ゴールド投資の記録 2024年12月01日
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ゴールド投資の記録

 まもなく到来する石油生産のピークアウトは経済や金融システムを崩壊の危機に直面させることになるでしょう。だとしたら、私達は長きに亘って発展してきた文明社会の頂点に立っているという事であり、この先世界を待っているのは長い黄昏の時代です。数百年に一度の激動期、ゴールドは輝きを放つのでしょうか?

ピーク後の金融システム持続性を考える(4)

ピーク後の金融システム持続性を考える(1)
ピーク後の金融システム持続性を考える(2)
ピーク後の金融システム持続性を考える(3)

つづきです。


 先日、米国の連邦債務が36兆ドル(5,417兆円)を突破しました。

 ピーク後の金融システム持続性を考える(1)の試算では、経済が縮小へ向かうとGDP比債務が爆発的に増えていくことを予想しました。

3年後:548%
6年後:737%
9年後:1,105%
20年後:3,635%
29年後:9,093%
40年後:32,501%
80年後:1,185,525%

 そして前回の記事で、金融システムは経済が成長し続ける、かつ借金が増え続けることを前提とする仕組みのため、成長が止まると民間が新たな借金をしなくなる為、代わりに政府が債務の増加を引き受けざるを得なくなる事を説明しました。つまり今後、爆発的に増加する債務を担うのは政府となるでしょう。

 ここで指摘しておきたいのは「政府は通貨発行権を持っていない」という点です(硬貨は除く)。政府が借金をしようとすれば国債を発行して市場から資金を調達することになります。これだけの国債を市場で全部消化するのは無理ですから、国債を買い取るのは中央銀行が主体となるはずです(現在、FRBの保有国債は4.3兆ドルで、国別保有残高トップの日本1.2兆ドルを大きく引き離しています)。

 ところで米国の中央銀行であるFRBは、国際金融資本が出資・設立した民間の株式会社であって政府機関ではありません。株式会社とは株主のために利益を追求し続けるのが目的の集団であり、彼らが得ている利益とは基軸通貨ドルの通貨発行権からもたらされる通貨発行益です。通貨発行益とは貸付金利から預入金利を差し引いた長短金利差のことで、この事実上、地球上で最大の権益と考えられます。通貨発行権とその利益は国家に帰属すると誤認されていますが実際は銀行が有しているのです。

 もともと国際金融資本は「本当は持っていないゴールドを持っていると錯覚」させて、「ゴールドとの交換を保証した紙の金証券を貸し出し、その金利を受け取る」という詐欺的な生業、ゴールドスミスが源流です。ゴールドスミスは戦費調達に苦しんでいた英国王に低利で資金を貸し付けて信頼を獲得。その後通貨ポンドの発行権独占を認めさせ、イングランド銀行を設立するに至っています。

 話を戻すと、経済成長が止まったら政府は損を承知で借金を増やそうとするでしょう。だけどFRBは今までのように国債を引き受けるのでしょうか?先ほど国際金融資本の目的は通貨発行益を得ることが目的だと書きました。しかし経済成長が止まる、あるいは縮小へ向かうというのは本質的には通貨発行益が消滅してしまったことを意味します。FRBは自らの利益を追求する民間資本の株式会社であって政府の一員とは違うのですから、政府との利害が一致しなくなっても尚、協調して行動するのでしょうか。もしそうでないなら彼らはどう行動するのでしょうか。


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プロフィール

GC

Author:GC
2002年からゴールド投資を始める。2015年まで米国株メインでしたが、現物ゴールドを中心にポートフォリオを再構築しました。2021年新型コロナの渦中に地方移住を決断し、自家菜園やオフグリッドを模索中。2024年9月自主退職。

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