普天間⑦
米国も実は不要と思っている普天間基地 なぜ中南米諸国は米軍のプレゼンスを拒否し続けられるのか
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43354
『先日、都内で退役米軍将校と会食をした。在日米軍に長く勤務した元将校は、「米軍の見解ではない」と前置きしたうえで言った。
「正直に申し上げれば、普天間飛行場は必要ないです。辺野古への移設という問題ではなく、極東アジアの戦略上、沖縄に米海兵隊はいらないのです」
決して新しい論点ではない。しかし退役したとはいえ、米軍の元将校が海兵隊不要論を述べた点が興味深い。
普天間は言うまでもなく米海兵隊が使用する飛行場である。住宅地に位置しているため危険であり、辺野古に移設せず、そのまま撤廃すべきとの意見だ。元将校は韓国に駐留する米海兵隊で、極東地域の有事には十分に対処できると指摘した。
在日の米海兵隊無用論は、何も氏だけの独自な見解ではない。首都ワシントンにある保守系シンクタンク「ケイトー研究所」のダグ・バンドー上級研究員も、在日海兵隊は必要ないと、米経済誌「フォーブス」で述べている。
「まず朝鮮半島有事では、韓国に十分な米兵力が展開しているので沖縄の海兵隊の支援は不要です。そもそも海兵隊というのは沿岸から地上へ侵入する部隊です。日本の安全保障上、必要になるのは米空軍と米海軍なのです」
しかも極東地域の災害や人道支援のために米海兵隊を投入することは、米財政にとって負担になるだけだという。
それでもバンドー氏は日米同盟を否定しているわけではない。同盟関係の絆は将来も変わらず維持すべきという立場だ。日米合同演習や共同訓練の必要性も説いている。しかし、普天間基地に駐留する海兵隊に関しては、「これ以上この地域に米国の恒久的要塞(米軍)を置いておく必要はない」と断言する。
この声は日米両政府の公式見解とは違うが、基地反対を叫ぶ沖縄県民にとっては追い風であろう。』
『日本の本土から米海兵隊が撤退した時、尖閣を含めた有事でどれほどの支障が出るのか。軍事的な欠損が本当に生じるのか。前述の専門家が述べる通り、在韓海兵隊で対処可能なのかを精査する必要がある。
現時点で明らかなことは、日本には中南米諸国のように米国に平気で「ノー」を突きつけられるガッツがないということだ。
以前ワシントンで会った元政府高官は、「日本が米軍基地を必要ないと決めたのであれば、米国は従わざるをえない」と何気ない顔で話していた。
米軍にお帰りいただくということは、自衛隊が自国を死守できるだけの力を備えるということでもある。「米軍を追い返しました」と喜ぶだけで、丸腰のままという事態は避けなくてはいけない。』
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43354
『先日、都内で退役米軍将校と会食をした。在日米軍に長く勤務した元将校は、「米軍の見解ではない」と前置きしたうえで言った。
「正直に申し上げれば、普天間飛行場は必要ないです。辺野古への移設という問題ではなく、極東アジアの戦略上、沖縄に米海兵隊はいらないのです」
決して新しい論点ではない。しかし退役したとはいえ、米軍の元将校が海兵隊不要論を述べた点が興味深い。
普天間は言うまでもなく米海兵隊が使用する飛行場である。住宅地に位置しているため危険であり、辺野古に移設せず、そのまま撤廃すべきとの意見だ。元将校は韓国に駐留する米海兵隊で、極東地域の有事には十分に対処できると指摘した。
在日の米海兵隊無用論は、何も氏だけの独自な見解ではない。首都ワシントンにある保守系シンクタンク「ケイトー研究所」のダグ・バンドー上級研究員も、在日海兵隊は必要ないと、米経済誌「フォーブス」で述べている。
「まず朝鮮半島有事では、韓国に十分な米兵力が展開しているので沖縄の海兵隊の支援は不要です。そもそも海兵隊というのは沿岸から地上へ侵入する部隊です。日本の安全保障上、必要になるのは米空軍と米海軍なのです」
しかも極東地域の災害や人道支援のために米海兵隊を投入することは、米財政にとって負担になるだけだという。
それでもバンドー氏は日米同盟を否定しているわけではない。同盟関係の絆は将来も変わらず維持すべきという立場だ。日米合同演習や共同訓練の必要性も説いている。しかし、普天間基地に駐留する海兵隊に関しては、「これ以上この地域に米国の恒久的要塞(米軍)を置いておく必要はない」と断言する。
この声は日米両政府の公式見解とは違うが、基地反対を叫ぶ沖縄県民にとっては追い風であろう。』
『日本の本土から米海兵隊が撤退した時、尖閣を含めた有事でどれほどの支障が出るのか。軍事的な欠損が本当に生じるのか。前述の専門家が述べる通り、在韓海兵隊で対処可能なのかを精査する必要がある。
現時点で明らかなことは、日本には中南米諸国のように米国に平気で「ノー」を突きつけられるガッツがないということだ。
以前ワシントンで会った元政府高官は、「日本が米軍基地を必要ないと決めたのであれば、米国は従わざるをえない」と何気ない顔で話していた。
米軍にお帰りいただくということは、自衛隊が自国を死守できるだけの力を備えるということでもある。「米軍を追い返しました」と喜ぶだけで、丸腰のままという事態は避けなくてはいけない。』
宇宙太陽光発電②
「馬鹿げた計画」酷評「宇宙太陽光発電」 NASAが手を引いても開発続ける「技術立国日本」の意地
http://www.sankei.com/premium/news/150327/prm1503270001-n1.html
『政府が1月に改訂した2024年度までの宇宙政策指針「宇宙基本計画」に、引き続きあの“夢のプロジェクト”が明記された。SF映画やアニメなどにも度々登場する「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」の設置計画だ。莫大(ばくだい)な設置コストから採算がとれないなどと一部の専門家から「ばかげた計画」と揶揄(やゆ)されるが、政府は2030年代の実現に向け研究開発を推進する姿勢を崩さない。その実現可能性とは?
宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電し、それをマイクロ波と呼ぶ電気に変えて地球に送電する-。これがSSPSの基本的な仕組みだ。天候や昼夜を選ばず宇宙では24時間直射日光を浴び発電できることから発電量は最大で地上の10倍となる。さらに二酸化炭素(CO2)を排出しないため温暖化対策にも役立つと期待される、まさに“夢”の計画だ。
その研究は1968年に米国のピーター・グレーザー博士の提案から始まり、その後は日本のほかロシアや中国なども研究に取り組んだことで競争が過熱していった。だが、米国ではアメリカ航空宇宙局(NASA)が中心となり研究開発を進めていたものの、その巨大な設置コストがネックとなり、レーガン政権時代に財政難を理由に計画を縮小。現在ではプロジェクトも中止となり、研究開発も下火になっているようだ。
一方、日本は90年代のエネルギー開発構想として通商産業省(現経済産業省)が2000年ごろにシステム開発の構想を立ち上げたことをきっかけに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業が中心となり研究開発を進めていた。今月12日には三菱重工業がSSPSに不可欠な技術である電波で電気を送る実験で成功したばかり。このほかIHIなど重機械メーカーが中心となり研究開発が行われており、政府もそうした企業に予算を振り分けるなど、支援を惜しまない。
そもそも、SSPSの設置計画を実現するのにどれくらいの予算がかかるのか。平成19年度の太陽光発電利用促進技術調査による試算分析によると、原子力発電所1基分に相当する100万キロワットの発電能力を持つSSPSを2030年ごろを目標に設置した場合のコストはざっと約1.3兆円。それも「将来の技術革新を考慮したうえでの試算で、かなり安く見積もった金額」(経産省宇宙産業室)で、現実的には2兆円を超えるといわれる。
となると実現するための最大の課題は、やはりコストを削減するための技術革新にかかってきている。
当初の試算分析によると、約1.3兆円の建設コストのうち宇宙での発電と送電システムの建設に約5700億円、地上の集電システムの建設に約2300億円、部品の輸送費に約4700億円。それらに加え保守・運用費用として年間約340億円がかかる。
想定される建設方式は、まず地上から低軌道(地上約500キロメートル)までロケットで部品を多数回打ち上げて、軌道上で組み立ててから徐々に軌道間輸送機で地上3万6000キロメートルの静止軌道まで移動させる。ちなみ100万キロワットの発電能力を持つSSPSとなると、なんと2キロメートル四方の太陽光パネルが必要になるという。
この中で一番の難題が「部品輸送」だ。試算ではSSPSの部品を打ち上げるロケットの回数は500回は必要とされ、現在の技術だと1回打の打ち上げ費用に約100億円かかるとされる。つまり500回打ち上げるとなると輸送費だけで5兆円かかる計算だ。
経産省の担当者は「採算性を考えるなら1回の打ち上げコストを現状の100分の1まで縮小しなければならない」と話す。さらに、「現在の技術力では部品を地上500キロメートルまで打ち上げるのがやっと。その後に静止軌道まで移動させる方法は現時点ではない。要するに現時点の技術では実現可能性は0%です」と絶望的な回答が返ってくる。
現在、JAXAや民間企業は運搬コスト削減のため、SSPSシステム自体の軽量化と送電の効率化などの研究開発を進めている。だが、静止軌道までの運搬についての研究はほとんど進んでいない。
ある大学の研究者からは「火力発電所や原発の建設費の数千億円を考えると、SSPSの研究自体が税金の無駄遣いだ。洋上や風力発電などの効率化を図った方がよほど有益的」と残念な指摘をされるありさまなのである。
では、なぜ政府はこれほどまでにむちゃな計画を推進しようとしているのか。
内閣府の宇宙関連予算は年間約2800億円。そのうち、経産省がSSPS関連で使用している予算はわずか年間約2.5億円と微々たるもの。同省の担当者は「将来の実現性と今後の技術応用価値を考えれば、妥当な予算配分だ」と主張する。
確かにSSPSの研究の中では無線で送電する実証実験が成功しており、副産物的な応用技術の実用化にもつながるとの期待がある。「例えば将来は高圧鉄塔や電線を必要とせず、広域に送電できるかもしれない」と経産省の担当者は明かす。
とはいえ、SSPSの実現可能性については「確固たる論理的な説明はできないが、SSPSの将来性を訴える研究者も多いことは確か」などと答えるのがやっと。流石に政府も現状の計画のままでSSPSが実現するのは困難と考えてか、昨年秋からSSPS実現に向けたロードマップの作成に乗り出した。最新の技術要素なども考慮した上で実用化の目標なども見直し、来年度にはロードマップの骨格案をまとめるつもりだが、詰めるべき課題は山積している。
今後はマイクロ波を地上に送る際、航空機や電子機器のほか、生物に影響がないか安全性の検証なども必要となるだろう。次から次へとわき出る難題を前に、専門家の間では実現は2040~50年代に後倒しされるとの見通しも濃厚になりつつある。
ただ、ロングスパンになろうとも、研究開発を続けていないと永遠に「宇宙太陽光発電」は日の目を見ない。将来、「あのとき、研究を続けていてよかった」と思える日が来るか。「技術立国日本」の力が試されているともいえそうだ。』
http://www.sankei.com/premium/news/150327/prm1503270001-n1.html
『政府が1月に改訂した2024年度までの宇宙政策指針「宇宙基本計画」に、引き続きあの“夢のプロジェクト”が明記された。SF映画やアニメなどにも度々登場する「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」の設置計画だ。莫大(ばくだい)な設置コストから採算がとれないなどと一部の専門家から「ばかげた計画」と揶揄(やゆ)されるが、政府は2030年代の実現に向け研究開発を推進する姿勢を崩さない。その実現可能性とは?
宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電し、それをマイクロ波と呼ぶ電気に変えて地球に送電する-。これがSSPSの基本的な仕組みだ。天候や昼夜を選ばず宇宙では24時間直射日光を浴び発電できることから発電量は最大で地上の10倍となる。さらに二酸化炭素(CO2)を排出しないため温暖化対策にも役立つと期待される、まさに“夢”の計画だ。
その研究は1968年に米国のピーター・グレーザー博士の提案から始まり、その後は日本のほかロシアや中国なども研究に取り組んだことで競争が過熱していった。だが、米国ではアメリカ航空宇宙局(NASA)が中心となり研究開発を進めていたものの、その巨大な設置コストがネックとなり、レーガン政権時代に財政難を理由に計画を縮小。現在ではプロジェクトも中止となり、研究開発も下火になっているようだ。
一方、日本は90年代のエネルギー開発構想として通商産業省(現経済産業省)が2000年ごろにシステム開発の構想を立ち上げたことをきっかけに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)や民間企業が中心となり研究開発を進めていた。今月12日には三菱重工業がSSPSに不可欠な技術である電波で電気を送る実験で成功したばかり。このほかIHIなど重機械メーカーが中心となり研究開発が行われており、政府もそうした企業に予算を振り分けるなど、支援を惜しまない。
そもそも、SSPSの設置計画を実現するのにどれくらいの予算がかかるのか。平成19年度の太陽光発電利用促進技術調査による試算分析によると、原子力発電所1基分に相当する100万キロワットの発電能力を持つSSPSを2030年ごろを目標に設置した場合のコストはざっと約1.3兆円。それも「将来の技術革新を考慮したうえでの試算で、かなり安く見積もった金額」(経産省宇宙産業室)で、現実的には2兆円を超えるといわれる。
となると実現するための最大の課題は、やはりコストを削減するための技術革新にかかってきている。
当初の試算分析によると、約1.3兆円の建設コストのうち宇宙での発電と送電システムの建設に約5700億円、地上の集電システムの建設に約2300億円、部品の輸送費に約4700億円。それらに加え保守・運用費用として年間約340億円がかかる。
想定される建設方式は、まず地上から低軌道(地上約500キロメートル)までロケットで部品を多数回打ち上げて、軌道上で組み立ててから徐々に軌道間輸送機で地上3万6000キロメートルの静止軌道まで移動させる。ちなみ100万キロワットの発電能力を持つSSPSとなると、なんと2キロメートル四方の太陽光パネルが必要になるという。
この中で一番の難題が「部品輸送」だ。試算ではSSPSの部品を打ち上げるロケットの回数は500回は必要とされ、現在の技術だと1回打の打ち上げ費用に約100億円かかるとされる。つまり500回打ち上げるとなると輸送費だけで5兆円かかる計算だ。
経産省の担当者は「採算性を考えるなら1回の打ち上げコストを現状の100分の1まで縮小しなければならない」と話す。さらに、「現在の技術力では部品を地上500キロメートルまで打ち上げるのがやっと。その後に静止軌道まで移動させる方法は現時点ではない。要するに現時点の技術では実現可能性は0%です」と絶望的な回答が返ってくる。
現在、JAXAや民間企業は運搬コスト削減のため、SSPSシステム自体の軽量化と送電の効率化などの研究開発を進めている。だが、静止軌道までの運搬についての研究はほとんど進んでいない。
ある大学の研究者からは「火力発電所や原発の建設費の数千億円を考えると、SSPSの研究自体が税金の無駄遣いだ。洋上や風力発電などの効率化を図った方がよほど有益的」と残念な指摘をされるありさまなのである。
では、なぜ政府はこれほどまでにむちゃな計画を推進しようとしているのか。
内閣府の宇宙関連予算は年間約2800億円。そのうち、経産省がSSPS関連で使用している予算はわずか年間約2.5億円と微々たるもの。同省の担当者は「将来の実現性と今後の技術応用価値を考えれば、妥当な予算配分だ」と主張する。
確かにSSPSの研究の中では無線で送電する実証実験が成功しており、副産物的な応用技術の実用化にもつながるとの期待がある。「例えば将来は高圧鉄塔や電線を必要とせず、広域に送電できるかもしれない」と経産省の担当者は明かす。
とはいえ、SSPSの実現可能性については「確固たる論理的な説明はできないが、SSPSの将来性を訴える研究者も多いことは確か」などと答えるのがやっと。流石に政府も現状の計画のままでSSPSが実現するのは困難と考えてか、昨年秋からSSPS実現に向けたロードマップの作成に乗り出した。最新の技術要素なども考慮した上で実用化の目標なども見直し、来年度にはロードマップの骨格案をまとめるつもりだが、詰めるべき課題は山積している。
今後はマイクロ波を地上に送る際、航空機や電子機器のほか、生物に影響がないか安全性の検証なども必要となるだろう。次から次へとわき出る難題を前に、専門家の間では実現は2040~50年代に後倒しされるとの見通しも濃厚になりつつある。
ただ、ロングスパンになろうとも、研究開発を続けていないと永遠に「宇宙太陽光発電」は日の目を見ない。将来、「あのとき、研究を続けていてよかった」と思える日が来るか。「技術立国日本」の力が試されているともいえそうだ。』
テーマ : こんなことがありました
ジャンル : ブログ
東日本大震災703
16年度以降の復興予算、要望と国査定の差額3兆円超
http://www.asahi.com/articles/ASH4B52KDH4BUTIL039.html
『東日本大震災の被災3県が、2016年度以降の復興事業に国の復興予算から必要だとした計8兆1千億円について、政府は4兆7千億円と査定していることが分かった。震災と直接関係のない内陸の道路整備などが含まれているとして、苦しい財政状況のなか厳密な審査をした。3県は復興との関連を訴えており、復興予算の枠組みが固まる6月にかけて議論が始まる。
15年度予算が成立したことを受け、竹下亘復興相は11、12の両日、岩手県と宮城県を訪れ、被災地の首長と復興予算について話し合いを始める。
国は、所得増税などで15年度までの5年間の「集中復興期間」に26兆3千億円の復興財源を確保した。すべて国費で負担するが、16年度以降は事業によって自治体の拠出を求める考えだ。』
津波被災 校舎新築遅れ相次ぐ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150409_73021.html
『東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島各県の小中高校で、校舎新築による再出発を決めた学校の建設計画に遅れが相次いでいる。高台など移転先の整備が伴うため、もともと時間を要するのに加え、入札不調が発生。復興のまちづくり自体が停滞するなど幾つもの困難が立ちはだかる。
3県などによると、校舎を新築する計30校のうち、再建できたのは8日に始業式があった陸前高田市の高田高を含め4校にとどまる。大船渡市では2016年4月の利用開始を目指していた越喜来小と赤崎小の計画が遅れる見込みだ。
このうち越喜来小については、ことし2月の建設工事の入札が不調となった。復興事業の本格化で型枠工、鉄筋工などの職人や資材不足が深刻化。労務費などの実勢価格は上昇が著しい。市は予定価格を最新単価に見直し、近く再入札を行うことにしている。
赤崎小は一部の地権者との用地交渉が難航した。岩手県収用委員会に昨年10月に土地収用を申請、半年近くたった3月下旬にようやく認められた。
市教委は両校とも16年度内の完成を目指すが、入札不調が続けばさらにずれ込む。「今が正念場。周辺自治体の入札状況も参考に万全を期す」(生涯学習課)と神経をとがらす。
まちづくりの足踏みも学びや再生に影響を及ぼす。
小中一貫校として新設する名取市の閖上小、閖上中は、開校を予定より1年先の18年4月に修正した。壊滅した地域の区画整理事業が遅れ気味のためだ。
造成した高台に移る陸前高田市気仙小。市教委は18年度後半以降の新校舎完成を見込むが、担当者は「岩盤地帯で切り崩しに苦労している。造成が順調でも、次は東京五輪がどう影響するか…」と気をもむ。
石巻市北上小は被災者の住まいとの兼ね合いから建設時期すら見通せない。校舎整備予定地に仮設住宅が建ち、今も入居率は84%に達する。市教委は「住民が次の住まいに移るスケジュールが定まらないうちは話を進められない」(学校施設整備室)と漏らす。
計画遅れのリスクを少しでも回避しようという動きもある。釜石市や宮城県山元町は小学校の校舎を、資材高騰や職人不足に影響されやすい鉄筋コンクリートではなく、木造設計にするなど知恵を絞る。』
<校舎新築遅れ>復興相「急ぐよう指示」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150411_71013.html
『東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島各県の小中高校の校舎新築が遅れている問題で、竹下亘復興相は10日の閣議後の記者会見で、「(入札不調などの)原因に徹底的にメスを入れ、急ぐよう指示した」と述べ、対策を強化する考えを明らかにした。
竹下氏は「校舎新築が遅れているとの報道があり、非常に重く受け止めている。校舎新築は子どもの夢、希望であり、遅れた理由は復興する側の理屈だ。私自身、もっと早く気付くべきだったと深く反省している」と語った。
具体的な対策として「適正な予定価格にする積算方式の導入推進や、業者の相談窓口の充実を図りたい。復興庁の職員が現場に入り、自治体と連携を強めることも指示した」と説明。「子どもの夢を奪わないよう、しっかり対応するべき課題だ」と繰り返した。』
気仙沼・内湾、土地区画整理事業へ換地見直し
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150411_12011.html
『気仙沼市が内湾地区で進めている土地区画整理事業の一部で、市が換地先の見直し作業に入ることが決まった。市は換地案をいったん固めたが、地元の商業者から「商業ゾーン」と「駐車場」の用地確保を求める声が出たため、6月ごろから地権者と調整する。
地権者に換地の移動など協力を求めるのは、事業区域11.2ヘクタールのうち同市南町地区の1.2ヘクタール。地区に整備される海の見える道沿いに、スローフードをテーマにした商業ゾーンと公共駐車場(100台程度)の用地確保を目指す。
内湾地区の換地案は1月、市が昨年5月に実施した地権者への意向調査を基にまとまった。しかし、地元の商業者が「利用目的が決まっていない更地が点在し、歯抜けのまちになる」と換地調整を求めていた。
4回にわたって開かれた内湾地区復興まちづくり協議会の説明会では、換地調整の方針に異論は出なかった。対象エリアとなる南町3区自治会の鈴木武雄会長は「後継者がいない事業主が多く、土地を貸したり換地したりしてもいい人は多い」と話した。
ただ、用地確保は地権者に具体的な事業や借地料を示さなければ協力は得られにくい。協議会メンバーらは「まちづくり会社」の設立準備を進めており、商業ゾーンで実施する具体的な事業を検討している。
土地は個人の権利のため調整が難しく、地権者に事業を示す6月までに残された時間は少ない。まちづくり協議会の菅原昭彦会長は「ハードルは高いが、誰かが新たな事業の核にならなければ震災前以上のにぎわいはつくれない。地権者に理解を求めたい」と話す。』
http://www.asahi.com/articles/ASH4B52KDH4BUTIL039.html
『東日本大震災の被災3県が、2016年度以降の復興事業に国の復興予算から必要だとした計8兆1千億円について、政府は4兆7千億円と査定していることが分かった。震災と直接関係のない内陸の道路整備などが含まれているとして、苦しい財政状況のなか厳密な審査をした。3県は復興との関連を訴えており、復興予算の枠組みが固まる6月にかけて議論が始まる。
15年度予算が成立したことを受け、竹下亘復興相は11、12の両日、岩手県と宮城県を訪れ、被災地の首長と復興予算について話し合いを始める。
国は、所得増税などで15年度までの5年間の「集中復興期間」に26兆3千億円の復興財源を確保した。すべて国費で負担するが、16年度以降は事業によって自治体の拠出を求める考えだ。』
津波被災 校舎新築遅れ相次ぐ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150409_73021.html
『東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島各県の小中高校で、校舎新築による再出発を決めた学校の建設計画に遅れが相次いでいる。高台など移転先の整備が伴うため、もともと時間を要するのに加え、入札不調が発生。復興のまちづくり自体が停滞するなど幾つもの困難が立ちはだかる。
3県などによると、校舎を新築する計30校のうち、再建できたのは8日に始業式があった陸前高田市の高田高を含め4校にとどまる。大船渡市では2016年4月の利用開始を目指していた越喜来小と赤崎小の計画が遅れる見込みだ。
このうち越喜来小については、ことし2月の建設工事の入札が不調となった。復興事業の本格化で型枠工、鉄筋工などの職人や資材不足が深刻化。労務費などの実勢価格は上昇が著しい。市は予定価格を最新単価に見直し、近く再入札を行うことにしている。
赤崎小は一部の地権者との用地交渉が難航した。岩手県収用委員会に昨年10月に土地収用を申請、半年近くたった3月下旬にようやく認められた。
市教委は両校とも16年度内の完成を目指すが、入札不調が続けばさらにずれ込む。「今が正念場。周辺自治体の入札状況も参考に万全を期す」(生涯学習課)と神経をとがらす。
まちづくりの足踏みも学びや再生に影響を及ぼす。
小中一貫校として新設する名取市の閖上小、閖上中は、開校を予定より1年先の18年4月に修正した。壊滅した地域の区画整理事業が遅れ気味のためだ。
造成した高台に移る陸前高田市気仙小。市教委は18年度後半以降の新校舎完成を見込むが、担当者は「岩盤地帯で切り崩しに苦労している。造成が順調でも、次は東京五輪がどう影響するか…」と気をもむ。
石巻市北上小は被災者の住まいとの兼ね合いから建設時期すら見通せない。校舎整備予定地に仮設住宅が建ち、今も入居率は84%に達する。市教委は「住民が次の住まいに移るスケジュールが定まらないうちは話を進められない」(学校施設整備室)と漏らす。
計画遅れのリスクを少しでも回避しようという動きもある。釜石市や宮城県山元町は小学校の校舎を、資材高騰や職人不足に影響されやすい鉄筋コンクリートではなく、木造設計にするなど知恵を絞る。』
<校舎新築遅れ>復興相「急ぐよう指示」
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150411_71013.html
『東日本大震災の津波で被災した岩手、宮城、福島各県の小中高校の校舎新築が遅れている問題で、竹下亘復興相は10日の閣議後の記者会見で、「(入札不調などの)原因に徹底的にメスを入れ、急ぐよう指示した」と述べ、対策を強化する考えを明らかにした。
竹下氏は「校舎新築が遅れているとの報道があり、非常に重く受け止めている。校舎新築は子どもの夢、希望であり、遅れた理由は復興する側の理屈だ。私自身、もっと早く気付くべきだったと深く反省している」と語った。
具体的な対策として「適正な予定価格にする積算方式の導入推進や、業者の相談窓口の充実を図りたい。復興庁の職員が現場に入り、自治体と連携を強めることも指示した」と説明。「子どもの夢を奪わないよう、しっかり対応するべき課題だ」と繰り返した。』
気仙沼・内湾、土地区画整理事業へ換地見直し
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150411_12011.html
『気仙沼市が内湾地区で進めている土地区画整理事業の一部で、市が換地先の見直し作業に入ることが決まった。市は換地案をいったん固めたが、地元の商業者から「商業ゾーン」と「駐車場」の用地確保を求める声が出たため、6月ごろから地権者と調整する。
地権者に換地の移動など協力を求めるのは、事業区域11.2ヘクタールのうち同市南町地区の1.2ヘクタール。地区に整備される海の見える道沿いに、スローフードをテーマにした商業ゾーンと公共駐車場(100台程度)の用地確保を目指す。
内湾地区の換地案は1月、市が昨年5月に実施した地権者への意向調査を基にまとまった。しかし、地元の商業者が「利用目的が決まっていない更地が点在し、歯抜けのまちになる」と換地調整を求めていた。
4回にわたって開かれた内湾地区復興まちづくり協議会の説明会では、換地調整の方針に異論は出なかった。対象エリアとなる南町3区自治会の鈴木武雄会長は「後継者がいない事業主が多く、土地を貸したり換地したりしてもいい人は多い」と話した。
ただ、用地確保は地権者に具体的な事業や借地料を示さなければ協力は得られにくい。協議会メンバーらは「まちづくり会社」の設立準備を進めており、商業ゾーンで実施する具体的な事業を検討している。
土地は個人の権利のため調整が難しく、地権者に事業を示す6月までに残された時間は少ない。まちづくり協議会の菅原昭彦会長は「ハードルは高いが、誰かが新たな事業の核にならなければ震災前以上のにぎわいはつくれない。地権者に理解を求めたい」と話す。』
テーマ : こんなことがありました
ジャンル : ブログ
福島原発事故1392
原子炉格納容器内部にロボ投入 溶融燃料調査の第1段階
http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201504/2015041001001195.html
『東京電力福島第1原発で10日、放射線量が極めて高い1号機原子炉格納容器にロボットを投入し内部調査を始めた。事故で炉心溶融した1~3号機の格納容器内にロボットが入るのは初めて。
10日は格納容器内の1階部分を半周回り、13日に残り半周を調べる。最終的には溶融燃料が大量にあるとみられる地下中心部の調査を目指しており、今回はその第1段階。調査の結果を踏まえ、本年度末以降に地下の調査に入る予定。
調査では格納容器の貫通部にある直径10センチ程度の配管から、長さ約60センチ、高さ約9・5センチの棒状のロボットを投入。』
原発調査ロボット、格納容器内を十数m進み停止
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150410-OYT1T50146.html
『東京電力は10日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器の内部を、ロボットを使って調査したが、ロボットは投入開始から約5時間後に移動できなくなった。
東電は原因を調べ、ロボットを回収できるか検討している。
炉心溶融した1~3号機の格納容器内にロボットを入れるのは初めて。今回の調査は、格納容器の底に溶け落ちたとみられる核燃料の取り出しに向け、格納容器内の状況を調べるのが狙い。
ロボットは、長さ60センチ、幅7センチ、高さ9・5センチの細長い形をしており、配管内を進んで格納容器1階に到達すると「コ」の字に変形する。ロボットは10日午前9時25分頃に投入され、格納容器内部を撮影したり、放射線量や温度を測ったりしながら1階部分を反時計回りに走行した。だが、午後2時9分頃、十数メートル進んで動けなくなったという。』
トラブルでロボット停止 第一原発1号機格納容器 溶融燃料調査で初投入
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122102
『東京電力は10日午前、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内にカメラや放射線量測定器、温度計を搭載した小型ロボットを投入し、内部調査を開始した。しかし、調査開始約3時間後の同日午後2時10分ごろ、何らかのトラブルでロボットが停止し、走行不能となった。東電によると、停止後も画像や放射線量のデータは送信されているという。停止した原因を調べている。
東電によると、格納容器の貫通部の直径10センチ程度の配管からロボットを投入。格納容器内の1階部分の半周約20メートルを往復して調べる予定だったが、往路の約3分の2を進み停止した。障害物にケーブルが引っ掛かった可能性があるという。
回収を進めたが、作業員の積算放射線量を考慮し、午後6時半に作業を中止した。東電は13日も同型の別のロボットで1階部分の残り半周を調べる予定だったが、停止したロボットの回収を含め、今後の作業を検討している。13日以降に測定したデータ、画像などを公表する方針。
事故で核燃料が溶け落ちた1~3号機で、格納容器内にロボットを入れて調べるのは初めてで、今回の調査は地下1階部分にあるとみられる溶融燃料(燃料デブリ)の調査に向け、周辺の状況を確認するのが目的。
ロボットは1階の床部分を走行して放射線量や温度、構造物の損壊状況を調査する。さらに、地下階への経路を調べて撮影する。
約40人の作業員が調査に参加し、線量が比較的低い場所でロボットを遠隔操作する。約2年前に1号機の格納容器内に測定器を入れて調べた際は、最大で毎時11シーベルトと極めて高い放射線量が確認された。』
福島第1原発 格納容器内部調査ロボット、不具合で停止(15/04/10)
都路で搬出開始 中間貯蔵 住民の生活地域から初
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122103
『東京電力福島第一原発事故による除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は10日、田村市都路町の仮置き場から大熊町の中間貯蔵施設へのパイロット(試験)輸送を開始した。試験輸送は大熊、双葉両町に次いで3市町目で、住民が生活する地域からの運び出しは初めて。
今回は住民の生活圏を通ることによる周辺環境への影響などを確認する。初日は大熊町に一番近い仮置き場の「新場々一時保管所」から10トンダンプカー4台で廃棄物計24袋を中間貯蔵施設内の一時保管場に搬入した。仮置き場では、除染廃棄物をクレーンでつり上げ、ダンプカーに積み込んだ後、車両周辺の放射線量を計測した上で運び出した。
試験輸送では、5月下旬までに新場々、地見城の両一時保管所から200袋ずつ、都路第1行政区(西戸その一)、都路第6行政区の両一時保管所から300袋ずつ計1千袋(1千立方メートル)を輸送する計画。1日当たり10トンダンプカー5台がそれぞれ2往復する。主に288号国道を利用して運ぶ。輸送時間は午前8時から午後5時半まで。
新場々、地見城、都路第1行政区、都路第6行政区の順で作業する。地見城は道幅が狭く10トンダンプカーが進入できないため、2トンダンプカーで新場々まで廃棄物を持ち込み、10トンダンプカーに積み替えて輸送する。
環境省は当初、8日から作業を開始する予定だったが、降雪のため、延期していた。』
小高の災害公営住宅起工 避難区域内の建設は初
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122099
『南相馬市が市内小高区東町のJR常磐線小高駅近くに建設する東町災害公営住宅の起工式は10日、現地で行われた。平成28年2月の完成予定。市が避難区域解除目標とする同年4月からの入居を目指す。
避難区域内での災害公営住宅の建設は県内で初めて。市、受注業者などから約40人が参列した。桜井勝延市長らがくわ入れなどをして工事の安全を祈願した。
桜井市長は「小高区の住民にとって大きな一歩。住民が生活再建できるように復興に取り組んでいく」とあいさつした。
住宅20戸と集会所1戸を整備する。敷地面積は7166平方メートルで、総工費は4億円。小高区にはこのほか、2カ所の災害公営住宅を建設する予定。』
野菜・果実2年連続下回る 放射性セシウム基準値
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122083
『(福島)県が平成26年度に実施した農林水産物の放射性セシウム検査で、本県(福島県)産の野菜・果実の全てが食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下となった。25年度に続き2年連続。県のセシウム吸収抑制対策などが奏功する形となった。ただ、東京電力福島第一原発事故による風評は根強いため、県はふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)などの機会を捉え、国内外へ安全性をアピールする。
野菜・果実は全食品群で最も多い258品目。25年度から23品目増えたが、5850点全てで基準値超ゼロを維持した。このほか、玄米、原乳、肉類、鶏卵、その他(樹実類など)も基準値を超えた検体はなかった。
県はこれまで、農産物が土壌中のセシウムを吸収しないよう、田畑にまくカリウムの購入費の補助制度を設けたほか、放射性物質で汚染された部分を取り除く剪定(せんてい)や苗の植え替え、樹皮の削り取りなどを進めてきた。県農業振興課は「農家の地道な努力が形になってきた」と成果を強調する。
さらに27年度からは、浜通りの産業再生に向けた福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環として、土壌中のカリウム濃度を管理するために新たに開発された機器「土壌センサー」の実用化を検討する方針だ。
◇ ◇
検査した全ての農林水産物のうち、基準値超の検体が占める割合は23年度が3・4%、24年度が1・8%、25年度が1・4%、26年度が0・4%で減少傾向が続いている。
基準値超えの検体数が最も多い水産物では、基準値超過の検体数が前年と比べて3分の1以下の75点と大幅に減った。山菜・キノコも基準値を超えた検体数が3分の1以下まで減少した。品目によって出荷制限がかかる範囲は異なるが、検査で基準値を超えた品目は出荷制限がかかるため、市場には流通していない。
県によると、県産農産物の市場価格は震災前と比べて1~2割下がったままとなっている。
県は風評の払拭(ふっしょく)に向け、ふくしまDC期間中に各種イベントを通じて安全性をPRする。集客力のある観光スポットで県産農産物の安全性や魅力を紹介するパンフレットなどを配布する。
海外への情報発信も強化する。5月にイタリアで開幕するミラノ国際博覧会(ミラノ万博)では、10月にブースを出展する。県産農産物を実際に味わってもらうほか、コメの全量全袋検査など安全確保の取り組みを紹介する。
長期的な検査体制の維持も課題になっている。県によると、年間1億8千万円の検査費用が必要だが、県の県民健康管理基金を取り崩して充てており、あと数年で底を突く。
県は国に財政支援を求めているが、厚生労働省は「検出されない品目が増えた」などとし、ガイドラインで検査対象の品目数を毎年減らしている。県の要望に応じるかは不透明だ。県は風評払拭のため27年度以降も検査の対象品目数を維持する考えで、県環境保全農業課は「安全安心の確保のために同じ規模で継続して検査を実施していく」としている。』
http://www.kahoku.co.jp/naigainews/201504/2015041001001195.html
『東京電力福島第1原発で10日、放射線量が極めて高い1号機原子炉格納容器にロボットを投入し内部調査を始めた。事故で炉心溶融した1~3号機の格納容器内にロボットが入るのは初めて。
10日は格納容器内の1階部分を半周回り、13日に残り半周を調べる。最終的には溶融燃料が大量にあるとみられる地下中心部の調査を目指しており、今回はその第1段階。調査の結果を踏まえ、本年度末以降に地下の調査に入る予定。
調査では格納容器の貫通部にある直径10センチ程度の配管から、長さ約60センチ、高さ約9・5センチの棒状のロボットを投入。』
原発調査ロボット、格納容器内を十数m進み停止
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150410-OYT1T50146.html
『東京電力は10日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器の内部を、ロボットを使って調査したが、ロボットは投入開始から約5時間後に移動できなくなった。
東電は原因を調べ、ロボットを回収できるか検討している。
炉心溶融した1~3号機の格納容器内にロボットを入れるのは初めて。今回の調査は、格納容器の底に溶け落ちたとみられる核燃料の取り出しに向け、格納容器内の状況を調べるのが狙い。
ロボットは、長さ60センチ、幅7センチ、高さ9・5センチの細長い形をしており、配管内を進んで格納容器1階に到達すると「コ」の字に変形する。ロボットは10日午前9時25分頃に投入され、格納容器内部を撮影したり、放射線量や温度を測ったりしながら1階部分を反時計回りに走行した。だが、午後2時9分頃、十数メートル進んで動けなくなったという。』
トラブルでロボット停止 第一原発1号機格納容器 溶融燃料調査で初投入
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122102
『東京電力は10日午前、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内にカメラや放射線量測定器、温度計を搭載した小型ロボットを投入し、内部調査を開始した。しかし、調査開始約3時間後の同日午後2時10分ごろ、何らかのトラブルでロボットが停止し、走行不能となった。東電によると、停止後も画像や放射線量のデータは送信されているという。停止した原因を調べている。
東電によると、格納容器の貫通部の直径10センチ程度の配管からロボットを投入。格納容器内の1階部分の半周約20メートルを往復して調べる予定だったが、往路の約3分の2を進み停止した。障害物にケーブルが引っ掛かった可能性があるという。
回収を進めたが、作業員の積算放射線量を考慮し、午後6時半に作業を中止した。東電は13日も同型の別のロボットで1階部分の残り半周を調べる予定だったが、停止したロボットの回収を含め、今後の作業を検討している。13日以降に測定したデータ、画像などを公表する方針。
事故で核燃料が溶け落ちた1~3号機で、格納容器内にロボットを入れて調べるのは初めてで、今回の調査は地下1階部分にあるとみられる溶融燃料(燃料デブリ)の調査に向け、周辺の状況を確認するのが目的。
ロボットは1階の床部分を走行して放射線量や温度、構造物の損壊状況を調査する。さらに、地下階への経路を調べて撮影する。
約40人の作業員が調査に参加し、線量が比較的低い場所でロボットを遠隔操作する。約2年前に1号機の格納容器内に測定器を入れて調べた際は、最大で毎時11シーベルトと極めて高い放射線量が確認された。』
福島第1原発 格納容器内部調査ロボット、不具合で停止(15/04/10)
都路で搬出開始 中間貯蔵 住民の生活地域から初
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122103
『東京電力福島第一原発事故による除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は10日、田村市都路町の仮置き場から大熊町の中間貯蔵施設へのパイロット(試験)輸送を開始した。試験輸送は大熊、双葉両町に次いで3市町目で、住民が生活する地域からの運び出しは初めて。
今回は住民の生活圏を通ることによる周辺環境への影響などを確認する。初日は大熊町に一番近い仮置き場の「新場々一時保管所」から10トンダンプカー4台で廃棄物計24袋を中間貯蔵施設内の一時保管場に搬入した。仮置き場では、除染廃棄物をクレーンでつり上げ、ダンプカーに積み込んだ後、車両周辺の放射線量を計測した上で運び出した。
試験輸送では、5月下旬までに新場々、地見城の両一時保管所から200袋ずつ、都路第1行政区(西戸その一)、都路第6行政区の両一時保管所から300袋ずつ計1千袋(1千立方メートル)を輸送する計画。1日当たり10トンダンプカー5台がそれぞれ2往復する。主に288号国道を利用して運ぶ。輸送時間は午前8時から午後5時半まで。
新場々、地見城、都路第1行政区、都路第6行政区の順で作業する。地見城は道幅が狭く10トンダンプカーが進入できないため、2トンダンプカーで新場々まで廃棄物を持ち込み、10トンダンプカーに積み替えて輸送する。
環境省は当初、8日から作業を開始する予定だったが、降雪のため、延期していた。』
小高の災害公営住宅起工 避難区域内の建設は初
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122099
『南相馬市が市内小高区東町のJR常磐線小高駅近くに建設する東町災害公営住宅の起工式は10日、現地で行われた。平成28年2月の完成予定。市が避難区域解除目標とする同年4月からの入居を目指す。
避難区域内での災害公営住宅の建設は県内で初めて。市、受注業者などから約40人が参列した。桜井勝延市長らがくわ入れなどをして工事の安全を祈願した。
桜井市長は「小高区の住民にとって大きな一歩。住民が生活再建できるように復興に取り組んでいく」とあいさつした。
住宅20戸と集会所1戸を整備する。敷地面積は7166平方メートルで、総工費は4億円。小高区にはこのほか、2カ所の災害公営住宅を建設する予定。』
野菜・果実2年連続下回る 放射性セシウム基準値
http://www.minpo.jp/news/detail/2015041122083
『(福島)県が平成26年度に実施した農林水産物の放射性セシウム検査で、本県(福島県)産の野菜・果実の全てが食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下となった。25年度に続き2年連続。県のセシウム吸収抑制対策などが奏功する形となった。ただ、東京電力福島第一原発事故による風評は根強いため、県はふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)などの機会を捉え、国内外へ安全性をアピールする。
野菜・果実は全食品群で最も多い258品目。25年度から23品目増えたが、5850点全てで基準値超ゼロを維持した。このほか、玄米、原乳、肉類、鶏卵、その他(樹実類など)も基準値を超えた検体はなかった。
県はこれまで、農産物が土壌中のセシウムを吸収しないよう、田畑にまくカリウムの購入費の補助制度を設けたほか、放射性物質で汚染された部分を取り除く剪定(せんてい)や苗の植え替え、樹皮の削り取りなどを進めてきた。県農業振興課は「農家の地道な努力が形になってきた」と成果を強調する。
さらに27年度からは、浜通りの産業再生に向けた福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の一環として、土壌中のカリウム濃度を管理するために新たに開発された機器「土壌センサー」の実用化を検討する方針だ。
◇ ◇
検査した全ての農林水産物のうち、基準値超の検体が占める割合は23年度が3・4%、24年度が1・8%、25年度が1・4%、26年度が0・4%で減少傾向が続いている。
基準値超えの検体数が最も多い水産物では、基準値超過の検体数が前年と比べて3分の1以下の75点と大幅に減った。山菜・キノコも基準値を超えた検体数が3分の1以下まで減少した。品目によって出荷制限がかかる範囲は異なるが、検査で基準値を超えた品目は出荷制限がかかるため、市場には流通していない。
県によると、県産農産物の市場価格は震災前と比べて1~2割下がったままとなっている。
県は風評の払拭(ふっしょく)に向け、ふくしまDC期間中に各種イベントを通じて安全性をPRする。集客力のある観光スポットで県産農産物の安全性や魅力を紹介するパンフレットなどを配布する。
海外への情報発信も強化する。5月にイタリアで開幕するミラノ国際博覧会(ミラノ万博)では、10月にブースを出展する。県産農産物を実際に味わってもらうほか、コメの全量全袋検査など安全確保の取り組みを紹介する。
長期的な検査体制の維持も課題になっている。県によると、年間1億8千万円の検査費用が必要だが、県の県民健康管理基金を取り崩して充てており、あと数年で底を突く。
県は国に財政支援を求めているが、厚生労働省は「検出されない品目が増えた」などとし、ガイドラインで検査対象の品目数を毎年減らしている。県の要望に応じるかは不透明だ。県は風評払拭のため27年度以降も検査の対象品目数を維持する考えで、県環境保全農業課は「安全安心の確保のために同じ規模で継続して検査を実施していく」としている。』
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