bittersweet | 月光(紫原×氷室)
bittersweet
自作BL・GL/二次創作BL 日常ゆるゆる雑記 好きなものを、好きなように、好きなだけ。

はじめに
 個人的な趣味で小説を書いています。
 二次創作を扱っていますが、出版社、原作者等、いかなる団体とも一切無関係です。
 オリジナル・二次創作ともにBL・GL要素を含みますのでご注意ください。
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Author:hiyu
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本と猫とコーヒーとチョコがあれば生きていける。ような気がする。
野球と映画があれば、なお良し。
玉ねぎとお豆腐とチーズが無いと落ち込みます。

画像はPicrew「とーとつにエジプト神っぽいメーカー」さんから。


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(2018/12/15更新)

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月光(紫原×氷室)
 むっくん、むっくん。
 大好きむっくん。
 krbsは、みんなキャラいいですね。好きなキャラだらけです。

 お菓子を食べてます。室ちんに怒られてます。

 紫原×氷室。
 むっくんほしい……。





   月光

 まあるい月がぽっかりと空に浮かんでいて、その明るさに思わず目を細めた。
 ボーっとその月を見上げていたら、ぽんと後ろから背中を叩かれた。
「何ぽけっとしてるのさ、敦」
 室ちんが地べたに座った俺を見下ろしていた。俺は食べかけのまいう棒をまた口に運び、なんでもなーい、と答える。
「満月だね」
 俺の隣に座り込み、室ちんは言った。
 そう、満月。雲ひとつない空に浮かんだそのきれいな円は、少し黄色い光を発している。肉眼でもクレーターが見えそうなほど澄んだ空だった。
 さくさくと、俺がお菓子を食べる音だけがしばらく響いていた。
 5本目のまいう棒は、封を開けようとした途端、室ちんに奪われた。
「お菓子ばかり食べちゃ駄目って言ってるだろう」
「室ちんのけちー」
 それを奪われたところで痛くもかゆくもなかった。俺が抱えている袋には、まだ沢山のお菓子が詰まっている。そう考えたのが伝わったのだろう、室ちんは笑顔を作って、手を差し出した。
「敦」
 室ちんの冷たくも見えるくらいきれいな顔は、作り笑顔だととても恐い。長い前髪の奥で、その目がきらりと光ったように見えて、俺は少しひるんだ。
「それをよこしなさい」
 俺は、室ちんと、手元のお菓子を交互に何度か見て、渋々それを渡した。
「ん、いい子だ」
 先に奪ったまいう棒もその袋に戻し、室ちんが袋を俺とは反対側に置いた。
「あとでちゃんと返してよ」
「今日はもう食べないならね」
 室ちんがにっこりと笑う。今度は作り物じゃない、本当の笑顔。優しく、柔らかく、そのきれいな顔が微笑む。
 俺はむっとして、口を尖らせる。
「さあ、敦、一緒に月を見よう」
「さっきから見てるし」
「むくれないで」
「むくれてないし」
 今日発売したばかりの新商品も、袋の中には入っていた。後のお楽しみで取っておいたのがあだになってしまった。こんなことなら真っ先に食べておけばよかった、と思う。
 室ちんは目を細めて月を見ていた。その横顔は美しく輪郭を映し出し、どのパーツを見てもきれいに整っている。右目の下に小さな泣きぼくろがあって、俺はいつもそれを見つめてしまう。
「何だい、敦」
 室ちんが俺の視線に気付いてこりらを見た。
「室ちん、何しに来たの?」
 俺は寮の部屋を抜け出して、いつもは洗濯物干し場になっている屋上にいた。部屋でお菓子を食べていると、同室の室ちんに見つかってしまうから、こっそりと。
「敦を探しに」
「お菓子、食べたい」
「食べてもいいけど、限度があるだろう?」
「まだ限度を超えてない」
「敦、そういうのを、屁理屈って言うんだよ」
 ねりねりして食べるあのお菓子の新フレーバー。せめてそれを見つかる前に食べたかったなぁ、と思う。
 月なんて見上げていたからだ。
 月に見とれたりしなければ、食べられた。
「室ちん、俺のこと監視してるの?」
「そういうわけじゃないよ」
 くすりと笑って、室ちんはまた月を見上げた。
「とてもきれいだ」
 月なんて腹の足しにもならない。同じまん丸なら、棒つきのキャンディでも食べていた方がましだった。
「きれいな円だね。──まるでバスケットボールみたいに」
「バレーボールもサッカーボールも野球のボールも、テニスボールも卓球の球もみんな円だし」
 呆れたような目をして、室ちんが溜め息をついた。
「今日の敦はなかなか機嫌が直らないね」
「直ってほしいならお菓子返してよ」
「それは駄目」
 今日の室ちんだって、いつもより厳しい。いつもは仕方ないなぁ、なんて言いながらいくつかのお菓子を許してくれるのに。
「ねぇ、敦」
 室ちんの声が、少し変わった。どこか真剣みを帯びたその音に、俺は首を傾げた。
「俺と一緒の部屋は窮屈?」
 そんなことを聞かれて、俺は眉をひそめる。
「何で」
「だって、敦はいつも部屋を抜け出すでしょ」
 今日だって、と室ちんは少し目を伏せた。
 それは、部屋でお菓子を食べていると、室ちんがうるさいからだ。
 敦、食べすぎだよ。お腹を壊すよ。身体に悪いよ。虫歯になるよ。
 30本入りの大袋のまいう棒は、数種類の味をそろえてある。定期的にそれを買い出しに行くのに、室ちんだってたまについてくる。
 スーパーで、駄菓子屋で、俺と一緒に楽しそうにお菓子を選んでいる姿を、俺は思い出す。
 それなのに、食べちゃ駄目だと室ちんは言う。
「もしかしたら、敦は、俺とあの部屋にいるのが嫌い?」
「別に」
 夏の間は夕涼み代わりに屋上に上がる。秋になった今は、少し風は冷たいけれど、虫の音が静かに聞こえてきて、空は澄み、心地いい。冬になったら多分、北国のここでは寒さに耐え切れないだろうけど。
「別に、室ちんと一緒が嫌なんじゃない」
「だったら、どうして?」
「お菓子、食べさせてくれないから」
 俺が言うと、室ちんはそのきれいな目を丸くした。
「お菓子?」
「食べちゃ駄目って言うから、外で食べてた」
「──部屋を出て行くついでにお菓子を食べてるんじゃなくて、お菓子を食べたくて部屋を出てるの?」
「そう」
 俺の答えに、しばらく室ちんは呆然としていた。そして、いきなりはは、と笑う。
「何だ、そうだったんだ」
「だって、室ちん恐い顔するし」
「そりゃそうだよ、敦の健康を気遣ってるんだから」
「別に気遣ってくれなくていーし」
「駄目だよ」
 いきなり真面目な声になって、室ちんが言った。その表情も真剣なものへと変わっていた。
「敦は素晴らしいプレイヤーなんだから、先のことも考えて身体の管理はきちんとしなきゃいけない」
 プレイヤー。つまり、バスケの選手。
 室ちんは、俺がそれを一生続けていくと思っているのだろうか。
「別に──」
「よくないよ、敦」
 室ちんが首を振った。
「お前の才能は、こんなところで埋もらせてはいけない」
 自分のことでもないのに、室ちんは真剣だ。俺のバスケに対する気持ちなんて、室ちんに比べたら微々たるものだ。この先も一生バスケを続けていくかどうかなんて、まだ分からない。そんなあやふやな未来のために、今から身体の管理なんて、うんざりだと思った。
「別に、才能なんて──」
「その先は」
 室ちんの声が、大きくなった。俺は言葉を切る。まるでにらむように俺を見ている室ちんの目が、凄みを増した。
「その先は、言っちゃ駄目だよ、敦」
 どうして、とは聞けなかった。
 才能。
 その言葉を口にするとき、室ちんはいつも表情を曇らせる。どうしてそんな顔をするのか、俺には分からなかった。
「……分かった」
 素直にうなずくと、室ちんは表情を柔らかくした。
「いい子だね、敦」
 まるで子供にするように、俺の頭を撫でる。
「子供じゃねーし」
「そうだね」
 室ちんが笑う。左目を隠すくらいに伸びた前髪が、揺れる。
「けれど、良かったよ。もしかしたら敦に嫌われてるんじゃないかと思って不安だったんだ」
「室ちんが不安になったりすんの?」
「そりゃ、なるよ」
「ふーん」
 俺は空を見上げた。室ちんも、同じように見上げる。けれど俺の視線は隣の室ちんに向いていた。整った横顔は、もう穏やかさを取り戻している。さっきの恐いくらいの凄みは、跡形もなかった。
 右目の下のほくろ。
 俺はそれを見つめる。
 時々、室ちんが泣いているように見えるのは、このほくろのせいなのkもしれない。
「敦」
 空を見上げたまま、室ちんが言った。
「俺は勝ちたい」
 ウィンターカップのことだというのはすぐに分かった。
「勝ちたいんだ」
 どうしてそこまで勝ちにこだわるのか。俺にはきっと、分からない。
「室ちんが──」
 俺は、室ちんの泣きぼくろを見つめながら、言った。
「室ちんがどうしてもって言うなら」
「どうしても」
 その視線はまっすぐに明るい月に向けられていた。月明かりに照らされた横顔が、どこか寂しそうに見える。
「分かった」
 俺はうなずいた。
「ありがとう、敦」
 目線はそのまま、口元だけが少し微笑んだ。俺が室ちんを見ていることを、多分気付いているのだろう。けれど室ちんは月を見上げたまま俺を見なかった。
「俺は」
 だから、俺は視線だけじゃなくて顔ごと室ちんの方を見た。
「室ちんのこと、結構好きだし」
 室ちんがばっとこちらを見て、驚いたように目を見開いた。そして次の瞬間、その顔が満面の笑みに変わった。
「別に室ちんが嫌いで部屋を抜けてるわけじゃないから」
「うん、そうだね。お菓子、だよね」
「そう」
 俺がうなずくと、室ちんはなぜかとても嬉しそうにしている。
 月が俺たち二人を照らしている。夜なのに、その明るさで室ちんの顔がはっきりと見える。
「本当に、ありがとう、敦」
 今度は何でお礼を言われたのか、分からなかった。眉をひそめて首をひねると、室ちんはくすくすと笑ったが、理由は言おうとはしなかった。
「でもね、敦。やっぱりお菓子は控えめにね」
「えー」
 室ちんがにっこりと微笑む。けん制するような笑顔だな、と思った。
 けれど。
 俺は室ちんの後ろから、手を伸ばした。この長い腕は、俺の武器。
 室ちんを挟んで反対側に、没収されたお菓子の袋がある。俺の手が、それに届いた。
「敦」
 すぐ近くで、室ちんの声がした。恐る恐る目をやると──
「俺は、控えめに、って言ったよね、たった今」
 そのきれいな顔に、まるで能面みたいに作り物めいた笑みを浮かべた室ちんが、俺を見ていた。
 月の光に浮かんだその顔に、俺はぞくりと背中を寒気が走るのを感じた。
 虫の音が、ぴたりと止んだ。
 俺はおずおずと、伸ばした手を引っ込めて、再び口を尖らせる羽目になったのだった。

 了


 むらさきばら、ってすごく言いづらいですね。
 やっぱむっくん(≧∪≦)
 かわいい。やばい。
 ねりねりして食べるお菓子は、やはり「ね○ね○ね○ね」(○が多すぎて何のことだか分からない……)ですよ。
 まだ売ってるんですか?
 気になる。
 20年以上前に食べたきりだな……(年食ったなー)

 ちなみにまいう棒……じゃなくて「う○い棒」は、私はチーズ味一択です。たまにコーンポタージュもありかも。
 30本入りのやつ見たときは、結構衝撃でした。大人買いできますね。しませんけど。でも300円くらいか。安いなぁ。
 昔に比べたら小さくなってるような気もしますが……未だに10円ってのがすごいですね。
 あれ、むっくんの話じゃなくて、いつのまにかうま○棒の話に(゚ロ゚;)
 ぼーっとしてさくさく食べてるむっくん最高ですよ(≧∇≦)b




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