ふたりめし01
社畜気味で食べることが大好きなサラリーマン月島さんと、引きこもり系翻訳家尾形の、前世の記憶持ち二人。
まともな食事もせずに閉じこもる尾形と飯を食うだけのお話です。
月島+尾形
誰かと食う飯は、美味いような気がする。
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狭い部屋の真ん中で、ふたり~ふたりめし~
ロシア語の出来る人間を探している、と言われて日常会話位ならと答えたらすぐさま取引先へ行ってくれと言われた。
どうやらウチの社員が一人、相手方を怒らせてしまったらしい。
外国人とのビジネスは日本人相手のようにはなかなかうまくいかない。
自我の塊みたいな連中と、一歩も引かずに対峙するには、生ぬるい環境で生きてきた若手には無理だったらしい。
また尻ぬぐいか。
中間管理職ってのは面倒くさい。
それでもわが社はまだ働きやすくはある。
──鶴見部長は以前の記憶を持たないが、穏やかに、けれど隙を見逃さず鋭く切り込むそのやり方は昔と──つまりあの頃と──変わりない。
上からの圧力も何のその、部下を思いやる優しい上司だ。
俺を送り出すときに、大丈夫かと心配してくれたが、その目には「お前にしか頼めない」と無言の期待が込められていた。
今も昔も、上手に人を動かす人だ。
入社してその姿を初めて見た時、俺の記憶はフラッシュバックして、怒涛のような感情が襲ってきた。目の前で穏やかに笑う美しいその顔は、とても懐かしく感じた。
俺が見てきたのは、酷い怪我を負った後のあの顔だったから、それを思い出して不意に泣きそうになってしまった。
そんな俺を、鶴見さんはどう思ったのか分からない。
けれど、またこの時代でこの人の下に就くことになったのは多分もう運命なのだろうと感じた。
新入社員だった俺が課長になり、鶴見さんは部長になった。
15年以上の付き合いになるが、彼が記憶を取り戻す様子はなかった。
──結果から言えば、取引先との問題は割とすんなりと解決した。
気合いを入れて挑んだのがあっけなく感じる程で、単に言葉の通じない相手とのコミュニケーション不足が明らかなのは、話して数分で分かった。
欧米人との会話でも感じることだが、向こうの人間はやけにウィットを好む。
くそ真面目にビジネスの話一辺倒の日本人は、なかなかそうはいかない。
慣れない日本で、言葉の通じない相手と働くのはおそらくストレスだったのだろう。
俺は冗談を好まないが、話を聞くくらいはできる。
そんなわけで、拍子抜けするほど簡単に和解し、契約の一歩手前までこぎつけることができた。
「それで、契約は」
鶴見さんが報告書を見ながら問う。
「詳しい内容をロシア語で文書にしてほしいと」
もちろん日常会話がやっとな俺では、専門用語たっぷりのビジネス文書など無理だ。鶴見さんもそれを分かっていて、すぐにロシア語に長けた翻訳家を探すと言ってくれた。
──疲れた。
昼めし抜きで先方に向かい、空腹だ。
社員食堂はもう閉まっている。この時間だと、買い置きのカップ麺かコンビニ弁当くらいしか選択肢がない。
コンビニに行くには社を出る必要がある。さすがに面倒くさくなって、引き出しに買い置いておいたカップ麺を取り出し、給湯室へと向かう。コンロでお湯を沸かして容器に注ぐ頃には、ぐったりと疲れていた。
──飯が食いたい。
3分後には腹に入るはずのカップ麺を見つめ、俺は思った。
──飯が、食いたい。
最近、忙しくてまともな食事を食べていない。
コンビニ弁当、近くの蕎麦屋にラーメン屋。買ってきたおにぎりやパン。
そろそろ限界だ。
炊き立ての白い飯と、それが進むおかず。丼ものでもいい。
飯が食いたい。
スマホのタイマーが鳴って、俺は給湯室で、立ったままそのインスタント麺をすすった。
──飯が。
この仕事が終わったら、山程食ってやる。
1分もかからずに食い終わったカップ麺では、満たされなかった。
鶴見さんが見つけてくれた翻訳家はフリーで在宅で仕事をしていた。
メールでアポを取って約束の時間に家を訪ねたら、留守だった。
──留守?
インターフォンを鳴らしても反応はなく、しばし玄関の前で立ち尽くしていた。
唯一の連絡方法であるメールは、昨日、日付と時間を確認したきり。けれど先方からは了解のメールが届いている。
もう一度インターフォンを鳴らして、待ってみる。やはり返事はない。
仕方なくスマホでメールを送ってみた。自宅の前にいます、御在宅でしょうか。送信したら、間もなく部屋の中でかすかに着信音がした。
玄関のドアの向こう、ぴこん、と。
「──花沢さん?」
こんこんとドアをノックして耳をすませたら、何かの気配がした。
人がいる。このドアの向こうに。
ドアノブをつかんだら、鍵は開いていた。
そして、開いた扉の向こう、男が一人、倒れていた。
「──花沢……さん?」
声をかけたらぴくりと動く。左手に握られたスマホ。
「大丈夫ですか?」
抱え起こしたら、男はうめく。ばさりと前髪が額に落ち、表情はよく分からない。けれど、その男は、かすれた声で言った。
「──腹、減った……」
がくりと力尽き、俺の腕の中で、男は意識を失った。
色白で、目の下にはしっかりとクマを作り、頬はげっそりとこけていた。
前髪をかき上げなくても、それが誰だか分かった。
「尾形」
100年以上口にしていなかったその名を呼んだら、久し振りにあの頃の記憶がフラッシュバックした。
ちかちかと目まぐるしく回る当時の記憶。坊主頭の新兵だったり、傷を負って包帯でぐるぐる巻きだったり、あの嫌味な笑みを浮かべてこちらを見る尾形の姿が怒涛のように押し寄せてくる。
それがゆっくりと治まってから、俺は尾形を抱きあげた。
靴を脱いで室内に入ったら、恐ろしく何もない部屋だった。
狭いワンルーム。ベッドと机。机の上にはパソコンがぽつんと置かれている。
とりあえずベッドに寝かせ、どうしたものかと考える。
尾形だ。
間違いなく。
髪を下ろしたその姿は見慣れないが、今生でも顎に傷があった。
「一体どうしたらそんな傷ができるんだ」
眠る尾形はやけにあどけなかった。
花沢、と名乗った翻訳家を訪ねたら、尾形がいた。
記憶を持たない鶴見さんだ、知っていて彼を選んだわけではないだろう。
それにしても。
──腹、減った。
意識を失う前につぶやいた言葉を思い出し、俺は苦笑する。
「飯、食ってないのか」
狭いキッチンには小さな冷蔵庫があったが、中はほとんど空っぽだった。かろうじて電子レンジだけはあるが、調理器具のようなものは小さな片手鍋が一つだけ。
炊飯器も、調味料さえもないこの部屋で、一体どんな生活をしているのか。
目を覚ます気配はない。
──月島軍曹殿。
皮肉気な笑みを浮かべ、俺を呼んでいたあの頃のことを、ぼんやりと思いだす。
こいつの最後を、俺はよく知らない。
薄れゆく記憶の中、過行く景色に、尾形の身体が落下し消えていくのが見えた。
それだけだ。
散った、と思った。
お前は何のためにここまで来たんだ。
それを問うことはできなかった。
寝顔を見つめていたら、静かな部屋に爆音が響いた。
尾形の腹の虫だった。
俺は笑い、眠る尾形の頭をぐしゃぐしゃと撫でてやった。
近くのコンビニで適当に食えそうなものを買って戻ったら、尾形はまだ眠っていた。
アポイントの時間はとっくに過ぎ、ビジネスの話をするつもりで来たはずなのに、俺はなぜかこの家の唯一の片手鍋でお湯を沸かしている。
弁当を二つ、おにぎりを4つ、お湯を注ぐだけのカップ味噌汁を二つ。ペットボトルのお茶も買ってきた。
部屋のありさまを見るに、まともな食事をしていないことは分かった。
ゴミ箱にはゼリー飲料とエナジーバーの袋が入っているだけだ。
「尾形」
ゆさゆさと身体を揺さぶったら、ぼんやりと目を開けた。
「──起き上がれるか?」
「……軍曹……」
俺を見てそうつぶやいたということは、こいつも過去の記憶があるらしい。
「……任務は……」
「尾形」
「規律……」
「尾形、寝ぼけてるのか」
ぺしぺしと頬を叩いたら、ようやく焦点が合って、尾形の黒目がちな大きな目が俺を捉えた。
「──月島……軍……」
「まだ言うか」
「夢ですか」
「現実だ」
のそりと、身体を起こした尾形が額を押さえ、ゆっくりと首を振った。
「──軍曹殿」
前髪の隙間、尾形が俺を見る。
「どうやら腹が減ってます」
俺は笑い、
「どうやらってレベルじゃないな」
──片手鍋で沸したお湯をカップに注ぎ、インスタント味噌汁を渡したら、尾形はどうも、と小さくつぶやいた。
テーブルもないので床に並んだ弁当とおにぎり。好きなものを食え、と言ったら、おにぎりを一つ、もそもそとかじり始めた。
「何で、あんたがここに?」
「何でもなにも、アポはとったはずだ、花沢さん」
「──ああ、ロシア語の……あんただったのか」
「花沢は本名か?」
「いや、翻訳業の時に使ってるだけだ」
よりにもよってその名を選ぶとは。少し呆れたが、尾形は気にする様子もなくおにぎりをかじっている。
「あんたも記憶があるのか」
「ああ、正確には15年前に思い出した」
「そうか……」
そのことに関して深く追求するわけでもなく、黙々と食事を続ける。
酷い顔をしている。
どんな生活を送ったらこんな顔になるのだろうか。
社畜に近い俺だから人のことは言えないが、ここまで生気のない人間はそうそういまい。
「もっと食え。こっちの海苔弁も食え」
「──急にそんなには無理です」
「お前、一体何食って生きてたんだ」
「まあ、その辺にあるものを適当に」
買ってきた弁当の1つと、おにぎり2個は俺が昼飯代わりに食べた。腹は満たせるが、満足はできない。
──炊き立ての飯が食いたい。
朝はタイマーセットした飯を握って朝食にしている。冷蔵庫の中はおにぎりの具になりそうなものが詰まっていて、その中から適当に3~4種類。インスタントの味噌汁をすすりながらそれを食べて出社する。
できることなら朝もしっかりとした飯を食いたいが、最近は忙しさで余裕がない。
「──1人か」
「ええ」
「それにしてもこの部屋は生活感がなさすぎる」
「半年前に引っ越してきて──なんだかもう、面倒くさくて」
「飯くらいはちゃんと食え」
「……あんた、変らねえな」
ようやくおにぎりを一つ食べ終えた尾形が、前髪の隙間から俺を見ている。にらむように。というよりも、探るように。
──あの頃の尾形の目と同じだ。
何も信じてない、警戒したその目は、人を寄せ付けようとしない。
つまり、こいつはまだ、孤高の山猫なのだろう、と思った。
がつがつと海苔弁をかっ込んで、味噌汁を飲み干し、俺はおもむろに胡坐から正座に居住まいを正した。
「連絡いたしました通り、こちらの業務内容及び契約書についてのロシア語翻訳をお願いしたく、本日は伺いました」
鞄から書類を出す。俺の急激なビジネスモードに、尾形はきょとんと目を丸くした。
「内容につきましては外部へ漏洩は避けたく──」
「おい」
尾形は呆れたように小さく息をついた。
「人の食事の心配したと思ったら、急に仕事の話かよ」
「当然だ。ここへは元々そのつもりで来ている」
「──くそっ、まだ頭が切り替わんねーんだ。少し待て」
「待ちますよ。──あなたほど優秀な翻訳家はそうそういないとのことですから──花沢さん」
俺が呼んだ名前を、尾形は皮肉と受け取ったらしい。は、っと吐き捨てる。
「──まずは仕事の話を終わらせてからにしましょう」
俺は冷静にそう言ってから、目の前で威嚇する尾形に手を伸ばし、がしりと頭をつかんだ。
「──それから、ゆっくりと色々聞かせてもらおうか、尾形上等兵」
俺の態度に驚いたように目を見開いた尾形が、あまりに意表を衝かれたような顔をしていて、俺は笑ってそのままさっきと同じようにぐしゃぐしゃと頭を撫でた。
「な……なんなんだ、あんた」
尾形がそう言って俺の手を振り払ったけれど、俺にはもう、その姿は手負いの猫がうなっているだけにしか見えなかった。
契約は速やかに完了。特に急ぎの仕事もないのですぐに取り掛かる、と尾形は言った。
鶴見さんに報告し、自分のデスクで仕事をしながら、何もない部屋に置かれた小さな机とノートパソコン、薄暗いその部屋で尾形が一人キーを叩く姿を想像した。
──飯が食いたい。
電子レンジと、空っぽの冷蔵庫しかないあの部屋で、尾形は夕飯を食べるだろうか?
そう思ったらいてもたってもいられなかった。
珍しく定時で会社を出た俺が向かったのは、昼間に訊ねた尾形のアパートだった。
質素な古い建物。鶴見さんの話ではそこそこ名の知れた翻訳家だというから、収入は悪くないはずだ。それなのになぜ、こんな部屋に──しかも何もない部屋に住んでいるのか。
来る途中で買ったものをを片手にぶら下げて、俺はインターフォンを押した。
ややあって、不機嫌そうな声が、はい、と答える。
「俺だ」
短く告げると、がたたと音がして、なんだか妙に驚いたような顔をして尾形が玄関の扉を開けた。
「──どう、したんです」
昼間はぼさぼさと邪魔くさかった前髪が、今は後ろに撫でつけられ、大きな黒いヘア―クリップで留められている。
「飯だ」
「は?」
俺は尾形が扉を押さえる腕の下をくぐるようにして部屋に入った。
「ちょ、ちょっと、月島さん」
「飯を食う。お前もだ、尾形」
レジ袋を持ち上げてみせたら、複雑な顔をして、
「本当、なんなんだよ……あんた」
諦めたように言ったのを確認し、俺はずかずかと奥に進んだ。とは言ってもワンルームの狭い部屋だ。数歩で部屋の真ん中にたどり着く。
「飯は食ったか? ──食ってるわけがないな、その様子だと」
ちらりと目をやった机の上にはやたらと派手なエナジードリンクの缶。
「──あとで、何か腹には入れます」
「仕事をしていていい。勝手に借りる」
台所──というにもおこがましいくらいに小さなそのスペースは、一口のコンロと狭いシンク。蹴とばしたら転がって行きそうな小型の冷蔵庫。そして安っぽい電子レンジ。それでも、一応、魚を焼くためのグリルらしきものはついていた。一度も使っていないのは明白で、俺は中皿と焼き網をさっと洗った。
後ろでその様子を見ていた尾形が、ばりばりと頭をかいて、静かに机に戻ったのが分かった。
スーパーで買ってきたのはレンジで温めるだけのパックご飯。昼も飲んだインスタントのカップの味噌汁。それにキャベツの千切り。小ぶりのウスターソースと、同じくミニサイズのマヨネーズ。でかい丼と割りばしも調達した。
それに、今日のメインはこれだ。
ここに来る途中の商店街の肉屋の前、あまりにいい香りがして足を止めた。
ガラスケースの向こう、サックサクの衣に包まれた揚げ物たち。残り少なくなってはいたがいくつか並んでいた。それを見て俺はごくりと唾を飲む。
絶対うまい。
残っていたメンチカツを4つとも、迷わず購入していた。ついでにシンプルなコロッケも二つ。
そのあとに近くのスーパーに駆け込んで、必要なものを買い揃えたというわけだ。
小鍋は昼と同じ仕事を与えられ、ぐつぐつと湯を沸かす。
洗った丼に、レンジで温めたご飯を盛りつけ、上にキャベツをたっぷり乗せる。そこに、グリルで焼いたメンチカツを乗せれば完成だ。
「尾形、飯だ」
15分ほどで完成した飯を、昼と同様床に並べて尾形を呼んだら、ゆっくりと振り返り、のそのそとこちらにやって来る。
「少し焦げたが、それもうまい」
熱々に焼けたメンチの上にソースをかけたらじゅわわと音がした。勢いよくしみ込んでいくウスターソースとメンチカツの香りが混ざり、思わず唾を飲み込んだら、正面で尾形もごくりと喉を鳴らすが聞こえた。
熱い味噌汁を一口飲んだら、もう止まらなかった。
俺は丼を持ち上げ勢いよく飯を食う。
メンチから染みだした脂とウスターソースがキャベツを浸透し下の白飯まで染みていた。
うまい。
火傷するほど熱い、立った衣が焦げたメンチは、大当たりだった。安っぽい市販品と違い、ごろごろと粗挽きのひき肉からこれでもかと肉汁が溢れてくる。
がつがつと食う俺の前、尾形も箸を伸ばした。
丼を持ち上げて一口。
「──うまい、です」
「だろう」
しばらく黙って二人、メンチカツ丼を食べ続けた。
「……何だよこれ、ちっとも減らねえ」
しっかりと箸を進めている尾形だが、丼の中身がなかなか少なくならない。
「ふたパック分の飯が入ってる」
「はあ? 多すぎだろ」
「俺のは3パック分だ」
レンジで温めるだけのパックご飯は5つ入り。ぞれを全部温めて丼に盛った。
ぽかんとしていた尾形が、ふは、と笑いだす。
「あんた……それ、食い過ぎだろ」
ははは、と笑いだしたら止まらなくなった。尾形は箸を持ったまま息が切れるほど笑い続け、それからふいにそれを止め、俺を見た。
「誰かと飯を食うの、久し振りだ」
「そうか」
「まさかあんたとだなんて想像もしてなかった」
中身の減らない丼を見つめ、尾形はまた、箸を動かす。一口、二口、口に運んでいく。
「──尾形」
「何ですか」
「飯を食ったらお前の話を聞かせてくれ」
「……話すことなんて別にありません」
「何でもいい。お前のことを」
「──あんたも話すなら」
俺の丼は空っぽだ。
コロッケはじんわりと甘く、懐かしい味がした。
「ああ、話す。たいして面白くはないがな」
「ん……」
尾形が飯を食う。
たった数歩先の玄関にたどり着かず行き倒れていた昼間より、少し顔色は良くなっていた。
飯を食えばいい。
ちゃんと。
誰かと一緒に食べる飯は、いつもよりうまいような気がする。
「ていうかな、揚げ物と揚げ物に大量の白飯って、運動部の学生かよ」
必死で食べ続けた尾形だが、結局途中でリタイアした。
自分が残した飯を奪って食う俺を呆れたように見ていた尾形が、
「あんたマジで食い過ぎですよ」
そう言って穏やかに笑うのを、俺は見逃さなかった。
了 2023/09
ところどころまだ完全に戻らない記憶で生きる月島。
すべてを思い出して今の世界を生きている尾形。
月島さんはとりあえず、飯を食いたいのです。
そのうち×になる予定です。