シュークリーム 「高木デザート工房」 巣鴨
夕方、シュークリームとコーヒー(合わせて580円)を注文してマダムと話をしながらいただきました。マダムがおっしゃる通り、甘さが控え目でした。コーヒーに手をつけず、シャンティを丁寧に舐めました。生地にも趣があります。食べていると愛おしさが募ります。くどくない。いくつも食べられそうです。シュークリームってどちらが主食でどちらが副食なのでしょうか。生地が主で、クリームが副か? イヤ、クリームは生地に包ま...
続きを読む「冬の旅」 辻原登著
主人公、緒方という薄幸な若者の人生を描いています。専門学校を卒業して餃子の専門チェーン店に就職したが、店長の誤解から解雇される。その後、新興宗教の事務局に就職したがクビ、結婚した女性は失踪、阪神大震災と緒方の身に不幸が襲いかかる。乾いた文体で、主人公の不幸を執拗に描きます。リアリティを感じるのは、丹念に現実を見る目を小説の中に確認したときです。阪神大震災の時、被災地に真っ先に駆けつけたのは広域暴力...
続きを読むパンケーキ 「カフェ コンバーション」 北千住
以前、草加にある本店で食べたパンケーキが美味しかった。北千住にもお店を出したと聞いて訪問しました。駅前の本通りを日光街道の方に行き、旧日光街道を左折、しばらくして右折した路地にあります。民家を改造した趣があります。テーブルと椅子は小学校から持ってきたようです。床は歩くとぎしぎしと音を立てる。いい感じです。店構えよりも、味で勝負しましょ、という感じかな。滞在中、アラサーの独女ばかりが3人入りました。...
続きを読む天丼 「河原のあべ」 曳舟
東武伊勢崎線の曳舟駅で下車し、水戸街道をめざしました。そこから隅田川に向かい、弘福寺へ。お寺さんの前にあります。歩いて15分ほどかかってしまいました。後で、交番で尋ねたら東京スカイツリー駅からの方が近いらしい。この店は特製野菜天丼(1600円)で有名。一度、食べておかなくては。別の大きなテーブルにいくつもの大皿が乗っています。惣菜は自由に食べてくださいとのこと。卵焼きだけを小皿に取って待ちます。オ...
続きを読む釜飯 「鳥ぎん 本店」 銀座
ランチタイムに7人で訪問しました。「焼き鳥と釜飯のセット」を注文。鳥、五目、カキなど釜飯の内容にもよりますが、ひとり1300円~1500円の間でした。ごくごく平均的な釜飯の味でした。...
続きを読む「緑衣の女」 アーナルデュル・インドリダソン著 (東京創元社)
一昨年、初めて日本で刊行された著者の「湿地」はミステリのファンに大うけした作品だった。日本で刊行される著者の作品は、本作で2作目。これまで各国語に翻訳され、10年間で1000万部近く売れているとのこと。「緑衣の女」は3つの視点から描かれる。テーマとなるアイスランド、レイキャビック近郊で発見された人骨の正体を追う男性刑事、次に、男性刑事の家庭問題、3点目は人骨を追及してゆくうちに描かれる第二次世界大...
続きを読む「イル コルネット」 群馬県立館林美術館(館林)
群馬県立館林美術館へは多くの訪問者がありました。12時25分に食堂に並びました。すでに長い列です。遠くから食堂内を検分すると、テーブルの数は10くらいしかない。「かなり並びそうだな」と、覚悟しました。ぼんやりと立っているのもつまりません。看板を見ました。「ハッシュト・ビーフ」と「カレー」の2種類が食べられるらしい。サラダ、ご飯付きで1155円か。「かなり並びそう」と思いますが、心の中では「「列よ、...
続きを読むエクレア 「サロン・ド・テ・ロンド」 国立新美術館、六本木
六本木を散策して緑が濃い場所に国立新美術館がありました。いくつかのカフェも併設されていました。ここは天井が高いので開放感がありますね。絵は見なかったのですが、そこでワタシはエクレア。友人はキャラメル・ポワールを楽しみました。太陽がふりそそぎ、冬なのに上着を一枚脱ぎ、シャツ一枚となっても頭がボーっとするような太陽の熱を感じました。ケーキを食べ、コーヒーを味わい、ホカホカとした気分でゆったりしているな...
続きを読む「震える牛」 相場英雄著 (小学館)
あなたが全国チェーンのレストランに入って「牛肉100%のハンバーグ定食」を注文したとします。注文して、5分以内にアツアツのハンバーグが鉄板の上でジュージューいいながら運ばれてくるシーンが登場します。本書では、老廃牛のくず肉、内臓、それに玉ねぎ類と血液、代用肉(食用油を抽出したあとの脱脂大豆)をいれ亜硫酸ソーダ水溶液を混ぜ、亜硫酸ガスを加え、ミキサーにかけ、合成香料、甘味料、化学調味料を加えたものだ...
続きを読む天丼 「魚新」 西麻布
「魚新」のかき揚げ丼は美味しいと有名です。訪問しなくてはとじりじりしていました。友人と2人で訪問しました。安に違わず、このかき揚げ天丼(1890円)は一味違いました。かき揚げとご飯を上手く箸でつまんで口に入れた途端タレが染みてゆきます。かき揚げが優しい。ご飯もよく炊けています。天を仰ぎ、感動し、かき揚げとご飯をさくさくと口にいれ、一気に食べてしまいました。天丼って最後の方になると油でもたれますが、...
続きを読むアップルチーズケーキ 「ロータス」 表参道
神宮前4丁目にあるロータスは比較的安価にコーヒーを提供してくれる店として各年代の人々に愛されています。表参道駅を出て、ぶらぶら歩いていると、ちょうど中年の男性と歩調があいました。「神宮前4丁目って、風情がありますね」「昔の建物が残っているのですよ」男性はワタシの八の字眉毛を見て、安心したのか答えてくれました。「ここに住んでいるのですか?」「近くですよ」「いいところに住んでいますね」「どこへ行くので...
続きを読む「もっとも暗い場所へ」 エリザベス・ヘインズ著 (早川書房)
内容の濃さ、描写のリアルさ、そしてテーマは今一番の問題 ― つまり理想の恋人と強迫神経症驚 ― ですからイギリスでベストセラーというのも納得がゆきます。主人公の女性、キャシーはクラブで理想の男性に遭遇します。金髪、青い目、日焼けした顔のリーです。二人は逢瀬を惜しんで会うようになります。だが、女性の自宅に不可解で神経を逆なでするようなことが連続して起こります。そして恋人に自由を暴力で束縛されるようにな...
続きを読む紫芋のムース 「珈琲物語」 北千住
猜疑心が強く、そのうえネクラで小心ですから初めて入るカフェというのは緊張します。北千住は日光街道近く、脇道を入ったカフェですからそれほどコチコチになって訪問しなくてはいいのですが、この店は高根の花ではないかなと……。それでしげしげと店頭に貼ってあるメニューをチェックしました。ケーキセット、いくらかな? 背中を丸めてメニューなんぞに顔を近づけます。「紫芋のムース」とコーヒーを注文しました。首を回してテ...
続きを読む「歪んだ忌日」 西村賢太著 (新潮社)
芥川賞を受賞した西村賢太の小説は日本語の妙とアンチどんでん返しを主張する構成の巧みさにあります。受賞直後に刊行された小説も、現実の世界を巧みに虚構の物語に換え、読者を手玉に取り、「騙された!」と歯ぎしりさせてきました。本書には短編6作が掲載されています。「歪んだ忌日」、藤澤清造の歿後弟子を名乗る貫多が、師匠の命日に北陸にある墓前に通います。すっかり有名になった貫多の周囲を野次馬やマスコミが追いかけ...
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