もう10日も前になるので、記憶も薄れてきましたが
国立西洋美術館で開催していた『キュビズム 美の革命 展』へ出かけてみました。
パリのポンピドーセンターが、オリンピックの後5年間の工事に入るので、惜しげもなく沢山の
この時代の絵画を貸し出してくれたのです。

50年に一度のキュビズム展ということで、この後これだけ見ることは私の生きている間は無かろうと
見るチャンスだったのです。
20世紀初頭セザンヌが近代絵画の父と云われるようにピカソやマティスに影響を与えたと云われています。
始まりは、今回、画の展示は無かったのですがポール・セザンヌのリンゴの絵に
視点がいくつもある絵がありましたよね?
あれらがピカソに強い影響を与えたとか。
パブロ ピカソの「女の胸像」
(この絵が今回最高にかっこいい)
この絵と下の・・・・

ロベール ドローネーの「パリ市」の絵が今回の展覧会のパンフレットになっていました。

キュビズムの始まった20世紀初頭は色彩を押さえたものから始まり
段々に色彩を加えたものになっていったようです。

絵の題名と絵が離れたら、どれがどれだか分からない位
素人には訳の分からない絵がありました・・・・


この立体・・円柱とか円錐や四角張った立体で、絵が描かれていくには
当時としては受け入れがたい批評もありましたが、流れとして変遷を重ねながらやがて段々と
美術界にも受け入れられて、今では絵画の世界から服飾の世界のサンローランにも流れたとありました。
絵画の世界だけでなく、服飾や建築にも影響が飛び火して
だから、展覧会の副題が美の革命とついたのかな?
機能的、合理的な造形理念に基づく建築やファッションやインテリア等など
にもキュビズムが大きく流れていったということです。

キュビズムの解説イヤホンは山田五郎さんのキュビズムトークもありでしたが
それがYouTubeに
あると思いますので、興味ある方は参考になると思います。


第一次世界大戦を経て、キュビズムの絵にもだんだんと色彩が入ってくるようになりました。


時代とともに変革を重ね分岐し、モダニズムへと発展し世界に広まっていきました。


展覧会最後の絵は鮮やかな色彩と幻想的なマルク・シャガールの「ロシアとロバとそのほかのものに」
シャガールの初めの頃の絵にキュビズムがみえるが、シャガールは何にも所属したくなかったとか・・・

ピカソは初めの頃、アフリカの造形物に「あれこそが!本物の美!」と、傾倒したといわれて
こんな像も展示されていました。
こういう、やや単純化された三次元のものから、インスピレーションを感じたのかもね。

私も昔はキュビズムのどこがいいのか?、ピカソは好きじゃない・・・分からないと
思って長年来ましたが、この頃は、自分の家の飾る絵は抽象画がいいとも
思うようになりましたので、これも歳を重ねたからか、分かることと思い
帰ってきました。
ここ上野の世界遺産・国立西洋美術館本館の設計は、
20世紀モダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエです。
まさしくキュビズムからの流れを受けたその人が設計した美術館で
今回の展覧会が開催されたのでした。