写真は今回の公演とは関係ありません。
チラシも貰えなくて筋書きも買わないのですいません。
劇場の西にからくり時計があります。
友人も知らなかったようなので御紹介します。動画です。
往年の名優の声色入りの白波五人男です。
右は昨日放送された女殺油地獄です。なんといい役者でしょう。
まず、口跡と姿、御顔にしびれます。
長い間、本名の片岡孝夫で、玉三郎とのT&Tコンビ が有名でした。
お若い頃、もっとこの二人での歌舞伎を、という熱烈な要望が寄せられたそうです。
私はこの二人を最近まで生で観ることはできませんでした。
数年前、浮舟、梅こよみ、など観て至福の時過ごしました。
忠臣蔵も子供の時は観たと思いますが大人になってからの記憶がありません。
今回思いがけず友人のお誘いで夜の部を観劇。
席は一階の後ろのほうですが花道のすぐそば、裏というのでしょうか、
かっこいい仁左衛門や 愛之助 や可愛いい猪が私のすぐそばを通って行くのですがちょうどライトがピカッー、
それでも何という幸運でしょう。感謝感激雨あられ。
実は友人も頂いたのです。こんないい演目が貰い手がないとは…
調度この夜、
爆笑問題のニッポンの教養カブキズム!~比較演劇学・河竹登志夫~] の番組で歌舞伎を紹介しました。
paruさん鍾馗様 からお知らせがありました。
BSで再放送がありますのでどうぞご覧ください。
愛之助が演じた斧定九郎の役は元々は端役が演じたものですが
初代中村仲蔵 が演じることになりました。
仲蔵はそば屋で、ずぶ濡れの浪人を見かけます、
雨の中走って行く黒紋付きでそのかっこいい姿を取り入れました。
それが大評判となりその後、この五段目の斧定九郎は座頭が演じることになったといいます。
死ぬ瞬間の美、口からタラリ出た血が真白な太ももに…これは勘平が死ぬ場面もそうですが、見ものですね。
「色にふけったばっかりに」と…
人生、ひらめき、努力で変わるものです。
お軽・勘平 はテレビで玉三郎とのコンビで観たことがありますが、今回は息子の孝太郎さんがお軽を演じています。
孝太郎は玉三郎にいさんのメイクはアートと言っています。
お軽が夫の為に郭に売られていく時、(そのことは夫勘平はその時まで知りません)勘平に引きとめられ思わずハグする場面、よかったですねえ。(T-T )( T-T)
お軽の母おかや(竹三郎、好演・この役が上手くないと悲劇がひきたちません)に舅を殺したであろうと責められ切腹してしまう哀れさ、泣けます。その辛さがダイレクトに伝わります。うまいです!
発端の行き違いはお軽とのデートでお家の一大事に(判官が吉良に切りつけた事件)不在だったこと。
責任を感じ切腹しようとしたがお軽に説得され彼女の実家に身を寄せ、猟師となっていた勘平。
元同僚と偶然出会い討ち入りに金がいることを知り…
冷静に舅の遺体の傷を見れば、自分がかえって舅の仇を知らずに撃ったことも分かるのです。若さゆえの過ちでしょうか。
今でもありますね。昨夜も女殺油地獄で仁左衛門さんのインタビューがありましたが、現代も社会面にぎわす事件が、それが女殺油地獄。
歌舞伎って幕が開いた瞬間の華やかな色の洪水、身近な事件だったり、ラブロマンスだったり、借金地獄だったり。
今回は名古屋なのでナナちゃん人形が語られるなど観客の交流や今起きている事件が語られたりと、本来庶民から生まれた演劇なので堅苦しいことはありません。
祇園一力茶屋は團十郎の由良之助、橋之助の平右衛門の橋之助、福助・お軽}}}。
團十郎さんはおおらかな雰囲気が好きです。お元気でよかった。
兄弟で兄妹の役。五六段目は松嶋屋で固めてあるのと同様わかりやすすぎますが。
福助はちょっと三枚目の役が面白いのですが、今回は悲劇のヒロイン、綺麗です。
橋之助は足軽野役ですが討ち入りに参加したいという熱意、妹を思う気持ちがよく表れていました。
片岡秀太郎の和事の女形、現役では第一人者でしょう。
養子の愛之助はハンサムで重要な役を演じています。
昨年暮れ京都の南座の顔見世で愛之助の入り待ちに遭遇しました。
討ち入りはあっという間に終わりますが堪能できました。
新劇場の開場と共に始まった顔見世も45回目。大入りを祈願する恒例のまねき上げで、仁左衛門は「記念の年に出られて感無量。超満員になるよう、皆様のお力をお借りしたい」とあいさつ、集まった700人のファンに笑顔で応えた。
今回の演目は人気狂言「仮名手本忠臣蔵」。43年ぶりの通し上演で、昼の部で大序と「刃傷」「判官切腹」などを含む三、四段目を、夜の部でお軽・勘平の悲劇を描く五、六段目から由良之助を軸にした七段目、十一段目の討ち入りまでを上演する。うち仁左衛門が演じるのは二枚目の勘平だ。
「失敗を取り返そうとしてすべてがチグハグになっていく。判官様(塩冶判官)を別にすれば、このお芝居の悲劇性を最も象徴する人だと思います。切腹して最期を遂げますが、悲しみを背負わせたままお客様をお返しすることのないよう、見て良かったと思えるお芝居にしたい」
演じる機会の多い由良之助やお軽の兄・平右衛門に比べ、「発散できないお役なので精神的にとてもしんどい。それで初演の後、しばらくは遠ざかっていたのですが、再演してこの役の魅力を知りました」とも。
女房お軽を長男・孝太郎が演じるほか、兄の秀太郎、おいの愛之助が共演。さらに長兄の我当、その長男進之介も一座する。「3兄弟が御園座でそろうのは僕の襲名以来11年ぶり。非常に楽しみです」と語っていた。(電)052・222・1481
「七段目」福助・お軽、橋之助・平右衛門
(2009年10月1日 読売新聞)
進境著し七段目福助・お軽、橋之助・平右衛門<見>名古屋・御園座の吉例顔見世で、1日から25日まで「仮名手本忠臣蔵」を通し上演している。
「六段目」の後半と「七段目」を見た。
勘平が義父を殺してしまったと勘違いして腹を切る「六段目」。仁左衛門の勘平は、客席を向いて腹を切る江戸の型。「乗・(いすか)の嘴」と食い違った無念さをたっぷり聞かせる。いつもながら情を伝えるのがうまいと感心させられる。
今回、目をひいたのは、お軽の母・おかやの竹三郎の好演である。夫を殺された恨みから勘平を追い詰める。この執拗さが哀れであり、婿の腹切りにリアリティを与える。
由良之助が敵を欺くため遊蕩を続ける「七段目」。團十郎の由良之助で、敵討の頭領の重みに加え風流人の柔らかさも備えている。
この段の主役とも言える平右衛門の橋之助に足軽らしさがあり好演。それがあるからこそ、軽輩ながら主君への忠義を尽くそうとする熱意が胸を打つ。この段のお軽の福助もいい。まず、遊女の艶やかさを見せる。兄・平右衛門との再会の喜び、父・与市兵衛の非業の死や夫・勘平の自害の悲しみなど、次々に押し寄せる大波に翻弄される女性を情感豊かに演じている。
2段とも見ごたえがあった。
5日所見。
御園座「吉例顔見世」は、名古屋顔見世興行では初の試みとなる、通し狂言「仮名手本忠臣蔵」です。
東京の歌舞伎ファンの要望も有ったのか、11月に歌舞伎座にて出演者が入れ替わって上演される。