貞本義行
KADOKAWA/角川書店 (2014-11-20)
通称、貞本エヴァ、漫画版 新世紀エヴァンゲリオン 14巻 感想です。
連載が不定期でなかなか新刊が出なくてもどかしい作品ではあったけど、こうして完結してしまえばナルトのときと同じような寂しさを感じる。
学生時代には友達とこのコミックの新刊が出たことにテンション上げてたのを思い出した。
この作品って元々アニメより先に始まったんだね。アニメは完結し、ついには新劇場版まで放映されてしまったのに。歴史を感じる。
今回購入したのはプレミアム限定版。株で50万以上の損をして経済的にピンチなのに、せっかくの最終巻だし奮発しちゃった。
まずは特典のレビューから。表紙が通常版が違うというのは割愛して、コミックス全14巻を収納できるブックエンド!
組み立て図を見た感じエヴァっぽくてオシャレだね。だけどうちの本棚はすでに一杯一杯でで多くのスペースが必要なこういったブックエンドを使う余裕がないんだ… だから箱から出さずに最終回記念で保存…
続いて、貞本義行描き下ろしイラスト収録のブックレット。
メインキャラが描かれており、なかなかいいものだった。
最後は貞本義行Working Music CD。
サントラとボーカル曲を計4曲収録していて、元はエヴァとは関係ないインディーズ曲らしいけど、作者が仕事をしながら聴いている曲で今回そのアレンジ版として収録されたそうだ。
これらの曲はすごくエヴァっぽい雰囲気の曲で、仕事じゃなくてもこの14巻を読みながらでもBGMにしていると雰囲気が出ると思った。
それでは漫画最終巻本編の感想。
物語はすでにクライマックスもクライマックス。ATフィールドを失った人類が皆LCLになっていくシーンから。
マヤがリツコに抱きついてLCLになっていく所などアニメ版と同じだね。
読んでて色々懐かしい気持ちなるシーンの数々だった。
本筋はアニメ版と同じだけど、漫画版は貞本義行先生の持つ別視点で描かれたクライマックスで、アニメ版よりも痒い所に手が届いていた。特典CDを使わなくても脳内で勝ってにBGMが流れてくるほど、心に染みる演出だった。
産まれたばかりのシンジに親として接するゲンドウとか泣けるじゃないか。
綾波とシンジのシーンも特徴的だね。綾波の全裸もサービスシーンではない芸術のジャンルの全裸だと思う。
漫画版のシンジの方が辛い現実に立ち向かうくらいの心に芯がある感じ。最期の別れのシーンで綾波が笑ってくれたのは憎い演出だw
終わり方は漫画版の完全オリジナルだった。
アスカの「気持ち悪い」ではなく、しっかり再編された世界が描かれており、エヴァシリーズはいつからあるかわからない遺跡として地球に存在していた。
あの旧劇場版のバッドエンドとまではいかないけど煮え切らない、他の皆がどうなったか不明な終わり方から、やっと答えを貰えたように思う。
アスカとは駅で偶然の出会い(再会)を果たした。もっとも互いに記憶はない。
だけどこれからラブコメが始まっても違和感のないような、エヴァとは思えない爽やかな終わりだった。
これにて物語
完!じゃなくて、最後に
EXTRA STAGEという番外編が収録されていた!
超優等生な碇ユイに嫉妬する飛び級するほど優秀な女学生が主人公の物語。
ユイと女学生とたまにゲンドウの学生生活が描かれていたが、この女学生こそ新劇場版に登場した
マリだった!
いや~、連載の休載が多すぎた怪我の功名でまさか新劇版に関する番外編が収録されるとは、最後の最後に貞本先生ファンの心を掴みに来るw
新劇場版でマリとユイに関して微妙に伏線が張られていたけど、こうやってはっきり描かれるなんてこの番外編だけでもコミックス代に釣り合う十分な面白さだ。マリのユイに嫉妬して意地悪をする嫌な女学生の一面も面白かった。
エヴァの呪縛で見た目が変わらなくなったマリは実はユイやゲンドウと同い年のおばさんだったんだねw
最後の最後の最後まで楽しめるすばらしいコミカライズだった。
コミック版とは言え、オタクも一般人もあたかもLCLの海のように一緒に楽しめた作品だからこうやって終わってしまうのは、とても感慨深い。これでこの銀色のカバーともお別れか…
個人的な評価★★★★★★★★★★
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