、6本目のCKからラッキーな形で先制点を奪います。宇佐美貴史がショートコーナーを選択すると、パスを受けた香川真司がクロスを上げます。それをイブラヒム・アルメがパンチしますが、ボールはハムディ・アルマッスリの顔面に当たってゴールに吸い込まれていきました。

その後は26分の岡崎慎司、本田圭佑が絡んで酒井高徳が抜け出しシュートを打つシーンなど、追加点を挙げるチャンスが多々ありながら決められず、逆にミスから逆襲を食らう場面がしばしば見られました。

この流れはエンドが変わっても続き、後半16分にCKの流れから森重真人のクロスを本田が頭で合わせてポストを直撃した1分後、森重のパスをオマル・ハルビンにカットされてキープされると、最後はマハムード・アルマワスがミドルシュートを放ち、こちらもポストをヒットするというピンチがありました。

また20分には長谷部誠が自陣深い位置でアブドゥルラザク・アルフセインにボールを奪われ、ハルビンのシュートが西川周作を襲う場面がありました。

こうした嫌なムードを払拭したのは背番号10でした。21分、カウンターを仕掛けると、長谷部の浮き球のパスをアルマッスリがクリアミス。それを本田が生かして香川に繋ぐと、香川はトラップしてから反転しボレーシュートを決めました。

2点ビハインドとなったシリアですが、最終予選進出の可能性を残していることから、戦意を喪失することなく、チャンスと見るや果敢にシュートを打ってきました。それらを吉田麻也、長谷部、西川らが体を張って、懸命に阻止して失点を許しません。

すると41分、相手CKを阻止すると長友佑都がエリア内からロングパスを出します。ハーフウェイラインまで飛んだボールを香川がモハメド・ザヒル・アルグナミ・アルメダニと競って勝ち、一気にカウンターの形になります。落としたボールを清武弘嗣がダイレクトで香川に戻すと、香川は落ち着いてクロスを上げ、最後は本田が頭で合わせてとどめを刺しました。

その後は45分に再び香川が、48分にはボランチの位置から猛然と上がった原口元気が得点を重ねて、スコアでは5対0の大勝に終わりました。ただ、失点こそなかったとはいえ、何度もヒヤリとするようなピンチを招いてしまったことは、最終予選に向けての大きな課題となりました。