当地の海岸にほど近い里山、2mを越すかと思える大きな浜独活(はまうど)が、目に入ります、
暖かい海岸線近くの草地に生え、高さMax2.5mにもなる大きな物もあり、鬼独活(おにうど)とも呼ばれます。
茎は太くて直立し、上部で枝分かれし、枝先から複散形花序を出し、白色の小さな花を密につけます。
芹(せり)科、シシウド属の常緑多年草、本州、関東地方以西の海岸線近くに分布し、
別名 鬼独活(おにうど)と呼ばれ、食用にはなりません。
開花期は4~6月、花は直径約3mm位で大変小さい、
下の写真の、花を良く見ると、中央部の白いドーム状の、雄しべばかりが目立つ花、
写真の右下部分の、雌しべの花柱だけしか持っていない花と、2種類の花があります、
これは、雄しべと、雌しべの成長に、タイムラグを持たせ、自家受粉を防止する、花が持った知恵で、
雄しべだけの花は、雄性期の花で、雄しべが5本、この段階では、他の花に対して、花粉を放出するだけ、
花粉を放出し終わると、役目は終わり、雄しべは落下いたします、
雄しべが落下し終わると、花柱が伸びて来て、受粉可能な状態となり、写真右下の花が、その雌性期に入った花です。
花柱は2本、長さ約2mm、上方に伸びます。
この様な、雄しべを先に成熟させ、雌しべの成熟を遅らせ、時間差を持たせる花を、
雄蕊先熟花(ゆうずいせんじゅくか)と呼ばれ、こういう能力を身につけた花は、
桔梗科の花に代表され、多くの種類に見られます。
下の花は、開花直後の花で、雄しべだけが見られます、この段階では受粉能力はありません、
雄しべは花粉を放出し終わると、自然に抜け落ち、花柱が成長して受粉能力を持つようになります。
高さ2mほど、上部で枝分かれし、枝先に複散形花序、白色の小さな花をドーム状に密につけます。
茎は太く暗紫色を帯び、縦の筋が目立ち無毛、
葉は厚くて光沢を持ち、大型の1~2回3出羽状複葉、葉柄の基部は袋状に膨らみ鞘状、小葉は卵状楕円形、
縁は切れ込み細かい鋸歯が有ります。
メキシコ万年草
林道林縁の草地には、草丈の低い野草、万年草が繁茂しています、
万年草には、蔓万年草、丸葉万年草、雌の万年草、メキシコ万年草等がありますが、
葉っぱが松葉状のメキシコ万年草の様です、
未だ花がほとんど開花しておらず、疎らの状態です。
陽当たりの良い草地に生え、
茎はMax20cmまで、葉は鮮緑色で光沢が有り、長さ2cm位の線状楕円形、花茎に互生、
花は黄色で直径1cm位、花期は3~6月、本州以西に見られる、
弁慶草(べんけいそう)科、マンネングサ属の多年草です。
立浪草(たつなみそう)
雪ノ下(ゆきのした)
ヒペリカム・アンドロサエマム
金糸梅(きんしばい)
未央柳(びょうやなぎ)
山中の、この大木、水木(みずき)の木は、樹高も大きく、花を付けた時期の樹形は印象的です、
この時期、大きな樹幹に、階段状に白い花を咲かせている木は、大概この水木の木で、良く見掛けます、
水木(みずき)科、ミズキ属の花で、
同じ仲間の、花水木が終わり、山ボウシ、次に、この水木と次々と初夏の花に移行しています。
大木の木に似合わず花は小さく、密集するので、遠目にはスイカズラ科ガマズミ属の、ガマズミやゴマギに似ています、
水木の花は、枝を水平気味に張り出し、枝を扇状に四方に広げ、階段状の特徴ある花姿の樹形となります、
葉の側脈は平行に走り、ミズキ科の特徴を持ち、互生します。
5月~6月頃、枝先に散房花序を出し、直径7~8mm程の小さな白い花を、15cm位のドーム状、
純白の花は合弁花、花弁 4枚、雄シベ 4本、葯の色 薄茶色、
枝一杯に咲く純白の花は、葯の薄茶色が目立ち、僅かに色づいた薄い黄色に見えます、
樹液が多い木で、春に枝を切ると、樹液が水のように滴り落ちる様子から、名前の由来になっています。
枝一杯に咲く純白の花は、葯の薄茶色が目立ち、遠目では僅かに色づいた薄い黄色に見えます。
小さな花は、ドーム状に密集し15cm位の花序を形成し、ほんのり甘い匂いが感じます。
純白の花は、花冠筒の短い合弁花、花弁 4枚、雄シベ 4本、雌しべ 一本、葯の色 薄茶色、
それ程強い匂いではありませんが、ほのかな甘みの香りに誘われてか、昆虫、アリが沢山集まっています。
苦参(くらら)
山地に入り、林道の切れ目の草地には、豆科の植物が競いながら繁茂しているのが、目に入ります、
この場所の、草地の中で、一際背丈が大きな植物は、苦参(くらら)です、
陽当たりの良い山地の草地、河原などに見られ、
1.5mの草丈を直立に伸ばし、花の時期は、茎先に総状花序を付け、大きくしなりますので目立ちます、
豆科、クララ属の多年草で、本州~九州に掛けて分布します。
草丈は大きく、茎は円柱形で毛が生えて、Max 1.5m位、
茎先に、長さ10cm~20cm位の総状花序、淡い黄緑色の、長さ15~20mm位の蝶形花を多数付けます、
葉は奇数羽状複葉、互生、小葉の数は15~35枚位、小葉は狭卵形~長楕円形、鋸歯は持ちません、
開花時期は5月~7月。
梅雨の中休みの快晴の休日、のんびりトレッキングです。
深山黄華鬘(みやまきけまん)
山地の草原地帯は、、山野草で一杯、
この一帯には、深山黄華鬘(みやまきけまん)が、群生しています、
山野(深山)に生える黄華鬘の仲間で、花は可愛いくても、ケマンの仲間は有毒植物なので要注意です、
草丈Max50cm、茎の上部に黄色い花を総状花序に付けます、
華鬘(ケマン)と言うのは、仏殿に飾られる造花状の花の飾りのことで、この飾りに花の形が似ている所から、
山野(深山)に咲く黄色のケマンと言うのが、和名の由来の様です、
芥子(けし)科、キケマン属の越年草、花期は4~6月、
花言葉 祈りある生活。
草丈は50cm前後、根元から良く分枝し、葉は、3出複葉で羽状に2~3裂けます、
茎上に、長さ4~10cmの総状に花序を付け、
花は、長さ20mm前後、筒状の花弁端が唇状に裂けた、やや長い黄緑色の花を穂状に多数付けます。
キケマンは、種子が2列に並びますが、1列の並びの様子から深山黄華鬘(みやまきけまん)と見られます。
この時期、山地に入ると、意外に良く目にするのが、吸葛(すいかずら)の花、
この吸葛(すいかずら)は、藪の中、蔓を伸ばし花を咲かせています、
咲き始めは白い花で、次第に黄色の色に変化し、あたかも2色の花が咲いている様に見える山野草です、
花は唇状に大きく2裂し、上唇弁は上側に反り返り先が4裂、下唇弁は下側に反り返る、2唇弁の独特の花形です、
近くを通りかかると、軽いジャスミン系の香りに気が付く、お決まりの花です。
花には芳香が有り、長いシベが花冠前面に付きだし、軽やかな花姿です。
金銀花(キンギンカ)と言う別名を持ち、
花が開花直後は白色で、徐々に黄色くなる過程を、金色と銀色の花に例えた事に語源がある様です、
花は2個ずつ並んで咲き、同じ仲間にハニーサックルやツキヌキニンドウがあります。
吸葛(すいかずら)は、耐寒性、半落葉蔓性低木、開花時期5月~6月、
花径凡そ3cm、花色白、黄色、筒状唇形花冠、
花言葉 「愛の絆、献身的な愛、友愛」
山野で見られる、吸葛(スイカズラ)科、スイカズラ属の花で、北海道の南部~九州にかけて分布しています。
枝先の葉腋に2個ずつ花を咲かし、甘い芳香を放ちます、
花弁は細長い筒状唇形花で上下に2深裂の長い花筒を持ちます、
花冠の、上唇弁は先が浅く四裂し上側に反り立ち、下唇弁の1枚は下側に曲がり込みます、
雄しべ5本、雌しべ1本、花柱先端の柱頭は太いです。
香りの強度は、登山道を歩いていても、近ずくにつれ、香りが漂っていますので、花の存在は直ぐに判ります、
離れた場所で臭う感じは、上品なジャスミン系に感じます、
花に、鼻を近づけて嗅いでみると、軽いジャスミンと、軽いレモンみたいな柑橘系の香りが混在し、爽快さが鼻に残ります、
ジャスミンの花程、香りは強く無く、軽い柑橘系が混じる所為か、爽快なイメージが新しい発見です。
花は、開花直後は純白、時間の経過により、下の写真のような、純白から、黄橙色に変化して行きます。
牡丹(ぼたん)
アリウム・トリケトラム
紫蘭(しらん)
ピラカンサス
今年も睡蓮の咲く季節を迎えました、ここの睡蓮池には、四種類の睡蓮が見られます、
ここでは、顔なじみの写真マニアの仲間と良く顔を合わせますが、行った時間が遅く皆帰った後のようです、
皆さん朝早くに出掛けられるようで、執念が違うようです。
ピグマエア・ヘルボラ
巨椋河骨(おぐらこおぼね)
睡蓮(すいれん)
未草(ひつじぐさ)
登山道には、この時期、駒繋ぎ(こまつなぎ)の花が繁茂し大変良く見られます、
駒繋ぎ(こまつなぎ)は、豆科、コマツナギ属の落葉小低木で、
本州から四国・九州に分布し、日当たりの良い山野で、ごく普通に良く目にする花です。
駒繋ぎ(こまつなぎ)は、樹高Max1.5m迄、それ以上は大きくしなり3mくらい迄、枝を伸ばします、
葉は奇数羽状複葉、長楕円形の小葉を7~13枚持ち、夜になると閉じます、
6月から9月に掛け、葉腋から円錐花序を茎より上向きに出し、小さな淡い紅紫色の蝶形花を房状に咲かせます、
花房長さは5~6cm、色は淡い紫系ピンク色の愛らしい花、
名前の語源は、
根が地中に深く、引っこ抜き難く、茎が丈夫で、駒(馬)を繋げられるほど丈夫だと言う、また、
山萩に似た、この葉や花を、馬が好んで食べ、この場から引き離そうとしても、
なかなかこの場から離れないので、この名前がついたと言われ、
名前の由来も面白く、語源も色々です、
花言葉 希望を叶える。
同じ豆科の萩の花に似た、茎より上向きに花穂を伸ばし、小さな薄紅紫色の蝶形花を穂状に付けます。
靫草(うつぼぐさ)
当地の里山、土手沿いの傾斜地は、靫草(うつぼぐさ)が沢山見られる場所ですが今年は少し違っていました、
例年この傾斜地には一面の靫草(うつぼぐさ)が見られますが、当日気が付いたことは、
数週間前に、どうも下草刈りを行った形跡があり、例年の1/10にも満たない疎らな姿しか確認できません、
それでも生き残ったり、刈り取られた草の下には、傷ついた花が疎らですが見られます、
こればかりは、何ともし難い思いが過ぎります。
里山の登山道の林下には、随分長い区間で、白い花が落下しているのに気づきます、
この時期、先入観で空木の花だと思っていましたが、
木は大きく、葉っぱも葉端が3裂し、切れ込みのない葉もあり、日本油桐(にっぽんあぶらぎり)の様です、
林下の日本油桐(にっぽんあぶらぎり)は、樹高が15mにも為る大きな木で、手頃な高さの位置の花を、見つけられません、
諦めて歩を進めていると、案外見つかる物で、崖の途中から伸びている木が、手を伸ばせば届く位置の枝があり、
これ幸い労せず撮らせて戴きました。
灯台草(とうだいぐさ)科、アブラギリ属の落葉高木、別名 オオアブラギリ、
昔は種子から油(桐油)を採るために栽培されていた様です、
桐油は、和紙に染み込ませた後、油紙として傘や提灯、雨合羽などに使われたそうで、
実は毒性があるために食用にはならず、材は床板、下駄材などに使われて来たそうで、
古くは、西日本で広く栽培されたそうですが、現在は栽培熱は下がり、見られるのは自生の木に限られるようです、
15mにも為る大きな木で、我が国の本州、中部地方以西から四国・九州に分布しています。
葉は卵形から広卵形で浅く3裂、縁には鋭い鋸歯が有り、
5月から6月に掛け、枝先に円錐花序を付け、直径2cm程の白い花を咲かせます。
果実は扁球形の堅果で、種子からは桐油が採られます。
登山道で、黄色の花が、点々と疎らに咲いているを見られます、
花は、羽衣素馨(はごろもじゃすみん)に似ており、カロライナジャスミン程の華やかさはありません、
黄色のジャスミン、黄素馨(きそけい)みたいです、
花の時期に早いのか、花数は少なく、ジャスミンほどの強い香りは感じません。
木犀(もくせい)科、ソケイ(ジャスミン)属、樹高1.5mの耐寒性常緑低木、
葉っぱは、奇数羽状複葉で互生、小葉は卵状長楕円形で3~7枚、枝先に良く分岐します、
花期 5~7月、枝先に散形花序を出し、花径2~2.5㎝程の、黄色い漏斗形の花を多数つけ、枝に良く分岐し下垂します、
花が黄色い、素馨(そけい)を指し、素馨(そけい)とはジャスミンの事で、
別名 イエロージャスミン
花言葉 優美、恩恵と優美、優雅。
宝鐸草(ほうちゃくそう)
登山道沿いに、宝鐸草(ほうちゃくそう)の群落が続いています、
寺院の軒先に掛かっている大型の風鈴{宝鐸}に似ている所が、名前の由来と言われ、
釣り鐘状に垂れ下がる可憐な花は、
長さ25~30mm、花の色は白く、花冠端が淡い緑色、
枝先に1~3個の花を付け、花冠は全開することはありません、
百合(ゆり)科、チゴユリ属、花期 5月、山地に生息する多年草です。
鳴子百合(なるこゆり)
山中では、上記、宝鐸草(ほうちゃくそう)に並び鳴子百合(なるこゆり)も多く見掛けられます、
宝鐸草(ほうちゃくそう)よりも茎が高く、50~90cmになり、茎は円柱形で花が付くと、弓状に大きく弧を描き、しなります、
葉は披針形で長さ10~15cm、茎上に2列に互生し、
葉腋から1本の花柄を出し、花柄の先が枝分かれし、その先に緑白色で長さ2cmほどの花を数個下垂させます、
花披は合着した筒状花、花冠は先の方が色が濃く、緑色を帯び、全開することはありません、
花床部と花柄の接点に膨らみがあり、甘野老(あまどころ)には、この膨らみは無く、つるんとしています、
花期は5~6月、花後の果実は、暗緑色の球形の液果を熟します。
名前は、田畑を荒らす鳥や獣を追い払う、小さな板を並べて、ぶら下げた「鳴子」に見立てたのが語源です。
概して山地の林下に自生が見られ、百合(ゆり)科、ナルコユリ属の多年草、本州~九州の山地の林下に分布しています。