bittersweet | パステルグリーン・ダージリン~rise06~(東峰+月島)HQ!!
bittersweet
自作BL・GL/二次創作BL 日常ゆるゆる雑記 好きなものを、好きなように、好きなだけ。

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 個人的な趣味で小説を書いています。
 二次創作を扱っていますが、出版社、原作者等、いかなる団体とも一切無関係です。
 オリジナル・二次創作ともにBL・GL要素を含みますのでご注意ください。
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hiyu

Author:hiyu
冬生まれ。
本と猫とコーヒーとチョコがあれば生きていける。ような気がする。
野球と映画があれば、なお良し。
玉ねぎとお豆腐とチーズが無いと落ち込みます。

画像はPicrew「とーとつにエジプト神っぽいメーカー」さんから。


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●現在は、HQ!!04(黒尾×月島)のSS1本です。
(2018/12/15更新)

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パステルグリーン・ダージリン~rise06~(東峰+月島)HQ!!
 お休みの日、ようやく上手に入れられるようになった紅茶用のカップを買いに行く二人。
 私は、ツッキーは紅茶派だと信じて疑わないので、東峰さんには精進していただいて、美味しい紅茶を入れていただきたいものです。
 デートじゃないですよ。買い物ですよ?

 東峰+月島
 月島。
 この二人が並んで歩いていたら、それはもう目立つのでしょうな(かっこよさもさることながら、身長とガタイがな!)

                        作品一覧はこちらをクリック→二次創作目次(tns/krbs/HQ/YWPD/その他)




     パステルグリーン・ダージリン~rise06~

 カップに注がれたダージリンを一口飲んだ。目の前で、東峰さんがはらはらしながらその様子を見守っている。
「──まあ、合格ですね」
 そう言ったら、ほっとしたように表情を緩め、持っていたティーポットを思わず抱きしめ、すぐにあちち、と引き離す。
 そりゃそうだ。沸騰して、一旦落ち着かせて温度を下げてから入れるコーヒーとは違って、紅茶は沸かしたての熱湯を使う。茶葉を蒸らすために、カップに入れる直前までティーコゼーで包まれていたティーポットは、当たり前だが、熱い。
 コーヒーを入れるのはとても上手な東峰さんだが、紅茶を入れるのは下手だった。オープン前から何度か練習してみたけれど、どうしても僕の舌が満足するようなものが出来上がらない。
 オープンして3か月以上も経ってようやく合格点。
「コーヒーより簡単だと思うんですけど」
「そうかなあ、結構難しいよ」
「だって、茶葉を計って、温めたポットに入れて、沸かしたお湯を注ぐだけですよ?」
「口で言うのは簡単なんだけどね……」
 一度沸騰させたお湯をわざわざごく弱火にかけて落ち着かせておいたものを、きちんと計量して表面を均したコーヒーを入れたネルドリップに数滴注ぎ、蒸らして、今度はゆっくりと細く、コーヒーが泡立つように中心からまんべんなく注ぎ入れる、などという面倒なドリップコーヒーは簡単そうに入れるのに、どうしてお湯を注ぐだけの紅茶がおいしくないのか、ものすごく疑問だ。
「紅茶用のカップ、新調しましょうか」
「そうだね、これは、コーヒー用だから」
 店で使っているカップは、業務用のそれではない。オープンするまでに一年も余裕があったので、二人で食器屋や雑貨屋をめぐり、気に入ったものを買い集めた。だから、一般的な喫茶店やカフェで使用しているようなものとは違い、がっしりと頑丈で、シンプルなものを中心に、色味や形にこだわって選んでいる。
 エスプレッソ用、ラテ用のマグ、ドリップコーヒー用、どれも全部、理想のイメージに近いものを選んだ。コールド用のグラスも、ケーキを乗せる皿も同様。だから、これから紅茶をメニューに入れるなら、紅茶専用のカップを補充だ。
「次の休みに、選びに行こうか」
「そうですね。──ええと、来週の月曜日、ですね」
 基本、店は不定休。月の終わりに、翌月の休みを、店に掲示する。月に4日、多くても7日ほど。曜日は決まっていない。僕と東峰さんの気分次第。今のところ、客からは不満の声は出ていない。
「そっか、月曜か……髪切ろうかと思ってたんだけど」
 宮城の美容院や床屋の休みは一律みんな月曜日。東京の方は火曜日だと知ったときは驚いたものだ。
「短くするんですか?」
「いや、しばらくは長いままかな。慣れてしまったし──」
 東峰さんは、ひとつに括った髪から一筋だけサイドに落ちる髪を、かき上げるようにして後ろに流す。
「どうも、ここだけ伸びないんだよね」
「……前髪が伸びにくくなってるってことは、もしかして」
「うわ、月島、やめて。気にしてるんだから」
 生え際を押さえて、東峰さんが目に見えて落ち込んだ。
 そういえば、高校時代も、清水さんに何気なく言われたことがあるらしい。将来ハゲそう、と。
 僕はぷっと吹き出して、ますます情けない顔になって月島ぁ……と、恨めしくつぶやく東峰さんに、ごめんなさい、と言った。

 昼前に待ち合わせして、まずは、モールの中の、気になっていた雑貨屋に向かった。
 大抵の場合、かわいらしい品物が並ぶ雑貨屋の中にあって、この店はどちらかというとシックなものが多く、女性客で埋め尽くされるほかの店とは違い、男の僕らでも入りやすく、キッチン雑貨が充実しているから、僕も一人でふらりと立ち寄ることも多かった。そこで、結構前からいいなと思っていたカップを手にし、東峰さんにお伺いを立ててみた。紅茶用の平たいティーカップではなく、マグカップ。
「──うん、いいね。でも、店のほかのラインナップとはちょっとそぐわないかもしれないね」
 店の食器は、華奢な造りを一切排除した、武骨で男性的なシンプルなものが多い。けれど、僕が手にしたカップは、どちらかというと女性的な、たおやかな作り。シンプルさは気に入ったけれど、もう少し調和が欲しい、と東峰さんに言われた。
「そうですね、確かに……」
 持ち手の部分や、縁の部分の作りは薄く、細く、色味も、割とはっきりとした原色の揃う店のものとは違い、パステルカラー。
「でも紅茶って、コーヒーよりも繊細なイメージがあるよね。一般的なティーカップって薄くて儚い感じで、柄なんかもかわいらしいいものが多いし」
 東峰さんは持っていたカップを棚に戻した。
「月島は、コーヒーよりも紅茶が似合うよね」
「────」
 思わず、目を丸くして東峰さんを見返してしまった。たった今、繊細だとか、儚いだとか、かわいらしいなどと言っていたのに、それが似合うだなんて。
「あ、えっと」
 東峰さんは、自分の発言に気が付いたのか、途端にあわあわと焦りだす。
「べ、別に月島が女性的だとか、頼りないとか、そういうことじゃないよ。さっきも言ったように、繊細で、どことなく儚い感じはするけど」
「はあ」
 女性的とも、頼りないとも口にしてはいなかったのに、軽く失言していることに東峰さんは気付いていない。
「悪い意味じゃないんだよ、月島。だから、その」
「分かってます。東峰さんが回りくどく嫌味なんか言える人じゃないって知ってますから。──でも、僕、東峰さんにそんな風に思われてたんですね」
「ごめん」
「謝らなくてもいいですけど」
 その雑貨屋を出て、周りの店を冷やかしながら次の目当ての店に向かった。こちらは、完全に女性向け。一応、キッチン雑貨も並んでいるが、僕らのような男性客が二人で入るには少し気後れするほど柔らかい色合いとかわいいキャラクターの商品が並んでいる。案の定、東峰さんは店先で立ち往生。確かに、長髪でひげ、大柄な東峰さんが店の前で何気なく商品を眺めているのを見て、ほかのお客さんが一瞬えっという顔をする。
 僕はさっと店内を物色し、特に興味を惹かれるものがないことを確認して店を出ようとした。店の境界線、通路の真ん中で、東峰さんが困ったようにうろうろしている。
 僕と目が合うと、まるですがるように月島ー、と呼んだ。
「落ち着かないよ。次の店に行こう」
「はいはい」
 二年前まで現役のプロバレーボーラーだった東峰さんは、たくましい身体にぴたりと沿ったTシャツ姿。体形はまだ、現役時代から大きく崩れてはいない。お店のガラスや鏡に映る姿を見ていたら、身長は僕の方が高いのに、腕や、胸板は多分倍近いのがよく分かった。こうして並んで歩くと、自分がどれだけ貧弱なのか思い知る。
 時々、すれ違う女性が、振り返る。
 ──東峰さんて、人目を惹く人なんだな、と、改めて思った。
 昼を回り、ランチ休憩のために、レストランフロアのイタリアンの店に入った。何が食べたい、と聞かれたので、パスタがいいと僕が答えたからだ。
 東峰さんは、いつも僕の意見を優先してくれる。
 テーブル席で注文を済ませたら、東峰さんが僕の手からメニューを受け取り、ホルダーに戻してくれた。
「月島、やっぱり目立つよね」
 そんなことを言われて、テーブルの上、お冷のグラスの下にペーパーナプキンを敷き込んでいた僕は、顔をしかめた。
「さっきも、すれ違う女の人、月島を振り返ってた」
「──それ、僕じゃないですよ」
「え?」
「自覚ないんですね。僕には、東峰さんを振り返っていたように見えてましたけど」
「ま、まさか! 俺が、そんな、恐れ多い」
 ぶんぶんと首を振って、慌ててお冷を飲む。
 今日の東峰さんは、肩より少し伸びた髪をほどいて、ハーフアップ。ごくわずか、ゆるやかに癖のある髪。高校時代にも見慣れていたはずなのに、あれから10年経った今、あの頃よりもずっとその髪型が似合うなと思った。
 東峰さんは、何というか、妙に、大人の男の色気がある、と思う。
 もちろん、少し小心なところとか、気弱で、気遣いなところとか、高校時代から変わらないところはあるけれど。
「カップ、なかなかいいのありませんね」
「そうだね。──次の休みに、仙台駅まで足を延ばしてみようか」
 今日は、店からも近いショッピングモール。僕は散歩がてら、家から20分ほどかけて歩いてきた。近場で済ませられるならそれに越したことはないが、やっぱり、もっと色んな店を見て回って、妥協せずに決めたい。
「はい。じゃあ、次の休みに」
 注文していたパスタが運ばれてきた。僕は小エビのトマトクリームパスタ、東峰さんはナスたっぷりのボロネーゼ。それだけでは物足りないと、サラミの乗ったピザも注文していた。
「──国見に言われたからっていうわけじゃありませんけど……」
 僕は、フォークにくるくるとパスタを巻き付ける。スプーンの上、少なめに巻き取られて、ソースの絡んだそれを、口に運んだ。おいしい。
「ランチ、出したいですね、やっぱり」
「そうだなあ。──でも、あんまり凝ったものは作れないよ」
「カフェメニューだと、パスタとか、サンドイッチとか──」
「パスタは大変そうだなあ」
 フォークだけでくるくると器用にパスタを巻いていく東峰さん。僕の二倍くらいの量を巻き、口に運ぶ。
「そうですね。僕ら、あんまり料理得意じゃないですし」
「月島も自炊してないんだっけ?」
「うちの中、何もありません。小さな冷蔵庫が、ミネラルウォーターを冷やしているだけです」
 たまに、青根さんのお店で買ってきたケーキが入っていることもあるけれど。基本的にうちのキッチンはお湯をわかすくらいしか使われない。
「月島の部屋、何にもないんだったね」
「はい。ベッドと、小さいテーブルと、フォークが一本」
「フォーク?」
「青根さんのお店のケーキを食べるために」
「──なるほど」
 基本的に、食事はコンビニやスーパーで買う。パンや、お惣菜や、お弁当。それにレトルト。元々あまり食べる方ではないから、菓子パンひとつで済ませてしまうことも多い。
「東峰さんは?」
「俺も外食とか、弁当とかだからなあ」
「食器とか、鍋とか、あります?」
「インスタントラーメンを作るための小鍋ならある」
 古いアパートの狭いキッチンで、大きな東峰さんが、小さな一人用の鍋でインスタントラーメンを作る姿を想像して、なんだか侘しくなった。まあ、僕も似たようなものだが。
「僕なんて、間に合わせで100円ショップで買ったコーヒーカップで、何でも賄っちゃってます」
 紅茶を飲むのも、水を飲むのも、ジュースを飲むのも、ときにはシリアルを食べるのも。
 いい加減、そんな自分に呆れる。
 東峰さんは困ったように笑っただけだった。
 つまり、僕らは二人とも、人間らしい生活をしていない。きちんと料理をして、食事をして、そんな当たり前のことができないでいる。
 パスタはアルデンテ。きっと、僕らが作ったら、伸び切った、まずいものになりそうだ。
 ピザは、一切れだけもらった。残りはみんな、東峰さんが食べた。料金はきちんと自分の分を払った。
 食事を終えてから、一応、モールの中を一周するように様々な店を見て回った。結局、紅茶用のカップは、決め手に欠けて、購入するのを諦めた。やっぱり、次の休みにでも、仙台駅まで出かけて行って、選ぶことにした。
 そろそろ帰ろうか、と思ったとき、東峰さんがちょっと待って、と僕を呼び止めた。そして、一番最初に立ち寄った雑貨屋に、戻る。
「どうしたんですか?」
「うん、待ってて」
 その雑貨屋の前で僕を待たせて、東峰さんが店に入っていく。
 数分後、東峰さんは小さなショップバッグを手に戻ってきた。そして、ようやくモールを出た。駐車場に停めた車に乗り込み、僕を助手席に乗せてくれた。
 僕のアパートまでは歩いても20分。大した距離ではないが、送っていくよ、との言葉に甘えた。
 エンジンをかけながら、どこかでお茶でも飲んでいこうか、と東峰さんが訊ねてきた。
「そうですね……」
 僕は、考える。モールの中にもいくつかカフェはあった。そして、この周辺にも、ファミレスや、コーヒーショップがある。
 考える僕に、東峰さんは車をスタートさせることなく、返事を待っている。
 そして、思い出したように、さっきの雑貨屋で買ったものを、僕に渡してくれた。
「何ですか?」
「プレゼント。──気に入ってたみたいだから」
 ペーパーバッグを開けると、白い紙に包まれたものが入っていた。ごわごわと何重にも巻かれたその紙をかき分けていくと、さっき、僕が店でどうかと勧めてみたカップだった。
 すとんとした寸胴の、薄い磁気。持ち手の部分も、細く華奢で、けれど脆さはない。ベースは白。外側がパステルグリーンのグラデーションで彩色されている。底に向かうにつれ濃くなっていくグリーン。色が沈んでいくみたいに。
「──いいんですか? ありがとうございます」
「うん、お礼」
「お礼?」
「一緒に、いてくれてありがとう、のお礼」
 そんなのは、おかしい。
 それを言わなきゃいけないのは、僕の方だ。
 きれいだな、と思っていた。一人で買い物に来たときに、このカップを見て、一目で気に入った。
 僕の部屋には、何もない。
 間に合わせの、どうでもいい形と色の、愛着などない100円ショップのカップだけ。
 ──一緒にいてくれて、ありがとうございますと言いたいのは、僕の方だ。
 一人ならきっと、僕はまだ、実家に閉じこもったままだった。
 何だか、無性に、紅茶が飲みたい、と思った。
「東峰さん」
「ん?」
「お店に、行きたいです」
「え、『rise』?」
 驚いたように目を丸くした東峰さんに、僕はうなずく。
「紅茶、入れてください」
 東峰さんが僕を見る。
「このカップに。この前入れてくれた、ダージリン」
「分かった」
 ギアを入れた東峰さんが、車をスタートさせた。
 駐車場を出たところで、僕は、声を上げた。
「あ」
「何?」
「青根さんのお店、寄ってください。ショートケーキ、買っていきます」
 僕の言葉に、東峰さんは苦笑して、了解、とハンドルを切った。

 了


 ツッキーは、モデルみたいな感じですよね。背高くて、細身で、頭小さくて、きれいな顔してて。
 対する東峰さんは、がっしりした体つきと長身は、スポーツ選手のそれだけど、あの長髪と顎ひげで、「なんかやばい人?」とも思えるし、外国にいがちなワイルドマッチョなモデルにも見えてしまうし……ううううんん??
 何、今の組み合わせ、何??
 って、すれ違ったら一人脳内お祭り状態になりそうな私です(笑)
 すれ違いてえ!

 このモールは、うちの近所のものをモデルにしていますが、出てくるお店などは、創作交じりなので、もしこのモールに行ったとしても、探さないでください(そんなやつはいないだろ)
 ちなみに、ツッキーがカップを買ってもらった雑貨屋は、存在します。私のお気に入りのお店なので、よく出没します。が、カップは私の勝手な想像上のものなので、存在しません。こんなカップが欲しいな、と思って書いちゃいました。
 ツッキーとグリーンって、似合うと思うのです(゚∀゚)




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