電車に乗っているときに、彼氏から着信が入った。
割と空いている電車だったため、小声で少しだけ話す。
「もしもし?」
「もしもし、今からこっち来ないか?」
「あ、ごめん。今電車の中だから、降りたらかけ直すね。」
電話を切ってから気が付いた。
あ、次の駅は彼氏の住んでる駅だ。
時間もあるし、私に会いたがってくれているみたいだから、突然家に行って驚かせてやろう。
私は次の駅で降りると、彼氏の住むマンションへと向かった。
あれ?
マンションの周りには警察が多い。
何かあったのかな?
気にはなったものの、私は彼氏の部屋に急いだ。
部屋の前には、さらに多くの警察がいた。
大家さんらしき人もそばにいる。
え?
一体何があったっていうの?
さすがに気になって私は聞く。
「あの!この部屋で何かあったんですか?中村さんに何かあったんですか?」
この状況で彼氏の心配をするのは当然だ。
警察はこちらに体を向け答えた。
「あ、中村さんのお知合いですか?彼、昨夜亡くなったんですよ。遺書もありますし、状況から考えて自殺に間違いないと思います。」
え・・・・?
そんなバカなことがあるはずはなかった。
つい10分前に彼から電話が来たのだ。
意味がわからない・・・・
私は放心状態になりながらも考えた。
つまりこれって、彼氏の魂が私に電話をしてきて「自分の死を伝えたかった」ということなのだろうか?
絶望的な気分。
酷い悲しみと混乱に襲われながら、私は街をさまよい続けた。
どうやって帰ってきたのか、いつの間にか自分の家のそばまで歩いていた。
そのとき私の携帯電話が鳴った。
見ると、彼氏からの着信だ。
恐怖よりも、真実を知りたいという気持ちが強かった。
「もしもし?どういうことなの?ちゃんと説明してよ。」
私が泣きながら言うと、彼氏は答えた。
「もしもし。今から、こっちに来ないか?」
解説↓
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